ちびまる子ちゃん めざせ!南のアイランド!!
【ちびまるこちゃん めざせみなみのあいらんど】
ジャンル
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アクションゲーム
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対応機種
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スーパーファミコン
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発売元
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コナミ
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発売日
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1995年12月1日
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定価
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9,000円 [税抜]
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プレイ人数
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1人~4人
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判定
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良作
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ポイント
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まる子「3人がかりとはフェアじゃないね」 友蔵心の俳句 パーティーゲームには良い
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ちびまる子ちゃんシリーズ
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概要
ちびまる子ちゃんを題材にした4人対戦型ゲーム。またもクリスマス商戦で発売された。
この時期に南の島というのは季節外れ感があるが、本編以外にも色々なモードが実装されており、見事なクリスマスプレゼントに仕上がっている。
電源を入れると、オープニングでは総員で「めざせ!」「南の」「アイランド」のかけ声と主題歌の曲で迎えてくれる。
内容
ストーリーモード
本作のメインモード。はじまるよ。
夏休み直前の7月17日の月曜日。担任の戸川先生から、南の島の交換留学の話が上がる。
だがその定員は1名。まる子、たまちゃん、丸尾君、花輪君の4人で争奪戦が始まる。
果たしてまる子は南の島へ行けるのだろうか?
共通仕様
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代表決定戦は「ボール」「ペンキ」「プール」の3つのミニゲームで行われる。勝利条件は、相手を妨害してHPを0にして退場させること。
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対戦の流れ
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まずは対戦相手と1vs1の勝負であるが、花輪君&丸尾君の1vs2、更にはたまちゃんも加わり1vs3になる。
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総計ではなく各パートで2本先取で勝ち続けなくてはならない。1話毎に5パートの構成。それを3話ともこなすので、まる子にとっては不利と言える。
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ただし、コンティニューは無制限である。その時に色々なゲームオーバーの種類が見れたりもする。また、相手3人も一枚岩ではなく連携してくる一方でお互いの足を引っ張って自滅する事もたまにある。
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アイテム
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食べ物でHPを回復したり、スターで無敵(攻撃判定は無い)になったり、靴でスピードアップしていったりする。また各ステージ固有のアイテムが多数登場する。
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引き分け
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相打ちになった際は引き分け扱い。時間差はアバウトで、1秒くらい違っても同判定である。
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パスワード
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1話毎にパスワードが表示される。バスの3つの座席に、まる子、たまちゃん、花輪君、丸尾君、そしてなぜか友蔵が乗車するという表現であり、外れた際はタイヤがパンクするという演出も用意。
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台詞
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選んだミニゲームで背景は変わるが、変わるセリフは冒頭の丸尾君の説明のみである。
それでは、まる子よどこからでも選ぶが良い。(全3話必須)
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ボールであてっこの巻
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ボールを相手に当てる。ボールは複数あるので展開が速い。しゃがんでボールを回避、その際は一定時間で立ち上がるので計算に入れておきたい。
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舞台に応じて、バウンドやワープや満ち引きなどギミックも多彩。
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長引いた際は、はまじが場外からサッカーボールを投げつけて来る。
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ぬりぬりペンキの巻
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モップを使ってペンキを進行方向へ塗りたくっていくもの。有名所で言えば同社発売の『がんばれゴエモン ~ゆき姫救出絵巻~』のミニゲームの一つ「ペンキ塗り」と似たルールである。ペンキの上に乗ると転倒してダメージを食らう。『Wit's』とよく似ているがルールは多少異なる。
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ペンキは塗らずに進むことも出来るのでうまく使い分けていこう。ここだけ斜め移動は不可。ペンキは最後尾から乾いていく。
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固有アイテムのドライヤーはペンキを乾かすことができるので転倒を回避。
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このステージでのスターはペンキを無視して相手に特攻出来るのでかなり強力。CPUはこういう事はやってこないので良心的。
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ここでも色々なキャラがサポート?してくる。はまじが乱入してアイテムを蹴り上げて別なアイテムに変化させたり、友蔵じいさんが「まる子~」と言いながらペンキをぶちまけたり、長期戦になると永沢くんが上下から塗り埋めてくるなどがある。
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ウキウキプ~ルの巻
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相手をプールに突き落としていく。絶対に真似しないように。
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藤木くんが水上でサポート役に徹してくれる。アイテムを投げ入れたり、まる子たちをフィールドに投げ返したりする。
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アイテムの「Pow」を取るとダッシュできるようになり相手を突き落とすチャンス。ただし外れると自分が落ちる。プレーヤーにとっては扱いが難しい。CPUにはそういったミスがあまり存在しない。
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風アイテムは相手にジャイアントスイングを行うことができるようになる。ダイナミックなアイテム。くれぐれも絶対に真似しないように。
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特にラストの3人相手では、失敗なく立て続けに決めなくてはならないので厳しい。
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このため、プ~ルが本作最難関であり、南の島を断念したプレーヤーも多数。
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エンディングネタバレ
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みんなで胴上げしてくれて、色々あって南の島でプサディーと再会する。その後、花輪君がみんなを連れて来ている。これでは、まる子が3話を勝ち抜いた意味が薄れてしまっている。
まる子がゲームオーバーになった際は、こういう風に連れて来てもらえない。
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とはいうものの、みんなで海水浴を楽しみながらOP曲とスタッフロールが流れて来る。
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その直後、まる子はその直後に勉強会に呼ばれる事になる。交換留学とはそういうものでありOPでもたまちゃんからも聞かされている。勉強会を考えると他の3人が適任だったと言えるだろう。
かくして、南の島へ行くのは簡単ではないと思い知ったまる子であった。
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他のモードも充実
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ストーリーモード関連
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対人モードもありパーティーゲームとしても楽しめる。
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キャラクターは早い者勝ちだが能力に違いはない。2vs2でチーム同士の対戦も行える。その際はうさぎチームと猫チームに分けられるようになっている。
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まるこQ
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3択クイズが50問出題される。勿論、登場人物に関するものばかりであり、本編に出てこないキャラも顔グラ解説付きで楽しい。
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クイズは正解したら進めるようになっており、解説文まで一つ一つ用意されている。お手付きが少ないほど良い言葉をかけてもらえて、全問正解で王冠ドッキング。
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一見厳しいが、問題は順番まで固定されており制限時間もなくメモを取れば確実に取りに行く事は可能。3択の回答の位置だけはしっかり並び変えられるので位置取りによる丸暗記は通用しないようになっている。
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まるこペイント
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キャンバスに色々描画していくというもの、最大4人まで可能。
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バトル要素はなく、好きなように絵を描くことができる。ペンシルの太さも自在に変えられる。まる子達の登場人物も配置して遊べる。
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まるこみくじ
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大吉、中吉、小吉、凶、大凶までランダムで色々なものが出て来る。その際は、まる子の声で告げられる。大凶は野口さんの顔のドアップで演出。
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針切カラオケ
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エンディングテーマ「針切じいさんのロケン・ロール」を聞くことができる。
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構成はアニメ準拠。流石に完全再現とはいかないが、多彩なドット絵が用意されており、アニメとはまた違った良さがある。
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贅沢を言えば、本編だけではなくこちらにもスタッフロールを流して欲しかったところである。
評価点
声優による音声
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TARAKOをはじめとするアニメ声優が、本作のために収録したものが多く、本編ではミニゲームの名前、おみくじなど多彩である。
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作中でも、おなじみの「あたしゃ情けないよ」「まる子~」「まるちゃん」「ベイビー」「ズバリ」などが随所で飛び出す。
構成・グラフィック・演出
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本作は細部まで、ちびまる子ちゃんの要素が非常に多く盛り込まれている。
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色々なグラフィックが多数用意されているが、アンチエイリアス も背景に応じて施されておりジャギーも目立たない。
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オープニングでは、学校、教室内部、自宅前、食卓など豊富な一枚絵をバックに原作キャラが口パク瞬きで多彩な表情でやり取りをする。
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状況に応じて演出も併用。MODE7で、波形表示、回転機能などを駆使しており原作にもあった演出に近い再現と言える。
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本編では舞台やギミックも色々と用意されており、対戦モードを見ると分かるのだが一枚絵とステージ名が出てきてそれぞれ個性もある。
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各パートクリア毎に、永沢、藤木、野口さんなどのやりとりが見られ、ゲームオーバーも数多く用意されている。
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ゲームオーバーと言ってもバッドエンドのようなものは無く、「南の島を断念して家に帰ってテレビを見る」といった内容。
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ゲーム中では、先生が審判を務めたり、まる子の家族が応援したり、杉山くんと大野くん、みぎわさん達がギャラリーに登場。また、舞台に入ってきて、ひでじいは回復アイテム、うさぎはアイテムを置いてくれるほか、友蔵やはまじ、藤木と山田などがギミックとして登場し更に盛り上げてくれる。
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リザルト画面は、ブドウの植物の枠で見栄えが良い。
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ゲームオーバーでは、友蔵心の
敗句俳句までやってくれる。
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本編以外のゲームも充実。
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おみくじは品質も良く、まるで実写の和紙にアニメキャラをプリントしたような質感である。紙が開くのはMODE7が使われているのだろう。
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カラオケには、白黒地面にMODE7が使われていないのは好みが分かれるかも知れないが、背景には色々なキャラが登場して賑やかである。
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歌詞には振り仮名まで振ってある。このあたりは子供にも優しいと言えよう。
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本編のエンディングはOP曲の使い回しであり、針切カラオケが本作のエンディングテーマと言うプレーヤーも多い。
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エンディングが最も簡単に見れるゲームでもあったりする。
賛否両論点
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アイテムゲー
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ステージにはアイテムがランダムで置かれていくが、回復や無敵などは形勢を覆すほど強力なものがあり、自分に渡るなら良いが相手にアイテムが渡ると逆転されて安定しない。
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まる子たちの人間離れ
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特にプールステージでは、藤木は落下したキャラのところに即座にかけつけ軽々とフィールドに投げ戻す。山田は水上を超速で移動して時折土台を大きく傾けるなどしてくる。熱血高校もびっくりである。そこまで人間離れした身体能力なら、いっそ自力で行ったらどうだ?
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原作には無かったアイテムと挙動であるが、これらを面白いと取るか、違和感と取るかはプレーヤーにおまかせしよう。原作とかけ離れた要素ばかり目立つのは仕方のないところである。
問題点
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難易度調整がない。
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難易度は上級者にはもの足りず、まる子ファンのライトユーザーには厳しいなど中途半端なものになっている。難易度設定があれば良かった。
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南の島へは3つのゲームを全て制覇しなくてはならないのだが、最後は1vs3にもつれこみ、2ポイント先取が条件なので時間もかかるし安定もしない。
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適当なパスワードが通る。
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パスワードは5人の顔を3個並べるというもの。全パターンでも125通りしかないので、適当に入れ替えていればそのうち通ってしまう。通るパスワードは6通りで、ミニゲームのクリア状況が変わる。
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これにより、苦手なゲームをクリア済みのパスワードを探し当てれば残り1話を勝つだけでエンディングになり、一気に難易度が低下する。
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作中の台詞もミニゲームの種類ではなく1話~3話で変わる仕様なので、セリフも逃す心配もない。
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日付けがおかしい
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黒板に7月17日(月)と書いてあるが、原作当時の1974年でも1975年でも成立せず、これでは1972年か1978年になってしまう。ゲーム性を損ねるわけではないが気になる人は気になる。
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本作の発売年が1995年なので、それに合わせたと解釈するのが妥当か。
総評
本作は様々な素材を駆使してちびまる子ちゃんの世界が詰め込まれている。
心の敗句を詠いながら南の島を断念したプレーヤーにも、最大4人で遊べる面白いモードが多数用意されており、パーティーゲームとしての道はある。
まる子ファンなら最高の選択肢と言えよう。
余談
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本作でさくら友蔵の声をされていた富山敬氏は、発売前の9月25日に56歳で亡くなられている。
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他のSFCソフトでは『NEWヤッターマン 難題かんだいヤジロベエ』でも出演されている。
最終更新:2025年02月23日 17:51