チューチューロケット!
【ちゅーちゅーろけっと】
ジャンル
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アクションパズル
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対応機種
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ドリームキャスト ゲームボーイアドバンス
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メディア
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【DC】GD-ROM1枚 【GBA】32MbitROMカートリッジ
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発売・開発元【DC】
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セガ・エンタープライゼス
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発売元【GBA】
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セガ
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開発元【GBA】
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ソニックチーム
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発売日
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【DC】1999年11月11日 【GBA】2001年3月21日
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定価
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【DC】2,800円 (通常版) 【DC】4,800円 (コントローラ同梱版) 【GBA】4,800円
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廉価版
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【GBA】2006年1月26日/3,800円 (ソニックアドバンスとのカップリング版)
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配信
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バーチャルコンソール【WiiU】 GBA版:2015年10月21日/702円(配信終了)
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判定
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良作
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概要
ハッチから大量に湧いて出てくるネズミたち「チューチュー」を、ネコの「カプカプ」に食べられないようにロケットへ導いて打ち上げろ!…という、シンプル極まりない俯瞰視点固定画面のアクションゲーム。セガのソニックチームが開発している。
システム
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参加プレイヤーは4人で固定(CPUプレイヤーも設定可能)。
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現在は終了しているものの、ネットワーク対戦にも対応していた。
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チューチューとカプカプは「常に前進」「壁にぶつかると右手方向に曲がる」という2つの基本ルールに従って動く。
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プレイヤーが取れるアクションは「床に矢印パネルを置く事」のみ。チューチューとカプカプは矢印パネルを踏むと、その方向へ曲がる。最大設置数はプレイヤー1人あたり3個。
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矢印パネルはカプカプが1回乗ると少し小さくなり、2回目に消えてしまう。
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ロケットにチューチューが入ると1匹につき1ポイント。中には1匹で50ポイントのチューチューもいる。カプカプが入ってしまうと、獲得済みのポイントの1/3がカット。とても痛い。
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一定時間内に最も多くのポイントを稼いだプレイヤーの勝利となる。
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時折混じっている「?」マーク付きのネズミをロケットへ招き入れるとゲームが一時停止し、ルーレットが始まる。
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チューチューやカプカプが大量発生する、置いた矢印パネルがキャンセルされる、一定時間チューチューを独り占めする、プレイヤーの位置が入れ替わるなど、多彩な効果が表れる。
パズルモード
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チューチューやカプカプがフィールド上にあらかじめ配置されているモード。プレイヤーは既定個数の矢印パネルを使い、カプカプを全て避けつつチューチューを全てロケットに導けばステージクリア。
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本編のように、ネズミたちの動きを見ながらリアルタイムで矢印パネルを置いていくことはできない。矢印パネルは全て配置し終えてからチューチュー達を動かす。
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チューチューが穴に落ちたりカプカプに食べられて1匹でも失われる、またはチューチューが全て入るより前にカプカプがロケットに入ってしまうと失敗。
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またチューチューが袋小路に陥った場合も、パネルを追加配置できないため時間経過で状況が変わらなくなり、ステージを初期状態にリセットするしかなくなる。
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ソフトには100問のパズルステージが収録されている他、ステージエディットも可能。DCのネットワーク上で、自作の問題をアップロードしたり、他人の作ったステージをダウンロードしたりできる。
GBA版の特徴
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DC版でユーザーが作成したパズルモードステージ2500問が収録されている。
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カートリッジ1つで4人対戦可能。また、自作ステージを友達と交換できる。
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チューチューやカプカプのドット絵をユーザーが作成できる。
評価点
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素朴で無駄のない、それでいて1つのアクションゲームとして十分な完成度を持つシステム。
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またスピーディでテンポが良く、「得点の奪い合い+ペナルティの押し付け合い」というシンプルなゲーム性がよく引き立てられている。
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パズルモードで正しくパネルを置けた時にささーっとネズミがロケットへ吸い込まれていく様を見てもらえると、本作のルールの美しさが直感的に解るだろう。GBA版収録のユーザー制作ステージには、そういった「魅せる」コンセプトのステージも多数存在する。
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高速でチョロチョロ動き回るネズミの疾走感と「ネズミ」っぽさ、4人のプレイヤーが入り乱れるドタバタ感、膠着状態に陥らず程良く弾けたルール、ルーレットによる緩急の演出など、良質なパーティゲームとしての要素が盛りだくさん。
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数多く用意された逆転要素がリアルタイムで順位を乱高下させ、場を大いに盛り上げる。それでいてロケットやプレイヤー位置の把握と矢印パネルの置き方次第で得点効率は段違いであり、プレイヤーの腕前もきちんと結果に反映される。
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DC版は比較的安価に設定されている。オリジナルカラーのコントローラが付属した限定版も用意されており、値段も別に購入するより500円安かった。
問題点
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決して底が浅いわけではないのだが、本作の瞬間沸騰的な面白さは大人数でプレイしてこそ真価を発揮する。1人で遊ぶと比較的飽きやすい。
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この観点からすると、GBA版の単独版はやや割高な部類の価格設定と言える。
総評
固定画面のアクションゲームの中では、面白さの瞬発力に定評あり。シンプルなルールの上に多数のキャラクターがひしめきあい、4人の参加者が入り乱れてしのぎを削りあうゲーム内容は、友達とワイワイ遊ぶのに適している。頻繁にアクシデントを起こすルーレットとゲームスピードの速さが中だるみを起こさせず、時間いっぱいテンポ良くさくさく遊べるのも良い。
ただし、パズルモードはそこまで中毒性が高いわけではないため、腰を据えて1人でじっくり向き合うプレイスタイルでは飽きが早まってしまうという欠点はある。パズル要素の強いゲームだが、基本的にはパーティゲームとして接するといいだろう。もちろん、CPUが相手でも十分楽しめるはず。
余談
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GBA版はセガがサードパーティー転身後に初めて発売した他社製ハード用ソフトである。
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アーケードゲームでセガが初めて他社製基板を使用した作品はガンシューティングゲーム『ヴァンパイアナイト』(AC/PS2共にナムコから発売。使用基板はナムコ製PS2互換基板のSYSTEM246)である。
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どちらもセガが据置機事業撤退とサードパーティー転身を正式に発表する前から開発が行われていた。
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据置機事業撤退については、セガ社内では2000年末頃から諦めムードだったようである。事業が赤字続きだったのとライバル機であるPS2に太刀打ちできなかったからだと思われる。
最終更新:2025年01月26日 07:35