アマカノ
【あまかの】
| ジャンル | 甘えたがりな彼女と俺の純愛学園ADV |  
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| 対応機種 | Windows Vista~8 | 
| メディア | DVD-ROM 1枚 | 
| 発売・開発元 | あざらしそふと | 
| 発売日 | 2014年12月19日 | 
| 定価 | 7,800円(税抜) | 
| レーティング | アダルトゲーム | 
| 配信 | FANZA:2015年10月9日/6,995円 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 甘々なイチャラブゲー 冬を感じられる作風
 色んな意味で古風
 シナリオは薄い
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概要
株式会社ネクストンの新ブランド「あざらしそふと」から発売された第一弾の作品。
発売時期とあわせてか、テーマは「寒い冬に熱いくらいの甘々な恋」。
その名の通り、雰囲気もイチャラブも水準以上のクオリティを誇るものになった。
シナリオ(公式サイトより引用)
しんと冷たい空気が肌を刺す。  11月の暮れだというのに、あたりは一面の銀世界。
静かな街を、雪が白く染め上げている。 
そんな雪の降る街に、あなたは引っ越してきた。
雪片付けの手伝いをするため、祖父母の家にやってきたのだ。 
この街で暮らす温かい人々との出会い。 
うまく他人と接することができず悩む神社の巫女姫。
ミステリアスな雰囲気に反して、お茶目な同居人の先輩。
いつも明るく元気いっぱいな、甘味処の看板娘の後輩。
そんな少女たちとあなたは出会い、戸惑いながらも、雪国での暮らしに馴染もうと努力する。そんな中、祖父に言われた言葉。
「ここに越してきたんだから、新しく何か始めたらどうだ?」
「若いんだから、もっと恋に遊びに、一生懸命になってくれ」
新しい生活、新しい自分。だけど、青春は今しかない。
それなら一歩踏み出して、まずは恋からはじめよう。
キャラクター紹介
    
    
        | + | クリックで展開 | 
メインキャラクター・ヒロイン
 
主人公(名前は入力式 デフォルトネーム:須賀川勇希(すががわゆうき))
祖父母の雪かきの手伝いのために都会から田舎の雪国に越してきた。
 温厚で心優しいが、いざという時はビシっと決める熱い情熱を持った青年。
 時折思い悩む事も少なくないがそのどれもがヒロインや周囲への強い思いやり故であり、すぐに答えを出して行動に移せる強い意志と行動力も持ち合わせる。
 シナリオの山場では思い切った行動を取り、その行程をしっかり描いた上で結果を残す。顔だちも整っており嫌味な所もなく、外面・内面共にまごうことなきイケメンである。
 
高社紗雪(たかやしろさゆき)
巫女服が似合う黒髪ロン毛の容姿端麗の文字通り美少女。
 高社神社の跡取り娘。格式ある家の長女なので、地元では「巫女姫」と敬われている。
 引っ込み思案で、同年代の性別を問わず会話をするのもままならないくらいの人見知り(子どもは平気)。
 しかし、本人はもっと周囲の人々と仲良くなりたいと強く願っている。
 芯は非常に強く、意地を通すときは鬼をも恐れる雰囲気を醸し出す。今どきの性格らしい妹がいる。
 
上林聖(かんばやしみずき)
初見では絶対に読めない先輩女子。
 サバサバしてるようで、実は結構お茶目。
 普段は主人公と同じ下宿先でのんべんだらりとしているダメな人に見えるが、成績優秀で料理の腕も上々と、かなり万能。
 なぜかオッドアイなのだが、これも深い理由がある。都会に出た姉がいる。
 
星川こはる(ほしかわ-)
「こはるびより」という和菓子の茶屋の看板娘である後輩女子。
 後輩にもかかわらず胸が一番大きい。背丈は小さいのだが、意外と運動神経は抜群。
 甘え度でいえばヒロインの中ではもっとも強い傾向にある。
 勉強が大の苦手で、彼女のルートを避けると大体悲惨な結果で苦しむ姿が見られる。
 
サブキャラ
 
湯田中(ゆだなか)
男子クラスメート。調子のいい性格だが、主人公のことを素直に応援してくれる。
 下記の渋とつるんでおり、出てくる時は二人1セット。ユダという意味深なアダ名があるが、別に深い意味はない。
 
渋(しぶ)
男子クラスメート。シブと呼ばれている。頭が切れるようであるが、それでいて狂言回しのような立ち位置。
 皮肉も多いが、ユダ同様気のいい性格をしている。
 
じいちゃん
主人公の祖父。嫌味な部分があるものの、どこか憎めないじいさん。まだまだ若さをアピールする年頃。
 調子がいいときは大体ばあちゃんにたしなめられる。
 
ばあちゃん
主人公の祖母。料理の腕は天下一品。古き良きおばあさんそのもの。
 どのヒロインとも仲良くなる気品がある。じいちゃんには厳しい。
 
高社雪静(たかやしろゆずか)
紗雪の妹。おとなしい性格だが、言う時ははっきりと「用紙に字を書いて」主張する。
 本編では名前は判明しないが続編である「Second Season」ではヒロインとなり、
 ビジュアルも公開された。姉と同様巨乳である。
 
紗雪の父
高社神社の宮司をしている。非常に真面目で厳しい性格をしている。
 紗雪が言うには「厳しくも非常に尊敬できる父親」らしいのだが…(後述)。
 
高社雪乃
紗雪の母。高社神社で働いている。旦那とは違ってかなり大らかな性格。
 旦那はそれなりに尻に敷いているようで、どちらかといえば主人公寄りの人。
 
こはるの父
こはるびよりの店主。口数少ない熊のような体躯をした大柄のおじさん。
 だが、こはるとは目と目で分かり合っているのか、ジェスチャでコミュニケーションがとれている模様。
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告白システム
ヒロインのいるマップに移動して、交流を重ねて親密度を上げる…というオーソドックスな
ものだが、これにより「アマカノグラフ」というものが上がっていく。
グラフが95%になると「想いを伝える」かどうか選択肢が出現する。
100%であれば晴れてカップルになるのだが、それを無視して通常移動することも可能。
それを繰り返すとなんとヒロインのほうから告白を強行するという展開に変化する。
これにより、主人公が「びしっと決めるイケメン」、または「彼女からの告白を待つヘタレ」になるかの違いが楽しめる。
なお、変化するのは告白シーンのみ。
評価点
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文字通りな甘いシナリオ
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全体のシナリオでもそうだが、なにより彼女の「甘え方」が非常に可愛らしく、プレイしているだけで心が暖かくなる。
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主人公はデフォルトネームがあっても名前で呼ばれないため、ヒロインからの呼び方が親愛度で変化するのもポイント。ただしこはるのみ不変。
 
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顔も中身も「イケメン」な主人公
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常にヒロインや周囲に対する気づかいを忘れない実直な好青年。シナリオの多少の浮き沈みの中でも男らしく能動的に行動して問題を解決することが多い。人を選ぶ余計なアクも無いため主人公に好感を持つプレイヤーは多い。
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相手の遠慮の無い態度にも怒る事なく素直に対応し、許すことのできる心の広さも持ち合わせており、劇中でも「善人」と評されている。
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一部のCGでは顔(目も含む)も映るがこれがかなりの美形。中身だけでなく顔も格好良いという女性から好意を持たれるのも充分頷ける主人公となっている。プレイヤーの中には「ヒロインよりも主人公に惚れた」という者もいる程。
 
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ヒロインが全員巨乳
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おっぱい星人には嬉しい要素。ヒロインの一人のこはるがこれについてコンプレックスを抱いており彼女のルートでは主人公がそれを解消していくことになる。
 
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全体的に優しい音楽
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あまり緊迫したシーンがないせいでもあるが、楽曲はどれもヒーリング効果が高いものが多め。
 
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そこそこ豊富なHシーン
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抜きゲーではないが結構多い方。大小様々なシチュエーションが楽しめるが、全ルート共通して「お風呂場エッチ」が存在するのがポイント。
 ヒロインは最初はかなりウブ(特に紗雪)なのだが、行為が続くと卑猥な単語も口にして、ギャップがそそる。ピー音もかぐや消しくらいかなり小さめで、ほぼ聞き取れてしまう。
 アペンドパッチでいくらかシーンも増えている。
 
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神社要素
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どうでもいい人にはどうでもいい要素だが、神社における基礎知識などを学ぶことができる。
 巫女キャラがヒロインというゲームはたくさんあるが、神社の知識が学べるゲームというのは多くない。
 
賛否両論点
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全体的に薄く浅いシナリオ
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イチャラブする分には非常に好評価だが、全体的に見るとシナリオはどれも味気ない。意外性も薄く、深みや捻り、一癖あるシナリオを期待すると肩透かしを食らう。
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また、コンセプトのせいかある一定の関係まで進むとそれきりで、あとはひたすらイチャラブするだけ。平和といえば平和だが流石にダレる要因になる。
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起承転結の『転』が無く、シナリオの盛り上がりも少ない。この緩い展開がこのゲームの特徴と言ってしまえばそれまでだが。
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佳境ではある程度動きがあるものの、結局あっさり風味(聖ルートが特に顕著)で、物足りなさが残る。
 
 
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ヒロインのやや不自然な主人公の呼び方、及びプレイヤーの主人公への自己投影のしにくさ
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名前が可変である弊害か、デフォルトネームを設定していても名前で呼んでもらえない。
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ルート確定後も、呼び方にある程度選択肢を設ければ少しは違ったかもしれない。
 
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また、本作の主人公はプレイヤーの分身である一方、「行動力のある有能なイケメン」という一人のキャラクターとしても充分魅力的な存在でもある。
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上記の事から、プレイヤーにもよるが主人公に自己投影がしにくい部分があり、第三者視点で主人公とヒロインの恋愛を追う方が向いているとも言える。
 
問題点
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動作保証OS
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なぜかWin8のみで、8.1は対象外。Google Analyticsによれば8.1ユーザーは8ユーザーの約20倍であるにもかかわらずである。流石にこれは不親切と言わざるを得ない。
 
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ADVパートについて
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ビジュアル面
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攻略ヒロインが3人で少ない方であるにしても、立ち絵もヒロインのものしか存在せず、絵面的に結構寂しい。
 声付きのサブキャラはいるものの、前述通り立ち絵がないので存在感が希薄になりがち。
 
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ANOTHER VIEW
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パートの途中で、ヒロイン視点に切り替わるモードがある。これに移行する時と終了する時にアイキャッチが入る。
 ANOTHER VIEW自体、大してボリュームがない割に頻繁に挿入されるのでテンポが阻害されがち。
 
 
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紗雪ルートのある部分
    
    
        | + | ネタバレを含むため閲覧は自己責任で | 
紗雪は登場人物の項で触れた通りいわゆる名家の令嬢で、宮司である父親がすぐに二人の関係を認めず、主人公に『試練』を課すことになる。これだけなら良かったのだが、その試練の中に「昔から縁があり、紗雪も慕っている氏子に、主人公へ嫌がらせを強要させる」というものがある。
しかもこの嫌がらせ、気絶させた主人公を雪中に埋める、屋根の上から主人公を突き落とす、など、やっている事は交際の条件にかこつけたただの暴行である。
これを知った紗雪が父親を強く叱責したことで、父親は素直に謝罪し解決するものの、紗雪曰く「厳しくも立派な父親」というイメージを崩壊させてしまった。
また、その直後のシーンも「迫真の病人演技で主人公を騙す」という、意外性よりも拍子抜けしてしまうオチを持ってくる始末。上述の嫌がらせシーンとあいまって、人によっては胸糞悪くなる。
また、主人公は上記の父親の行動に対しても持ち前の善人ぶりを貫くのだが、父親自ら行ったのならともかく上述のとおり他人にやらせてるという卑劣なやり方であるにも拘わらずその事も全く責めないため、プレイヤーによっては「暴行に加担させられた氏子の事を結果的に蔑ろにしている」という不自然な物に映る事もあり、この時の主人公の判断や行動を批判する声も存在する。
結果的にこの一連の展開は主人公の持つ人格面の美点を間接的にとはいえ殺してしまい、プレイヤーに主人公に対して悪印象を抱かせてしまっているとも言える。とはいえ、『試練』に一切屈せず最終的に父親を恨む事なく許し切った主人公の度量の深さを純粋に評価する声もまた存在し、賛否が分かれている。せめて「他人を加担させた事」に対してだけでも父親に憤慨する、父自ら手を下す形にするなどしていれば、純粋に主人公の器の大きさが窺える良シーンになっていただろう。
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総評
田舎の雰囲気を味わいながら、可愛い彼女とイチャラブを繰り返す、萌えゲーという範疇では優秀な水準にある。
少々ビジュアル面や基本的な舞台設定が古臭い部分があるが、それを割り切った上で楽しめるのならば充分楽しめるだろう。
「重い展開や複雑な人間関係・設定を登場人物と読み解く大作志向なシナリオに疲れた」「純粋にヒロインとイチャつければそれでいい」という人にはうってつけである。
アペンドパッチが3弾まで配信されており、本作が気に入ったプレイヤーは是非その後の二人の恋の行方を追ってみるとよい。
その後の展開
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メリージェーンよりメインヒロインとのお楽しみシーンを描いたOVAが発売された。
 現時点では聖編のみで、以降はこはる、紗雪と販売される模様。
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2015年12月25日に続編(あくまで時系列的な意味で)『アマカノ ~Second Season~』が発売された。
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2020年4月24日に『アマカノ2』
 2025年9月26日に『アマカノ3』が発売された。
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完全版の『アマカノ ~Perfect Edition~』やファンディスク『アマカノ+』なども発売されている。
 初回版をバージョンアップする『アマカノパーフェクトパッチ』はネクストンパスポートやFANZAで無料配信されている。
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2022年11月24日にNintendo Switch版が発売された。
余談
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2021年時点でシリーズ累計販売数は10万本を突破している。(公式X)
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2021年2月8日に「アマカノ」シリーズは、これまで売り上げの約85%がパッケージと発表された。
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コロナ渦の影響か『アマカノ2』ではDL販売が3割を占めたとも述べられている。(web縮小版「GameHeadline」より。ソースはリンク切れ)
 
最終更新:2025年10月27日 21:11