Mini Metro

【みに めとろ】

ジャンル パズルシミュレーション
対応機種 Windows/Mac/Linux (Steam)
Nintendo Switch
iOS
Android
開発元 Dinosaur Polo Club
発売元 【Steam/iOS/Android】Dinosaur Polo Club
【Switch】Radial Games
発売日 【Steam】2015年11月9日
【iOS/Android】2016年10月18日
【Switch】2018年8月30日
定価 【Steam】980円
【iOS/Android】490円
【Switch】1,100円
判定 良作
ポイント 地下鉄の路線図をイメージしたパズルシミュレーション


概要

実在の都市を舞台に架空の地下鉄運営者となり、徐々に生成される駅を繋いで地下鉄の路線を作り、乗客を捌き続けるパズルシミュレーションゲーム。
乗客の混雑が一定時間続くとゲームオーバーとなり、それまでに運送した乗客数がスコアとなる。
2013年4月末に行われたゲームジャム「Ludum Dare 26」においてDinosaur Polo Clubが制作した作品「Mind the Gap」が原型となっている。
2014年3月にSteam Greenlightで採用され同年8月に早期アクセス版としてリリースされ、翌年11月9日に正式版がリリースされた。

特徴

  • 「○」「△」「□」等の記号で表された駅を路線で繋ぎ、徐々に現れる客の運送を行う。
    • 客も同様に「●」「▲」「■」等の記号で表され、この記号の種類が行きたい駅に対応する(●の客は○の駅に運送する)。
      • ○、△、□の駅はゲーム進行に応じて複数個生成され、記号さえ一致すればどの駅に運送しても構わない仕様である。
      • ○、△、□以外の記号の駅は各1つずつ生成される。また、○、△、□の駅も生成割合は等分ではなく、○>△>□の割合で生成される仕様である。
  • 客は時間経過と共に駅にランダムで出現し行列を生成する。電車が到達すると乗車し、目的の駅に到着すると下車する。
    • 1つの路線で到達できない場合は、乗り換えできる駅で下車して、その駅で再度電車を待つ行列に加わる。
    • 1つの駅に多数の客が並んだ場合、その駅は混雑しているとみなされる。この混雑状態が一定時間連続で続くとゲームオーバーとなる。
  • 路線は最初は3つまで運用出来るが、ゲームの進行に応じて増えていく。
    • 運用出来る車両の数も決められている。先頭車両を配置することで車両運用が可能となる。後続車両を一緒に用いると一つの車両で運送できる人数を増やすことが出来る。
      • 1つの車両につき運送できる人数は6人となる。
  • マップによっては川が流れている場所もあり、川を横切る場合はトンネルが必要となる。
    • トンネルは初期で使える個数が決まっており、トンネルがない場合は川を横切ることが出来ない。
  • 路線はいつでも経路を変更したり、運用する車両の個数を変えたりすることが出来る。
    • ゲーム中はいつでもポーズをかけることが出来、ポーズ中に経路の変更等が可能。
    • 運行中の車両を撤去したり、路線を変更したりした場合は、次の駅に到達した際に変更が適用される。車両を撤去した場合等には、その車両の乗車客は次の駅で全員下車して待機する。
  • ゲーム内で1週間が経過するごとに先頭車両を1つ獲得できる他、路線やトンネル等を選択式で追加することができる。
  • ゲームオーバーになった際の運送した乗客数がスコアとなり、一定スコアを満たすことで次のステージが解放される。
    • また、一定条件を満たすことで後述するエクストリームモードが解放される。
  • 上記で説明したルールの「ノーマルモード」の他に、混雑によるゲームオーバーが存在しない「エンドレスモード」、一度作成した路線の削除が出来ない「エクストリームモード」、自由に駅や路線を配置出来る「クリエイティブモード」が存在する。
    • エンドレスモードでは混雑によるゲームオーバーは発生しない代わりに、単位時間(ゲーム内の1日)での運送人数を増やすことが目標となり、この運送人数が増えるごとに報酬を獲得できる仕様である。
  • アップデートでさまざまな都市をモチーフにしたマップが追加されている。
    • マップの解放には手前のマップでのスコア実績が必要になるが、適当にプレイしていても直ぐに到達できる程度のスコアで解放されるので、全マップ解放も手間がかからない。

評価点

  • 繰り返しプレイ出来るゲーム性
    • ノーマルモードの場合、1回あたりのプレイ時間は通常、数十分程度であり手軽に遊ぶことが出来る。
    • また、毎回駅の配置場所や種類が異なるため、その形成パターンごとに異なった戦略を考える必要があり、マンネリ化しづらい。
  • 地下鉄の路線図をイメージしたシンプルなデザイン
    • ゲーム画面は路線図をイメージしたかなりシンプルなものになっており、客や駅も記号で表されるため非常に見やすくなっている。
    • また、路線ごとに色が分かれているため、後半、複数路線が入り混じる展開になっても識別がしやすくなっている。
    • 路線図をイメージしているため、路線図を見るのが好きな人にとっては見ているだけでも楽しめることだろう。
      • マップの形状は実在する都市をイメージしているため、敢えてその路線を模倣してみるのも一興。もちろん、駅の配置次第なので必ずしも模倣出来るわけではないが。

賛否両論点

  • 運の要素が強い
    • ランダム性があるからこそ繰り返し遊べる、という一面はあるのだが、パズルシミュレーションとして見た時に運に支配される場面も少なくないのが実情である。
      • 駅の配置、種類はランダムである。運が悪いと○が密集して配置され、△や□だけが点々と配置されてしまう状況になることもある。
      • また、○、△、□以外の駅がマップ端に集中したり、やたら川を横切らないといけないように配置されたりと運次第でかなり厳しい展開になることもある。
      • 乗降のアルゴリズム上、同じマークの駅が3連続すると途端に乗客がパンクしやすくなる。多少遠回りでも間に別のマークの駅を挟むか、環状線内環で中間駅に接続するか、乗客があふれてきたところで臨時路線を引いて解消することになるが、そこにまた同じマークの駅が湧いてくると精神的にダメージが大きい。
    • 特に、エクストリームモード解放の条件を満たそうとする場合、研ぎ澄まされた戦略だけでなく、ここぞという運が何より大事となる。運が悪いとどうしようもない、という事態になることもなくはない。
    • 先述の通り、通常1回数十分程度のプレイ時間であるため、運に左右されるということも含めて楽しめるか否かによって賛否が大きく分かれるところであろう。
      • もっとも、不測の事態に対処するのも戦略であり、可能な限りどのようなパターンにも対応出来るようにしておくことも含めたゲームシステムといえなくもない。

問題点

  • 若干不親切なチュートリアル
    • 初プレイ時はいきなりチュートリアル付きの実プレイが始まるのだが、これを一度ゲームオーバーになるまでプレイしないと他のメニューが解放されない。
    • 他のメニューにはチュートリアルで説明がなかった操作説明なども含まれるため、「チュートリアルを終えて改めてメニューからチュートリアルを選択して初めて知る操作」があったりする。またゲームオーバー条件も、初プレイでゲームオーバーになって初めてわかる様な状態である。
    • 特に、「スペースキーでの一時停止*1」「駅から線路を外す方法」「電車を線路から外す方法」「電車の進行方向を変える方法*2」などの必須操作は先に説明してくれた方が親切だろう。

総評

比較的運の要素が強いパズルシミュレーションゲームであるが、運の要素が強いことが繰り返し遊べるゲーム性の構築に一役買っていることも事実である。
一回あたりのプレイ時間が短いため空き時間にプレイするのにも向いているし、ハイスコアが記録されるため、さらなるスコアを狙ってやりこむ遊び方ももちろん出来る。
運の要素が強いという点が問題にならず、シンプルなデザインに抵抗がないのであれば是非ともオススメしたパズルシミュレーションゲームである。

余談

  • 2020年にiOS(Apple Arcade)にて本作の事実上の続編ともいえる『Mini Motorways』がリリースされた。Steamにおいても2020年に配信予定となっている。
最終更新:2020年07月12日 13:48

*1 SLG・RTS・パズルではお約束なので、大抵のプレイヤーは直ぐに気がつくが。

*2 EA版では環状線で一度置いた電車の進行方向を変更できなかったが、製品版でドラッグドロップによる変更に対応した。