装甲騎兵ボトムズ ザ・バトリングロード
【そうこうきへいぼとむず ざ・ばとりんぐろーど】
| ジャンル | STG |  
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| 対応機種 | スーパーファミコン | 
| 発売元 | タカラ | 
| 開発元 | 元気 | 
| 発売日 | 1993年10月29日 | 
| 定価 | 9,800円 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 操作性はボトムズ(底辺) グダグダでダラダラした戦いの連続
 ラスボスはもはや精神鍛錬
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概要
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コンシューマーで初めて発売されたアニメ「装甲騎兵ボトムズ」のゲーム。
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SFCではそう多くはない疑似3Dシューティング。
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ストーリーとしては原作に関係ない外伝。バトリングを主題とした物語になっている。
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尤も一度に登場させる敵が少数で済む事から『装甲騎兵ボトムズ ライトニングスラッシュ』(PS1)等、ゲーム機の性能が低かった時代の3Dボトムズゲーとしては人気のシチュエーションであった。
 
 
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使いづらいシステム、変化の乏しい敵とステージのおかげで、うんざりするほどのグダグダなゲーム。
ストーリー
百年戦争の終結後のある日、ファミン・エルムの家族は謎のAT集団に襲撃される。ファミンはATに乗り抵抗するが、彼の両親は命を落としてしまう。その後、偶然知り合った武器商人のヨーグルと共に、仇を追い求めるファミン。相手がATの集団だったという事を手掛かりに、彼らはバトリング場を目指した。
システム
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SFCの拡大縮小機能を使った背後視点の疑似3Dシューティング。
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ATは前進、後退、左右への旋回ができる。またターンピックを使うとその場で回転する。ただし前進もしくは後退中でないと回転しない。
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武装は3種類。接近戦用のアームパンチ、ヘビィマシンガン、弾数制限のあるミサイルがある。
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アームパンチは射程が短いが、攻撃力はかなり大きい。
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ミサイルには追尾能力がありロックに成功すると、ほぼ当たる。攻撃力も大きい。ただし序盤は装備されていない。
 
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これらの武装は、切り替えて使用する。
 
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モードはストーリーモードとVSモード。
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ストーリーモードは全8ステージ。ただし、一部のステージは複数に分かれているので戦闘が8回という訳ではない。
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ほとんどのステージは1vs3のバトリング。しかも三機倒せば戦いが終わる訳ではなく、撃破する度に追加のATが現れる。10機近くと戦うステージもある。
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ステージによっては、前方から来る敵を次々と破壊していく縦STGのような強制スクロール戦闘もある。
 
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パスワードによる進行の保存が可能。
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VSモードは対人戦のみ。
 
問題点
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癖のある操作系。
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左右移動は大きい弧を描かないと曲がれない。さらに平行移動がないので斜め移動もできない。おかげでターンピックの使用は必須。しかし前進と後退で向く方向が逆、回転中は一時停止してしまうなど癖があり、使いこなすのは一苦労。これらの理由からATを自在に操るのは困難。また壁や障害物にぶつかると止まってしまうので、素早く再移動しないとタコ殴りにされる。
 
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出来の悪い攻撃システム。
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攻撃は前述の通り、切り替えて使用する。だが接近戦用のアームパンチまでその中に含まれているため、非常に使いづらい。アームパンチは咄嗟に使わないといけない場面が多いので、一々切り替えていては間に合わなかったり、ミスが起こる。弾数制限のあるミサイルを間違えて使ってしまい、イライラさせられるという事もよくある。
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操作系としてはボタンが二つ余っており、各攻撃を独立させる事は可能だった。何故わざわざ使いにくい設定にしたのだろうか。
 
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遠距離武器にも問題がある。特に弾速が遅い。
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ヘビィマシンガンはこれが大問題。後方から追尾しながら撃っても、弾速が遅いので簡単に射程外へ逃げられてしまう。相当肉薄しないと当たらないが、敵との距離を近く保ち続けるのは難しい。
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ミサイルは、自分の撃った弾に追いついてしまうのではというほど遅い。しかしこちらはロックさえできればまず当たるので、ヘビィマシンガンほど弾速が問題にはならない。もっとも、撃ったミサイルが着弾する前にこちらが破壊されるというような間抜けな敗北を喫することもあるが。
 
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アームパンチは左手で固定のため、自機の左側の敵にしか当たらない。逆にヘビィマシンガンは右手に構えているため右側の敵でないと当てづらい。武器によって敵の捉え方を変えないといけないので、余計にやりにくい。リアルと言えばリアルなのだが…。
 
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単調で冗長な戦闘。
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不親切なシステムから慣れるまではかなり難しく感じるが、ある程度慣熟してくるとむしろ戦闘の単調さが気になってくる。
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敵の種類もステージ変化も少なく、動きも最初から最後まで大差ない。どのステージも似たような攻略方法ばかり。
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敵はラスボスを除くと、ヘビィマシンガンだけのスコープドッグ、ヘビィマシンガンとショルダーミサイルランチャーを装備したスコープドッグ、ヘビィマシンガンとショルダーミサイルランチャーを装備したスタンディングトータスの三種類だけ。一応カスタム機も出てくるのだが、この三種類と大差ない。
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その他には、強制スクロールステージにアストラッド戦車と砲台が出てくる。
 
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前述の通り、アームパンチは接近しないと当たらない、ヘビィマシンガンは射程が短くて当てにくい、ミサイルには弾数制限があると、敵にダメージを与えにくい。一方、敵の方もプレイヤーが無理をしない限りそうそう捕捉されないので、こちらもダメージが蓄積しにくい。おかげで戦闘がダラダラと長引く。だからと言って強引にダメージを狙いに行くと、すぐに撃破されてしまう。
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特にラスボス戦は冗長極まりない。
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形態が二段階あり、一段階目は比較的まともだが問題は二段階目。足が速いため接近しにくく。他の敵よりはるかにダメージを与えにくい。しかし相手も自機を捉え続けられる程でもなく、結果としてそれまでとは比べものにならない長い追いかけっこをするハメになる。
 
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全8ステージと一見少な目に思えるが、この単調な戦闘のおかげで想像以上に時間と気力を奪われる。
 
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敵ダメージが何故かデフォルト非表示。
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戦闘中の操作で表示させることは可能。非表示のままにするメリットは特にないが、表示させようとすると戦闘の度にいちいち操作しなくてはならず面倒くさい。
 
評価点
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かなり秀逸なデモ画面。
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ボトムズのキャラクターデザインをした塩山紀生氏の下絵より、デモ画面を作り出している。SFCの解像度ながらも、氏の絵の味がよく表現されている。
 
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強制スクロールのステージはほどほど面白い。
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縦シューティングのようなゲーム性な上、敵もバトリングの時とは違いあっさり破壊できる。それなりに爽快感はある。
 
総評
デモやグラフィックの出来、ターンピック等ボトムズの特徴を生かしたシステムなどから、いい加減な気持ちで作ったゲームではないのだろう。だが結果的には、そういった工夫が実を結んだとは言い難い。
不自由な操作性に加えて攻撃も使いづらく、戦闘が長くなりがち。敵の種類も少ないので、ダレた戦いを同じような相手とばかりやり続けるのは飽きてしまう。
厭戦気分にすら襲われるこのゲームは、100年も戦争をダラダラと続けていた原作に見合ったものと言える…かもしれない。
余談
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OPデモではAT乗りを「ボトムズ野郎」と表記しているが、本来は「最低野郎」と書いて「ボトムズ」と読ませるので、「ボトムズ野郎=最低野郎野郎」になってしまう。説明書にも「ボトムズ(最低の野郎)」と書かれているのに、なぜゲーム内では「ボトムズ野郎」としたのか?
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本作のTVCMも放送されている。内容は銀河万丈氏のナレーションによるTVシリーズの次回予告風の構成になっている。
最終更新:2021年09月22日 23:13