リングフィット アドベンチャー

【りんぐふぃっと あどべんちゃー】

ジャンル フィットネス
対応機種 Nintendo Switch
発売・開発元 任天堂
発売日 2019年10月18日
定価 7,980円
判定 良作
ポイント Wii Fit』の実質的続編
家庭で楽しみながらフィットネス
ヨガインストラクター監修
実用的なトレーニングメニュー
発売後の口コミで思わぬブレイク
備考 携帯モード使用不可
Nintendo Switch Lite"非"対応
2種の専用周辺機器同梱


概要

専用周辺機器「リングコン」にSwitchの「Joy-Con(R)」、足に巻く「レッグバンド」に「Joy-Con(L)」をセットし、リングコンとレッグバンドを用いることによって身体の動きを感知するフィットネスゲーム。
そのため「携帯モード」で遊ぶことができず「Nintendo Switch Lite」にも対応していない。通常の「Nintendo Switch」を用意すること。

2019年9月6日に紹介映像が初公開され、翌週12日に本作のタイトルと発売日が発表された。
専用の周辺機器が存在するため、他の任天堂発売のSwitchソフトと異なり、ダウンロード版はマイニンテンドーストアのみの扱いとなっている。
ダウンロード版を購入するとゲーム本体のダウンロードコードがメールで届き、それと別にリングコン等の必要機器が送付される。パッケージ版の内容からゲームカードを除いたものが届くと考えればよい。
ソフト単体での購入は不可。

発売前はそれほど話題にならなかったゲームであるが、発売後に口コミ等で話題になり品薄となり、公式で品薄のお詫びを出す結果となった。その後の世情等から2020年3月現在も品薄は解消されていない状態にある。


特徴

  • 本作は「リングコン」と「レッグバンド」に「Joy-Con」をセットし、これらの周辺機器を用いてプレイすることになる。
    • リングコンは押し込んだり、引っ張ったりすることが可能な繊維強化プラスチックで出来たリング型の器具。この押し込んだり、引っ張ったりする力を感知するセンサーが搭載されている。
    • レッグバンドは太ももにJoy-Conを固定する物。これにより脚の動きをJoy-Con内のセンサーで感知する。
  • アドベンチャーというタイトルのとおり、メインとなる「アドベンチャーモード」では、世界を救う冒険に旅立つことになる。
    • マップはスーパーマリオブラザーズ3のようなワールド制になっており、ワールド内のステージをクリアしつつ、ボス「ドラゴ」を追い詰めていくことになる。
    • ステージを進める際には走る動作をプレイヤー自らが行わなければならず、時には両手で持ったリングコンを操作することも要求される。
    • ステージには敵が配置されており、敵に触れると戦闘となる*1。戦闘においてはスクワット等の運動をプレイヤー自らが行う「フィットネススキル」で敵にダメージを与えたり、腹筋に力を込めて敵からの攻撃を防いだりする必要がある。詳細の戦闘ルールは後述。
    • ステージをクリアすると、EXP(エクササイズポイント)が入手でき、これをためると主人公のレベルが上がる。レベルが上がると攻撃力、防御力が増えるほか、新たなフィットネススキルを習得することもある。
  • アドベンチャー以外には「お手軽モード」、「カスタムモード」と、「ながらモード」が存在。
    • お手軽モードは単一の筋肉をひたすら鍛える「シンプル」、鍛えたい箇所向けに数種類のエクササイズを組み合わせた「セットメニュー」、身体を動かすミニゲームで遊べる「ミニゲームモード」が存在。
      • このお手軽モード、名前に反し楽な運動という訳ではなく、選択してすぐ運動出来るという意味のお手軽であり、その高負荷から「お手軽(に筋肉痛になる)モード」の事と言われる事も。
    • カスタムモードは自分でフィットネススキルを複数選び、セットメニューとしてトレーニングが出来るジム的なモード。ながらモードは名の通り、他の事をやりながらリングコンで運動するモードとなっている。

戦闘

  • 戦闘はターン制のRPGのようなスタイルであり、最大5体の敵と戦う一対多の戦闘となる。
  • 最初にプレイヤーの行動となり、いずれか1つのフィットネススキルを用いて敵を攻撃する。
    • フィットネススキルは4色(赤・黄・青・緑)の攻撃スキル+回復スキルの計5種類に分類され、4色の攻撃スキルはそれぞれ「うで」「はら」「あし」「ヨガ」のフィットネス効果がある運動となっている。
      • ゲームをある程度進めると敵の色と一致するスキルで攻撃するとダメージが増加するようになるため、敵によって効果的なフィットネススキルが異なるという属性要素にもつながっている。
  • フィットネススキルを選択したら選択したフィットネススキルに応じた動作をプレイヤーが行うことになる。動作については選ぶ都度画面に表示されるためそれに従うことになる。
    • 動作が正確であり、なおかつ一定の速度について行けていれば与えるダメージが増える。ヨガの場合は速ければいいという訳ではなくゆっくりとした動作が求められる。
    • ヨガ以外のフィットネススキルについては後半になると動作のペースが上がりプレイヤーを追い込んでくるという仕様である。
      • ただしペースは上がるがキープの時間が短くなるため、どちらかといえば負荷自体は軽くなる。これは筋トレの基本でもあり理にかなっている仕様。
  • フィットネススキルは1度使うとしばらくの間再利用ができない。そのため、同じフィットネススキルだけを使い続けて戦闘を継続することはできない。
  • プレイヤーが行動を行うと、次は敵の行動。ただし毎回敵が行動するわけではない。
    • 敵の攻撃を受ける時は、プレイヤーは「腹筋ガード」(リングコンをお腹に押し当てて腹筋に負荷をかける運動)で受けるダメージを減らす。
  • これを繰り返し、すべての敵を撃破すればプレイヤーの勝利、プレイヤーのライフが尽きてしまった場合は敗北となりワールドマップに戻される*2。なお、バトルから逃走する事はできない。
  • アイテムの役割としてスムージーが存在する。HP回復の他、フィットネススキルの属性を統一・連続攻撃・報酬増加など様々な効果がある。スムージーは店で買える他、素材とレシピがあれば自力で作る事も可能。
    • 一般的なRPGと違いスムージーを使ってもプレイヤーのターンは終了せず、何回でもスムージーを使う事ができる。

評価点

  • フィットネスとゲーム性の融合
    • フィットネスという、慣れない人には苦痛になりがちな要素に、ゲーム性を上手く混ぜ合わせることで反復継続してプレイしやすくなっている。
      • 回数をこなすだけで実感に欠けがちな筋トレに「やればやるほどキャラのレベルが上がる」「敵にダメージを与える」というゲーム的な意味合いを与える事により筋トレへのモチベーションを格段に引き上げる仕組みが出来上がっており、これに単純な身体を動かすという楽しさも加わることにより、フィットネスが「楽しいゲーム」として完璧に昇華されている。
    • ステージを進める際にもただ走る動作をするだけでなく、階段を上る際には脚を高く上げるように指示されたりと、ゲーム内の進行に合わせて要求される動作が変わるのも面白い点である。
      • 細かいギミックにも数々のストレッチを要求される。ボートを漕ぐ際にリングコンを腹筋に押し込みひねる、両手で持ち上げて天井のレバーにぶら下がって移動という体感ゲーム的なものから、何故かスクワットで開ける宝箱、直接殴るのではなくリングコンを押し込んで破壊できる岩立ち木のポーズで木のフリをして虫の大群をやり過ごすといった良く考えると色々ツッコミたくなるバカゲー的な要素も。
    • ステージにはコインが設置されていたり、別のルートが用意されていたりする。そのため、ただ漫然と走るだけでなく、そういった要素を探すのが好きなゲーマーの探究心をくすぐる内容となっている。
    • また、戦闘では属性による有利関係やフィットネススキルにクールダウンがあるといった仕様が用意されているため、一つのフィットネス(部位)に偏ることなく色々なフィットネス(部位)を自然と鍛えられるようになっている。
      • 実際のトレーニングでも、同じ部位ばかりを鍛え続けるのはあまり効果的ではない(もちろんその部位だけを重点的に鍛えたい場合はこの限りではない)が、これを上手くゲーム要素に落とし込んだ形となっている。
    • 戦闘時に使用するスキルの種類に合わせてアレンジが変わるなど、任天堂がこれまで追求してきた「ゲーム展開に応じてBGMが変化する演出」も抜かりなく作りこまれており、飽きさせない配慮にもなっている。
  • 行き届いたプレイヤーへの配慮
    • リングコンの押し込みや引っ張りの強度や運動負荷によって運動のレベルを調整することが出来る。これによって普段運動しない人からよく運動する人まで無理ない強さでプレイすることが出来る。
      • 運動負荷はプレイヤーごとに設定することができる。また、この調整も一度行ったら以後は基本変更しない、というものではなく選択肢によって逐一変更することが出来る。
      • たとえば、「楽勝だ」と答えると運動負荷が上がったり、「前日きつかった」と答えると下がったり、とゲーム側が調整してくれるので、プレイヤーの手間はそれほど大きくない。
    • ゲームプレイ中も、適度に水分補給を促してくれたり、ある程度プレイするともうやめるか聞いてくれたりと配慮がなされている。
      • 基本的にステージ内、戦闘中、スキル中あらゆる場面で動きを止めてもプレイヤーに不利益は及ぼさないため、途中で休憩して水分補給を行う事も容易。
    • 基本動作としてその場で足踏みを行う「ジョギング」を行う場面があるのだが、それなりに騒音になる動作のため、その対策として、足踏みを浅いスクワットに変える「サイレントモード」が用意されており、集合住宅などでも本作を楽しむことが可能。
  • プレイヤーをやる気にさせる激励の言葉
    • ゲーム内では、リングコンには「リング」という精霊のようなキャラが宿っており、彼がゲーム内のチュートリアルや各種アナウンスをしてくれる。
    • さらに、フィットネスの課題をクリアしたり、アドベンチャーモードで敵にダメージを与えたりすると、そのたびに「いいぞ!」などと激励の言葉を投げかけてくれる。
      • たとえ戦闘で負けたりしても責められることはまずなく、とことん励ましてくれるのでモチベーションの維持にも繋がる。
    • 激しい運動で挫けそうになった気持ちに、この激励は想像以上に効いてくる。彼のおかげで苦しいトレーニングをやり通せた、という声も多い。
      • 普通のトレーニングでも、腕のいいトレーナーは上手く叱咤激励して運動者のやる気を支えてくれるのだが、本作もこの効果について十分に気を配っていると言える。
    • また、アドベンチャーのプレイ前後に出てくるミブリさん*3とナレーション*4も、単なる説明や案内に収まらないチャーミングな動きやテキストが用意されており、彼ら(彼女ら?)を見るのが楽しみだというプレイヤーも多い。
  • 長く続けやすくされた工夫
    • 公式の「1日30分のプレイで、おおよそ3か月でエンディングを迎える」との宣伝文句の通り、クリアまではかなりのプレイ時間を要求される作りになっている。
      • この手のフィットネスゲームにありがちな「クリアまで短く、エンディングを迎えるとモチベーションの維持が難しくなる」と言う心配はほぼ無用と言える。
    • ストーリーも比較的シンプルながら王道のファンタジーらしく、プレイヤーも先が気になるためプレイを長く続けやすい。それでいて程よく「フィットネス」と言うテーマを意識したものになっているのは、ある意味斬新とも言える。
    • それでもクリア後はさすがにやることは無くなるか…と言うとそうでもなく、より強い敵が待ち受ける新たなワールドを遊べるようになる。
      • 完全新規のワールドではなく端的に言ってしまえば「周回プレイ」に近い部類のものではあるが、ストーリーはクリア後の世界を再び巡るものになっており、プレイヤーを飽きさせない。
    • 称号や図鑑のコンプリートを目指すとなると一度エンディングを迎えただけでは到底不可能。少なくとも図鑑の完成には最低でも3回エンディングを迎える必要がある。

賛否両論点

  • リアルに要求される筋力(体力ではない)。
    • 先発の『Wii Fit』や『Fit Boxing』は有酸素運動を中心にした持久力系トレーニングがメインだったが、今作はほとんどが筋トレを中心にしたパワー系に偏っている。有酸素運動はアドベンチャーモードのステージ中移動のみで、しかもその合間にもスクワットやリングコン押し込みなどで筋トレが普通に入る。
      筋トレ一つとっても序盤は大丈夫かもしれないが、中盤で追加される「プランク」や「マウンテンクライマー」はここまでプレイしてきた人でも、心が折れそうな負荷がかかる。
      両スキル共に広い攻撃範囲と(取得当初は)高い攻撃力を併せ持つ必殺技に見えるが、体に掛かる負荷が半端じゃないため「なんでアニメとかで必殺技は最後まで取っておくのかが分かった」や「持ってくれ、オレの体! をリアルで体験した」等の感想がネタ抜きに飛び交っている。
    • ゲーム側も数分置きに休憩を促してくるのでしっかりと指示に従えば身体を壊す事は無い。しかしゲーム部分にのめり込める内容でもあるため忠告を無視してでも筋トレを続けてしまうユーザーが居るのもこれまた事実であり難しい問題である。
    • 本当に運動していなかった人には軽負荷でも厳しいらしく、スクワットで膝を痛めて医者に行ったら「筋トレ出来る筋肉量じゃない、まるで70代のおばあちゃんだからまずは散歩から始めてくれ」とドクターストップがかかったという人までいるそうな。
      • 休憩を促す配慮があるとはいえ、使う部分が筋肉なだけに、普段から運動をろくにやっていない人は無理をしてはいけない。
  • お手軽モードとカスタムモードのアドベンチャーモードとの関係
    • お手軽モードもカスタムモードも自由にやりたいトレーニングやミニゲームを選んで遊べるのだが、どちらで遊んでもアドベンチャーモードのEXPが増えることはない。
    • お手軽モードはユーザーを選ばない時点である程度察しは付くだろうが、カスタムモードはアドベンチャーモード同様にトレーニング前後にストレッチをする(スキップ可)ので紛らわしい。
      • 特に「○○の筋肉部位を重点的に鍛えたい」ときこそカスタムモードが活きるのだが、これをアドベンチャーモードでやろうとすると前述の「同じフィットネススキルはインターバルを挟まないと使えない」制限に引っかかってしまう。
      • もっとも、ある程度ゲームを進めないと解禁されないものの、連続で戦闘を行う「バトルジム」が存在するので、どうしても重点的な筋力強化とEXPの両立にこだわるのならばそちらを選ぶことをオススメする。
    • 一応カスタムモードで行ったトレーニングの回数は称号の獲得条件の対象内となっているほか、ユーザーごとの運動メモにはしっかりカスタムモードで行った運動履歴も記録されている。システム的にはEXP換算も可能なはずなだけに、EXPが手に入らないのは実に惜しい。
  • チープなグラフィック
    • キャラクターの造形や世界のグラフィックは、Switchのゲームとしてみるとやや粗い。
    • VRというわけではないが、キャラクターの動きとプレイヤーの動きが連動するため、もう少しグラフィックにこだわってもよかったのではないか、という意見もある。
    • ただ、あくまで主目的はフィットネスであり、グラフィックに気をとられ過ぎないように、あるいは子どもでも親しみが持てるようにこれで良いという意見もある。
  • 微妙に回収され切っていない伏線
    • 本作における問題のそもそもの発端である「闇のオーラ」を生み出した存在がどうなったかについては、最後まで謎のまま。
      • エンディングこそハッピーエンドで迎えるものの、その後も特にこの点については誰も疑問に上げることがない。
      • あくまでメインはフィットネスゲームである以上、そこまで気にする問題でもないのかもしれないが…。
    • また、クリア後の冒険で言及される「リングとドラゴの年齢」なども結局は謎のままになってしまう。

問題点

  • 使い回しの多さ
    • コースの背景や出現する魔物の種類だけを変え、作りそのものはまるっきり使い回されているというコースが多い。
      • さすがに同じワールド内で使い回されているなんてことは無いが、ゲームを進めると「あれ、このコース前に見覚えあるな」と思うことが結構多く、後半になるほど新鮮味は薄くなりがち。
    • 敵の種類も少ない。色違いや体の大きさ、闇のオーラを纏っているか否かで能力の変化を付けてはいるが、やはりもっと多くの種類を用意した方がよかったと思われる。
    • スムージーも100種類近くあるものの似たような効果の組み合わせが多く「初期のスムージーを複数飲めば良い」と言う事態になりがち。せめて下記でも述べられている「1ターンでのスムージーの使える個数に制限がない」と言う仕様が無ければ様々なスムージーを使い分ける駆け引きが生まれたのだが。
  • ある程度広い空間が必要
    • ゲームの仕様上仕方ない話ではあるが、身体を動かすことになるためある程度広い空間が必要となる。
      「プランク」や「船のポーズ」等、横になるエクササイズもあるため、市販品のヨガマット1枚分は確保しないと危ない。
      バランス感覚に乏しい人は左右に転んでも大丈夫なスペースを確保する必要もある。
    • 身体を動かすことからテレビ画面からはある程度離れてプレイすることになるが、画面が小さいとあまりよく見えないこともあるため、普段近距離で小型の画面でプレイしている人は注意が必要である。
    • もっとも、ヨガマットを引くにしても、適当に丸めて押し込める分、『Wii Fit』時代のバランスボードほどに普段からスペースをとることはないので保管は楽になっている。
  • 収集要素とゲーム性との相性の悪さ
    • 一部の装備やレシピはステージ内の宝箱に隠されているが、どのステージで見つけられるかは ゲーム内ではヒントを含め一切提示されない。 「隠し要素を求めて脇道のステージやクリア済みのステージを走り回る」と言うプレイングは他のゲームでも散見されるが、現実でプレイヤーが走り回らされるこのゲームでは過度に負担が掛かってしまうのが現状である。「ステージ内を後戻りできず、分岐を間違えるとステージを最初からやり直さなければならない」と言う仕様も負担に拍車を掛けている。
    • ただし上記はあくまで「隠し要素を収集する際の問題点」であり、クリアに必要不可欠な装備やレシピをステージ内で入手する際は確実に宝箱まで辿り着けるよう配慮されている。
  • 使う機会が少ない回復スキル
    • 「1ターンでのスムージーの使える個数に制限がない」「レベルが上がりやすく、また必ず先制するため、適正レベルより高くなるとダメージを受ける機会が少なくなりやすい」などの理由から、使うべきは大ダメージを受ける可能性があるボス戦などでまとまった回復量が欲しい場合などに限られ、意図的に使わない限り回復スキルを使う機会が少なくなりがちである。
    • 「プレイヤー本人の体力を消費してゲームキャラの体力を回復させる」と言われるほど全体的にキツいものが多いのは、使用機会が少ない分高負荷という調整、という解釈も可能ではある。

総評

『Wii Fit』におけるゲーム要素が薄かったという問題点を解消しつつ、Switchのハード性能をしっかりと活かしている。
フィットネスという反復継続が要求されるものの、長続きが難しいものに対してゲーム要素を上手く混ぜ込んだ一作と言えよう。
普段運動をしない人から普段から運動する人までしっかりと運動負荷によってサポートを行っており、ほとんど運動しない人にとってもプレイしやすい環境を提供してくれている。
ただクリアを目指すだけでもしっかりと身体を鍛えることが出来るため、継続的に運動をするのが苦手といった人にも向いた良作である。

ただし、前述の通り、本品のコンセプトは「たのしくフィットネス」であって「らくしてフィットネス」ではない。
ここを勘違いすると数日でその負荷に耐えられずに挫折し、ソフトがタンスの肥やしになってしまうというダイエットにありがちな展開になり兼ねないので、まず買う前に「○kg痩せる」「腹筋割る」等、トレーニングする上での目的意識の有無を明確にし、覚悟を持ってから手に取る事をおすすめする。
運動初心者は体への過度の負担を避けるため、普段散歩や自転車に乗っている程度の運動量で大丈夫と誤信せず、最低負荷から始めるようにしよう。
実際発売日当初の評判を見ると「翌日全身筋肉痛で、布団から出るのに数時間かかった」「生まれたての子鹿の気分を味わった」等、ギャグかと思うような報告が多数上がっている。何事も無茶は禁物である。

なお、本作をプレイする事によるエクササイズ効果は自重トレーニング+αの範囲であり、運動不足解消と運動の習慣付けによるダイエットに留まる。負荷が軽いため、本格的なバルクアップ*5まで行くのは難しい。
本作によって鍛える楽しみを知り、より高度なトレーニングを行いたいと思ったならばジムの門を叩き、更なるウェイトトレーニングへ進むのが良いだろう。


余談

  • 本作はJoy-Conをリングコンにセットする必要があるため、Joy-Conを持たない「Nintendo Switch Lite」には非対応である旨を記載している。
    • 実際には、Joy-Conを別途購入すればテーブルモード相当で遊べないこともない。ただ、画面がほとんど見えないため、実際のところアドベンチャーモードのプレイは難しいといって良い。
      ある程度ストレッチに慣れて、音声のみで動きが分かるようになればカスタムモードやお手軽モードをプレイするのであれば十分可能だが。
  • 先述の通り発売後口コミで人気が過熱し、品薄となった。その後年末においても品薄状態は解消されることがなかった。
    • その後、2020年初旬には生産を増やして品薄状態解消を目指していたが、新型コロナウイルスの流行によって生産が遅れており、2020年3月現在においてはAmazon等では倍以上の値段で新品が出品される事態となっている。
  • 2018年12月に発売されていた『Fit Boxing』は開発元が違うが、本作との相乗効果で売り上げが伸びた。(参考記事
  • 2020年3月13日に『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にスピリッツとして本作のキャラが3体追加された。