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デジモンストーリー タイムストレンジャー

【でじもんすとーりー たいむすとれんじゃー】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション5
Xbox Series X/S
Windows(Steam)
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
開発元 メディア・ビジョン
発売日 【PS5/XSX】2025年10月2日
【Win】2025年10月3日
定価 8,100円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:C
判定 なし
ポイント 「デジモン」ゲーとしては過去最高のボリューム
RPGとしては低品質な要素多め
デジタルモンスターシリーズ


概要

物語の舞台は日本・東京。
超常現象の調査、解決を専門とした秘密組織“ADAMAS” のエージェントである主人公は、
政府によって封鎖された新宿で未知の生物「デジモン」と出会い、調査を進める中で謎の爆発に巻き込まれてしまう。
気がつくと、世界は8年前に戻っていた―
(公式サイトのあらすじより)


  • 『デジモンストーリー』シリーズ6作目にして、前作『サイバースルゥース』以来10年ぶり、『ハッカーズメモリー』から数えても8年ぶりとなる完全新作。
    • 好評を得た前作から基本的な作風を引き継いでいる一方、SF的世界観であった前作と違い、デジモンたちの世界「デジタルワールド」を舞台とするのが特徴。
    • また本作はタイトルからも分かるように「タイムトラベル」を題材としており、過去へ未来へと時をまたいでの壮大なストーリーが展開される。

特徴

システムは概ね前作『デジモンストーリー サイバースルゥース』を踏襲。変化のあった部分のみ記述を行う。

  • パーティ編成における「メモリ」は廃止。パーティのメモリ上限や、各デジモンのメモリ容量を気にする必要が無くなった。
    • それに伴い、パーティメンバー数もバトルメンバー3体+リザーブメンバー3体の6体編成で固定に。
  • 戦闘システムは前作と同じくアクティブターンバトル制。ただし本作では1ラウンド内に行動できる回数は1回だけとなり、素早さを上げても連続行動は出来なくなった。
    • しかし強敵は例外で、多くのボスは1ラウンド中に2~3回行動してくるものが多い。
  • 「種族」の三すくみは前作と同様。
    • 一方の「属性」は大きく仕様が変化しており、前作のような定型の属性相性は廃止され、本作の属性耐性はデジモンごとに異なる。
    • また新たな要素として「因子」が追加。
      • 例えば鳥型デジモンには「鳥」、天使型デジモンには「天使」といった「因子」が設定され、特定のスキルは相手のこういった「因子」によってさらにダメージ倍率が上昇する。
  • 「サポートスキル(SS)」は廃止。代わりに全デジモンがランダムで習得可能な「性格スキル」が登場している。
  • 戦闘中、行動を起こすたびに貯まる「CP」という概念が追加。
    • CPを最大まで貯めると、主人公の特殊行動「クロスアーツ」を発動可能となる。
      • 簡単に言ってしまえば主人公の必殺技であり、種類も「味方全体にバフ」「味方のHP/SPを大幅に回復」「敵に大ダメージ」と様々。ただし戦闘中に変更する事は出来ず、戦闘中使えるのは予めセットしておいた1つのみ。
  • 「デジファーム」は仕様が大幅に変更。アイテムを開発してもらう機能は廃止され、専ら「特訓」によってデジモンのステータスを伸ばすのみの施設となった。
    • また前作ではステータスの増強量に制限がかかっていたが、今作ではこの制限が撤廃。全てのデジモンをカンストまで「特訓」できるように。
    • どんな「特訓」を選んでも「友情値」は減少しなくなり、また「友情値」を上げるアイテムをプレゼントしやすくなったことで、友情値を簡単に伸ばす事も可能になった。
  • 育てたデジモンを戦わせるオンライン対戦機能は廃止。本作は完全にオフライン専用ゲームとなっている。

評価点

  • デジモンを題材としたキャラゲーとしての、順当なグレードアップ
    • 『サイバースルゥース』では約240体、『ハッカーズメモリー』では約330体だった登場デジモンが、本作では更に100体以上増加し450体を超える登場数に。
      • 色違い・コンパチ的なデジモンもそれなりには多いが、ここまで多数のデジモンが登場していれば、それも最早ほぼ気にならないレベルである。
    • 過去最大数のデジモンたちが、(発売当時)最新のグラフィックで、作り込まれたモーションを見せてくれる。これだけでも『デジモン』ゲーとしては高評価と言える。
      • アニメにも登場したデジモン達がまだまだ登場していないなど、デジモン選出についての不満意見は依然として見られるものの、この手のキャラゲーでは仕方がない物として割愛する。
    • また本作ではフィールド上でのデジモン連れ歩きが可能となっており、お気に入りのデジモン達と各地を旅する体験が出来るのも長所。
      • デジモンたちの暮らすデジタルワールドも表情豊かに表現されており、デジモンの世界を駆け抜ける楽しみも存分に味わう事が出来る。
  • もちろん、デジモンの種類が豊富なためコレクションのボリュームも盛りだくさん。
    • 一通りシナリオをクリアした後も楽しめるチャレンジ要素や2周目要素も用意され、デジモンをコンプするまで、あるいはコンプした後の遊びの要素がきちんと用意されている点も嬉しい。
    • デジモンならではの「進化/退化」システムが楽しめる点など、前作の評価点もほぼ据え置き。本記事で言及していない部分は本当に前作の記述の繰り返しとなるので、基本的には前作の記事を参照して欲しい。
  • デジモン管理システムの改善
    • デジモンの所持数上限が前作300までだったのに対し、本作では999体に。
      • しかも前作で言う所の「デジラボ」にわざわざ出向かずとも、その場でボックスと手持ちを入れ替える事も出来るようになった。
      • 前作ではボックス拡張にアイテムが必要だったところ、本作ではそれも不必要。最初から潤沢なボックス容量を用い、好きなようにデジモン育成が出来るようになっている。
    • また、デジモンのコンバートや、進化・退化も同じくその場で可能に。
  • 快適な戦闘システム
    • ランダムエンカウントだった前作からシンボルエンカウントへと変更。
      • 出現するデジモンをある程度選別できるようになったほか、面倒であれば戦闘自体をある程度無視して進む事も可能になった。
      • また、フィールド上の敵シンボルにアタックする事で先制が取れたり、弱いデジモンであればフィールドアタックだけで処理できるようにも。
    • 戦闘のテンポも全体として軽快に調整されており、フィールド上からの戦闘移行や攻撃モーション等もスムーズ。
      • 戦闘スピード自体も、等倍から最大5倍までプレイヤーが自由に調整可能。戦闘スピード5倍だとデジモンごとの固有スキルも演出スキップされるため、非常にサクサクと戦闘が進む。
  • 前作よりは改善された戦闘バランス
    • 「相手の耐久力を無視するスキル」が廃止。このスキルの有無で露骨に性能差がついてしまう事が無くなった。
    • 全体的なスキル威力も調整され、前作のように「必殺技(本作ではスペシャルスキル)」一辺倒という事は無くなり、汎用スキルの活躍する機会が増えている。
  • まとまりのあるシナリオ
    • 細かい部分では粗も多い(後述)とは言え、適度にメリハリもありつつ意外な伏線、王道の燃える展開なども盛り込んだ、まとまりの良いシナリオとなっている。
    • ストーリーに登場するデジモンたちの魅力も過不足なく表現されており、デジモンゲーとしては十分に及第点のシナリオと言えるだろう。

賛否両論

仕様変更により便利になった一方、形骸化した一部要素

  • オンラインでの対人要素が無くなった影響か、デジモンのステータス育成に制限が無くなり、全てのデジモンをステータスカンストまで育成する事が可能となった。
    • またデジモン固有の「サポートスキル」は、全デジモンがランダムで習得しうる「性格スキル」に変更。サポートスキルで露骨な格差が付きにくくなった。
      • こういった仕様変更のおかげで好きなデジモンを活躍させやすくなったし、無理矢理ステータスを伸ばせば進化条件で詰む事も無くなった。
    • 反面、デジモンごとの個性は最終的に「固有のスペシャルスキル」と「属性への耐性」程度となるため、個性が薄まってしまったという見方もある。
  • 前作でやや窮屈な仕様だった「友情値」の仕様だが、本作では進化条件には一切影響せず、また友情値を上昇させるアイテムも気軽に購入できるように仕様が変更された。
    • 調整結果としてはもちろん快適であるものの、攻略に対する「友情値」の影響がここまで薄くなると、「友情値」の存在意義がいまいち良く分からなくなってもいる。
      • むしろ本作では「『友情値』が足りないと『継承値』が継承ができなくなる」という些細な枷にしかなっていないので、いっそのことステータスごと撤廃しても良かったのではないだろうか。

問題点

システム上の粗

  • ギミックによる移動時、マップの切り替え時、戦闘中の会話などにいちいちスキップ不可能な演出が挟まる。
    • 一つ一つは短いが、とにかく数が多いため、本作のテンポを劇的に悪化させている元凶。本作最大の問題点と称しても過言ではない。
      • 例えば頻繁に利用する「デジファーム」に訪れる際ですら「まず『時の狭間劇場』の扉が出現する演出→扉の中にゆっくり歩いて入る演出→デジファーム窓口のNPCに話しかけた後ゆっくりとデジファームにカメラが寄る演出」と細かな遅延要素が多く、何度も利用しているとものすごく邪魔。
      • こういった細かな演出はここだけに留まらず、「移動中デジモンの力を借りる演出」「扉が開くだけの演出」「梯子に上り下りするだけのモーション(しかも梯子の数自体そこそこ多い)」「マップを切り替えるだけの演出」などなど多岐に渡る。
    • 本作にはイベントシーンのスキップ機能がきちんと実装されている一方で、スキップ対象とならない細かい会話イベントも妙に多い。
      • それも会話中の選択肢でシナリオ内容が変わるわけでもなく、本当にただスキップ出来ず鑑賞させられるだけ。初回のイベントならともかく、リトライ時や周回時には煩わしい要素。
    • 特に終盤のダンジョンで発生するギミックは、1回ワープするだけでも「ゲコモンに話しかける→軽い会話から選択肢を選ぶ→ワープ演出が挟まる→ワープ到着の演出が挟まる(ここまで全てスキップ不可)」と上記の悪い所が全部詰め込まれたような内容。
      • しかも正解の選択肢も初見ではノーヒントな上、選択肢を間違えると攻略をやり直す事になる理不尽な内容。何のゲーム性もない、ただ冗長な運ゲーでしかない。
      • 会話の内容自体も「ポジティブなフレーズを『吐き気のする綺麗事』と称しゲコモンが実際に嘔吐する」という趣味の良くない代物。これで笑えるかどうかは人それぞれだとしても、ゲコモンの嘔吐モーションをいちいち挟まれるようでは、間違いなくテンポは悪い。
  • 移動システムも不便。
    • ファストトラベル機能は無く、基本的に移動手段は徒歩と定点間のワープだけ。
      • そのワープ仕様もかなり不便で、各ワープ地点は重要な施設から離れた位置にある事も多い上、いちいち歩いての乗り換え作業が必要となる。
      • よって目的地に辿り着くだけでも「タクシーをまず徒歩で探して移動→タクシーを降りたらペガスモンを徒歩で探して移動→デジタルワールドへのゲートまで歩いて移動しワールドを移動→バードラモンまで歩いて移動し目的地付近へ移動→目的地まで徒歩で移動」などという煩雑な事に。
      • これが一回だけの作業ならまだしも、サイドミッションの攻略時などはこれを何度も繰り返す。さらに場合によっては、先述したようなスキップ不能演出が挟まるので…
    • そもそも状況次第ではその定点間のワープすら存在せず、ひたすら何もない移動時間をだらだらこなすだけという場合も多い。
  • 利用頻度の高い施設が各地にばらけていて不便。
    • 評価点で触れたように、前作では「デジラボ」へのアクセスが必須だった各種機能が、どこでも実行できるようになった。そのため、本作での同施設「時の狭間劇場」は機能の大半が歯抜けており、便利な施設では到底なくなっている。
      • そのくせ「『デジファーム』にアクセスする機能」や「過去のダンジョンに再訪する機能」などは残っているせいで、これだけを利用するためにわざわざここに訪れる必要がある。
      • 各地に点在する劇場入り口はどれもこれもトラベル地点から離れた所にあり、何度も利用する施設としてはアクセス面でも不便。
      • 一応、ショップ機能も存在してはいるが、ここで売られていない商品が各所に山ほど存在するため、これも大して便利ではない。
    • 一方で「ズドモンの鍛冶屋」「ウルカヌスモンの工房」といった重要施設は統合されず各地に散らばったまま。
      • 特に、デジファームを利用する上で重要なズドモンが離れているのはかなり不便。いちいち細かな演出や移動時間を挟みながら、劇場とズドモンを時間をかけ行き来しなくてはならない。
    • 全施設を劇場に統合するか、あるいは劇場の存在自体を廃止し、どこからでもデジファームや各施設にアクセスできるようして欲しかった所。
  • UIが不便。
    • 頻繁に戦闘メンバーを入れ替える必要のあるゲームなのに、よく使う装備品をプリセット登録しておく機能が無い。
      • よってメンバーを入れ替えるたび、手動でスキルや装備品を入れ替えなければならない。
    • デジモンごとのステータス等、情報量の多いゲームなのに、デジモン一覧メニューにフィルタ機能が無い。
      • また「デジモンの世代」「デジモンの種族」といったフィルタリング機能はソート機能のほうに無理矢理まとめられているせいで、ソートの優先順位切り替えが面倒。
    • デジモンの各データがメニューごとに細分化されていて不便。
      • 例えば「現在のデジモン固体がどの進化条件を満たしているのか」は「進化・退化」メニューでなければ確認できず、「このデジモンが最終的に何のデジモンに進化/退化できるのか」といった情報は「図鑑」でないと確認できない。メニュー切り替えの手間が煩雑で、細かい点ながら面倒。
    • レベルが上限に到達したデジモンはレベルの文字色が変化するが、通常が白なのに対し上限時の文字色が明るい黄色なので判別しづらい。
    • テキストウィンドウの透過度が高く、オプションで調節できない。そのため明るい背景で白いテキストが表示されると読みづらい。
  • デジファーム内のUIも不便。
    • デジファームではデジモンのステータスを鍛える事が出来、デジモンの進化条件を満たすために何度も何度も利用する施設。
      • であるにもかかわらず、デジファーム内では各デジモンの進化先、「進化のためにどの程度ステータスが必要か」といった肝心の情報が確認できず、いちいちデジファームから出て確認する必要がある。
    • 逆に、デジファーム外からデジファーム内の情報を確認できないのも不便。預けているデジモンのステータスが今いくつなのか、特訓時間は残り何分か、ファームにアクセスしてからようやく確認できる。
    • 「スキップ不可の演出」の問題点で触れたように、これら確認作業のためにデジファームに出入りするたび無駄な待機時間を強要され、とんでもなく煩わしい。
      • 各所で閲覧可能な情報を増やすだけで解決したはずの単純な問題である以上、開発陣の重大な見落としと言える。
  • リトライ時のコマンドが不便。
    • 相性不利だと与ダメージが0.5~0.2倍まで減少する一方、有利なら2倍~5倍にまで膨れ上がり、種族相性が非常に重要となってくる本作。よって編成次第ではそもそも太刀打ち出来ず、ゲームオーバーになった際は戦闘前に戻って編成を見直す事も必要なバランスなのだが…
      • そんな調整なのに、ゲームオーバー時のコマンドは「そのままリトライ」か「ロード」「タイトルに戻る」しかなく、「戦闘直前からリトライ」という選択肢が存在しない。
      • 一応「ロード」を選べば戦闘前には戻れるとは言え、セーブしたタイミングによってはそこそこ前に戻される可能性があり、痒い所に手が届いていない。
      • 本作はマップ上を歩いていると急にボス戦が発生するケースも多く、初見では「ボス戦前に念のためセーブ」という対策が取りづらいのもネック。
  • カメラのズームイン/ズームアウト機能が無い。
    • カメラと主人公の距離はほぼ固定となっており、時々大柄なデジモンに阻まれて画面が見づらい事もある。
    • 本作は連れ歩いているデジモンとも会話ができる仕様のため、カメラワークの不便さによって会話対象が判別しづらいのも少々困る点。
  • 「アナライズ」機能が不便で空気。
    • マップ上のギミックや宝箱などを探知してくれるシステムだが、具体的にどこにあるのか教えてくれない上、使用するたび立ち止まるため不便。ギミックとして必須な場面意外にはあまり利用価値が無く、重大な問題ではないが練り切れていない感は拭えない。
  • ミニゲームがどれも苦痛。
    • 例えばカードゲームは一応勝敗に関わる要素が用意されているものの、最終的にはランダムで勝敗が決定される、戦略性の無い運ゲー。いまいち存在意義が分からない。
      • 基本的には嫌ならやらなくてもいい要素とは言え、一部サイドミッションでは必ずプレイする必要がある。
      • また、一度試合を始めると中断が出来ないのも難点。

バランス調整上の難点

  • ボスの種族が偏っている。
    • ワクチン種であるアイギオモンを気遣ってなのか、それとも敵キャラのイメージとしてウィルス種が多いためなのかは不明だが、ウィルス種のボスがやたらと多い。
      • そのため強く出られるワクチン種のデジモンばかり良く活躍する事になり、逆にウィルス種に弱いデータ種は強敵相手に力を発揮する機会に恵まれない。
  • 前作の問題点であった「一部進化先のシナリオロック」は本作でも改善されておらず、「究極体」以降の解禁はシナリオ終盤になってから。
    • これだけ遅いと、お気に入りの究極体と旅がなかなか出来ないのはもちろん、進化先をロックされる影響でデジモンの育成にも支障が出やすい。
    • しかも「超究極体」の解禁はラストダンジョン突入後ようやくというタイミング。ここまで来ると旅のメンバーには加えられず、いくらなんでも遅すぎる。
      • 中には「サイドミッションをあらかたクリアした後やっと解禁されるデジモン」すら存在。旅の仲間にできないどころか、対人戦が廃止された影響もあり、バトルで活躍させる機会すらもそんなに残っていない。
    • 進化先の解禁に必要な「アノマリーポイント」はサイドミッションも攻略しなければ稼げない仕様なので、時期限定サイドミッションを攻略しそびれると更に遅れる。
      • 「時期限定のサイドミッションを逃すと攻略時期が遅れる」という注意書きは一応表示されるものの、その再攻略できるようになるタイミングはやはりラストダンジョン突入後。まさか一度時期を逃すとここまで攻略タイミングが遅れるとは、ほとんどのプレイヤーは思わないだろう。
    • こういった解禁時期の遅さは難易度調整・ネタバレ防止の観点からの調整…かと思いきや、究極体以降のデジモンも敵やNPCとしては早々に出現し始めるため、ここまで遅らせる理由は不明。
      • なお当然ながら、 (ネタバレ) に関してだけは解禁が遅くとも仕方ないだろう。
  • バランス調整は相変わらず雑な部分も目立つ。
    • 本作の敵ボスは「1ラウンド中にとにかく何度も連続で行動する」という方向性で難易度を上げているケースが多い。そのため、相手に行動順が回るたびに有効ターンの減っていくデバフ系スキルは全体的に不遇。
      • 性格スキルでターン数を底上げしていない限り本作のデバフは基本的に3ターンまで、かつ強敵はだいたい1ラウンド中に三回行動してくる事が多く、せっかくデバフをかけたのに1ラウンドで即回復されてしまう事がほとんど。
    • AIは前作と同じくアホで、状況を問わずほぼランダムに行動を繰り出す場面が多い。とは言えこのあたりは敵も味方NPCも同様なので、プレイヤーに有利に働く事もある。
  • 経験値稼ぎに必須級の装備品やクエストは、DLCを購入しなければ解禁されない。
    • 「DLCが無くても稼ぐ手段はあるが、DLCを購入するともっと楽になる」というバランスならともかく、DLCを買わなければ効率的な稼ぎ手段が存在していないバランスであるため、育成が主軸となるRPGとしてはあこぎでバランスが悪い。

シナリオ上の粗
先述したように大筋では綺麗にまとまっているシナリオだが、各要素を見ると粗は大小合わせてかなり多い。

+ ネタバレだらけなので注意


主人公と、ヒロイン「御園イノリ」の偏った役割分担。

  • アイギオモンを助けた事をきっかけに、彼との絆を深めていくヒロイン・イノリだが、自分から危険に飛び込んできた割にやってる事は本当にそれだけ。
    • 各地のトラブル解決には何も貢献せず、戦闘行為にも関わらない。唯一活躍できそうだった交渉の機会すら特に何の描写もないまま失敗。
      • 戦えないなりに工夫で活躍するようなシーンも全く無く、非戦闘員なりの助力すら終盤になってやっと多少見られる程度。
    • アイギオモンに思い入れがあるのは分かるし、思い入れの理由もきちんと描写はされているが…ことは世界崩壊の謎を解き明かす危険な旅である。ここまで何もできないようでは、同行者たる理由付けとしては弱いだろう。
      • 自分の無力を嘆くシーンがある一方で特に成長もせず、そのくせ誰かを助けようとしては結局主人公に助けられる、という展開も何度かあり、なおさらこのあたりの難点が悪目立ちしがち。
  • それとは対照的に、主人公はトラブル解決にこそ活躍するものの、アイギオモンとの交流の機会がほとんどない。
    • アイギオモンと絆を育む役割はほとんどイノリが持って行ってしまい、主人公はそれを横から見ているだけ。折角の相棒デジモンが登場したにもかかわらず、蚊帳の外に居る感が強い。
    • それに加え、無口型主人公である事もあって主人公の存在感が全体的に薄い。
      • 一応前作と同じく選択肢は個性的だし、要所では不可欠な存在ではあるものの、自己を主張する機会の多いイノリやアイギオモンと比べるとどうしても印象が薄まりやすい。
      • 設定上は主人公も重要な存在であるはずなのに、ラスボスとの最終決戦ではラスボスもイノリも主人公の存在をほぼスルー。最終的な事態解決もアイギオモンが行うなど、少なくともラスボス戦前後の主人公に関してはかなり空気。
  • 並びに、せっかく育てたデジモンたちも主人公以上に存在感が無い。
    • 重要な場面で活躍するのはだいたいアイギオモン、何かトラブルを解決しても褒められるのはせいぜい主人公で、「そばに大切なデジモンたちが居る事」には全く触れられない。
  • 目玉キャラである以上アイギオモンが目立つのはさほど問題ではないだろうが、イノリと主人公、そして主人公の手持ちデジモンたちに関してはシナリオ上明らかに扱いきれておらず、この面子で旅をさせるのであれば、もっとシナリオを練るべきだっただろう。


その他にも雑な要素は多い。

  • 例えばアビス・エリアを全滅させるはずだった毒ガスの正体は結局分からず、エリアで暗躍していたデジモンを倒すと何故か毒ガス問題も解決している。
    • その黒幕が策略の一環として致死毒を使用していることから、毒ガスの散布も黒幕の仕業だった…という解釈もできるが、その解釈が正解なのかどうかも結局不明のまま。
  • ギア・フォレストの世界樹が枯れている原因も結局謎。こちらはアビス・エリアの件と違って黒幕との関連性も想像できないため、考察の要素もあまり無くただただ説明不足である。
  • 「とある重要キャラの戦死を防ぐため、過去へ戻って彼を蝕む毒を治療しよう」という展開だが、過去に戻るやいなや、主人公が何も歴史を改変しないうちから味方キャラが独自に解決して終わり。主人公が過去に干渉する意味はあったのだろうか?
  • シャークモンの撃退後、彼が何か企んでいるようなシーンがわざわざ専用ムービー付きで挿入されるが、この伏線は特に回収されずに終わる。
  • ラスボス戦直前になって急に長々とお使いイベントを挟まれるのもテンポが悪い。
    • 仲間デジモンごとの個性を出したかったのかも知れないが、それにしてもだれやすいお使いイベントをわざわざチョイスした意義は特に見当たらない。
  • 終盤、ADAMASのオペレーターは主人公の頭の中にしか存在しない事が明かされる。つまりオペレーターとのこれまでのやりとりは、全て主人公の自問自答でしかなかったわけである。
    • と思いきや、主人公の意思から離れた所でオペレーターが調査対象の追跡をしていてくれる事がある。このあたりどういう設定なのかはいまいち不明。
      • また、早急な行動の求められる場面や強敵との対峙中など、妙なタイミングでものすごく根拠の薄い推測を長々語り始めるため、主人公の代弁者だとしても別人だとしても、どちらに転んでも没入感を阻害しかねない人物である。
  • デジモン側のキャラはきちんと心情が描写されている一方で、人間側のキャラについては全体的に描写が薄い。
    • 「人の話をろくに聞かないまま強引に行動を起こし、事態を悪化させる」という人間が多い割にはその心情がろくに分からず、事態をこじれさせるためのご都合主義的な存在にも見えかねない。
    • デジモン側でさえ描写量に大きな差がある。特に後半に見せ場があるはずのデジモンほど尻すぼみな印象を受けがち。
      • 特に扱いが酷いのがケレスモン。ストーリー中でも活躍したあるデジモンが復活して進化するのだが、それがなんと最終決戦直前。特にこれといった説明もなく唐突に進化して飛び立ち、合流してからも特に触れられないため進化前の彼女を良く知るプレイヤーは唖然とさせられる。ラスボスまでの道のりでこれまでの十二神と共闘する展開が続くのだが、縁深いバッカスモンがいるのにもかかわらずケレスモンの出番は無い。ラスボス戦での扱いもほぼ乗り物同然でセリフも一言二言のみ。
      • 本体であるメディウムに至ってはラスボス戦直前のエリアに立っている時に任意で話しかけられるだけである。バッカスモンとの会話もここだけで済まされてしまう、というかこれが最初で最後。
      • ケレスモンがあまりに巨大すぎるため扱いに困った可能性もあるかもしれないが、デジモンサヴァイブではメディウムのみが独立して行動していたため、設定上不可能という事も無いはずである。
  • とあるサイドミッションにて、一般人であるはずのヒロコが歴史改変前の記憶を保持している事がある。タイムスリップ周りの設定がどうなっているのかはいまいち不明。
  • 「相手が人の話を聞かないまま早とちりで強引にバトルへ突入」など、ワンパターンな展開が繰り返されがち。
    • そもそも「世界はリセットされた上で再スタートし、消滅するはずだった主人公は奇跡的に消滅を免れハッピーエンド」というオチも前作『サイバースルゥース』と全く同じである。


雑な内容のサイドミッションが多め。

  • 全体的に中身が無い物が多く、知り合いの話(しかもほとんど内容の無いダイジェスト的な話)に付き合って終わり、ロイヤルナイツの面々がそこらへんをブラブラしているのをたしなめて終わりと、全部が全部そうではないものの、大したドラマの無い話が目立つ。
    • 中には「ガンクゥモンが知人のために、特に落ち度のないデジモンのキャバクラ店を暴力で無理矢理潰す」などという良識を疑う物まで。
      • これでは古参ファンにとってもデジモンたちの魅力を描写できているとは言い難いし、新規ファンにとってはなおさら意味不明だろう。

総評

前作で好評を得た育成システムを大筋で受け継ぎつつ、発売時点でのグラフィック水準で個性豊かに描かれるデジモンたちはとても高品質。
2025時点での「デジモン」ゲーとしては過去最高、デジモンファンであれば買って損はないと言える作品である。

一方、「デジモン」要素を抜きにして考えると、シナリオ・システムの両面で無視できない粗がなかなかに多く、一部仕様は2025年発売のゲームとは思えないほど前時代的。
デジモンのファン以外が購入するとは考えづらいとは言え、デジモンに愛着の無いユーザーにはあまりお勧めできないだろう。


余談

  • 発売時期にはアニメシリーズでも最新作である『DIGIMON BEAT BREAK(デジモンビートブレイク)』が放送し、アニメとゲームの最新作が同時期に展開される事となった。
  • 2026年7月9日にSwitch/Switch2版が発売予定。1年にも満たない早いタイミングでの移植となる。
最終更新:2026年05月12日 10:57