ゲゲゲの鬼太郎 危機一髪!妖怪列島
【げげげのきたろう ききいっぱつようかいれっとう】
ジャンル
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アクションロールプレイング
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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発売元
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コナミ
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開発元
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コナミコンピュータエンタテインメントジャパン
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発売日
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2003年12月11日
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定価
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4,980円(税別)
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セーブデータ
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3個
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判定
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良作
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ポイント
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水木しげる生誕80周年記念作品シリーズの一つ 悪魔城鬼太郎
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ゲゲゲの鬼太郎シリーズ
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概要
水木しげる生誕80周年記念で発売された『ゲゲゲの鬼太郎』を原作としたアクションゲーム。
同じくコナミが発売した『妖魔大血戦』、『異聞妖怪奇譚』と同時発売され、キャストも共通している。
ストーリー
舞台は昭和30年代。
幽霊族最後の生き残りとして生まれた鬼太郎は、両親の最期を看取った人間、水木によって育てられた。
だが、種族の違いからか人間社会に馴染めず、目玉のおやじと共に放浪の旅に出る。
そして数年後、富士の樹海をさ迷っていたねずみ男は妖怪城を封じた石碑を発見し、その封印を破ってしまう。
ゲゲゲの森に腰を据えた鬼太郎は日本全土で妖怪たちが暴れ出したのを察知し、妖怪列島となった日本を駆け巡る。
特徴
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鬼太郎のアクションは毛針攻撃、同じ方向2度押しでのダッシュ、2段までのジャンプ、ジャンプ中↓+Aで使える踏みつけ攻撃、そしてRボタンで使える武器とLボタンで呼び出せる仲間となっている。
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武器を使用すると妖力を消費し、仲間を呼び出すとアイテムのカラスを消費する。消費量は使用する武器や仲間によって異なる。
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武器はLボタンでいつでも切り替えることが出来、同時に呼び出す仲間を選択出来る。
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仲間を呼び出すためのカラスはステージ中の壺や敵からのドロップでしか手に入らないので使用タイミングは重要。
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踏みつけ攻撃は一部の岩を破壊することも出来る。
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鬼太郎は敵を倒して経験値を稼ぐとレベルアップ出来、ステータスが向上していく。
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他に回復アイテムなどの消費アイテムと、3つまで装備できる装備品がある。
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妖力は敵を倒した際に出現する魂を取っても回復出来る。
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ゲームはストーリーパート、準備パート、アクションステージを繰り返して進めていく。
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準備パートではセーブしたりステージで手に入れたお金を使ってアイテムの売買をしたり妖怪図鑑を見ることが出来る。
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アクションステージでは店で売っていないアイテムも手に入るが、売ると店に並ぶようになるシステムがある。
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準備を終えるとカラスに乗って日本全国から行きたいステージを選択し、アクションパートに入る。ステージはストーリーが進むと解放されていく。
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アクションステージは敵を倒しつつ、奥にいるボスを倒せばクリア。
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ステージは基本的に右に進んでいくようになっているが、ある程度探索要素も用意されている。ステージのどこかに封印されている隠し妖怪を見つけると新しい武器を貰える。
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なお、一度アクションステージに入るとボスを倒すか特定のアイテムを使わないと出ることは出来ない。
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セーブは準備パートの他、ステージ中に置かれている妖怪ポストでも行える。
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命(ライフ)がなくなるとゲームオーバー。セーブしたところからか家に戻るかゲームを終了するか選べる。
評価点
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あふれ出る原作愛
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冒頭は鬼太郎誕生から始まり、なんと目玉のおやじを操作する。ここから始まるゲームは極めて希少。
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以降のストーリーは原作の「妖怪城」などを元に構成したオリジナルとなり、章立てで日本各地を脅かす妖怪たちを退治していくこととなる。同時に行方不明になった仲間たちを探していく。
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各章のストーリーは行方不明者続出、狸たちの反乱、大寒波など鬼太郎らしい謎めいた事件ばかり。
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一方、妖怪たちが暴れる理由は人間たちの横暴や自然破壊といったものが主。現代に通じる当時の世相を反映したストーリーになっている。
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プレイヤーには冒頭の時点で全ての事件の裏に黒幕がいる事が分かるが、黒幕はもちろんあの妖怪である。正体不明時は影で出てくるが、鬼太郎ファンなら一目で分かるだろう。
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登場する妖怪も非常に豊富で、印象的な妖怪がザコとしてではあるが大量に登場する。ボスキャラはいずれも原作で強敵として立ちはだかった妖怪ばかり。
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絵は他の生誕80周年作と同じで原作からの取り込みとなっている。
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このため、鬼太郎の髪は白髪に。また、目玉のおやじ誕生シーンでは生前の遺体から目玉が抜け落ちるシーンがあるなど鬼太郎の持つ不気味さもしっかり表現されている。
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キャラクターのドット絵や背景も美麗で、鬼太郎の雰囲気をよく再現できている。
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BGMも良曲揃い
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ゲームを始めるとおなじみの主題歌が流れるが、これがアニメ第1期、2期で使用された初代のインストゥルメンタルアレンジとなっている。細かい部分までしっかり再現されており聴きごたえがある。
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その他のBGMも場面に合った良質な曲ばかりでゲームの雰囲気を十分盛り上げてくれる。
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和風の世界観に合わせて和楽器の音色を取り入れているのも特徴。
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良質なゲーム性
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元々のシステムが良質なこともあり、本作でも良好なプレイ感覚で楽しめる。
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ステージ構成は悪魔城ほど広大ではないが、トラップあり水中ありワープあり隠し部屋あり後述のように難易度の高いアクションありとかなり作りこまれている。
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ボス戦は様々なシチュエーションがあり、一反もめんに乗って戦うSTG色の強いステージや複数のボスを相手にするステージ、ボスに追いかけられながら戦うステージなどもある。
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一度クリアしたステージは何度でもやり直せる。ストーリーも見直せるが、会話部分はスタートボタンで飛ばせるのでステージをやり直したいだけの時もストレスはない。
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妖怪図鑑、アイテム収集
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本作のやりこみ要素。妖怪図鑑は出会った妖怪が記載されていき、詳しい解説も読むことが出来る。
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解説文は短い内容ながら、その妖怪の伝承に関して解説されており、まさに妖怪図鑑と呼ぶにふさわしい出来になっている。ただ、鬼太郎の仲間たちであっても伝承のみが解説されているだけで鬼太郎のキャラクター図鑑としての性質は薄いが。
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アイテムコンプリートにはゲーム全体を通しての完全攻略が必要となり、なかなかに難易度が高い。
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妖怪図鑑100%や各ステージのマップ踏破率を100%にするのも必須。全て埋めたように見えてもなかなか埋まらないのでステージを隅々まで探索する必要がありやりごたえがある。
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中には特定のボスで特定の行動をしないと入手できないアイテムもある。
賛否両論点
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キャラゲーにしては少々難易度が高め
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一部シビアな操作が要求される場所があり、全マップコンプリートや全ステージ評価☆5を目指すと非常に難易度が高い。
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中盤で訪れるある場所はベルトコンベアを2段ジャンプで登っていくが、最初のジャンプの頂点あたりでタイミングよく2段目のジャンプをしないと届かない。一方、別の場所では落ちかけたタイミングで2段目のジャンプをしないと次の足場に乗れないなど、難易度の高いギリジャン地帯がある。
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特に踏みつけ攻撃で敵を踏んでジャンプしなければ届かない足場に登るのは難易度が高め。後半のある場所では連続で2体の敵を踏む必要がある場所もある。
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逆に言えば低難易度になりがちなキャラゲーの中ではやりごたえのある難易度になっているとも言える。生粋のアクションゲーム好きでも楽しめるだろう。
問題点
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現代のゲームとしては不親切な部分
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武器や仲間は一覧を見れるが、説明はないため使ってみるまで効果が分からない。説明書なしで購入した場合は注意が必要。
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武器はリモコン下駄やチャンチャンコといったおなじみのアイテムなので、ある程度想像はつく。
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問題は仲間の方で、例えば一反もめんなら乗って空を飛べる……かと思いきや単なる全体攻撃で、実際に乗れるのは一部のステージ限定。
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店売り品が軒並み高額で金欠になりやすい
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回復アイテムでも数千円するのが当たり前。
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一方、壺を破壊して出てくる金は一度取るとステージを入り直しても復活しない。主な金策は敵からのドロップになるが、中盤以降でも500円程度で必ずドロップするとは限らない。
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アイテムもドロップするのでこれを売るのも手だが、売値はどれも元の価格の1/10なので9800円のアイテムも980円にしかならない。
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一応、回復アイテムがドロップしやすい場所はあるが、回復アイテムは売っても200円~500円前後。やはり売買のバランスは悪い。
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死んでも1度だけその場で復活できる「エンマの手紙」が安いのが救いか。
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ラスボス戦について
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本作のラスボスは一反木綿に乗って飛びながら髪の毛針を当てるシューティングゲームのような戦いになるのだが、いくつか問題がある。
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一反木綿に乗っている状態のため、リモコン下駄等の武器が使用できない。髪の毛針だけで戦わなくてはならない。
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肝心の髪の毛針も威力が低く射程が短く当てるには敵に近づかなくてはならない。ラスボスは激しい弾幕を撃ってくるので当然、当てるのも一苦労である。
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しかも、ラスボスなだけに体力も非常に高く、上記の激しい弾幕と髪の毛針の威力の低さも相まってどう頑張っても長期戦になってしまう。
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ラスボスの攻撃方法も激しい弾幕を放ってくるのがほとんどであるため、攻略のやり甲斐がなく戦って楽しいとは言えない。上記の調整不足の難易度の高さとそれからくる単調気味な戦いを強いられることもあってだれてしまう。
総評
悪魔城シリーズのシステムを流用したことで良質なアクションゲームに仕上がっているだけでなく、原作愛に満ち溢れた一本。
難易度は少々高めだが、鬼太郎ファンならプレイして損はない作品である。もっともコナミの探索型携帯ソフトの例に漏れずプレミアがついており簡単に入手できるものではないのだが……
最終更新:2024年05月18日 09:53