クイズ機動戦士ガンダム 問・戦士
【くいずきどうせんしがんだむ とい・せんし】
| ジャンル | クイズゲーム |  | 
| 対応機種 | アーケード(SYSTEM246) | 
| 発売 | バンプレスト | 
| 開発元 | クラフト&マイスター | 
| 稼働開始日 | 2006年4月25日 | 
| プレイ人数 | 1~2人(同時プレイ) | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | ガンダムオンリーなクイズゲーム 基礎知識からマニア問題まで
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| ガンダムゲームリンク | 
 
宇宙世紀0079年、地球から最も遠い宇宙都市サイド3は
ジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。
しかし濃すぎたミノフスキー粒子によって、レーダー・センサーの使用はおろか、
モビルスーツによる有視界戦闘すら出来なくなってしまった。
だが、ジオン軍総帥、ギレン・ザビは言った。
だったらクイズで勝負だ!
 
概要
アニメにゲーム、漫画やプラモと様々な展開を行っているロボットアニメ「機動戦士ガンダムシリーズ」
本作はなんとそのガンダムシリーズのみの知識を取り扱ったクイズゲームというかなり珍しい作品である。
特徴(クイズステージ)
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本作はクイズに答えながら各ステージをクリアし、一年戦争を生き延びていくというゲーム
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出題範囲はシリーズ1作目「機動戦士ガンダム」から当時最新作であった「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」までの映像作品、
またその他枠には「機動戦士クロスボーンガンダム」や「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY」などの外伝漫画、「閃光のハサウェイ」などの小説、「機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」「機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…」などのゲーム作品がまとめられている。
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各ステージは基本的には「機動戦士ガンダム」がモチーフであるが、道中では同じ一年戦争当時の話である「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」、時系列は合わないが「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」もモチーフに含まれている。
 
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クイズの形式は以下の4パターン。
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まずは基本となる「4択クイズ」と2択問題の「〇×クイズ」、こちらはその名の通りである。
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画像を見て答える「ビジュアルクイズ」こちらは画像を見て答えるのだが普通に表示される事もあればモザイクが掛かっており時間経過で全貌が見える物や、スポットライトが当たっている範囲しか見えない物、シルエットで答える物とバリエーションがある。
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原作の名シーンがフルボイスで流れその場面に入る台詞を答える「名場面クイズ」こちらはなんと回答を間違えると
間違えた台詞でそのまま読み上げられる。
 
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「名場面クイズ」以外のステージは基本的に「クイズに答えて敵のモビルスーツのHPを0にする」「規定数正解する」の2パターンどちらかでクリアとなる。
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「名場面クイズ」に関しては不正解でも場面が進行し、全ての出題が終わった時にプレイヤーのHPが残っていればクリアとなる。
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勿論、不正解やタイムオーバーならばそのステージに合わせた攻撃力でプレイヤーにダメージが入り、HPが0になればゲームオーバーとなる。
 
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上記の通り本作の基本はクイズに答えて敵にダメージを与えるシステムなのだが、回答速度によって3種類の武器による攻撃が発動する。
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回答が早いと攻撃力の高い「スペシャル武器(ビームサーベルやキャノン砲)」、遅ければ攻撃力の低い「サブ武器(頭部バルカンなど」、それ以外は「メイン武器(ビームライフルなど)」となる。
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モビルスーツの種類によって最大HP、武器の判定ラインや各攻撃ダメージが異なる。
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またこれらとは別に正解と不正解が蓄積するとパイロットによる覚醒が4択クイズ中に、そしてステージ開始時には後述の好感度によってランダムで女性キャラ達によるアシストが発動する。
 
    
    
        | + | プレイヤーキャラと初期機体 | 
アムロ・レイ&ガンダム:お馴染み「機動戦士ガンダム」の主人公。覚醒は問題を2択にする「ニュータイプ覚醒」
カイ・シデン&ガンキャノン:アムロと同じくホワイトベースで戦うパイロット。覚醒は「乱れ撃ち」で他のパイロットの能力がランダムで発動。
シロー・アマダ&ガンダムEz-8:「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」の主人公。覚醒は攻撃力&防御力アップの「気合」。他のキャラと異なり唯一不正解時もカバー出来る。ガンダムEz-8は宇宙では同性能のジムカスタムに乗り換えとなる。
クリスチーナ・マッケンジー&ガンダムNT-1 アレックス:「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」の主要キャラ。覚醒は問題を3択にする「ひらめき」アムロの覚醒能力の劣化版と言えるが初期機体のアレックスがガンダムよりランクが高い為であると思われる。
 
コウ・ウラキ&ガンダム試作一号機ゼフィランサス:「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」の主人公。
何故か一年戦争時代から居る。
覚醒は攻撃力2倍の「逆上」。ゼフィランサスは宇宙では同性能のフルバーニアンに換装となる。
 
カミーユ・ビダン&Ζガンダム:「機動戦士Ζガンダム」の主人公。
何故か一年戦争時代から居る。
AC版の後期バージョンにしか登場せず、家庭用版では隠しキャラとして登場。
 覚醒はアムロと同じく「ニュータイプ覚醒」だが内容は正解時の獲得スコア2倍となっている。
 初期機体は最高ランクのΖガンダムでHPも攻撃力も高いが後述の強制乗り換えの影響を受けやすく覚醒も唯一補助的な内容では無いのでスコア狙いの上級者向けキャラ。
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        | + | 女性キャラとアシスト | 
フラウ・ボゥ:「機動戦士ガンダム」に登場するアムロのご近所さんでホワイトベースのオペレーター。アシストはHPを100回復する「声援」
ミライ・ヤシマ:「機動戦士ガンダム」に登場するホワイトベースの操舵士。アシストはタイマーを遅くし余裕を持たせる「全速前進」
ノエル・アンダーソン:「機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles」に登場するオペレーター。
主人公マット・ヒーリィを差し置いて登場。
アシストはそのステージで出題される範囲を任意の1作品に固定する「索敵」
ニナ・パープルトン:「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」のヒロインでゼフィランサスの開発者。ある程度ステージが進むと追加される。アシストは「攻撃力増加」
アイナ・サハリン:ジオン軍所属だが「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」におけるヒロイン。アシストは一度だけ不正解のダメージを無効化する「懐中時計」
ミハル・ラトキエ:「機動戦士ガンダム」に登場したホワイトベースに潜入するスパイであり、カイにとってのヒロイン。「大西洋、血に染めて」のルートをクリアすると原作通り死亡してしまい登場しなくなる。アシストは問題を3択にする「スパイ」
ファ・ユイリィ:「機動戦士Ζガンダム」のヒロイン。カミーユと同じく何故かこの時代から居る。アシストはフラウと同じ。AC版の前期バージョンでしか登場せず、またカミーユとは違い家庭用にも登場しない。
 
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特徴(ホワイトベースステージ)
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本作のシステムにおいて大きな特徴の一つと言えるのがホワイトベースステージである。特定のステージをクリアした後にはそこまでのクイズ成績が表示されホワイトベースへ帰還する。
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この時にブライトから階級と称号を与えられるのだが、ステージの成績に応じて
新しいMSを与えられるか搭乗機の没収が発生する。
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搭乗機が没収された場合、強制的に1つ下のランクのMSに乗換えをさせられてしまう。例としてアムロでガンダムからスタートした場合、ガンダム→ガンキャノン→陸戦型ガンダム→ジムという風に下がっていく。
 最高ランクのΖガンダムは特に維持が難しくちょっとでも正解率が落ちたり連続不正解をすると即没収となる。
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しかし成績が良ければ1つ上のランクのMSへの乗り換えが出来る。乗換えの場合は性能アップとHP100回復。同じMSに乗る場合はHPが200回復し更にボーナススコアが入る。最高ランク時はHP200回復とボーナスで固定。
 
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上記の階級授与と乗り換えが終わるとホワイトベース艦内の移動、移動先で出会った女性キャラからクイズが出題される。
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このクイズに正解すれば好感度が上がり、前述のアシスト発動確率が上がる。
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ここで好感度が最大の女性キャラに出会えば一枚絵と共にフルボイスのギャルゲー風イベントが発生しHPが200回復する。
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ちなみに移動場所によって遭遇しやすい女性キャラが異なる。
 
評価点
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圧倒的なボリュームのガンダムクイズの数々
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ガンダムシリーズを知る人であれば基礎中の基礎とも言える問題から、「そんなネタまで!?」と非常にマニアックな問題まで幅広く、その数は約8000問とされている。1度や2度のプレイでは遭遇仕切れない程であり、
もしもカンニング無し且つノーコンティニュークリアが出来ればガンダムマニアを名乗る価値は十分にある。
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だが、これが後述の問題点に繋がっている面もある…
 
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緊張感のある乗り換えシステム
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たとえステージをクリア出来ても成績が悪ければMSを没収されるリスクが緊張感を生み、好成績を出して良いMSを狙うのもモチベーションに繋がるともいえる。
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また敢えて乗り換えない事で回復を優先したり、HPも攻撃ダメージも低いが低ランクMSを敢えて使い回答数でスコアを稼ぐ…というプレイも出来る。
 
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豪華声優陣による台詞パートが多い
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前述の名場面クイズや女性キャラによる高好感度時イベントは勿論フルボイスであるが、
 敵として登場するパイロットも声優が割り当てられているキャラのみではあるが多く喋る。
 シャアやノリス、ガトーなどのライバル達がプレイヤーに「問題!」と言ってくるのは恐らく本作だけであろう。
 特に0083のライバルであるガトーはとあるステージでは非常に良く喋り、
 プレイヤーが不正解を出す度に原作の台詞で次々とプレイヤーを煽ってくる。
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またオープニングやエンディングのナレーションとステージ名のコールはブライト役の鈴置洋孝氏、
 ステージ開始前のはあらすじ紹介はアナベル・ガトー役の大塚明夫氏が担当する。
 
問題点
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全体的に高難易度
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こちらは先ほどの圧倒的なボリュームの数々からどうしても来てしまう問題点となる。
 マニアックな問題に関してはとことんマニアックであり、登場兵器の推力、重量や大きさによる比較のみならず、
 当時発売されたCDのジャケット絵やオープニングやエンディングのスタッフクレジット、更にはDVDに収録されたオーディオコメンタリーすらも出題範囲という非常に細かいところまでの知識が要求される。
それ故、生半可な知識では太刀打ちできないと言っても過言ではない。
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また、ある条件を満たすとガンダムファンにはお馴染みのエースパイロット「ジョニー・ライデン」か「シン・マツナガ」と対決出来るスペシャルステージに挑戦出来るのだが、その条件は
「正解率90%以上を10ステージ維持すること」
と言われており、遭遇出来たプレイヤーは数少ないだろう…
 
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ごく一部ではあるが、「問題に誤りがある」「資料によってバラバラで統一されていない設定が問題となっている」例がある。
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具体的な例を挙げると、前者は「TV版ガンダムの設定に関する問題だが、問題文には『劇場版』と書かれている」、後者は「大型MAビグ・ザムのメガ粒子砲の砲門数を答える問題」などがある。
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後者に関しては既に設定がバラバラな書籍が複数世に出ており、ある程度避けきれない問題ではある。
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ただし、前者の問題は解答欄にはTV版の設定と劇場版の設定が混在していなかったり、後者は不正解の回答は他の説に当てはまらない数になっているので一応の配慮はされている。
 
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『ポケットの中の戦争』に登場するキャラの扱い
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ボイス付きキャラはクリスのみで、クイズステージで対決するミハイル・カミンスキー(ミーシャ)とバーナード・ワイズマン(バーニィ)は喋らない。
 他の登場作品に関しては必ず一人は喋るライバルキャラが居るだけに、この点は寂しいと感じる人も少なくない。
 
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『ガンダムSEED』及び『ガンダムSEED DESTINY』にはビジュアルクイズが存在しない。
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本作のスタッフロールにおいてはこの2作の放送局がクレジットに入っていないため、使用出来なかった可能性がある。
 
総評
機動戦士ガンダムシリーズの知識だけを集めた特殊なクイズゲーム。
その出題範囲の広さから難易度は高いものの、一人で自身のガンダム知識を試すのも良し、ガンダム仲間を集めて知恵を出しながらワイワイ遊んでも良しの正にファン向けゲームであろう。
もしもガンダムの知識に自信があり、ゲーセンで見かけたならば是非一度チャレンジして頂きたい。
余談
2006年7月13日、家庭用移植としてPSP版である「問・戦士DX」が発売された。AC版の後期バージョンベースとなっており、移植にあたって任意にシリーズ・ジャンルを選べる問・戦士モードや陣地を取り合う対戦モード、知識を競うエンドレスモードが遊べるほか、PSP版オリジナル要素として「名ゼリフクイズ」が追加された。また、名場面クイズにも「08小隊」「0083」「逆襲のシャア」の名シーンを再現した問題が追加された。家庭用ということでゲーム中に出題された問題はライブラリで閲覧も可能。
本作のモビルスーツCGグラフィックには株式会社ベック(現・BBスタジオ)が関わっており、PS2で発売されたベック製のガンダムゲームの3Dモデルが流用されている。
最終更新:2022年03月02日 11:49