ウェディングピーチ
【うぇでぃんぐぴーち】
ジャンル
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ミニゲーム集
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対応機種
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スーパーファミコン
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発売元
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KSS
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開発元
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シマダ企画 センターテック
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発売日
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1995年9月29日
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定価
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9,800円(税別)
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プレイ人数
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1~3人
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判定
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クソゲー
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ポイント
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大量繰り返し前提のミニゲーム 変わり映えのしないストーリー
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概要
アニメ『愛天使伝説ウェディングピーチ』のゲーム化作品の第1弾。
原作は、主人公ら少女たちが「愛天使」に変身して敵と戦いながら恋も繰り広げるというバトルヒロインもの。本作は学園祭のアトラクションという設定でミニゲームをプレイするパーティーゲームとなっている。
特徴
プレイヤーキャラクターはももこ(ウェディングピーチ)、ゆり(エンジェルリリィ)、ひなぎく(エンジェルデイジー)の3人。はじめに各プレイヤーの使用キャラを決めた後、「おはなし」「ミニゲーム」「おまけ」の3モードから選択する。
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「おはなし」は、決められた回数ミニゲームをプレイし、プレイで得た得点で順位が決まるメインモード。(ゲーム内の)3日分のミニゲームをプレイした後、ボーナスステージを1ゲームプレイする。
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プレイ数の選択は特殊で、「1日あたりのミニゲーム数」×3+1つのミニゲームをプレイすることになる。1日のミニゲーム数は4・6・8の3種類(よって総プレイ数は13・19・25)から選べる。
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日数の区別はあるものの得点は通算され、3日目終了時点で最も得点の高いプレイヤーが優勝となる。
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各ミニゲーム中には「ハート」が出現する。これを4つ集めたプレイヤーは次のミニゲームで変身し、高い得点を得られるようになる。
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「ミニゲーム」モードではファイナルステージ以外の任意のミニゲームで遊べる。
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「おまけ」モードは、他のゲームで言うところのオプション。
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ミニゲーム一覧
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ピコピコじゃ魔ピー
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もぐらたたきゲーム。じゃ魔ピーを叩くと得点、同級生の風摩ようすけを叩くと減点。
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わいわいつり大会
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釣り堀で釣りをする。えさを落として十字ボタンで魚の口まで持っていき、魚が食いついたら吊り上げる。魚には3つの色があり、それぞれもらえる点数が違う。
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聖サムシングフォーを探せ
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地面に花束?がたくさん置かれており、プレイヤーはそれらを次々に抜き取る。一部の花束の下には変身アイテム「聖サムシングフォー」の絵が隠されており、それを見つけると得点。抜き取った花束は一定時間で復活するため、自分がすでに探した花束は覚えておく必要があり、簡易版の神経衰弱の要素もある。
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おじゃまなキャッチャー
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クレーンゲーム。左右に動くクレーンを動かしてぬいぐるみを拾う。フィールド内にはぬいぐるみの他にじゃ魔ぴーが混ざっており、時々左右に動いてぬいぐるみを勝手に移動させる。
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ぬいぐるみを取れれば得点となるが、じゃ魔ぴーを取っても得点にはならない。
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ペアエンジェル
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神経衰弱。フィールドに12枚のパネルが置かれており、3人同時に動いてめくっていく。1枚目をめくった時点でそのパネルは自分のものとしてキープされ、2枚目をめくったときに同じ絵柄であれば自分の得点となるが、違っていれば2枚とも裏返しに戻る。12枚全てペアにできた場合、シャッフルされて第2戦に入る。
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おじゃ魔どこじゃ
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最初に各プレイヤーが覚えるべき絵が表示され、次に10個の窓に次々と絵が表示されては消えていく。表示終了後、自分の絵が最後にどの窓にあったかを当てる。早く当てた方が高得点。
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ドキドキスロット
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スロット。頭、体、足の3つに分かれた絵が回転しており、同じ色のコマを合わせてキャラクターの絵を完成させる。3か所中2か所が合えば得点が入る。また、男2種類・女3種類のほかにじゃ魔ピーのコマがあり、女キャラは得点が高い。
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回転は速く、とにかく何度も止めてたくさんのチャンスを得ることが重要になる。
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じゃ魔ピーハント
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照準を動かしてじゃ魔ピーを撃ち点数を稼ぐ射撃ゲーム。じゃ魔ピーの動きはだんだん素早くなり、先読み射撃が必要になってくるが、動きは4方向の直線移動のみのため読むことは難しくない。
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ボーナスゲーム
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ダンスパーティー前に突如現れた悪魔イグニスと戦う。どのゲーム数でも3日目の全ゲーム終了後にしか登場しない。
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全員が変身した状態で、校庭?のトラックでイグニスを追いかける縦スクロールアクションゲーム。プレイヤーは前後左右に動きながらイグニスの攻撃をよけつつ、自分の攻撃を当ててダメージを与えて得点を稼ぐ。攻撃を食らうと減点だが、体力制ではないので何度当たってもミスにはならない。また、このゲームでは得点の途中経過が表示されない。
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問題点
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ボリューム不相応のプレイ数
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ミニゲーム数は9個で、そのうち1つはボーナスステージのため実質8個。これ自体はSFCのゲームでは取り立てて少ないわけではないが、問題はこれしかゲームが無いのに最低でも13回ゲームを遊ばないと文字通り「おはなし」にならない点である。
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ボーナスゲームを除く12のラウンドに対して用意されているゲームは8つのため、どうやっても同じミニゲームを複数回遊ぶことになる。無論、何度遊ぼうがゲーム内容は全く同じ。25ゲーム遊ぶとなれば…
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そもそも、最少が13ゲームというのも多すぎる。3~5ゲーム程度でもプレイさせてほしいところ。
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せめて「日によってゲームの難度が上がっていく」「得点がインフレする」といった要素があるだけでもだいぶ違ったはずである。
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実質ミニゲームしか遊べない
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「おはなし」も一応ストーリー構成にはなっているが、実態は何度もミニゲームをプレイして点数を競うだけであり、ミニゲーム単独で遊んでいるのと大差ない。
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後述の通りミニゲームの結果によるストーリー変化があるわけでもないので、ランダム性や戦略性という面ではすごろく形式のパーティーゲームと比べると劣る。
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エンディングの内容
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「おはなし」は「優勝者が(女子憧れの)柳葉センパイとダンスできる」という設定なのだが、実際のエンディングは誰が勝とうが「イグニスと戦っていた結果パーティーに遅刻し、既に別の生徒が柳葉センパイと踊っていた」というズッコケエンド。
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実は本作はアニメのとある1エピソードをゲームにしたものである。アニメもこんなノリであり、柳葉センパイと踊れるというのも元は3人が勝手に決めたことなので仕方ない話ではある。だからこそ、ゲームでは違う展開が見たかったとも言えるが。
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ミニゲーム開始前の説明が一部わかりづらい
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「おじゃ魔どこじゃ」は「絵を覚えて最後に出た場所を当てる」と案内されるが、当てる絵は自分に割り当てられたものであるというルールの説明がない。割り当て時にカーソルが自分の色になるため理解不能なわけではないが、よくわかっていないうちにプレイすると「同じ絵を先に選んだのに他人にだけ点が入る」という一見理不尽な事態になってしまう。
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「ドキドキスロット」は「絵を完成させる」と案内されるが、先述の通り実際は3分の2が合っていれば得点になる。展開の速さも相まって、初見だと何が起こっているのかわからないことも。
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その他
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ゲームを始めると、じゃ魔ピーの説明の後にキャラを決めてその後にゲームモードを選ぶのだが、おまけやミニゲームから戻った時にもじゃ魔ピーの説明から始まるのでテンポが悪い。
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「おまけモード」では音楽・効果音を聴いたりゲーム中のいろいろな設定を決めることができると説明書にはあるのだが、実際に設定できるのは変身のON/OFFのみ。
評価点
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グラフィック面は良好。
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SDキャラクターはよく動き、見た目や表情、しぐさなどが可愛らしく、それを上手く生かしたOPの出来も素晴らしい。
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各日の開始時に挿入される1枚絵もゲームの雰囲気をよく表していて良質。
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3人まで遊べる
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周辺機器のマルチプレイヤー5に対応しており、3人まで同時プレイができる。きちんとメインキャラ3人を選べるようになっているのは評価できる点である。
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メインキャラ3人の変身時に原作アニメの声優のボイスが使用されている。SFC時代のキャラゲーではかなり貴重。
総評
グラフィックは良質なものの、ゲーム内容は単調そのもの。ミニゲームを何度も遊ぶしか内容がないため、やがて同じゲームをひたすらに繰り返すことになってしまう。
アニメ版エピソードの焼き直しでif展開もないためファンアイテムとしても価値は低くならざるを得ず、総じて中途半端な作品になってしまっている。
最終更新:2024年08月11日 16:36