罪と罰 ~宇宙の後継者~

【つみとばつ そらのこうけいしゃ】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 Wii
発売元 任天堂
開発元 トレジャー
発売日 2009年10月29日
定価 6,800円(税5%込)
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
配信 【WiiU】2015年3月25日/2,700円(税8%込)
判定 良作


概要

本作は9年前に発売された『罪と罰 ~地球の継承者~』(以下「前作」)の正統な続編である。前作の主人公であった2人の息子であり、前作にも少しだけ出演した「イサ・ジョ」と(前作に出演した際は「イサ・アマミヤ」)、本来ならば敵側の存在であるがイサと行動を共にする事になった少女の形をした何かの「カチ」が主人公である。荒廃した未来世界を舞台に、激しい弾幕をかいくぐり、敵を撃ち倒していくアクションシューティングである。

シリーズ恒例の重厚な世界観は前作以上である。しかし、ゲーム中ではなく公式サイトで説明されている。前作と世界観は共有しているものの、ストーリー的な繋がりは薄い。しかし、色々と前作と共通の事柄というかネタが出てきたりと、ファンサービスは忘れていない。前作の主要スタッフはほぼ全員続投している上、その他の開発スタッフも前作のファンが多いためである。

操作

キャラの移動と照準の操作を同時に行う操作は健在。本作は5種類のコントローラに対応しているが、「リモコン+ヌンチャク」での操作方法とその特徴は以下の通り。

  • リモコンのポインターで照準を合わせ、Bボタンでショット、押しっぱなしで自動連射。入力が直感的になったため、前作より遥かに操作がしやすくなった。
    • 今回は主人公2人の性能差が設けられている。イサは照準の方向を普通に撃つが、カチは照準が合った敵を自動でロックオンする。場面によって2人の使いやすさは異なるので、その辺の戦略性も生まれた。
  • ヌンチャクのスティックでキャラの移動、Cボタンでジャンプ。ただ、今回はいつでも自由に空中移動ができる「ホバーモード」が搭載されたため、ジャンプを使用する機会は薄い。2段ジャンプも廃止された。
    • しかし、これのおかげで重力無視のアクロバティックなステージが数多く収録された。
    • 「足場があっても空が飛べるからヌルい」と言う意見もあるが、ホバーを使っていない間はそれだけで得点が溜まるため、初心者とスコアラーとのバランスを取っていると言える。
  • Zボタンでダッシュ。この間は短時間だけ無敵状態になり、かわせそうにない攻撃もかわす事が出来る。
    • 前作では「十字キーの同じ方向を2回連打」といういまいち出し辛いコマンドだったため使う機会は少なかったが、今回は非常に使いやすい。
  • Bボタン短押しで近接戦闘。近くの敵にはショットよりも遥かに大きなダメージを与えられる他、一部の敵弾は跳ね返して敵に大ダメージを与える事が出来る。カウンターアタックと呼ばれる。
    • 前作では近くに敵がいる状態で攻撃ボタンを押すと発動したが、今回は仕様が変更され、敵の位置に関わらずいつでも発動できる。
    • カウンターアタックに加え、ほとんど全ての敵弾は打ち消す事が出来る。そのため、とてもかわせそうにない密度の高い弾幕も、弾を打ち消すことで無傷で切り抜ける事さえ可能になった。
    • 今回ではカウンターアタックで敵を倒した場合、必ずボーナスポイントが入る。高得点を狙いたい場合はマスターしたい。
  • Aボタンで高威力の攻撃が出来る「チャージショット」が新たに追加された。回数制限は無いが、1度撃つとしばらく使えなくなる時間制限式である。
    • これも性能差が設けられている。イサは照準方向に高威力かつ広範囲の弾を発射するタイプで、カチは最大8か所にロックオンするタイプである。

特徴・評価点

  • アクションゲームに定評のあるトレジャー。上記の通り今回も意外性のあるシステムを採用しているが、それをうまく活用できるゲーム作りとなっている。
    • とにかく敵弾が多い。四方八方に加えて奥からも攻撃してくる。それでも上記のダッシュとソードのおかげでうまく切り抜けられるゲームバランスに仕上がっている。キャラは移動しないととても生き残れない。
    • 今回はボス戦が多い。これらもカウンターアタックやソードのおかげで様々な戦略が生まれる。意外な攻撃が跳ね返せたり、ソードで敵の攻撃を打ち消せたり、ボスの一部を破壊して攻撃力を削いだりできる。
    • 通常ショットが効かず、カウンターかチャージでしか攻撃できない敵やボスが前作以上に多い。この点でも戦略性が要求される。
    • 道中にも敵が多い。ホバーモードの導入もあって、前作よりシューティングとしての性質が強くなった。

ステージ設計そのものもバリエーション豊かである。

  • 基本は自動で前進するキャラを上下左右に動かし、画面奥にいる敵を撃ち落とす奥シューティングである。
    • あるステージではグラディウス的な横シューになる。奥からも敵が迫ってくるので、そちらも撃ち落とさなければならない。
    • 奥にいる敵に照準を合わせる場合でも特別な操作は必要なく、ポインターを合わせれば撃ってくれる。
    • また、とあるボスは更に殴り合いで戦うことになる。某所で付いたジャンルが「アクションシューティング 時々格ゲー 」。
  • 空を飛べるようになったことにより、ステージの構成が前作より大胆になった。空中から敵を攻撃したり、海の中を突き進んだり。
    • 乗り物に乗って進むステージもある。左右移動が遅くなるのと、この時に限ってホバーが使えない。
  • 収録されたステージは全部で7つ。1ステージも長いので、ボリュームは大きい。前作の倍はある。
    • 前作にあった練習モードが廃止された代わり、最初のステージがチュートリアルを兼ねている。それを含めれば全8ステージになる。
  • ステージの難易度とは別に、初めに難易度を「EASY」「NORMAL」「HARD」から選択する。初心者でもEASYはクリアできるように調節してある。
  • やり込み要素も充実。場面に応じて攻撃手段を使い分けていく事が高得点への鍵となり、研究のしがいがある。
    • ダメージを受けずに敵を倒すとスコア倍率が上昇する仕様(最高で16倍)。これのおかげでやり込みが熱い。
    • Wi-Fiコネクションによるインターネットランキングにも対応。全国のプレイヤーとスコアを競える。

演出面

  • グラフィックに関しては比較にならないほど進化している。
    • 前作ではかなり荒かった人物のテクスチャだが、今回は非常にリアルである。
    • ステージの雰囲気作りもよく出来ている。それぞれが個性的で飽きさせない。
    • 普通に遊んでいる分には気づかないが、コマ数は通常の2倍の60fpsで作られている。モーションはどれもなめらか。
  • 今回も全編フルボイスであるが、言語は日本語になった。表示される日本語字幕はオプションで非表示にできる。
    • 声優はほとんど新人を起用しているが、人気声優も起用されており、それぞれの演技も良い。
      • ただ、前作では英語でしゃべっていたキャラが今回は日本語であるという矛盾は見られる。
  • 音楽も前作以上に緊迫感を感じる秀逸な曲ばかり。今回はテクノ調の曲が多い。
    • 前作ではステージ曲の使い回しだったエンディングテーマだが、今回は専用曲が2つ用意された。
  • 前作のファンサービスも豊富。
    • 共通する台詞が存在する。「俺の心を繋ぎ止めてくれ!」といった決め台詞から、「この電車…暴走してるのか?」といったちょっとしたネタまで。
    • 最後のボスを倒す方法が前作と同じ。ここだけ変わっている所も同じ。
    • 条件を満たすと見られる追加エンディングは、ある意味最大のファンサービスと言える。

問題点

  • ストーリーが薄い。
    • 前作ではどんどんスケールが壮大になっていくストーリーも魅力であったが、今回は「イサ&カチ」と敵組織「G5」との比較的単純な二項対立が描かれる。壮大な世界観を設定したが活用しきれていない感がある。
    • とはいえ、最低限の動機付けは描かれる。
    • 前作が良くも悪くも超展開に超展開を重ねた電波ストーリーだったのに対して、今作は前作のトンデモな設定をベースにしながらも、良くも悪くも手堅くまとめられた感じがある。
  • 「アクションシューティング」と言いつつ、前作と比べてかなりシューティング寄りになったゲームデザインには否定的な意見もある。
    • ホバーによって前後左右にキャラが自由に動けるようになったため走ることやジャンプの必要性がスコアラー以外には薄れた点、地形やトラップからダメージを受ける機会が前作よりも大きく減った点などが大きい。
    • 終盤になると普通に弾幕シューティングになり避ける場面が多くなる。
    • 本作にはロックオン機能がついているので、照準は動かさなくていい場面もがあるため「こんなの罪と罰じゃない」という意見もある。
  • 難易度HARDはかなり高難易度といわれている。
    • これでハイスコアを目指すとなると、ボリューム満点のステージ数が仇となる。
  • コントローラは5種類に対応してはいるが、実用に堪えるのは実質リモコン+ヌンチャクのみ。
    • 先述のインターネットランキングではプレイヤーが使用したコントローラも表示させるが、ほとんどがリモコン+ヌンチャクでありその他はわずか。
    • 任天堂のインタビューでは「それぞれのコントローラに有利な場面を作った」と答えていた。
    • 違うコントローラで遊んでみると全く別のゲームになる。気分を変えたい場合に。

総評

部分的に批判があるものの、前作から色んな面をきちんと進化をさせ、スタッフがやりたかったことを詰め込んだ作品といえる。