パックピクス
【ぱっくぴくす】
ジャンル
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手描きアクション
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対応機種
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ニンテンドーDS
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メディア
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128MbitDSカード
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発売・開発元
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ナムコ
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発売日
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2005年3月10日
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定価
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5,040円(税5%込)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:全年齢
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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1周目序盤から牙を向いてくる高難易度 手抜きとしか思えない調整不足な2周目 グラフィックとBGMは高評価
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パックマンシリーズリンク
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概要
DSのタッチパネルを活かし、タッチパネルにパックマンを描いて敵を食べさせて倒すゲーム。
特徴・システム
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描かれたパックマンは小さいと速く動き、大きいと動きは遅いが広い範囲の敵を食べられる。
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パックマンの前に壁を描くと、壁を描いた方向にぶつかったパックマンが90°方向転換する。また、パックマンをタッチするとしている間進行が止まり、そのまま後ろに引っ張ると後退させることも出来る。
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基本的に下画面でプレイするが、上画面にはアイテムロードと呼ばれる道があり、パックマンを下画面左右端から上に向かわせることで通過でき、そこに出現した敵やボーナスアイテムを食べることが出来る。
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アイテムロードには鍵がかかっていることがあり、そのときは鍵を解除する必要がある。
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各ステージごとに描けるパックマンの数と制限時間が決まっており、それら以内で全ゴーストを食べなければいけない。
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描いたパックマンが画面外に出て行ったり、連続ではじかれてやられてしまったりするとミスということになる。
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画面中、同時に3体までパックマンを描く事が出来る。
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大きい敵には大きいパックマンを描かないと食べれないなど謎解きや順序の工夫が必要となる敵もいる。
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途中でパックマン以外にも矢と爆弾を描くことが出来るようになる。
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矢は向いている方向に向かって飛んで行き、これを利用して上画面のシャボン玉に入った敵を下画面に落としたり、特定の敵に攻撃したり出来る。
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爆弾は丸を描いた後にその丸と火を繋ぐ導火線を書くと爆発し、特定の障害物を壊したり、特定の敵に攻撃したり出来る。
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制限なしで描く練習のできるモードではこれら以外も認識するものがあるが、全く意味はない。
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全12チャプターで、各チャプターは5ステージからなる。チャプター12をクリアするとエンディングを迎えた後、高難度のブック2(2周目)が出現する。
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偶数チャプターの最終ステージではボスとの対決となる。
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さらにボスの順番が奇数だった場合は、デカデッカンという紫のゴーストのボス。偶数だった場合は変わった形のボスが出てくる。
問題点
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ライトユーザー狙いまくりのゆるそうなCMを放映した割には1周目序盤から既に飛ばしすぎな高難度で、挫折した人が続出。
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1チャプターは前述の通り5ステージで構成されるが、
チャプター途中でゲームオーバーになった場合は再開しても最初のステージからやり直し
。これがライトユーザーを含めたほとんどのプレイヤーを挫折させた最大の原因。
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敵の種類がお世辞にも多くなく、後半のステージに進んでもルーチンや行動速度が少々違うだけの同じ敵と戦い続けるような印象を受けやすい。
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1周目を乗り越えても、ブック2(2周目)は「1周目はチュートリアルだ」と言わんばかりの凄まじい難度が本性を現す。
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ステージの仕掛けも敵の配置も1周目と全く同じで、敵の行動ルーチン・行動速度・制限時間・初期残機数・ボーナスアイテムの得点が大幅に変更されている。
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おそらく1周目だけテストプレイを重ねて完成させ、2周目は「まあこれくらいならクリアできるだろう」程度の意識でそれらしく数値を弄っただけ…とゲームバランス調整の手抜きをしたために2周目が恐ろしい難度になったと思われる。後述の2周目最終面が最も顕著で、クリアさせる気など全く感じられない。
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もっとも、1周目も開発側が対象にしたであろう層を考えると適切な難易度とは言えない。
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特に2周目最終面(ブック2チャプター12)の難度は常軌を逸している。
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直前のチャプターまではキッチリ綿密なパターンを組めばなんとかなるのだが、2周目最終面はTAS動画並のスピードと操作精度が必須のステージが連続した挙句、ラスボスに関しては強敵。但し通常面と比べると完全にオアシス。
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ラスボスが弱いと思われる理由は、左右端に跳ね返しブロックがあり、そこにパックマンを描けば交互に永遠に移動させる事が可能。これによってパックマンを少し気にしながら爆弾を描きまくって矢をバンバン撃てば勝ててしまう。
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但し時間がシビアな為、強いのにはかわりないだろう。
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2周目のブルル(接近すると超高速でランダムな方向に逃げる敵)とバリベエタ(背後以外からの攻撃を防ぐ敵)の速度・配置密度・行動ルーチンが、テストプレイをしたのか疑わしいほど極悪。
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2周目終盤の要所要所で拝む事ができる数体のバリベエタ達による高密度の盆踊りは、見た瞬間タッチペンを投げ出したくなる事請け合いである。
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上記のように「クリアできるだけで神業」な面が多い有様なのに「高成績を出すと図鑑が埋まる」要素をご丁寧に搭載。図鑑コンプリートを達成した人など存在するのだろうか。
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当然、2周目の各チャプターも図鑑を埋める条件の対象に含まれる。
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ヘビーユーザーなら図鑑を簡単に埋めてしまうそうだが、このゲームの対象はライトユーザーなので…
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図鑑や2周目といったやり込み要素はあるものの、計測できるものはハイスコアのみ。
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チュートリアルはくどい程に説明がある一方で、なぜか「描き順が左右反転していても対応する」等の重要事項が抜けている。
評価点
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DSのコンセプトによく合った内容でとっつきやすく楽しめ、描いたパックマンが動く様子なども見ていて面白い。
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描いたパックマンの認識が非常に甘い(「く」さえ描けばほとんど通る)為、パックマンのイメージとはかけ離れた謎のクリーチャーを生み出せるバカゲーとしての要素も見逃せない。
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バカゲーとしての他の要素としては、スケッチブック(練習場)で『渦巻きを描くと茶色になりユゲが出てくる』『鼻を描くと鼻水が出てくる』など。
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最初は面白いが、上記のようにステージが進んでもあまり代わり映えしないことや、無茶苦茶な難易度になることからすぐ辛くなる点が非常に惜しい。
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BGM・グラフィックともに絵本らしさを終始連想させる高い完成度を誇る。
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BGMはチャプター毎に異なるものが用意されておりいずれも聴き応えがある。
総評
「パックマンを描いて戦う」というコンセプトに終始非常に忠実、描き込み認識が甘く操作性良好、ややシンプルすぎるきらいがあるものの雰囲気抜群、とDS黎明期にいきなりDSのコンセプトを体現するかのように完成された作品。
それだけに、代わり映えのなさや手抜きともとれる難易度の極端さがおしい作品である。
余談
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初回特典にパックマンが頭についたタッチペン(初代DS付属のような小さいものではなく、鉛筆大のもの)がついてきた。このタッチペンが使いやすいと評判。
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ツルツル滑る為、このゲームでは必須アイテムと言えよう。
最終更新:2018年06月08日 17:34