ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
【はりー・ぽったーとふしちょうのきしだん】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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Wii プレイステーション2 プレイステーション3 Xbox 360
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メディア
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DVD-ROM 1枚
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発売元
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エレクトロニック・アーツ
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開発元
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EA Bright Light
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発売日
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【Wii】2007年8月2日 【PS2/PS3/360】2007年11月22日
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定価
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【Wii】5,800円 【PS2/360】6,800円 【PS3】6,980円(全て税別)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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良作
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ポイント
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映画に忠実なグラフィックとサウンド 隅から隅まで探索できるホグワーツ ゲーム自体はやや単調
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ハリー・ポッターシリーズ
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概要
J.K.ローリング作の大人気ファンタジー小説(及びそれを基にした映画)『ハリー・ポッター』シリーズの5作目『不死鳥の騎士団』をゲーム化した作品。本作は校内探索に重きを置いたアドベンチャーゲームとなっている。
多種のプラットフォームで発売されているがゲーム性について本質的に同一と判断した為、本記事ではWii/PS2/PS3/360版をあわせて記述する。
ゲーム性が異なるDS版のみこちらで記す。
本作は主に主人公のハリーを動かして、ホグワーツを探索したり問題を解決していく内容である。
複雑なアクションは特に要求されず楽な気持ちで操作できるのも特徴。
キャラクターの造形はワーナーブラザーズ版の映画のキャストに準拠。
システム
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操作方法
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求められる操作は全編に渡ってシンプルで、ハリーを左スティックで移動させ、右スティックで杖を振る程度。
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呪文詠唱
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右スティック(Wii版のみWiiリモコン)を回すことで唱えられる。回し方のパターンで様々な呪文を撃ち分けることになる。
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日常時に使用することになる便利な呪文と、他人を攻撃するための呪文の2種類がある。
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忍びの地図
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ブックマーク機能のある地図。ホグワーツは広く迷いやすいので世話になる
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ホグワーツ内のイベントの場所や行きたい場所(小区画)を指定することで、ハリーたちの足元に黒い足跡が出現するようになり、その足跡についていけば目的地にたどり着けるようになっている。
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ゲームの目的
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決められたアイテムを運んできたり、決められた物体に特定の魔法を唱えればおおむね先に進める。
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時折、魔法で戦闘になる場合があり、そのときにハリーが負けると少し前からやり直しになる程度。
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発見ポイント
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ホグワーツにある要所要所で、何かしらのことを達成すると加算されていくポイント。
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求められる作業はさまざま。落ち葉の掃除や、本棚の整頓などから始まり、呪文をかけられう物体に呪文をかけて回ったり、特定の動物の足跡を見つけるといった実績の達成でポイントがたまっていく。
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ポイントが加算されるのは初回の達成時限定。上記の忍びの地図を開けば、ホグワーツのどのあたりで遣り残したことがあるのか把握可能。
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発見ポイントを達成することでグリフィンドール寮に近い所にある「リワード部屋」の特典が解放されていく。
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特典の内容は、映画版の不死鳥の騎士団の制作秘話などを実際のキャストにインタビューするといったもの。
評価点
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ホグワーツの構造
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映画で登場した場所がきちんと再現されているだけでなく、(独自の解釈が含まれてはいるが)映画では再現されなかった細部まで表現してあり、ホグワーツの奥ゆかしさを存分に出している。
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古びた石の質感から校舎に潜む生き物までもかなり自然に描かれている。
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原作を再現したためにホグワーツの校舎は迷いやすいのだが、忍びの地図のブックマーク機能のおかげでこのような問題もかなり解消している。
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また非常に広いマップでありながら、ロードを全く必要としない。
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基本的に閉じている扉もそこに向かって歩くだけでハリーが押し開けてくれるので非常に手軽。
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キャラ再現
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キャラクターグラフィックが映画に出演している俳優によるものとほとんど同じ外見になった。
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日本語字幕で言語版だが、映画の俳優と同一人物が声を当てている(一部の声は似た人が当てている)。
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やりこみ要素
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発見ポイントや学校の各所で繰り広げられるゲームのおかげで、メインシナリオのおつかい感の解消につながっている。
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生徒とカードゲームやコブストーン、魔法使いのチェスを楽しめる。
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リワード部屋から見られるインタビューをはじめとして特典映像はかなり豪華。
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挙動がリアル
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呪文をかけられた物体の挙動グラフィックが綺麗で、物理演算の面でもかなり自然。
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人との接触や物体をぶつけたときなどのマニアックな所でもモブキャラが吹っ飛ぶなどの反応をする。
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この呪文の挙動は「発見ポイント」の積み重ねで強化が可能。
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ただし走り出しや急停止する時の挙動も人によっては重たく感じる。広いマップに対してハリー達の足が遅く感じられる場合も。
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Wii版の呪文詠唱操作は実際に杖を振っているような感覚にひたれる。
賛否両論点
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モブキャラ
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学校の生活感を出すには必要不可欠ではあるのだが…。
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こちらが急いでいると、その場を歩いているモブの生徒が時々邪魔に感じる。ゲーム序盤は、ハリーが嫌いで因縁を吹っかけてくるモブもいるので鬱陶しい。
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オリジナルストーリー
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監督生となったロンやDA軍団の招集など、原作映画ではカットされていたシーンも加わっている。その中で色々なキャラとのやりとりが楽しめる。
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マクゴナガル先生に怒られるオリジナルストーリーが妙に多い。逆にスネイプ先生は無愛想なだけでやたらと親切。
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逆に映画本編で見られたシナリオの中でもゲームに特に関連が見いだせなかった部分はカットされている。本編のテンポの都合上仕方のない面もあるが、映画のお気に入りのシーンが見られない場合がある。
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難易度が低すぎる
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快適性には貢献しているのだが、これといってゲームオーバーに直結する行為が存在しない。
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うまくプレイすれば、メインシナリオのクリアはかなりあっさりと出来てしまう。
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ラスボスは一応存在するが、エンドロールも流れず何事も無かったかのようにハリー(≒プレイヤー)は普通のホグワーツ生活を送ることに。
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クリア後のやりこみ要素を楽しいと感じるかそうでないかでこのゲームに対する印象が大きく左右されると考えられる。
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言語設定
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音声は英語、日本語字幕で固定されている。
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字幕が大きいので見やすい一方、大事なイベントや画面の景観を損なう場合がある。
問題点
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やりこみ要素の難易度にばらつきがある
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やりこみ要素となる「発見ポイント」の達成には、物足りなく感じる場合もある一方でプレイヤーが頭をよく捻らないと解決できない難しい物もある。
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肖像画の合言葉を教えてもらう際に、いくつかの段階を踏まなくてはならないものが存在するが、それを途中セーブすることは不可能。最後までやり遂げないと最初からやり直しになる。
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O.W.Lの試験は逆にあまり頭を使わなくてもいい単純作業になっている。DS版と違いエピソードクリア後も挑戦できるが、内容はそちらに比べてややさびしい。
総評
アクション性が弱く難易度が低いので物足りなく感じられる部分はある。
そこを乗り越えることが出来れば、イベントを重視した作りになっているのでキャラゲーとして見れば秀逸な出来といえるだろう。
特典ややりこみ要素も最大の特徴でもあるホグワーツの探索とも噛みあいかなり奥が深い。
最終更新:2024年05月17日 17:00