激・戦国無双
【げき・せんごくむそう】
ジャンル
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タクティカルアクション
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対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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発売元
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コーエー
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開発元
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コーエー(オメガフォース)
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発売日
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2005年12月8日
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レーティング
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CERO:12歳以上対象
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判定
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なし
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ポイント
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PSP唯一のエリア戦闘制『戦国無双』
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無双シリーズ
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概要
『戦国無双』シリーズ初のPSP作品。
ベースは『戦国無双 猛将伝』で、プレイアブルキャラもこれに準じている。
システム面はPSPの前作に当たる『真・三國無双』のエリア戦闘システムに『戦国無双』シリーズ独自の要素を融合させたものになっている。
システム
エリア戦闘システム
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前作のように戦場がエリアごとに分割されており、プレイヤーは2Dマップを移動する「タクティカルパート」と、エリア内で戦闘を行う「バトルパート」を交互に繰り返していく。
この基本部分は同じであるが、『真・三國無双』のエリア戦闘とは以下の点が異なる。
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ターン制
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『三國無双』では、「タクティカルパート」にあたる「移動パート」では時間が停止し、「バトルパート」ではリアルタイムに軍団が動いていた。
このためエリア戦闘中に他の軍団がエリアに侵入してきたりすることがあったが、今作では「タクティカルパート」と「バトルパート」1セットで1ターンのターン制となり、自軍ターンと敵ターンが交互に入れ替わる形で進行していく。つまるところ『真・三國無双 ADVANCE』と同様の形式となる。
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「戦意ゲージ」廃止
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三國無双におけるエリア戦闘は、敵を倒して敵味方両方にある「戦意ゲージ」を0にした方がエリアを制圧するという形をとっていた。
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今作は戦意ゲージは廃止され『戦国無双』独自のシステムである「ミッション」を取り入れている。バトルパートは、エリアごとに「制限時間内に可能な限り敵を撃破する」「軍団長を素早く撃破する」などの小さなミッションをこなしていくことで進行していく。
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ミッションはそれぞれ「可」「良」「優」の3段階で終了時に評価がなされ、ミッションを達成し評価を高めるほど次のタクティカルパートにて多くのマスを移動でき、マップを素早く動くことができる。
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術符
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プレイヤーはタクティカルパート時に「術符」と呼ばれるアイテムを使用できる。
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術符は「敵を1ターン金縛りで移動できないようにする」「指定範囲に火計をおこし、範囲内にいる軍団の戦意を下げる」といった効果を発揮する。うまく使うことで敵の足止めや味方の援護ができ、戦いを有利に進められる。
副将システム
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「護衛兵」「護衛武将」の発展形である「副将システム」も幾つか変更点がある。
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統率力と副将コスト廃止
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『三國無双』では武将には「統率力」という値、副将には「コスト」という値が存在し、コスト合計が武将の統率力の値に収まるように4人まで同行させることができたが、今作は特別な副将(無双副将)は以外は自由に4人まで編成することができるようになった。
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技能
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『真・三國無双』では副将の持つ技能は、プレイヤーが任意に発動できる技能と、連れていることで自動発動するものの2つがあったが、今作では後者の自動発動技能のみが採用されている。
評価点
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テンポの良いエリア戦闘
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PSP版『真・三國無双』の反省をいかし、演出をスピーディにしたことで戦闘全体のテンポが大幅に向上している。
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移動パートで基本2マス、ミッション評価次第では3マス移動できるというのもサクサク移動ができて好評。
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ターン制になったことを活かした術符システムも『真・三國無双』とは別の形でタクティカルパートの戦略性を高めている。
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収集・育成要素の強化
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プレイヤーが使用する技能は各ステージのマップを回ることで取得する形式になった。
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武器システムが復活し、武器を収集することが可能になった。
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更に武将ごとの条件を満たして入手できる第4武器も存在する。エリア戦闘システムが採用されている無双でこの要素があるのは本作のみ。
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『真・三國無双3』からのゲスト副将など200人以上が存在する副将収集も同様に存在する。
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敵の群がり
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エリアを小さく抑えることで、プレイヤーのまわりに敵が集まるように工夫されているため爽快感は十分感じられる。
問題点
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ステルス
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特に武将のステルスが多く、拡大マップを参考に近づいてもいつのまにか後方にいるということが多く、武将撃破のミッションの妨げになっている。
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ボイスが少ない
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やはりボイスは戦闘時の掛け声程度で、「敵将、討ち取ったり!」のボイスも無くテキストのみの表示で若干味気ない。
賛否両論点
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史実無視のオリジナルストーリー
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今作は史実はほぼ無視しており、勢力が武田信玄、上杉謙信、今川義元、伊達政宗の同盟軍の東方武士団、前田慶次、雑賀孫市、阿国、石川五右衛門の西方武士団、信長勢力の織田軍、徳川家康率いる徳川軍の4勢力の視点から描かれる完全オリジナルのストーリーとなっている。
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原作も史実何それ美味しいのと言わんばかりのストーリー満載だったが史実再現のシナリオを期待すると肩透かしな部分はある。ただ、前作にあたるPSP版『真・三國無双』はシナリオが無いに等しい内容だったため、しっかり本作のために書き下ろされたシナリオがついていることを歓迎する声もある。
総評
『真・三國無双』とはまた違ったエリア戦闘システムを搭載し、かつ武器システムなどやりこみ要素も抑えられており、完成度自体は十分なものである。
現在では『OROCHI』シリーズやナンバリングの移植などが可能になっているため、劣る部分は多いものの、それらとはまた違った面白さを備えているといえる。
最終更新:2022年03月01日 16:00