GRIS

【ぐりす】

ジャンル アクションパズル
対応機種 Windows(Steam)
Nintendo Switch
発売元 Devolver Digital
開発元 Nomada studio
発売日 2018年12月13日
定価 【Windows】1,730円(税込)
【Switch】1,780円(税込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント 色鮮やかな世界
遊べるアート作品

概要

  • スペインで生まれた横スクロールアクションパズルゲーム。
  • 歌声を失った少女の心の中の世界が舞台となっている。

特徴

  • 少女の心の中の世界は水彩画で描かれる不思議な空間。
  • 少女は無敵であり、ゲーム中にダメージを受けたり死ぬことがない。
  • 代わりに、先に進むためにステージ中にある仕掛けに気づいて、適宜解除していく必要がある。
  • ゲーム中、テキストは殆ど出てくることはなくシンプルなイラストやアイコンによって操作方法が示されるシステム。
  • ゲーム開始時の世界はモノクロで殺風景。少女も力なく歩くことしかできない。しかしゲームを進めていくと世界が次第に色づいていき、少女のできるアクションも増加していく。
  • 具体的なシナリオは存在せず、象徴的な描写にとどめられている。
  • アクション
    • Bボタンでジャンプ。最初は1段しか出せないが、ゲームが進むと2段目を出せるようになる。また2段目のジャンプ時Bを長押しすると滑空できる。
    • Yボタン長押しで固化。突風に吹かれても吹き飛ばされなくなるほか、高い所から固化しつつ落下することで、物を壊したり、重りの仕掛けを作動させることができる。
    • 水中でBボタンを押すと、キリモミしながら水中をダッシュする。
    • Aボタンで歌う。歌うと周囲の植物を活性化させ、追いあがった植物を新たな足場として使える一幕がある。

仕掛け

  • 脆くなった瓦礫
    • 攻略することになるマップには、そこかしこに錆れて風化し始めた建物が点在するが、その中でも少女の固化落下で壊せる部分がある。
    • 脆くなっている物体は上を歩くとコントローラーに振動が伝わって来る。固化しつつ脆い部分に落下すると破壊することが出来る。
    • 空中のひとところで舞っている赤い蝶の群れ。蝶の群れでBボタンを押すと高く飛び上がることができる。
    • 瓦礫を壊すことで出現するタイプ、水中にいるタイプがある。
    • 水中にいると重力が作用せず、浮力で押し上げられる。
    • ゲーム中盤ですばやく泳ぐ能力を身につけると、水中のひとところで静止することができる。
    • 本作では当たり前のように空中に固定された水球もあり、高所へ上るためのカギとなることも。

評価点

  • 美しいマップ
    • 本作の最大の特徴。少女が旅する心象世界が迷ってしまうレベルで広いのだが、どこに迷い込んでもひとつの絵として成立している。
    • 現実に存在しえない造形物から、どこか哀愁漂う廃墟まで、置いてあるものの属性も幅広い。
    • 最序盤はモノクロ世界だが、赤、緑、青、黄・・・と色づいていく。
      • 赤、緑、青、黄の色もそれぞれ岩、植物、水、光にまつわる象徴的な背景が追加されていくので、ステージの景色がワンパターンではない。最初こそ砂漠や廃墟しかない物悲しげなマップだが、緑が追加されることで木々といった生命が、青が追加されることでややさしげな雨が写りこむようになり、最後にはきれいな満点の夜空を拝めるようになる。
    • 透明な物体が足場になっていることもある。降り注ぐ雨が足場の形を教えてくれるパターン、光が当たっている間だけわたることが出来る透明な橋など、視覚効果だけでなくゲームとしても機能しているオブジェクトがある。
  • 絵の動きがなめらか
    • 移動したり形を変える足場が一部で登場するが、その作画が非常に滑らかである。
    • 少女のモーションにも全くカクツキが存在しない。
    • 少女が羽織っているマントもよく描きこまれている。固化アクションの際はマントが石のようになり、2段目のジャンプの際は翼に変化するが、いずれも硬い感じ、ふわふわとした感じが伝わってくる。
  • 適度に頭を使えるパズル性
    • 序盤こそただただ空中に浮いた足場を跳んで移動するだけのゲームで、操作方法が非常に簡潔。ゲームの進捗と共に次第にできることが追加されていくためゲームライト層にもとっつきやすい。
    • 逆に中盤以降はきちんとパズルのように頭を使わないと先に進めないゲームとなる。しかし何度もリトライ・試行錯誤できるゲームバランスなので、ゲーム攻略のテンポもあまりそこなわれない。
    • ゲーム中は、主人公の行く手を阻む存在も登場するが、今までの固定観念から逸脱したアイデアでそんな存在を逆手に取ることで道が開けるケースがある。
      • 突風で足場から落としてくる鳥のような怪物が出てくるが、その突風を使って滑空しないと、遠い足場に着地して先に進めない。
      • 大きな衝撃ではじめて作動する重り型のしかけを作動させるため、どこまで高く上るか、一考できる場面がある。
    • 一定周期で周囲の空間が凍結し、少女をかたどった氷像ができる区画があり、この氷像をどんなポーズにするか、どこに置くかを考えなくてはならない。

賛否両論点

  • 世界を自由に動き回れるわけではない
    • 行動できる範囲こそ広いが、基本は1本道構造で一定区画進むごとに引き返せなくなるマップ設計。次に何をしていいのか分からなくなるといった事態の回避には繋がっているが、やらなくてはならないことをゲームから指定されている感覚にもなる。
  • 少女が非常に小さく表示される区画がある
    • カメラがかなり「引き」の状態となり、マップの非常に広い範囲が映し出されることがある。
    • 美しい背景を堪能するためのギミックとしては機能しているが、少女が非常に小さく表示されるため、見失いやすい。

問題点

  • 終盤のマップで迷う
    • 世界に「黄」の色を取り戻したあたりから難易度が上がる。近づくことで色づき実体化する足場があったり、重力が上下反転する空間が登場するようになり迷いやすい。
  • マップの広さに対して移動速度が高くない
    • 中盤から水中はすばやく泳げるようになるのだが、陸上ではあまりすばやく移動出来ない。
    • ゲームオーバーにこそならないが、足場を踏み外したりするといちいち昇り直さなくてはならない。

総評

巨大なアート背景とするアクションパズル性が特徴。その巨大な背景の美しさをそのまま楽しむこともできるが、アクション要素もおざなりにはなっておらず、ゲーム進捗に応じて出来ることが増える楽しみ、先に進むための試行錯誤感も備えた作品である。