SDガンダム GGENERATION CROSS RAYS

【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん くろすれいず】

ジャンル ガンダムシミュレーション
PS4通常版


PS4
サウンドエディション

Switch通常版


Switch
サウンドエディション

Switch
プラチナムエディション
対応機種 プレイステーション4
Nintendo Switch
Windows(Steam)
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
開発元 トムクリエイト
発売日 2019年11月28日
【プラチナムエディション】2021年3月25日
定価 【通常版】8,200円*1
【プレミアムGサウンドエディション】12,000円
【デジタルデラックスエディション】オープン価格*2
【プラチナムエディション】5,980円(各税別)
判定 良作
ポイント アナザーガンダム4シリーズ主体のGジェネ
他アナザーは有料DLCで一部フォロー
非常に多い新規キャラとユニット
Switch版はフリーズとエラー落ちが多発した
SDガンダム Gジェネレーションシリーズ


概要

前作『GENESIS』のゲームシステムをベースにした、トムクリエイト開発による原作追体験型Gジェネ。
本作ではシリーズ初となるSteam版の他に原作作品から主題歌・挿入歌を多数収録した限定版『プレミアムGサウンドエディション』が新たに発売された。
PS4版/Switch版(通常版・プレミアムGサウンドエディション)は早期購入特典として『SDガンダム GGENERATION モノアイガンダムズ』の該当ハード移植版をダウンロードできた。

特徴

  • 新システム「遊撃グループ」「派遣作戦」
    • 部隊編成では従来の母艦とマスターユニットを含めた編成となる「戦艦グループ」の他、母艦及びマスターユニット無しで最大8体までのユニットを編成しての出撃となる「遊撃グループ」が追加された。
      • 遊撃グループのユニットは1ターンごとにHP・ENが回復する。グループユニット同士を隣接させると、EN回復量が下がる代わりにHP回復量を上げることが可能。
      • 他、「戦艦グループ」では母艦を中心とした範囲内の敵に対して所属ユニットで攻撃する「戦艦連携」が、遊撃グループでは1体ごとのユニットを中心とした範囲内の敵を攻撃する「遊撃連携」も存在する。
      • ……と書くとよくわからないかもしれないが、要するに従来の「戦艦グループ」が従来の『Gジェネ』作品や『SEED』のアークエンジェル隊のような戦艦を中心とする部隊を再現しているのに対して、新システム「遊撃グループ」は『W』のオペレーション・メテオのような戦艦に頼らない部隊の活躍を再現した物だと理解すればいいだろう。自軍はプレイヤーの采配次第でどちらにもできるというわけである。
      • 「遊撃グループ」は一丸となって行動し、互いにHPを回復し合うのが基本だが、敵との戦力差が開いている場合は、あえて散開してENを回復し合い、「遊撃連携」で大量の敵を一気に屠ることも可能。原作さながらの神出鬼没な戦いを楽しめる。
    • 「派遣作戦」は文字通りグループを選択した作戦へ派遣し、作戦ごとに設定された時間を経過すると帰還した際に報酬として経験値やキャピタル、ユニットやオプションパーツを獲得できる。
      有体に言ってしまうと『艦これ』など、昨今のネットゲームによくある「遠征」と同じで、当然ながら実行にはインターネットに接続できる環境が必要となる。
      • プレイ外のレベル上げや育成が終わったユニット・キャラクターの活用先としても機能する。本作では原作設定などもあってステージ中の捕獲によるユニット確保はあまり捗らない仕様になっている。また派遣作戦でしか入手できないユニットもあるので、活用していく必要がある。特に中堅~弱めのユニットをたくさん捕獲したいなら、派遣作戦が最も効率的という局面も存在する。
      • 使用することで所要時間を30分短縮できる「時間短縮アイテム」も存在し、これを大量に使うことで派遣作戦をすぐに終わらせることも可能。
        時間短縮アイテムは主にステージクリアや派遣作戦達成での報酬として手に入り、ステージクリアではチャレンジミッションやシークレット解禁などでも入手できる。難易度上昇によってより多くの短縮アイテムが貰える。
      • 前述したように早期購入特典や有料DLCとして追加される派遣作戦も存在する。これは非常に効果が高く、通常の派遣作戦より効率よく経験値を稼げたり、有用なオプションパーツをゲーム開始直後に入手できたりする。
      • 有料DLCに関しては、ステージをクリアしてコンテンツを獲得するのではなく、専用の派遣作戦が追加されている。
        これを何度も繰り返し実行して達成度が一定値に達すると、報酬としてユニットの入手、キャラクターのスカウトなどができるようになるという仕組みになっている。
  • UIデザインの刷新
    • 『GENESIS』では黒地に『PORTABLE』から始まったポップでカラフルな配色がアクセントとして使われていたが、本作ではほぼ黒主体のシャープでシックなデザインとなっている。

評価点

  • シリーズ初となる宇宙世紀以外主体のGジェネ
    • 本作ではシリーズ初となる収録作品が宇宙世紀以外の世界観を舞台とした「アナザーガンダム」のみ。
      • それも海外や若年層への人気や外伝作品の充実ぶり、作風の相似などを考慮してか『新機動戦記ガンダムW』『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダム00』『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の4シリーズが収録されている。
      • ただし、DLCながら宇宙世紀に開発された設定である『モノアイガンダムズ』の「シスクード」や宇宙世紀の延長となる世界観の『∀』『Gレコ』が登場しているため、宇宙世紀要素がまったくないわけでもない。
    • その他の『機動武闘伝Gガンダム』『機動新世紀ガンダムX』『∀ガンダム』『機動戦士ガンダムAGE』『ガンダム Gのレコンギスタ』は一部が後日有料DLCとして配信された。
      • また、『X』Blu-rayBOX特典である後日談を描いたときた洸一氏の漫画『NEXT PROLOGUE』も有料DLCながら登場作品に加わっており、ときた氏が考案して石垣純哉氏によりデザインされたガンダムヌーヴェルの武装も初めて日の目を見ることに。
    • 本作の収録作品の多くがシリーズ初登場となっている。多数のユニット・キャラクター、初めてシナリオが収録された作品もあり、目新しい構成となっている。また開発・設計ツリーも大きく異なり、従来通りにいかず古参プレイヤーも新鮮な気分で楽しめる。
      • 『GENESIS』のDLCで初登場した『鉄血のオルフェンズ』はガンダムシリーズ本流の当時の最新作のためか扱いがかなり良い。
        Gジェネシリーズ初登場の外伝作品である『月鋼』共々シナリオの再現度も高く、モビルワーカーなどのマイナーユニットも多数収録されている。
        Gジェネシリーズでの外伝作品の声優は他作品との兼役というのが通例だが、『月鋼』は本作での兼役を一切せずに個別に起用するという力の入れぶりである。
      • 『Endless Waltz』に『敗者たちの栄光』『Frozen Teardrop』、『DESTINY』ではボンボン版や『THE EDGE』といった漫画版のセリフが、『00』でも小説版から引用したセリフが多数収録されている。
        他にもガンプラにドラマCDや声優繋がりなど、既存の作品に対しても幅広い範囲から小ネタを引っ張ってきているのも評価されている。
      • 『劇場版00』のラストに登場する「ELSクアンタ」がシリーズ初登場を果たした。メカデザイナーの海老川兼武氏が改めて武装をデザインして監督である水島精二氏が監修した戦闘アニメーションの完成度が高く好評。
+ 隠しユニット(ネタバレ)
  • 隠しユニットとして『ガンダムビルドファイターズ』『ガンダムビルドダイバーズ』から本作の主要となる4世界観の機体をモチーフとした機体が2体ずつ登場している*3
    • 他、最終ステージに相当するスペシャルステージにおけるボスは『SDガンダム外伝』から騎士スペリオルドラゴンが担当している。これは、『新約SDガンダム外伝』で、メインの4世界観をモチーフとした騎士たちが主役を務めるためと思われる。
  • 元々ガンダムシリーズ自体が宇宙世紀ものが多いこともあり、Gジェネにおける登場作品も宇宙世紀の比重が高いことが多く『SPIRITS』『GENESIS』のような宇宙世紀のみのタイトルも見られた。
    特に前作『GENESIS』は一年戦争を題材にした作品が非常に多く、新鮮味に欠け「飽きやすい」という意見もある程だった。
    結果的にだが、アナザー主体にしたことでマンネリ化の防止に一役買ったと言えるだろう。
  • 強化されたボイス
    • 本作ではスカウト可能な全てのキャラクターに戦闘ボイスが用意されて*4おり、『WORLD』から前作までにあった「パイロット・ブリッジクルーに配置するとボイスが発生しない」ということがなくなった。
      このため『DESTINY』のヴィーノ・デュプレや『00』のイアン・ヴァスティといった原作の整備担当にもパイロット・艦長・ブリッジクルー用ボイスが用意されている。
      • MD(AI音)などの無人機やELS(発振音)、サイーブ・アシュマンといった極一部の例外を除けば、ボイスなしキャラが戦闘するのは、基本的にステージ内でゲスト艦・敵艦の艦長として登場した時のみである。
        この場合は他のブリッジクルー(一般兵)が喋るため、戦闘が無言で進むことはまずない。
    • 一般兵のボイスも『SPIRITS』『GENESIS』にあった陣営ごとの個別型から、『WARS』同様の各陣営共通型になったが、担当声優も含めて荒くれ者や女性兵士、エースといったバリエーションが増えている。
    • マイキャラクターのボイスに関して、『GENESIS』のものは流用せず、全てが新録された。
      • 『OVER WORLD』『GENESIS』で見られた「個性が強すぎて扱いに困る」という意見を反映したのか、一般兵タイプのボイスパターンも選べるようになっている。
    • 今作では特殊セリフも充実しており、従来から存在した「ファンネル」「GNファング」のボイスだけでなく「TRANS-AM」やその他必殺技などの発動ボイスまで個別に用意されている。
      さらに特定キャラや機体へ言及した専用の攻撃・支援参加・攻撃後の独白ボイスなども豊富かつ細かく用意されており、こうしたボイスを確認するのも楽しみの一つとなった。
    • 自軍で編成する必要があるためあまり目立たないが、世界観を超えた特殊ボイスも用意されている。
      『鉄血』のオルガ・イツカが『SEED』のオルガ・サブナックに反応したり、『鉄血』の三日月・オーガスらが『DESTINY』のMSアカツキを気に入る*5など、原作ファンならニヤリとなるネタも。
    • とりわけ『00』のグラハム・エーカーの戦闘セリフは、他のキャラと比べても暴走っぷりが際立っていると話題に上がることがある。そのレベルは既に暴走気味だった『OVER WORLD』すら可愛く思えるほど。
      • 『00』のステージ2で敵対したときに唐突に言い放ってくる「ハムキック!」(原文ママ)などは序の口。劇場版仕様の彼を自軍でスカウトしてトランザムを発動すると「グランザム!」と勝手に名前をアレンジするわ、「ユニオンフラッグ ソレスタルビーイング仕様」に乗せると原作で搭乗していた刹那を想って興奮しだすわ、極めつけにスペシャルステージで特定の機体と交戦すると「このめぐり合わせ、Gジェネに感謝する!」とメタセリフまで吐いてくれるわとやりたい放題の極みである。
        + (ネタバレにつき注意)
      • 劇場版仕様のグラハムをソレスタル・ビーイング所属のガンダム系に乗せると、攻撃後の独白で自分がガンダムマイスターである旨を堂々と名乗りだす。これは朗読劇『ガンダム00 Festival 10 "Re:vision"』にて、死亡したと思われていたグラハムが、対話に成功した刹那の導きでELSと同化することにより復活し、その後ソレスタルビーイングに属することになったことが判明したためと思われる。彼の新たな愛機となった「グラハムガンダムガンダムエクシアリペアIV」は本作には未登場だが、専用ボイスの中にはこれを意識したものもある。
  • ちなみにこれらのセリフには一部元ネタもあり、「ハムキック」はドラマCDより、メタ発言に関しても小説版で「地の文にツッコミを入れる場面」が存在するので、ある意味忠実に原作を再現した結果ではある。
  • 過去作のネタ要素であった「~フィンガー」ボイスに関しては、有料DLCのゴッドガンダムとマスターガンダム、ターンXで確認されており、特に「爆熱ゴッドフィンガー」の特殊ボイスは豊富に用意されている。
  • 完成度・臨場感が高まったBGM機能
    • BGMは大きな改変を加えず原曲をほぼ忠実に再現したものが多数収録されており、権利使用料の関係か代替として用意されたと思われるオリジナルBGMもおおむね元となったであろう曲の雰囲気を損なわないように制作されている。
      ただし、1曲自体は短くぶつ切りループなのは変わらず。
      • また、原曲を再現したBGMにはきちんと原曲名が表記されるようになった。細かい点だが収録曲数の多い本作では嬉しい仕様である。
    • 各外伝作品のオリジナルBGMも本作新規のもの*6が多いが総じて評価は高く、新たに登場したキャラクター達の魅力を高める要素の一つとなっていると言える。
      • 1作品から1人しか登場していない例も多いが、それらのキャラに対しても個別に専用BGMが用意されている。また過去作で登場していた『G-UNIT』などにも新曲が用意されているのも好評である。
      • Gジェネオリジナルキャラ用のBGMは初期設定の『GENESIS』版に加えて『WORLD』版も存在し、各2種類ずつ収録されているといった配慮もある。
    • 本作ではカスタムサウンド機能により、各キャラの搭乗機体の武装枠毎にBGMを個別設定が可能になったほか、さらに編成画面と各シナリオ選択画面、各フェイズ毎のステージBGMに至るまで細かく変更可能。
      変更できるBGM数自体も豊富なため、ゲーム進行の臨場感を大いに高めることができる。
      • 選曲・試聴もほとんど自由に行えるなど、前作で指摘された問題点を改善しているのも嬉しいところ。
      • 当初は下記の問題点にあるような難点も見られたが、Ver.1.50でのアップデートにより、より細かい箇所までBGMの変更が可能となっている。
    • ちなみにPS4版とSteam版はカスタムサントラ機能もあるため、手持ちの音源を活用することでBGM面のさらなる充実が図れる。
  • 難易度
    • ステージ難易度は「NORMAL」「HARD」「EXTRA」の他、スペシャルステージクリアで解禁となる「HELL」の4段階。それぞれの難易度も相応であり、強難易度好みのプレイヤーも満足と言える。
      • 「HELL」に出現する敵ユニットの一部は撃破することで特定キャラクターの固有アビリティを獲得可能で、自軍キャラクターのカスタマイズの選択肢がさらに広がる。
        中には『鉄血』のアトラ・ミクスタのような非戦闘員キャラに、「阿頼耶識」「ブーステッドマン」などのアビリティを習得させて戦場に連れ回す関係者が知ったらブチ切れられそうな外道プレイヤーもいるとか。
  • アップデートやDLCによるやりこみ要素の追加
    • Ver.1.60で「限界突破」の実装によりキャラクターのレベル上限が大幅に上昇したほか、有料DLC「エキスパンション・パック」で限定的ながら世界観ごとのクロスオーバーステージが登場。さらに「HELL」以上の難易度「インフェルノ」も追加されている。
  • その他前作と比較しての改善点
    • クエストはステージを1回プレイするだけで全て達成可能となるなど、条件が緩和化された。
    • ゲストユニットのGETゲージの蓄積状況がステージをまたいで共有されるようになった。
      • 同じステージを繰り返せばいつかは生産登録できるようになったほか、ステージ内での自軍とゲストの経験値の振り分けに融通が利かせやすくなった。
    • SFSが『PORTABLE』と同じくユニット毎に紐付く形で出撃するようになったためより扱いやすくなった。
      • なお、登場作品の世界観の都合上、登場するのは『SEED』の「グゥル」と、新規オリジナルの「フライター」と「トレイター」の計3機のみなのはご愛敬。グゥルが空中戦用であるためか、オリジナルSFSの2種は場所を問わず運用可能となっている。
    • MSであればシールドの有無に関係なく防御コマンドが選択できるようになった。シールドの効果は「防御時の軽減率上昇」に変更されている。
    • プロフィールでのボイス再生機能が復活し、一部のみながらボイス試聴が可能になった。
    • ゲーム全体の必要キャピタル量は相変わらず多めだが、今作では遊撃グループと派遣作戦の追加によりキャピタル稼ぎそのものは楽に行えるようになった。
    • マイキャラクターの容姿について、これまでの目隠し影限定からON/OFFの選択式に変更された。
    • タイトル画面やシナリオ選択画面の裏で、(SEのみでボイス・ネタ要素なしながら)地味に戦闘デモが復活していたりする。
    • そのほか戦闘アニメやムービー中にセリフの字幕表示がなされたり、各種マップ演出の省略設定が可能になっているなど、快適なプレイができるよう細かい部分で調整された箇所は多い。
      • 各言語のバージョンで分かれるコンシューマー版と違って、Steam版は文字表記を英語・韓国語・中国語(簡体字・繁体字)に変更可能。そのせいかファイルサイズが44GBにも及ぶことになったが。

賛否両論点

  • 収録作品を絞り原作設定を重視した結果、防御アビリティが目立つようになり、ユニット間の戦闘バランスが悪くなっている。
    • 特に実弾耐性効果の「フェイズシフト装甲」を持つ『SEED』系列やビーム耐性効果の「ナノラミネートアーマー」を持つ『鉄血』系列などが目立つ。これらはそれぞれの属性攻撃に対して「ダメージを一定値軽減する」効果のため非常に強力である。
      • 『鉄血』系は原作設定通り、モビルワーカー系などのごく一部を除いた全てのユニット(戦艦含む)がナノラミネートアーマーを装備している。初期生産リストに含まれるフレック・グレイズなども例外ではない。
        さらにMAハシュマルの装備を除いて一切ビーム兵器が存在しないのも特徴的。
    • 一方で、『W』の主役級機体に採用され原作で高い防御力を発揮していた「ガンダニュウム合金」は、本作では「防御力+60」という控えめな効果になっており、上記と比べると少々見劣りする。
      • 防御力ボーナスはバリア系と違って派遣作戦において加点要素ではある。
      • なお、『W』終盤ではシリーズおなじみの射撃全般を大きく軽減する「プラネイト・ディフェンサー」を持つ機体が敵として大量に立ちはだかる。
    • 『00』系には「GNフィールド」があるが、こちらは「あらゆるダメージが2500以下なら無効」であり対象は広いものの軽減ではない。原作再現として「GNフィールド無効」効果も登場したが、性能差が大きくないと機能する状況そのものが少なかったりする。
      • ただし一部機体は「GNコンデンサー」などの効果で無効値を増加しているほか、「GNシールドビット」などより高性能な防御アビリティを持つものもいる。
        どちらかというと、『00』系は「GNドライヴ」によるEN回復能力・飛行適性の方が特徴的と言えるか。
    • これらの防御アビリティの多さや全体的なダメージ軽減率が高めなことも相まって、自軍部隊の育成状況や機体の組み合わせによってはシナリオ進行で苦戦を強いられるなど、バランスが不安定になりがち。
      • もっとも、これらの点は原作設定を反映したことによるものなのでやむを得ないし、逆に上手く利用できれば楽にシナリオを進められるなど、一概に難点と言い難い面もある。
        例として、『鉄血』『月鋼』シナリオにフェイズシフト装甲持ちを連れて行くとほとんどの攻撃を軽減可能となる(本作では最終ステージを除いて世界観の異なる機体が登場することはない)。ただし『SEED』系列の高性能機体の多くはビーム兵器を主力としている機体が多いため、一筋縄ではいかないのだが。
  • 武装構成の見直しなどによる問題
    • 『GENESIS』でも多く見られたが、特に『SEED』系機体によくある調整で、過去作以上に武装や機能のオミットが目立つ。量産機のバルカン系武装や、追加装甲のパージ機能など。
      • また過去作品と比較して、特に『SEED』系機体は射程が短縮される傾向にある。
    • 今作でもテンション使用制限あり・特殊射撃属性の「一斉射撃」を持つ機体が増えており、これも『SEED』系機体に多く採用されているが、この弊害で単独で使用できなくなった武装が少なくない。
      中にはブラストインパルスやアカツキ(オオワシ装備)、ドレッドノートイータなど、特徴的なメイン武装を一斉射撃に取り込まれてしまった機体も多く、使い勝手に大きく影響している。
    • 上記防御アビリティが充実している仕様も相まって、特殊属性の武装が超強気にならないと使えないこと自体も大きな足かせになっている。
      また後述の戦艦連携が強すぎるせいで、ユニット単体のテンションを上げる機会が減りがちなことも悪い意味で拍車をかけてしまっている。
      • 反面、ヘビーアームズ系などはテンション制限なしで常に一斉射撃に相当する武装が使える。
        特にガンダムヘビーアームズ改(EW版)は実弾しか撃っていない一斉射撃で特殊属性を与えられており*7、おまけに射程1の特殊属性持ち新武装まで獲得するなど扱いの差が目立つ。
      • フリーダムガンダムのように一斉射撃を持ちつつ各装備を単体でも使用できる機体もいるため、扱いの差を考慮してほしかったところである。
    • 上記の例とは別に、過去作と比較してフォースインパルス*8の「エクスカリバー」やガンダムキュリオスの「ハンドミサイルユニット」といった一部武装が削除され、結果として使い勝手が悪くなった機体も存在する。
      • これらは1回限りのイレギュラーな使用であったり、外付けのオプション装備であるため削除されたと思われるが、その一方で105ダガー(ジェットストライカー装備)の武装に「アグニ」*9があったり、ウィンダム(ジェットストライカー装備)にMAP兵器「核弾頭ミサイル」*10があったりと武装の選定基準がやや不可解である。
    • MAP兵器の削除も目立つ。アークエンジェル等の戦艦のものについては「戦艦連携」があるのでそもそも使いどころが無くなっているともとれるが、敵対した際の緊張感の無さは寂しいものがある。
      • MAP兵器を持つ機体であっても、敵として登場した際はオミットされていることが多い。このせいでMAP兵器無効化のオプションパーツが活きる場面が少なくなってしまっている。
      • ただし、ゲストユニットのみでクリアする必要のある独立マップ、チャレンジ条件やクエストもあるため、これらを無理なく達成できるようになされた調整の一環とも考えられる。
        例えば、『00』シナリオの「ガンダムエクシアとアグリッサの一騎打ち」の場面では、敵が毎ターンMAP兵器を使用することを前提とした調整が見られる。
    • これも実質『GENESIS』からの変更だが、戦艦の武装名が「対空攻撃」「ミサイル一斉射撃」「艦砲射撃」などの味気ない名称に統一される傾向にある。
      さすがに「タンホイザー」「TRANS-AM」などは固有名だが、特に『SEED』は艦長が叫ぶ特徴的な武装名が印象的だったこともあり違和感を覚える人も。
  • 戦闘アニメーション関係
    • 全体的な構成は『WARS』以前のものを踏襲しており、攻撃後の独白や戦艦以外の撃破演出が復活している。
      • 前作『GENESIS』で悪目立ちしていた棒立ち回避も改善され、それ以前通りの動きのある回避動作を行うようになった。一部機体・戦艦には専用の回避演出を持つものもいる。
    • 『GENESIS』で大いに不評だった限定的すぎるカットイン発生条件も、「キャラクター絵+その機体の作品シリーズを模したコックピットの内装」という仕様に改善され、スカウト可能な全キャラクターの戦闘アニメに搭乗機体の制約なしで表示されるようになった。
      カットインそのものは一枚絵をスライドさせたものに口パクと『WARS』同様に簡素なもので、『WARS』ほどのバリエーションはなく『GENESIS』ほど作り込まれてはいないが、全体のキャラクター数を考えると仕方がないと考えられる。
      • イベントムービーで挿入されるコックピットカットインは従来どおり作り込まれたものになっている。
    • 攻撃演出もより派手なものになったほか、新たに超強気時の攻撃前や、敵撃破時に追加演出を持つ機体が存在するように。いずれも原作再現面は勿論、見応えも十分なものになっている。
    • その一方で、戦闘演出には相変わらず牽制射撃が含まれており、数発外れた後、直撃を食らうか回避したかでダメージ判定が明らかになる流れとなっている。
    • 中には地面を歩いたり地面へ叩きつけたりするなど、背景が地上であることが前提となっている演出があるが、出撃しているのが宇宙や空中でもこれらの演出は一切変わらない。
      『GENESIS』では宇宙・空中での演出変化も見られたので、この点ではやや劣化していると言える。
      • Ver1.62では一部の機体(ブルデュエルのレールガンなど)で地上と宇宙での演出変化が確認できたので、今後のアップデートで更に追加されるかもしれない。
    • MAや戦闘機系のユニットが被弾すると、空中で動きを止める。被弾しつつも防御アビリティでノーダメージに抑えたのに体勢を崩しスパークするといった被弾演出の違和感もよく目につく。
    • 前述のように攻撃後の独白や撃破演出が追加され、他にも各演出に凝りすぎたあまり、結果として全体的に戦闘アニメのテンポが冗長になっているという指摘もある。
      • 特に撃破時は「攻撃側の開始セリフ → 守備側の被弾セリフ → 守備側の被撃墜セリフ → 攻撃側の撃破後セリフ」となることが多くテンポが悪い。特に「被弾セリフ → 被撃墜セリフ」の部分は二度同じ演出を見るような状態になっておりテンポが良くない。
      • また被撃墜演出の長さはシリーズ随一であり「連鎖爆発 → 被撃墜セリフ → 連鎖爆発 → 大爆発」といったくどさのある内容となっている。最後の爆発についても爆弾を満載しているのかと思うくらいの規模の大爆発であり、たとえ戦闘機や戦闘車輌であっても不自然なほど派手に爆発する。
      • Ver.1.50でのアップデートにより、一部の過去作にあった「ボタン入力中のみ戦闘アニメを高速化」する仕様が追加された。
      • ただしここにも、被撃墜セリフは早送りができず、直後の撃墜後セリフを聞きたい場合は邪魔になるという細かい不満点が。撃墜後セリフのみを確認したい場合はMDやELSが敵で出てくるステージを選ぼう。
    • 一部は戦闘アニメーションそのものに演出ミスや違和感を覚えるものがある。前者の例としてはグシオンリベイクフルシティの「シザース可変型リアアーマー」の展開後の持ち方がおかしいといった程度のもので、こちらはそこまで目に付くことはない。
      • 後者は上記に挙げた内容も含んでいるが、それ以外のもので違和感が強いのはデスティニーガンダム。本作では必殺技「エクストリームブラストモード」以外の戦闘アニメで背面のウイングが開かなくなっており、格闘武装の「アロンダイト」や「パルマフィオキーナ」さえもウイングを閉じたまま繰り出すようになっている。原作では多くの場面でウイングを開いて残像&光の翼を発生させて戦っていたため、せめて格闘武装でウイングを展開するくらいの演出はあってもよかったはず。
  • まだ残る奇妙な登場ユニット・キャラセレクト
    • シチュエーションツアーでシナリオが収録されていない作品はユニットやキャラクターが1~3つだけと歯抜け収録になっていることが非常に多い。
    • F.I.F』以来の登場となる『BATTLEFIELD OF PACIFIST』からはユニットとしてスコーピオが登場するものの、その原作パイロットであるビクター・ゲインツは復活しなかった。
      『EW』との兼ね合いからか、『敗者たちの栄光』で設定された後期ガンダム(EW版)のほぼ完全上位互換となるバリエーションも未収録。
      またリジェネレイトガンダムやM1Aアストレイ、ガンダムアストレアやアブルホールが登場しているのにそれらの原作パイロットであるアッシュ・グレイやバリー・ホー*11、ルイード・レゾナンスやマレーネ・ブラディが登場しない。
      逆にミゲル・アイマンが出ているのに『SEED』本編での原作再現を優先したのか『SEED-MSV』でも知名度が高いミゲル専用ジンが収録されていない*12など、片手落ちのようなケースが多々見られている。
    • 他、『ΔASTRAY』の後期主役機であるターンデルタ、ライバル機のネロブリッツやロッソイージス*13、『FRAME ASTRAYS』のライゴウガンダム、『VS ASTRAY』のライブラリアン機*14、『SEED-MSV』ではレイダーガンダム制式仕様や数少ない水陸両用機であるフォビドゥンブルーなど人気のある派生機体も登場していない。
      いずれにせよ、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY GENERATION of C.E.』や『PORTABLE』に出ていた機体やキャラクターの多くが収録されていないのは残念なところ。
    • 換装形態の再現そのものにも偏りがあり、ザクウォーリアの一般機はガナー・ブレイズ・スラッシュの各形態が登場するが、ザクファントムの一般機は換装どころかウィザード装備仕様が未収録。しかしザクファントム専用機は原作で使用していた各種ウィザードをそれぞれ装備しており、なぜ一般機版が未収録なのかは不明。専用機の生産登録も不可になってしまったため、ウィザード装備のザクファントムに乗れるパイロットは一部のみとなってしまっている。
      • 収録されている機体も、ストライクガンダムとインパルスガンダムが換装で各形態を使い分けられるのに対し、ザクウォーリアやダガーLなどは別ユニット扱いで装備を切り替えるのにわざわざ開発する必要があったりと、改悪された仕様も見られる。
        「開発系統が短いから別扱いにして水増しを図ったのでは?」という憶測をされることも。
    • ドムトルーパーは原作パイロット3名が相変わらず復活しないばかりか、上記の武装見直しの影響も大きく*15、機体が登場できただけマシといった有様。
    • 看板作品の主役機であるガンダム・バルバトスは第1~第6形態まで細かく登場し、グシオンリベイクフルシティと共にルプスレクスの半壊状態「(阿頼耶識リミッター解除)」まで存在する。
      しかしクタン参型は登場していないため、残念ながらミーティアやGNアームズとの共演は叶わなかった。
    • 設定上は複数の形態を持つガンダム・ダンタリオンは通常形態(ネイキッド)、および原作で披露したハーフカウルTとTブースター装備形態止まりであり、派生装備のBブースターやフル装備形態にあたるパーフェクトカウル等は未収録。
      原作未登場に終わったガンダム・セーレもプロローグでシルエットのみ姿を見せ、機体そのものは登場せず。
    • ユニットセレクトの賛否はいつものことながら、『GENESIS』同様に「登場作品を絞っているにもかかわらず」という枕詞がついてしまうのはやむを得ないか。
      • 尤も、上記で挙げたような既存ユニットの派生・発展型機体の選別に関しては『GENESIS』にあった水増し感が少ないともとれ、一長一短と言えるだろう。
    • キャラクターに関しても『GENESIS』よりは改善されたものの、せっかく初登場したのにボイスがない、またはスカウト不可なキャラが少ないとは決して言えず、少々勿体ない印象を受ける。
      • 特に『鉄血』で印象的だったジャスレイ・ドノミコルスは専用戦艦持ち(自軍生産可)、ゲーム内でも出番は多めであるにもかかわらず、スカウト不可・ボイスなしという残念な扱いとなっている。
      • 初登場ではないが、ギルバート・デュランダルやバラック・ジニンのように過去作でスカウトできたキャラが戦闘ボイスがあるにもかかわらずスカウトできないのも残念。
      • 容姿変更が廃止されたことで、それまでの容姿違いは別枠でスカウトするか、スカウト不可(自軍で使えない)な扱いになってしまった。プロフィールではこれらも閲覧できるだけに勿体なく感じる。
    • 戦艦の選択肢がこれまでのシリーズに比べて非常に狭く、万能艦も少ない。宇宙世紀ほど外伝作品が充実していないことや、終盤まで主人公達に母艦がない『W』や地上戦艦が登場しない『鉄血』といった登場作品の都合もあるのでやむを得ないが。
      • 戦艦の選択肢に関しては、そもそも戦艦を使わない遊撃グループの存在で補おうとした節が見受けられる。
  • 強すぎる戦艦連携
    • 戦艦グループに属している味方ユニットが出撃している場合、戦艦は専用の範囲攻撃コマンドで「戦艦連携」と称した一斉攻撃を行うことができるが、これが非常に強力。
      • ダメージ計算式が「指揮範囲内にいる出撃中の味方ユニットのステータスの合算値と対象敵ユニットの数でダメージ算出」と、かなり大雑把なので、大ダメージを叩き出しやすい。そのため、範囲内の敵複数機のHPをごっそり削るor全機撃墜といったMAP兵器的な運用や、ボスクラスのユニットだけを対象にして一撃撃破など、様々な場面で使える。
      • 攻撃対象選択範囲は戦艦の指揮範囲依存で、味方ユニットの射程は無視。指揮範囲にさえ入っていれば味方ユニットと対象敵ユニットがどれだけ離れていても対象選択・ダメージ算出されるため、すさまじい射程を誇る。
      • 攻撃後は反撃されるが、射程や火力の都合上よほど序盤でない限り、まともな反撃はまず受けないといっていい。
      • 戦艦の行動としか扱われないため、味方ユニットは戦艦連携と関係なく普通に行動できる。
      • これで敵ユニットを撃墜すれば参加ユニットとパイロットすべてに経験値が入る。
    • これだけであらゆる場面を突破でき、しかもEXP稼ぎもできるという万能さだが、シングルプレイのキャラゲーである以上、作業にしかならないプレイを強要されないとも捉えられる。
    • 「Gジェネのゲームバランスなんて大雑把でいい」「相手が面倒になった場合の救済措置のようなもの(実際、大量の敵を素早く殲滅できるため爽快感はある)」という意見もあるが、「戦艦が無双するゲームを本当に望んでいるプレイヤーは少数派では?」
      「やはりガンダムシリーズのゲームなのだからMSが大活躍できるバランスにして欲しかった」という意見も強い。
  • 癖の強い遊撃グループ
    • 戦艦グループのように母艦へ帰投すれば1ターンで全回復する仕様がないため、下手に立ち回るとHP・EN共にジリ貧状態で戦うことに陥りがち。
      • 特にフェイズシフト装甲持ちはターン毎のEN消費が馬鹿にならないため、ストライクなどの中コスト以下の機体は戦闘すら困難になる。もっとも、この点は原作設定通りの仕様とも考えられるが。
      • 戦艦に紐付けられておらず、いちいち帰還・再出撃のローテーションを組まなくても延々と戦闘を継続できるのが遊撃グループの利点であるはずだが、EN消費が激しい機体の場合は大量の敵を捌ききれずに、EN切れでろくに反撃もできない状況になりがち。
    • 戦艦グループは一ステージ中合計18回スキルが使え、全グループひいては全軍をカバーできる強力なものが行使できる。対して遊撃グループは所属ユニットごとに5回使えるが、スキルを使ったユニット自身にしか効果が及ばなくなっている。序盤で豊富なラインナップの範囲スキルが揃うに対し、有用な単体スキルはほとんど高レベルでの習得、といった具合に遊撃グループに踏んだり蹴ったり。
    • こだわりがなければ戦艦グループはMPアップ1を四回使って全グループを一気に超強気にしてしまえる
    • バランスなどの問題もあるだろうが、シナリオ中の出撃は序盤ステージは最大4体まで。そこから徐々に出撃枠が増え、全8体出撃できるのは一部作品の最終ステージのみ。
      • マスターユニットが存在しないにもかかわらず、サイズがXL以上のユニットは普通に出撃枠を食う。このためXL以上のユニットを出すとさらに出撃数が減ってしまう。
        さらに仕様上、単騎出撃にしてしまうとHP回復が不可能になるなどの問題点もある。
    • またキャピタルが不足しがちな序盤はともかく、戦力が充実する頃には普通に戦艦を購入してブリッジクルーも配置した方がキャラ・ユニット育成の効率は良い。もっとも、本作の戦艦は非常に高価。
      • 早期購入特典としてオプションパーツ「増設ハンガー」がクエストを達成せずに入手できたため、序盤から戦艦グループで2チーム編成が可能であったことも、結果として格差を広げる一因となっていた。
      • 増設ハンガーが早期入手できない状況で、2チームある戦艦の購入を後回しにする場合は、8機編成できるグループ派遣やシナリオ後半ステージでは遊撃が有利か。
    • 戦艦連携のように一斉攻撃する連携(遊撃連携)も可能だが、こちらは火力が控えめ(『GENESIS』での戦艦のグループ攻撃程度)で、戦艦連携ほど威力がぶっ壊れではない。
      • ただし、一機ごとの所属ユニット中心ということもあり、射程の柔軟さは戦艦連携以上。連携を駆使することで遠く離れた相手が狙いやすいなど、部隊が二分しやすくトリッキーな戦法も可能。
    • このほかに遊撃グループ有利の派遣作戦等もあるため「遊撃グループは不要」という状況にまではなっていないものの、ゲームバランスを総合的に見ると戦艦グループが優位に立っている。
  • 利便性が高すぎるSFS(サブ・フライト・システム)
    • SFSとは、MSを乗せて移動することができる乗り物のようなもの。編成画面にてユニット1機につき1台割り当てることができる。
    • 前作ジェネシスでは、MSと別々に出撃させてからマップ上で搭乗させる必要があったSFSだが、今作では最初から搭乗した状態で出撃できるようになった。
    • 利用時の最大事の長所は、一度SFS搭乗状態で移動し、そこからさらにMSを降機させて移動させることができるという、擬似的な2回移動能力。これによって1ターン目から広範囲に戦力を展開できるようになっている他、戦艦チームではこれを利用することで出撃直後から戦艦・マスターのスキルを使用して戦闘を行える。
      • ただし、欠点として、MSが降りて無防備になったSFSは、敵にまっさきに狙われてしまう。前線で不用意に乗り捨てるとあっというまに撃破されるので、位置取りへの配慮や、チャンスステップを用いて、SFSに再搭乗した状態でターンを終えるようにするなど、2回移動運用時には対策は必要になる。
    • 上記の2回移動を使わない場合でも、単純に移動能力の向上と地形への対応(例:地上専用機体を宇宙戦で使う)など、本作のSFSは購入資金さえ用意できるのならば基本的に使わない理由がないといっていいほど利便性が高い。
    • この点をみれば、単純に旧来からの改善点、アッパー調整とも言えるが、SFSに搭乗不可能な機体も一部存在するため、それらの機体が相対的に割を食っているのがデメリットととも言える。
      • 地味に長所を食われているのがウイングガンダムなどの変形機体。一般的には変形の長所として移動力アップと飛行能力があるが、全てSFSで補える要素である。そして変形とSFSは両立できない*16ことが大半なので、結果として変形機体のありがたみや利便性が薄まっている。
  • なお、一部過去作であった戦闘アニメ上でのSFS搭乗反映は、今作にはない。もともと参戦作品4つには宇宙世紀作品のようなSFSは存在しないので、ゲームオリジナル要素・デザインとなっており、種類も少ない。
  • キャラクターアビリティ周りの仕様
    • アビリティはミッション中で特定の敵を倒すか、グループ派遣作戦の達成によって入手でき、その種類は膨大。またアビリティにはLv設定してあるものがあり、高Lvのものは低Lvアビリティの上位互換になっている場合がほとんどである。
    • またキャラクターがセットできるアビリティは1人5つまで(Ver.1.60で実装された「限界突破」により、0~2枠追加ができる)であり、ストックしたアビリティをキャラに習得させるためには、別途キャピタルを消費しなければならない。
      • ミッション内で手に入るアビリティに関しては、アビリティホルダーを倒したキャラに限り、ノーコストで習得できる救済措置も一応あるが、そもそも『ミッション内入手なら無料取得、インターミッション時は有料取得』の仕様そのものが、プレイヤーに対する嫌がらせにしかなっていない。
    • 上記の仕様から、特に金欠になりがちなゲーム序盤には、せっかくアビリティを入手しても思うように習得させられない状況が発生しがちである。
      また、キャピタルに多少余裕が出てくる中盤以降も、セット可能枠の少なさから、低Lvのアビリティはスルーして高Lvのアビリティだけを取捨選択して習得させる判断になりがちである。
    • ゲームの仕様上、効果の低いアビリティが最終的に使われなくなってしまう事態は仕方ないが、本作では低Lvのアビリティも繋ぎとして気軽に使いづらい仕様であり、結果的にゲーム中で様々なアビリティを入手して運用する楽しみが減ってしまっているのは残念な点である。
    • 更に、こうした不要アビリティを整理する手段が直接用意されていないのも問題で、目当てのアビリティをリストから探す際の弊害になってしまっている。
      • リストからわざわざ消去するには「対象アビリティをキャラクターにセット」→「別のアビリティで上書き」と2度もキャピタルを使う手間をかける必要がある。アビリティの並び順にこだわるプレイヤーも同様の手間が必要。
      • カテゴリごとにフィルタリングする機能は一応あるが、種類の膨大さに対して表示リストの上下幅が明らかに狭いUIデザイン上の問題もある。
        上述したように特に序盤は金欠気味になりがちなケースが多々あり、「安価でもいいから売却できるようにしてほしい」、そうでなくても「せめてノーコストで捨てさせてほしい」、更に「コストを支払うのなら『入手履歴があるが、ストックにないアビリティを複製できる』ようにして欲しい」などの意見はたびたび聞かれる。
  • 特定機体の撃破後演出
    • 一部の機体に存在する敵機撃破後の特殊演出は、攻撃後の通常演出(とキャラクターカットイン)に代わる形で挿入される。
      この特殊演出は固定でON/OFFの切り替えができず、どの武装で撃破しても必ずこの特殊演出になるため、人によっては「機体は好きなので使いたいが、戦闘が終わった後のキャラクターカットインを見る機会が減るのは寂しい」というジレンマに晒される。せめてスパロボのように特定武装のみの演出であって欲しかった所である。
  • 派遣作戦で崩壊したゲームバランス
    • もとより自軍が育ちきると作業ゲーになりやすい傾向があるシリーズではあるが、本作では派遣作戦の追加で育成効率が良くなったため、結果としてゲームバランスがあってないようなものになった。
    • 特に有料DLC導入時に選択できる追加派遣作戦の効率が良すぎるため、これに手を出すとあっさりとゲームバランスが崩壊してしまう。
      実際にプレイするより派遣作戦に出して放置するほうがずっと効率が良いというゲームと呼べるのか怪しい状態になってしまった。
    • もっとも、Gジェネシリーズは慣習的に「難易度調整やゲームバランスはプレイヤー自身で調節するのが当たり前」とされている。
      上記の追加派遣作戦も、有料ならではの利点があって然るべきであり、また欲しい機体とキャラを獲得するだけに留めるならばバランス面でも大きな問題とはならない。

問題点

  • キャラクターのパラメータ設定
    • 『00』系の「GNビット」「GNファング」に代表されるオールレンジ攻撃武装は一律で覚醒武装となったが、この仕様変更のせいで原作でこれらの武装を活用していたのにもかかわらず、本作では使用適性のないキャラクターが数名出てきてしまった。
      • 主な被害者は『00』のロックオン(2nd版・劇場版のライル)とサーシェス、『G-UNIT』のヴァルダーなど。『鉄血』シナリオに無人機として登場するハシュマル(のAI)も、覚醒値が0のため自身の超硬ワイヤーブレードを使いこなせないというおかしなことになっている。
      • 一応、プレイヤーが自軍で使う上では覚醒値を補強することで対応可能だが、ステージ中に登場するゲスト・敵ユニットのパイロットについてはどうしようもない。
    • 本作に限ったことではないが、パラメータの成長パターンがマスクデータになっているため、最終的にどういうステータスになるのかはレベルを上げてみないとわからない*17
      • 原作キャラクターは大体原作イメージに即しているといった感じだが、作中では一貫して戦艦クルーだったのにパイロット向けの成長パターンになっている『DESTINY』版のミリアリアやノイマンなど、成長パターン設定が疑問なキャラが一部いる。
      • Gジェネオリジナルキャラクターたちの成長パターンが、キャライメージに合っていた『GENESIS』のものからまったくの別物に変えられている。
        元は11月8日に先行配信された体験版から発生していたバグで、後にアップデートによって修正されたが製品版ではこの修正が適用されていない
        つまり成長パターンがバグにより本来想定されたものではなくなっている
      • 例を挙げると、エルフリーデ・シュルツのように初期値は格闘特化なのに射撃だけ爆発的に伸びるタイプだったり、エルンスト・イェーガーやレッセル・ミズカのように操舵手だと思ったら覚醒型だったりする。
      • なお、この問題は現在でも手がつけられていないまま。
        ファイナルコンプリートガイドでは(『GENESIS』のものとは異なる)成長パターンがそのまま記載されており、その後のアップデートでも修正されなかったため、公式ではバグではなく本作の仕様と扱っているようである。
      • マイキャラクターは設定した誕生日と血液型の組み合わせで成長パターンが決まるが、初見では何が伸びるのか全くわからないため、設定を色々考え込んだらパラメータがあまり伸びないということも。
      • 一応、どのキャラクターもキャピタルでパラメータを全キャラクター共通の最大値にまで上げられるため、最終的には成長タイプをそれほど意識しなくても良くなるが、やはり違和感は強い。
      • ただし、Ver.1.60で「限界突破」が追加されたため、そうも言ってられない事態に。特に覚醒値が成長しないキャラクターは限界突破後も覚醒値が伸びず、限界突破後の強化に使えるポイントは有限のため大きく差が開いてしまう事態になってしまっている。
  • シナリオ面の問題点
    • 追体験型ではお馴染みの首をかしげるストーリー展開は相変わらずで『W』『SEED』『DESTINY』は全体的にエピソードのカットや混ぜ合わせが目立っている。
      原作が分割シーズン式だった『00』『鉄血』は最大12~13ステージまであり再現度はかなり高いが、それでもやはりエピソードのカットは存在する。
    • ゲーム上やむを得ないとはいえ、主役級以外のキャラは非戦闘員の多くが未登場であったり登場しても掘り下げが足りておらず、それらにスポットが当たる一部シーンに違和感があることも。
      • 『W』ではトロワ・バートンの戦線復帰や記憶を取り戻す経緯がカットされており、再登場した途端に記憶喪失が語られ、次のステージで記憶がいきなり戻っている。 過去作の『F』ではこの経緯が前哨戦付きで描かれていたため、劣化点と言える。
      • 『G-UNIT』のアルモニア姉妹は『F』でのプロフィールのように「死亡した」という誤記こそされていないものの、相変わらず生存した描写が省かれている*18
        後に出た漫画『オペレーション・ガリアレスト』で生存の経緯が描かれた上、その単行本1巻に本作の先行DLCコードが付属していたため、これに合わせた描写を入れてほしかったところではある。
      • 加えて『EW』では敵首領のデキム・バートンをレディ・アンが自ら射殺して亡きトレーズに詫びを告げており、原作とは展開が完全に異なっている*19
      • 『SEED』では計3回に分けて行われていたバルトフェルド隊との対決が1ステージに集約されており、そのためバルトフェルド駆るラゴゥと決着をつけるキラの機体が原作のエールストライクではなく初戦で用いたランチャーストライクのまま。
        本作のランチャーストライクはアーマーシュナイダーが削除されこのステージでは換装もできないため、どうやっても原作再現が不可能。
        また生身の人間としてキラ&カガリとバルトフェルドらが接するエピソードも省略されており、これらは『SEED』全体を通じても非常に重要なエピソードであったため*20、ムービーなどの形で何らかのフォローが欲しかったところ。
      • 『ASTRAY』はアレンジされた展開が多く、それ自体はゲーム的には問題こそないものの、中にはシナリオ中では防衛対象にしか見えない連合軍やザフトも攻撃対象となっているステージが存在する。
      • 『00』の最終戦となるエクシアリペアIIとOガンダムの一騎打ちが戦闘ではなくイベント扱い。それも両パイロットが機体を乗り換える経緯が半端に端折られており、乗り換えがかなり唐突。
        ビリー・カタギリは劇場版まで登場する割に、スメラギ・李・ノリエガとの関係が全く語られないなど掘り下げが不足気味である。
      • 『鉄血』1期ではビスケット・グリフォンの妹2人が未登場*21となっており、マクギリス・ファリドが何の脈絡もなくチョコレートを三日月にプレゼントする。
        また2期におけるアーブラウ防衛戦のエピソードがカットされ、ナレーションで触れられる程度*22なため、いつの間にかタカキ・ウノが鉄華団を辞めている。
        このため、同エピソードで大きな役割を果たしたガラン・モッサも未登場で、彼の乗機だったゲイレールのみ収録されているという有様。
      • 『月鋼』のジャンマルコ・サレルノに至っては本人も乗機のリーガルリリーも登場するのに敵として戦うステージがない*23
    • 新規登場が多いのにシナリオ収録された作品は少なめで、基本的に本編に対する外伝は世界観ごとに1作のみがシナリオ収録されている。外伝作品が少ない『W』『鉄血』に合わせたという見方はできなくはないが。
      • ASTRAY関連のシナリオは一番初期のときた洸一版『ASTRAY』及び直接の続編である『X ASTRAY』のみの収録であり、戸田泰成版『ASTRAY R』からはロウのガーベラストレート入手の経緯が簡単に語られるのみ。
        GGユニット*24やレセップス入手の経緯*25などは一切語られない。
        叢雲劾視点でストーリーが進行する小説版及び『ASTRAY B』のストーリー再現も一切無いため、どのような経緯でブルーフレームがセカンドに改修されたかも全く語られないなど、抜けのある印象が否めない。
      • 複数ある00外伝シリーズもシナリオ収録は『00F』のみで、それ以外では『00P』でのヒクサーとハヤナが出会った経緯が『00F』のシナリオ内で語られるのみ。
        このため00外伝のビサイド・ペインはキャラと機体のみ登場するが戦うことはできない。外伝ストーリー内では色々問題を起こした「外伝側のラスボス」相当のキャラなのだが。
    • 一応、こういったゲームシナリオのアレンジや短縮のおかげで、『鉄血』のハッシュ・ミディがマップ内で撃破されてない場合、シナリオ上でも生存させられる*26といった良い意味で改変された要素もわずかに存在する。
  • サウンド面の問題点
    • 上記のように新録ボイスはかなり充実している一方、『WORLD』や『GENESIS』からのボイスを流用している面々は元のボイス数が少なく、異なる局面に同じボイスを割り当てているため、相対的にボイス面が貧相に見える。
      • 『00』のセルゲイ・スミルノフ役、『鉄血』のマクマード・バリストン役の石塚運昇氏や『00』のアリー・アルー・サーシェス役の藤原啓治氏は本作がシリーズ最後の新録となった。
      • また、担当声優が同じでも、新録されたキャラと流用されたキャラが混在しているという例が散見される。
      • 流用の弊害か、『SEED MSV』のシホ・ハーネンフースなど、一部のキャラクターにおいては、他キャラと比較してボイス音量が小さいと指摘されている。
    • 各シナリオ中のストーリーやイベント演出、戦闘マップに登場するゲスト・敵キャラクターのBGMの変更は自由にできない。
      自軍同キャラのBGMを設定で変えていても反映できなかったため、この点から没入感を妨げられてしまう面もある。
      プレミアムGサウンドエディションではゲストキャラの戦闘BGMも主題歌などに設定されているため、この点を不満に挙げるプレイヤーも多かった。
      • Ver.1.50以降では、自軍キャラのBGMを変更した場合、NPCの同一キャラクターにもBGM変更が反映できるように改善されている。
    • プレミアムGサウンドエディションとの兼ね合いなのか、主題歌アレンジBGMがほとんど無い。
      初期状態だと、『DESITNY』の挿入歌である『Quiet Night C.E.73』のアレンジがある程度。
      • 有料DLCを導入すれば、各追加作品の主題歌のアレンジBGMも使用可能となっている。
    • オリジナルBGMの曲名は「(作品名)編用 BGM01」といった形になっており、過去作で固有の曲名があったものも含めてこの形式に全て統一されてしまった。
      おかげでBGMリストでも一見しただけでは、どれがどの曲なのか判別しづらくなっている。
  • ギャラリー関連の問題点
    • 収録されているCGムービーは戦闘シーンを扱ったものは相変わらず少なく、MSの登場シーンのみや大量破壊兵器の発射シーンが半分以上を占めているなど、尺の長さも含めて『GENESIS』と大差ない形となっている。
      • MS同士がぶつかる戦闘シーンのムービーは尺がそこそこあり、なかなか見応えがあるのも『GENESIS』とほぼ変わらず。
    • キャラクタープロフィールでのボイス再生機能は復活したものの、またも担当声優の表記は戻らず、クリア後に表示されるクレジットでしか確認できない。
    • マイキャラクターの容姿が計32パターンと、ボイスの計36パターンに比べると明らかに少ない。そのパターン数も目隠し影のON/OFFを含めたものなので実質16パターンと、『GENESIS』の計30パターンより半減してしまっていた。
      • Ver.1.60でのアップデートにより別衣装と一部容姿が追加されて、計94パターンと大幅に増加した。
        それでもマイキャラクターの顔そのものは計18人分と水増し感が否めず、「『ガンダムアサルトサヴァイブ』のように自由にエディットさせてほしい」という意見も見られた。
    • ユニットプロフィールには「設計のヒント」が存在するが、ゲームクリア後に入手可能な隠し機体を要求するパターンも最初から表示されており、結果としてヒントの体を成していないものが大半を占めている。
      これらのヒントはせめて解禁後に追加されるようにしてほしかったところ。
    • 各種チュートリアルは初期以外にもギャラリーから閲覧できるが、体系的に分類されていないため、お目当てのものを探すのに便利な仕様とは言い難い。
  • 派遣作戦の問題点
    • 本作では、部隊を派遣作戦に出している間は通常の戦闘には出せない形になっている。それ自体は問題ないが……。
    • 部隊を派遣作戦に出す際に、クイックセーブ(ステージ攻略中の途中セーブ)データが全削除されてしまう意地悪な仕様となっている。
      恐らくは派遣結果リセマラ対策の為と思われるが、作戦開始時に派遣結果を設定する仕様にしてしまえばいいのに何故この仕様にしたのか謎。
      • このため「適度な時間までプレイをして、プレイを中断する際に派遣作戦に出してリソースを稼がせる」他ゲームでは行えるプレイスタイルがやりづらくなっており、「1ステージをクリアするまで派遣に出さない」などの判断が必要となる。
    • また、派遣作戦の成果は派遣するグループの『ユニットとキャラクターのステータスの合計値』と『グループ所属ユニット&キャラクターの総数』になっているが、これがかなりの欠点となっている。
      • 前者の場合、単純にユニットやキャラクターを強くすれば良い成果になるのだが、本作は自軍と敵軍の強さの差だけ取得経験値が著しく増減する仕様になっている。そのため『派遣作戦に特化すると通常作戦で稼げなくなる=通常作戦での稼ぎを意識すると、派遣作戦の成果が悪化する』二律背反を生んでいる。
      • 後者は単純に『戦艦グループ=戦艦1隻とユニット9体(キャラクター総数15人)』と『遊撃グループ=ユニット8体(キャラクター8人)』とユニットは2体・キャラクターを7人との差により、明らかに遊撃グループの成果が劣る仕様となっており、成果だけを考慮すると遊撃グループを投入する意味や価値がほぼない(一応、上記の通り遊撃グループに上方補正が乗る派遣作戦がある他、派遣ミッションで得られる経験値の分配では人数が少なさから、遊撃グループの方が1人頭多めに貰えるためレベルアップの効率では上である等の利点もある)。
  • Switch版の問題点
    • 初期では画面フリーズやエラーによる強制終了が頻発した。幾度に渡るアップデートで当初よりは改善され、初期版と比べるとほぼ発生しなくなったレベルだが、完全には解決されていない。
      • 特にソフトリセット時のクイックロードや、戦闘アニメ再生などでフリーズやエラーとなる場面が多い。
      • セーブ時にエラー落ちする場合もあり、この場合はゲームセーブデータを読み込めなくなり、クイックセーブデータがない状態でこうなると最初からやり直す羽目になってしまう。
    • ハードの仕様上カスタムサントラ機能も使えないため、BGM設定の選択肢も狭まっている。
      • 無論、携帯モードで場所を選ばずプレイできる点など固有の利点はあるが、他ハードに比べ動作の安定性や画質で劣るのが辛いところである。
  • Steam版の問題点
    • 初期版はデバッグ確認を怠っていたせいか、戦闘を行うと敵味方共に極大ダメージが発生し、戦術もへったくれもない状態だった。
      このせいでSteam公式ページでの当初の評価は「非常に不評」となっていたが、配信開始から約3時間後のアップデートで修正された。
    • ノートPCではなぜかハードウェアアクセラレータを使用しない初期設定になっていたため、ノートPCでの動作が激重で強制終了が多発していたが、Ver.1.10で修正された。
  • 各ハード共通の問題点
    • 『GENESIS』のDL版で問題になっていた容量の問題だが、今作は『GENESIS』の倍近い容量が必要となり、問題が更に大きくなった。
    • 派遣作戦の時間設定との兼ね合いか、ゲームセーブデータ枠が一つとなり、Steam版以外ではバックアップを取ることが難しくなった。
  • DLCの問題点
    • 『GENESIS』に比べると無料DLCの数が減ってしまっている。ガンダムゲーム30周年記念扱いだった『GENESIS』が力を入れていたとも言えるが。
    • 有料DLCも本編外の追加コンテンツを個別配信ということもあり、全体的にユニット・キャラクター数が少ない。
      これまでのシリーズより数の面ではマシとはいえ、各追加作品には所謂戦隊形式で複数以上のガンダムが登場している作品が多く、主人公・ヒロイン・ライバルのみというキャラチョイスは惜しまれる。
      • このため『G』のドモン以外のシャッフル同盟や『X』のガロード・ジャミル以外のフリーデンチームなども未登場。いくら本編収録作品との差があるとはいえ、もう一声欲しかったところ。
      • 『X』は前述したように『NEXT PROLOGUE』が登場した一方、『G』は前期主役機であるシャイニングガンダムが収録されていないのは残念。
    • また、追加機体は共通して換装機能が採用されておらず、いずれも使用できるのは基本形態と強化形態に絞られている。
      • これにより原作でも印象的だった『AGE』のウェア換装や、G-セルフのパック換装も省略されている*27。上記した105ダガーのような武装・演出での換装も行われないため、この仕様も少々物足りない。
      • 派遣作戦そのものも格差が目立つ。『AGE』の第1弾「スタンド・アップ」作戦は、ガンダムAGE-1ノーマルとフリット・アスノ(フリット編)が収録されているのみ。
        同じく第1弾で配信された「ターンエーの風」作戦は同価格で3ユニット・3キャラ収録と充実していたため、割高感が否めない。
        第2弾「果てない時代」作戦もアセム(アセム編)とフリット(キオ編)の時代が合わない取り合わせだったり、第4弾「キオの決意 ガンダムと共に」作戦も収録キャラはキオのみと、枠を4つ取った割にはコンテンツの薄さが否めない。
      • 『AGE』についてはカットインが『OVER WORLD』までのノーマルスーツではなかったり、アセムの頭身がおかしかったり*28とそこかしこに違和感が見受けられる。
    • 有料DLCの追加キャラクターのボイスは、新録されたキャラ(ドモン・ガロード・マスクら)と流用されたキャラが混在しているが、流用されたボイスは『WARS』や『OVER WORLD』などの過去作からではなく、なぜか『機動戦士ガンダム EXTREME VS. MAXI BOOST ON』などのガンダムVS.シリーズからのものになっている。
      • シリーズ初登場のキオやアイーダは新録の手間を省いたということでまだ理解できるが、過去作に出ているフロスト兄弟やギンガナムまでVS.シリーズのボイス流用というのは解せない。
        何かの問題で過去シリーズの音声が使えなくなったのかと思いきや、ファンネルやフィンガー系の特殊ボイスは過去作から流用されており余計に不可解。
    • 有料DLCが個別配信されていて、派遣作品で取得する都合もあってか、有料DLC機体は「開発」と「設計」ができない。
    • ただし追加機体のモデリング・モーションに関してはG-セルフ(パーフェクトパック)以外の全てが新規であり、主題歌アレンジのインストBGMも前期・後期込みで新規に作成して収録するなど、個々の作り込み自体は高く評価されている。
      • だからこそ望まれるとも言え、「せっかくならアナザー作品は全網羅して欲しかった」という声が多く出るくらいにクオリティが高い。
      • また、元より追加作品にはシナリオ再現がなく追加機体が敵として出てくるステージもない。よってユニット・キャラだけを充実させてもそれはそれで味気無いとも言える。

総評

主にシナリオ面に少なくない粗があるほか、かゆいところに手の届かない多数の惜しい箇所や、Switch版ではフリーズなどのバグを無視できないのは残念ではあるが、『GENESIS』譲りのシステムと大ボリュームが活かされている出来栄え。
今作では戦闘アニメをはじめとして前作で指摘された問題点を多く改善しており、さらにやり込み要素なども増加しているのも大いに評価できるだろう。
宇宙世紀以外を主体としたことで、これまでにはない新鮮な構成になっているのも大きな特徴であり、これらの収録作品に魅力を感じているならば、プレイする価値は十二分にある一作と言える。


余談

  • モーションがこれまでより派手に動くようになったせいか、あるいは女性キャラや半裸の阿頼耶識勢のカットインが追加されたせいか、はたまた『鉄血』のストーリーのせいか、レーティングがそれまでのCERO:A(全年齢対象)からシリーズ初となるCERO:B(12歳以上対象、セクシャル・暴力・犯罪)に変更された。
  • 新規機体ではないが、初期配置戦艦の「キャリー・ベース」は全体的な印象は変わらないながらも、よく見るとまったく別のデザインに変わっている。
    従来のデザインは宇宙世紀作品に由来したもの(『F91』のスペース・アークの同型艦)であったため、世界観に合わせての変更だろう。
  • トルネードガンダムの「ビーム・サーベル」には、ストライカー・カスタムの「ツイン・ビームサーベル」や、フリーダムやジャスティスの「ラケルタビームサーベル」に見られるような連結演出が追加されている。
    • 通常はただ斬りつけるだけだが、機体レベルを20以上にすると戦闘演出が変わるようになっている。なお、機体レベルで演出が変わるという仕様はGジェネシリーズでは少々珍しい。
  • 『WORLD』『OVER WORLD』で登場していたGジェネオリジナルMS「バルバトス」は残念ながら未登場。『鉄血』主役機のガンダム・バルバトスとの共演は叶わず。名前が紛らわしいからだろうか。
    • 「エキスパンション・パック」で追加されたアプロディアやアメリアスをガンダム・バルバトスに乗せると、『WORLD』のバルバトスに関連した特殊セリフが用意されている。
  • 有料DLCで獲得したユニットを、生産登録する前に交換等*29で失ってしまうと、再獲得が極めて難しくなってしまう。ご用心を。
    • やらかす方が間抜けだが、うっかりしていると意外に起こりうる事態である。リアルマネーを支払ってそんな状況になっては目も当てられない。
    • 一応、達成率100%になった派遣作戦を更に繰り返し実行することで、ユニットを低確率で再獲得できるという救済措置があるため、完全な詰みにはならない。

最終更新:2025年03月22日 11:24

*1 Steam版はオープン価格。通常時はコンシューマー版の定価と同じ。

*2 通常時は11,400円。

*3 雑誌記事の写真にアイコンが表示されていたこと、途中で権利表記にテレビ東京が追加されたため、プレイヤーからは「何かあるな」と勘付かれていた。なお、BFは発売時点でテレビ東京の表記は外されている

*4 Ver.1.60からマイキャラクターにCVなしが設定可能になった。

*5 原作のエピローグに由来したネタで、とある人物と名前が一致している。

*6 本編BGMを意識したと思われるものがいくつかある。

*7 例えば有料DLCで追加されたガンダムレギルスの「一斉射撃」はビーム兵器しか用いていないため、扱いもビーム属性になっている。

*8 インパルスに関してはソードシルエット装備から高エネルギービームライフルが削除され、ブラストシルエット装備は上記の一斉射撃によりケルベロスが常用不可になるなど踏んだり蹴ったり。

*9 本来はランチャーストライカーに搭載された装備であり、戦闘アニメでも使用時のみ換装している。原作でジェットダガーとランチャーダガーが揃って登場したことの反映か。

*10 こちらも『PORTABLE』に登場したマルチランチャーストライカーに搭載された武装。MAP兵器のため、戦闘アニメで換装することはないが…。

*11 本作初登場の『FRAME ASTRAYS』の主人公トロヤ・ノワレとも関連が深い人物であり、同キャラのプロフィールに名前だけ出ている。

*12 ジンアサルトは登場しているため、石口十による漫画『機動戦士ガンダムSEED Re:』の組み合わせ再現は可能。

*13 ブリッツガンダム・イージスガンダムの再建造強化型。

*14 本作に登場するのはミラージュフレーム(ファーストイシュー)1機のみ。

*15 『OVER WORLD』までにあった特殊属性の「スクリーミングニンバス」が削除されており、原作で印象的だった「ジェットストリームアタック」の再現も皆無となっている。

*16 SFSに乗った状態は変形できず。変形状態でSFSに乗ることもできない

*17 どの成長パターンになるかは攻略本や攻略サイトに記されているので、その前に参照すればわかるが…。

*18 もっとも、原作漫画では撃墜されて以降一切の出番がなく、最終話の1コマで無言の再登場を果たしただけなので、ゲームでは生存を描写し辛かったのかもしれないが…。

*19 原作でデキムを射殺したのはマリーメイア軍の元トレーズ派兵士であり、トレーズに詫びを告げたセリフも本来は彼のもの。その寸前にレディもデキムを射殺しようと銃を抜いていたので、話の流れとしては間違っている訳ではないが「最終的に自軍の兵士にすら見限られた」デキムの最期という要素から乖離してしまっている。この点は『F』でも同様だったのでシナリオを流用してしまったのかもしれない。

*20 『GジェネSEED』や『PORTABLE』などの過去作では再現されていた。

*21 クッキー役の桑原由気氏が別の役で出演しているため、「当初の予定では登場させる可能性があったのでは?」とする意見もある。

*22 主人公の三日月が全くといっていいほど関わらないため、「カットされたことも理解できる」とする意見もある。

*23 カッリストに搭乗して出てくるステージではネタバレ防止のためか「カッリストパイロット」扱い。その後の原作でもジャンマルコはアルジとの一騎打ちで決着をつけるのでステージに落とし込みにくかったのかもしれない。イベント戦闘で再現するなどやりようはあったと思うが。

*24 「ジョージ・グレン友の会」なるファンクラブが所持していたユニットであり、ジョージ・グレンの脳髄が冷凍保存されていた。偶然にもロウ達に託された後、リ・ホームの生体端末となることでグレンが復活する…という流れ。

*25 地上に降りた後、バルトフェルドの部下であったダコスタと出会い、負傷したバルトフェルドを宇宙へと送り届けた後、レセップスを譲り受けた。

*26 他キャラを生存させても、撃墜描写が省かれただけでそれ以降のシナリオには登場しないため生き延びたと言い難いが、ハッシュに関しては最終ステージなので以降の展開がないことと、生存した場合は専用セリフと共に撤退する演出がある。

*27 例えば『AGE』のガンダムAGE-1はノーマルのみでタイタスとスパローは未収録。改修強化形態のフルグランサは登場するが、こちらもゲーム中では別ユニット扱いで換装できない。

*28 初期設定を反映した可能性はある。

*29 有料DLC機体は一切「開発」ができないが「交換」はできてしまう。また通常の機体と同様に、戦闘中に撃破されると消滅する。