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伊忍道 打倒信長

【いにんどう だとうのぶなが】

ジャンル リコエイションゲーム(ロールプレイングゲーム)
対応機種 PC-8801mkIISR以降,PC-9801VM/UV以降,
MSX2,X68000,Windows
発売・開発元 光栄
発売日 1991年9月27日
定価 9,800円【PC98版】
判定 なし
ポイント 光栄風和製RPG
合戦はHEX型シム
リコエイションゲームシリーズリンク


物語

天正九年九月・「天正伊賀の乱」発生。 天下布武を掲げる織田信長によって伊賀の里は壊滅した。主人公は里の生き残り忍者の一人として百地丹波により仇討ちを命ぜられ、隠れ里にて信長を討ち取るための修行に励む。
しかし天正十年六月、信長の追手により隠れ里までが壊滅するが、同時に起きた本能寺の変により信長軍は退却、主人公は一命を取り留める。そして同じく九死に一生を得ていた信長の姿を放浪中に発見し、その打倒を誓う。

概要

プレイヤーは壊滅した伊賀の里の生き残り。全国各地の修験場を巡って修行を重ね、さらに各地で信長に抵抗する大名を支援して信長打倒の力を養う。最後に安土城に潜入し、本能寺の変を生き延びた宿敵・信長を討ち取るのが目的。

  • 安土城に潜入するためには、支援する大名家で安土城に隣接する信長領を落とさねばならない。さらには制限時間があるため、さほど悠長に構えることはできない。

2Dマップ+ランダムエンカウンターの和風RPGと、同社の「信長の野望」風の戦国シムを融合させたゲームシステム。

特徴

  • 全国の修験場(大型ダンジョンの形をとる)は巡る順番こそ決まっているが、修行を受ける時期は自由。西日本にはある段階まで修行を進めないと行けないが、遠出していきなり強い敵の出るサブイベントを進めることも可能。
  • ある程度レベルが上がると、人物を仲間として二人連れていくことが出来る。これも相性の善し悪しこそあれど誰でも連れ歩ける。職業も甲賀忍・風魔忍・武士・山伏……等多種にわたる。架空の人物から、前田慶二や天海といった有名どころまで存在。
    • 大まかに職業分けされているが、キャラ自体の能力に個性があり、差がつけられている。
  • さらにレベルが上がると大名から忍者の仕事(計略など)を請け負うことが出来る。ここでどの大名家を支援して信長と戦うのかにも妙がある。
  • 仕事をこなし大名との信頼が上げると、合戦参加の仕事を請け負うことも可能。武将たちのように部隊を率いて出陣するが、そこでは特殊な効果を持つ忍術(妖術)を使って戦うことが出来る。また相手にも同じような使い手が出ていると、双方で術合戦が起こることになる。
  • 日本各地に街があり、RPGでは定番の武器屋や宿屋のほかに賭博場や貸家といった特徴的な施設も存在。うまく使えば大名への支援につながる。
  • 実は隠しシナリオが存在する。ランダムな確率により分岐するようで、隠れ里を壊滅させた信長の姿により判別可能。
    • 通常は「包帯を巻いて傷を負っている」だが、隠しシナリオの場合「無傷だが虚空を見つめている」姿になる。ちなみに隠しシナリオのほうが出現確率は低い模様。戦闘難易度も高い。

問題点

  • 全国移動こそ自由だが、敵の強さは場所によって決まっているためゲームの進行はおおよそ決まっている。一応シナリオは二つに分岐するが、終盤まではほぼ同じ展開。
  • 人物との相性が「普通」以上なら仲間にするのに苦労するだけなのだが、「悪い」だと徐々に友好度が下がっていずれは仲間から抜けてしまう。その度に探し出して友好度を上げ、再び仲間にするのはかなり面倒。
  • 一部の人物がしつこく賞金の掛かった主人公を付け狙っており(特に通常編中盤以降)、全体マップ上で疲労で倒れたり宿に泊まったりするたびに襲ってきては強制バトルになる。これが非常に鬱陶しい。
    • 特に開始早々の洞窟を出た直後に襲われた場合は鬼門。ソフトリセットにすらなりうる。
    • 返り討ちにするのは簡単だが、相手が死ぬとは限らない。生き延びるとまた襲われる。仲間に入れたい人物の場合、殺さないようにするのが大変。
  • 主人公以外にも、主人公と同様に付け狙われているキャラがおり(甲賀忍に狙われる天海etc)、知らぬ間に殺されていることがある。そのせいで仲間にしたいがいつの間にか占い屋から名前が消えていた・・・ということも。(一度でも会うと名前が占い屋に残る)
  • 終盤のパーティー構成が固定化されやすい。
    • 後半は術が攻撃系・状態異常系共に完全無効化する敵が多く出る為、攻撃手段を術に完全依存する陰陽師等は足手纏いにしかならない。
    • 主人公以外の忍者についても攻撃力と気力をバランス良くした為に却って中途半端。
    • 最終的に主人公・剣術家(武士・浪人)・羅漢が安定する。
      • 剣術家(浪人・武士)は気力が無い代わりに攻撃力に特化し、本作の最強武器「降魔刀(攻撃150)」と最強防具「仁王鎧(防御100・術防御2)」を両方装備可能。
      • 羅漢は僧の中でも耐久面で格段に優れ、回復系・状態異常解除系の術を多数持つ。
  • レベル上げの注意点として、信長軍以外の大名が近江に隣接する国を奪取すると安土城に入れるようになるが、比叡山で敵が出現しなくなる。
    • ダンジョンでは基本的にボスを倒すか、特定アイテムを入手し、且つ一定のレベル以上になると敵が出現しなくなる。
    • 安土城の敵は桁違いに強いのに、1体の経験値が900~1200程度しかない。
    • 逆に、比叡山は1体につき1500~2000である上、主人公達が安土城を攻略出来る程度のレベルまで成長すると、敵の攻撃力が雀の涙程度しかない。
      • その為隣接国へ侵攻する前に比叡山で集中的にレベルを上げておかないと苦戦は避けられない。目安はレベル70以上。

評価点

  • 戦国時代が舞台のゲームでRPGと歴史SLGの融合を採用したのは本作が最初で、翌年発売の『太閤立志伝』では本作のノウハウを活かした作りになっており、システム面で見れば同シリーズの原点ともいえる。
  • 一部道具の性能が他のRPGでは考えられないほどの高性能。同効果の術と違って使用者の気力に依存せず、回数制限のない道具もある。
    • 眠り薬:なんとラスボスさえ眠らせることが可能。寧ろ終盤のボス戦では開幕でこれを使わないとあっという間に全滅する。
      • 本作は前述のラスボスも含め、術が攻撃系・状態異常系共に効かない敵が存在し、術と同効果を発揮する道具も同じく無効化されるが、眠り薬だけは例外である。
    • 七支刀:入手場所は限定されているものの、最強の全体攻撃系の術が何度でも誰でも使える。これにより本作魔法使いにあたる道士系の立場がない*1
    • 神護石:戦闘中のみ使用可能。味方全員の体力回復。回復量は治療3と同等。これも回数無制限。
    • 生来石:味方1人を蘇生。1回しか使えないが、生来の術を持たない人物に持たせれば保険になる。

総評

同じ戦国時代を舞台にしても妖術が妖怪が出現したりと『信長の野望』シリーズ等とは一味違う面白さがあった本作には、発売後かなり時間が経った今もファンがいる。
しかし普通のRPGの域を出ることも出来なかった本作の一般における評価は「凡作」止まりとなってしまった。


SFC移植版について

  • 1992年に『スーパー伊忍道 打倒信長』としてSFCに移植された。
    戦場が一画面に表示されるようになった(これによって術「風鬼」の効果が変更)が、以下のような問題が発生し移植元より劣化。
    • 全体的にテンポが悪い。戦闘中も含めたメニューおよびメッセージ表示の速度がタイピング表示のようにぬるぬると表示される為、遅く感じる。しかも早送りできない。またダンジョン内でレベルを大きく上げると、マップに出る直前の暗転状態で暫く待たされる。
    • 敵のグラフィックが手抜き。迫力のないドット絵になった上、PC版で書き分け出来ていた一部の敵がただの色違いとなった。
    • 家を買えなくなった。もっともこれには些少のエロ要素があったのだが。
    • 人物が何人か削除された。
  • 上記の理由から、「クソゲー」「○分で投げた(売った)」という評価も多かった。

余談

  • 本作はメガドライブ版も予定されていたが、発売中止となった。なお、SFC版公式攻略本の表紙には「スーパーファミコン・メガドライブ対応」と記されていた。
  • 信長の野望』のスピンオフ的な位置付けで発売された『太閤立志伝』のハンドブックには開発の際に本作のノウハウを活かした趣旨の記事が書かれている。
  • コーエーから『信長の野望Online』(大名家に所属し、魑魅魍魎と戦う和風MMO)が発表された際、本作ファンから「伊忍道だろ」「こんなの出すなら伊忍道の新作出せ」という声が挙がった。