マイティファイナルファイト
【まいてぃふぁいなるふぁいと】
ジャンル
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ベルトスクロールアクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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2MbitROMカートリッジ
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発売・開発元
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カプコン
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発売日
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1993年6月11日
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定価
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6,500円(税別)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象) ※VCで付与
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配信
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バーチャルコンソール 【3DS】2014年1月29日/476円 【WiiU】2015年2月10日/476円 ※いずれも税別
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プレイ人数
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1人
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判定
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良作
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ファイナルファイトシリーズ
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ストーリー
巨大都市・メトロシティ。
そこの市長であるマイク・ハガーの娘、ジェシカは飛び抜けた美しさと明るさで、街の人達の心の支えになっていた。
だが、そんな彼女を自分一人のものにしようと企む者がいることに気付いた人間は、まだ誰もいなかった。
???「愛しのジェシカちゃんが私のものとなるのも当然の事なのだよ…」
数日後…。
ハガーの元にジェシカが何者かにさらわれたとの報せが!
ハガー 「なにー!? ジェシカがさらわれただと! やい、コーディー! お前の仕業か!」
コーディー「な、何バカなことを言ってんだよ! こんな事をするのはマッドギアの奴らしかいないぜ! なあ、ガイ!」
ガイ 「さ、然様! 一刻も早くお助けしなければ、大変なことに!」
ハガー 「話は決まった! 早速娘を助けに出発だ!」
こうして三人の愛(?)を賭けた戦いが始まったのであった。
※オープニングデモより一部抜粋・編集して記載。
概要
『ファイナルファイト』をベースに様々なアレンジを加えたファミコン向け作品。
上記ストーリーからも解るようにシリアス成分はかなり少なく、「マッドギアのクイズ王」を名乗って戦闘前にクイズを出してきたり、戦闘でもあつーいキス攻撃を仕掛けてくるアビゲイルや、戦闘前のやりとりでこちらの選択次第では勝手に凹んでダメージを受けるダムドを含めてかなりコミカルなアレンジが施されており、全てのキャラクターはデフォルメがかかっている。
また、本作ではレベル制が導入されており、敵を倒して経験値を一定量獲得するとレベルアップして各種能力がアップしたり、必殺技を修得出来たりするようになる。
特徴
レベル制の採用
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プレイヤーキャラクターはそれぞれ敵を倒して経験値を獲得し、レベルアップすることで強化していくことが出来る。
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敵の倒し方で獲得出来る経験値が異なり、トドメを刺しやすい技ほど獲得出来る経験値は低い傾向が見られる。
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レベルアップ時には能力上昇の他に体力が完全回復し、規定のレベルに達することで必殺技を繰り出せるようになる。
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経験値は敵を倒す他、体力が満タンの時に体力回復系アイテムを拾うことでも、アイテムの種類に応じた経験値を獲得出来る。
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ゲーム中2回挟まれるボーナスステージ(ドラム缶破壊)でも破壊した数によっては体力回復アイテム(=経験値)を手に入れることが出来たりする。
主な仕様
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1人プレイ専用で、キャラクターはコーディー・ガイ・ハガーの3人から選べる。
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次のレベルに到達するまでに必要な経験値の量がキャラごとに異なり、ガイ→コーディー→ハガーの順で必要経験値が多くなる。
そのためか、ガイ・コーディーはレベル1から開始なのに対してハガーはレベル3からスタートとなる。
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ハガーは高い初期レベルを持つため序盤は有利だが、レベルが上がりにくくなる後半は動きの遅さと敵の攻撃の激しさも相まって難易度が高くなる。ガイはレベルは上がりやすいが終始火力不足に悩まされがち。コーディーは両者の中間となっている。
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画面に出てくる敵は最大で二体まで。
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AC版やSFC版に比べると寂しいが、ハードスペック上、仕方ない点ではある。
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一部ステージには落とし穴やそれに類するトラップがあり、プレイヤーがそれにはまると即一機失うが、逆に敵を落とせば即死させることが出来る。
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ただし、これで倒した時の獲得経験値は非常に少なくなってしまう。
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ボス戦前に会話イベントが挟まれる。
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この会話イベントはただのボスとのやりとりの場合もあれば、ここでの選択がその後の戦闘の難易度を左右する場合もある。
今作独自の設定(一部)
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アビゲイルが「マッドギアのクイズ王」を自称している。
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これによって、戦闘前に任意で本作に関するクイズゲームに挑戦することが出来るようになっているが、これに全問正解した場合はコンティニュー回数を1回増やしてくれる。
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ただし、クイズに挑戦した時点で強烈な破壊力を持つ「あつーいキス」による攻撃が追加される。
強面のアビゲイルが繰り出すキス攻撃の見た目のインパクトはデフォルメがかかっていても強烈。
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ソドムが3兄弟になっている。
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本作ではソドムは3兄弟となっており、ステージ2のボスのソドムは三男とされ、ステージ4のボスとして次男、ステージ5の中ボスに長男が登場する。
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ただし、この設定と全5ステージになっている煽りか、エディ・Eとロレントは本作では登場しない。
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またこの余波で、ステージ5のボスラッシュがアビゲイル→ソドムの長兄だけという、ラッシュと呼んでいいのか微妙なことになった。
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ポイズンの妹・ポイズンキッスが登場。
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原作では女性かニューハーフか謎に包まれたポイズン本人は今作では登場せず、代わりにその妹として姿はそっくりだが「正真正銘の女性」のポイズンキッスが登場している。
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攻略本では「兄がふたりいるのだが、ふたりともニューハーフだったため、彼女もよく男と間違われた。勘違いした相手にお仕置きしていた事が、深みにはまった原因。」という設定が紹介されている。
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ベルガーの半身がサイボーグ化している。
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原作のジャンプ移動・ボウガン・車椅子は削除され、機械の腕によるダッシュパンチとロケットパンチ連射で攻撃してくる。
評価点
敵をぶっ飛ばす爽快感
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流石にマシンのスペックもあるので、一度に出てくる敵は最大二体までだが、デフォルメがかかっていることを活かした派手なアクションで敵をぶっ飛ばす爽快感は十二分に得られる。
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操作性も良好で、連続攻撃から投げへの連携も含めた大抵のことは可能になっているので、操作性起因でのストレスは感じないと思われる。
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ただし必殺技のコマンドの性質もあり、パンチはめは不可能と思われるが、流石にこれは仕方ない所か。
プレイヤーキャラクターの削除がない
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SFC版ではガイかコーディーが削除されたバージョンしかないが、本作では3人全てが登場している。
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加えて、ガイとコーディーも原作では技の見た目の違いが少なく個性的ではなかったが、本作ではそれぞれ必殺技が追加され大きく差別化されている。
問題点
経験値システム
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システムそのものはともかくとして、獲得経験値の基準が「倒した敵の種類」ではなく、「敵にトドメを刺した攻撃方法」になっているため、レベルアップを優先すると立ち回りが単調にならざるを得ない。
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多少レベルが低くても腕でフォローは出来るが、レベルアップでの上昇幅が大きいのか、1レベル違うだけでも攻略の難易度が段違いになることもあり、否応なしに意識せざるを得なくなる。
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また、体力最大時に拾う体力回復アイテムでのプラスアルファ分以外、経験値を獲得出来る機会は決められている(=出てくる敵の数が決まっている)ことで、この影響が余計に大きくなってしまっている。
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一部のマップは敵を場外に突き落とすことで一撃で倒すことが可能であり、盛り上がること請け合いなのだが、この方法で倒した場合経験値は1しか取得出来ない。効率的なレベルアップのためにはわざわざ敵が場外に落ちないように気を遣わなければならず、せっかくのギミックが足枷になってしまう。
2人同時プレイ不可
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折角キャラクターを3人出したのだから、やはり出来て欲しかったという意見は多い。
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とは言え、根本的な要因はハードスペックの一言に尽きるわけで、SFC版でも不可能だったことを、よりスペックの劣るファミコンで実現するのは不可能である。問題点というよりは残念な点というべきか。
総評
FCのスペックの問題もあって、SFC版以上にデグレードされている個所もあるが、それを踏まえても全体的に丁寧に作られた力作であると言えるだろう。
登場する敵の数も数なので、群がる敵とするのは流石に語弊があるが、それでも立ちはだかる敵を良好な操作性と派手なアクションでぶっ飛ばす爽快感は確かに有り、『ファイナルファイト』というタイトルに決して名前負けはしていない。
移植
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2014年1月29日よりニンテンドー3DS、2015年2月10日よりWii Uのバーチャルコンソールで配信されていた。
最終更新:2025年04月10日 12:16