ヨスガノソラ
【よすがのそら】
ジャンル
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双子恋愛アドベンチャー
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対応機種
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Windows 2000/XP/Vista(初回限定版) Windows 7/Vista/XP(通常版)
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メディア
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DVD-ROM
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発売・開発元
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Sphere
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発売日
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2008年12月5日(初回限定版) 2010年10月29日(通常版)
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定価
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8,800円(税別)
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ディスクレス起動
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可能
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レーティング
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アダルトゲーム
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配信
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2015年6月5日/6,995円
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判定
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なし
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ポイント
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Sphereの処女作 兄妹ものエロゲーとしては高評価 後年アニメ化し内容で話題沸騰に
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Sphere作品 ヨスガノソラ - ハルカナソラ - イモウトノカタチ - Berry's
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概要
CUFFSの姉妹ブランドであるSphereの処女作。
両親を失った主人公達が田舎に引っ越しし、そこで知り合った人や双子の実妹との恋愛模様を描いたADVである。
ストーリー
不慮の事故で両親を亡くした双子の兄妹の春日野悠と穹は、それまで住んでいた都会から離れた山里にある奥木染町へと移り住み、
かつてその地で医者を営んでいた亡き父方の祖父母の家で、兄妹2人の生活を始めることとなった。
以前遊びに訪れた際に知り合った依媛奈緒や天女目瑛との再会や新たな友人たちとの出会いによって、やがて春日野悠は自分の本当に大切な存在に気付いていく。
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登場人物
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悠達の家庭環境の影響で、家事への言及がやや多いことが特色。
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春日野 悠(かすがの はるか)
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主人公。両親を突然の交通事故で亡くしたため、双子の妹である穹と一緒に奥木染町へ引っ越してきた少年。穂見学園1年生。
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生真面目で都会育ちの美少年という顔立ちで、自然と女性にモテるが本人は自覚していない。
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見た目以外はごく普通の少年で体力も十分あるのだが、過去にため池で溺れたトラウマのせいで泳げなくなっている。
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未経験だったので家事全般を苦手としているが、責任感の強さと生真面目な性格から徐々に上達していく。
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天女目 瑛(あまつめ あきら)
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声:月城真菜
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悠のクラスメイト。悠と昔一緒に遊んだことのある「叉依姫神社」の娘。
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神社の管理人が亡くなった後は巫女と神社の管理人を兼任しており、身寄りがない為に神社で一人暮らししている。
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子供の一人暮らしと天女目の親族が引き取ろうとしなかった関係から、近くで駄菓子屋を営んでいる伊福部やひろが保護者となり、駄菓子屋によくお世話になったり世話したりしている。
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とても温厚で良く出来た人間なのだが、いつもニコニコしていて何を考えているのかわからない面もある。
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依媛 奈緒(よりひめ なお)
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声:木村あやか
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幼少時の悠たちが遊びに来たときはいつも面倒を見てくれていた、1つ年上の近所のお姉さん。穂見学園2年生。
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引越し後も悠たちの家事を積極的に手伝ってくれるのだが、過去の出来事が元で穹は彼女を特別目の敵にしている。
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水泳部所属でちゃんと出席してはいるものの、基本的に水泳をせずにプールサイドで本を読んでいる。
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渚 一葉(みぎわ かずは)
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声:五行なずな
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悠のクラスメイトで地元代議士の一人娘。ややきつめの顔立ちが印象的な才色兼備で清楚なお嬢様。習いものなどで放課後は忙しい。
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とある事情から瑛に対しては過保護な言動が多い。
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瑛に関することと自身へのからかいに対しては沸点が低いせいできつめの言動が多いものの、基本的には温厚で気遣い屋の少女。時に家事などもこなしている。
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ツッコミの際にはどこからともなくアルミ缶の蓋を取り出して叩くが、どこから取り出しているのかは謎。
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乃木坂 初佳(のぎさか もとか)
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声:遠野そよぎ
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渚家のメイド。短大卒業間際の就職活動に失敗し、親のツテで2年前からメイドとして働いている。
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本人はメイド姿を恥ずかしがっているが、メイド姿のまま通勤していることも多々ある。
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大人ぶろうとしているが、とても不器用な上にズボラ過ぎて包容力などの類は全く感じられない。家事なども悠に劣るレベル。作中屈指のダメ人間ではあるがかなり人は良い。
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よく飲酒しているが、酒に弱い上に酒癖が非常に悪くて他人に絡むタイプ。仕事の合間によく合コンにも参加しているが、美人と評されているにもかかわらず残念さと酒癖の悪さのせいで敗北続きである。
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春日野 穹(かすがの そら)
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声:白波遥
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悠とは双子(二卵性双生児)の兄妹で、今でこそ普通の生活を送れているが元々は病気がちで長期入院していたこともある。
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口数が少なく無気力な引きこもりで他人に無関心だがシャイでもある。そして口を開けば毒舌が飛び出すことが多い気難しい性格。ただし無気力ながら勉学面は優秀。
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悠に対してだけ特別気を許しているのだが、それすら直接表に出すことは少ない。
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インターネット依存症の気があり、引っ越し後も携帯からファッションサイトを眺めたりしている。奥木染に越した当初は悠に心配され、その後も何だかんだでネット環境を整えてもらえていない。ただ奥木染町そのものには意外と悪い感情を持っていない。
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瑛ルートではやひろの家で勝手にPCを使ってネット検索し始めたり(自分のノートPCを持ち込むのは重たいとして拒否)、『ハルカナソラ』では携帯電話を使って機器を強引に調達したりしている。
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ファッションには強いこだわりを持っていて夏でも長袖を厭わない。両親の影響で家具にも興味があり、悠よりセンスも良いとされている。
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悠以上に家事スキルが壊滅的でトースターも焼けない上に自ら動こうともしないが、自身のルートでは徐々に家事をこなすようになる。
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お菓子とジャンクフードを好む偏食家でもあるが味覚は正常。また、悠の作ったものなら文句を言うことはあっても好き嫌いせずに食べている。
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評価点
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美しいCG
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鈴平ひろ&橋本タカシの原画。レベルが高くきれいな仕上がりになっている。
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背景もきれいで素朴な田舎を美しく表現している。
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田舎要素
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人情味あふれる人々や移動式スーパーなど、田舎あるある的なネタときれいな背景とが相まってとても癒やされる。
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ちなみに携帯の電波は届くものの普及はしておらず、一部の人物しか持っていない。インターネット環境も知り合いの中では一葉とやひろの家にしか整っていない。
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田舎でありがちな村八分的な描写もあまりなく(噂がすぐ広まる環境ではある)、不便さ以外は良い場所であることが描かれている。
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穹の存在
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このゲームの9割の魅力が彼女にあると言っても過言ではないほど印象的な存在で、穹を気に入るかどうかでこのゲームの評価が大きく変わる。
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穹ルートのシナリオも彼女のその気難しさと内に秘めた想いに、悠自身の深刻な問題とが上手く噛み合っている。
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初回プレイ時は彼女のルートに入れないため、彼女以外をスルーしようにも一旦他ヒロインのエンディングを見る必要があることがプレイスタイルによっては玉に瑕。
賛否両論点
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全ルートで都合の良い展開になった後に物語が終わる。
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安易と取れるものの、すがすがしく終わるという意味では良い。
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システム面は特筆点こそ無いものの、不足もないので十分快適なプレイが可能。
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ただし、ゲームの内容量・構成上あまり困らないものの、セーブ数が60とやや少ないことは難点。
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ネタバレ
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ほぼ全員に以下に挙げる倫理的に問題のある何かが関わっていて、良くも悪くも癖が強い。
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奈緒は情緒不安定な状態だったとは言え、まだ性的な知識がない悠を言いくるめてレイプしたという、とてもあれな過去設定がある。
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悠は誰にもバレていないと思っているのだが穹には見られており、穹が彼女に対して特別辛辣な原因となっている(嫉妬だけではなく悠を余計ないざこざから守りたいという気持ちも強い)。
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穹ルートでは近親相姦する仲となり、このことは決して切り離せない要素である。
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瑛と一葉は異母姉妹(誕生日は同日だが誕生時刻の差で瑛が姉)であり、これは極一部の人を除いて知られていない。そして瑛は町の住人とは仲が良いものの実の親には認知されておらず天女目の遺族からも邪険にされているため、恵まれた家庭環境とは言い難い。
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親友となる中里亮平は先生にストーカーまがいの行動を起こしたとして停学になった影響で留年しており、学校内で浮いているという設定。
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ただしこれは他の件と違って彼が不器用ながらも想い人のために画策した偽装工作であり、中身は面倒見の良い男気のある人物である。そのためか作中の登場人物達や友人達からはそこまで恐れられていない。
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初佳はモブキャラに亮平の想い人との二股をかけられていて、そのモブキャラの転勤を機に初佳が捨てられたという過去がある。
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問題点
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シナリオが短い
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初回で4~5時間程、個別ルート単体では2時間ほどで終わってしまう。
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個別ルートも読み進めているとそのまま終わってしまうという感じで、あまり引き込まれない。
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シナリオの大まかな展開も捻りがなく、穹ルート含めて全ルート「くっつく→イチャラブ→こじれて別れる→色々あってよりを戻して終わり」という展開をなぞる。
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まだ幼い頃の奈緒のCGがあるのだが、奈緒の容姿が現在と同じ程度なので違和感が強いCGとなっている。
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ネタバレ
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表向きのメインヒロインである瑛(一番目立つように紹介されている)が異常に見える
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ずば抜けた善人であることに間違いはないのだが、常にニコニコしていながら根の部分では常に諦観していることと、他人の心を読む事に非常に長けているという部分も強く描写されている。記憶力も凄まじい。という設定ではあるのだが…
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何か問題が起き始めると他者の心情をずけずけと言い当てたりする。それも知らないはずの事情まで全て把握しているような描写がなされている。あくまで相手の為に言及しているのだが、これらの様子が不気味な感じを強めている。
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師匠と呼んでいる猫を筆頭に、たまに野生生物と完全な意思疎通が出来ているような場面がある。
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現実的な世界観と人物達だけで構成されているのに、彼女だけが超常的な存在になっているのでとても浮いてしまっている。
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程度は不明だが不気味な表現は製作陣の意図しているものであり、優しいけど何考えているのか分からないなどと作中でも評されている。
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瑛の実母が意味深な行動をしたり瑛達の赤ん坊の頃に謎があり、それらに対して長々と悩む割りに結果的に何も問題がなかったこととして物語が終わる。おかしくはないのだが肩透かしな気分になる。
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総評
美しいイラストとキャラ絵で惹くものはあるが全体的には平凡な作品。
穹に関しては高評価なのだが、それ以外はエロゲーとしてもキャラゲーとしても価格に対して薄めの凡ゲーである。
話題は主に穹に関することであり、全体の人気とは裏腹に妹ゲーとして知名度の高い作品となった。
余談
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兄妹ものとして名を馳せたせいか、ついには近親相姦ものを差す隠語として「ヨスガる」という言葉が界隈では生まれた。
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2009年9月25日にファンディスク『ハルカナソラ』が発売された。
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2010年10月よりテレビアニメが放送された。全12話。
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ちゃんとアニメ化できるのか? と不安の声もあったが、ボカしているとはいえ実妹とのSEXシーンを盛り込むという挑戦的過ぎる姿勢で話題を博した。
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ただし内容は多分にゲームとの相違点も含まれており、嫌うファンも少なくない。
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発売直後はあっという間に値下がりしたが、近年プレミアが付いて高騰しているのは上記のアニメ化の影響が大きい。
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アニメ化の際にコンシューマー化の企画もあったが幻の企画に終わっている。参考リンク
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栃木県足利市の樺崎八幡宮が舞台の元ネタなので、本作を機に興味を持ったり実際に赴く人も居る。
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姉妹ブランドSonoraのアダルトゲーム『僕の未来は、恋と課金と。 ~Charge To The Future~』に、本作のキャラクターがゲーム内のソーシャルゲームカードとして登場する。
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特別限定版には『ヨスガノソラ』のビジュアルファンブックの電子書籍版データが特典として付属する。
最終更新:2019年02月22日 00:37