オバケイドロ!

【おばけいどろ】

ジャンル 非対称型対戦ゲーム
対応機種 Nintendo Switch
発売・開発元 フリースタイル
発売日 ダウンロード版:2019年8月1日
パッケージ版:2019年12月19日
定価 ダウンロード版:1,980円(税込)
パッケージ版:3,278円(税込)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
プレイ人数 1~4人
判定 良作
ポイント オバケとケイドロ
愛らしい世界観
ライト層向けの作り

概要

タイトル通り「ケイドロ」をモチーフとした非対称型対戦ゲーム。
開発のフリースタイルはコンシューマー機に自社パブリッシングタイトルを出すのはこれが初となる。(詳しくは余談にて後述)

特徴

  • 原則的に3人の人間vs1人のオバケで行う「ケイドロ」で、人間側は制限時間終了時に誰か一人でも檻の外にいれば勝利で、三人とも捕まえられてしまったらオバケ側の勝ちとなる。
    • オバケに捕まったプレイヤーはマップ中央の檻に入れられてしまうが、檻についているボタンを他のプレイヤーが押して解除してくれれば再び檻の外に出られる…と説明するまでもないが「ケイドロ」とほぼ同様のルールとなっている。
      • 檻の解除後30秒間は再び牢屋を開けることはできない。この残り時間は画面下にケージが表示される。
  • ニンゲン
    • ニンゲン側はオバケを倒せない代わりにYボタンで一度だけランタンを使うことが出来る。
      • ランタンを使った時に周囲にオバケがいると一定時間スタンさせることができる。効果範囲やスタンする時間はランタンによって異なる。
      • ランタンは檻に閉じ込められた後仲間に救出して貰った時のみ復活する。(ランタン使用後にボタンを押して他のニンゲンを助けたプレイヤーのランタンは回復しない。)
      • ランタンが使える状態だと手元が光っているため遠くからでも発見されやすい。しゃがむことでランタンの光を一旦消すことはできるが、立ち上がると再び火が灯り発見されやすい状況に戻る。
    • ニンゲンがしばらくの間動かずに隠れていると、ちびオバケがやって来てオバケに隠れている方向がバレてしまう。
      • あまり索敵範囲は広くないので多少動けば回避可能。
    • ニンゲン側は他のプレイヤーの居場所もマップに表示され、遠くからでも障害物を透過して確認できる。
  • オバケ
    • Yボタンで近くにいる人間を捕縛できる。
      • ニンゲンとは違いオバケごとにスピードやジャンプ力、捕獲の判定の範囲などが異なる。
      • ニンゲンを捕縛した後は数秒間手が消滅するので連続でニンゲンを捕まえることが出来なくなる。
  • いわゆる実績要素として、条件を満たせば押してもらえるスタンプカードが存在する。
    • スタンプを集めた数に応じて移動速度アップ、追加キャラ、称号が貰える。
      • 移動速度アップの上昇値は微々たる程度で、習得しているか否かかで極端な差はつかないようになっている。
      • 称号はオンラインプレイ時に自身の名前と同時に表示できるもので、ゲームバランスに影響を及ぼす要素ではない。
    • 集めた総スタンプ数が一定以上になったプレイヤーはオンラインプレイ時に名前の横に星マークが表示される(最大3個)。
  • また、ニンゲン・ランタン・オバケはスタンプカード以外にもゲーム内通貨を消費したり期間限定イベントに参加することで新キャラを解禁できる。
  • ゲームモードは本体一台を使った画面分割プレイの他、ローカル通信によるプレイ、オンライン対戦およびフレンドマッチが存在する。

評価点

  • かわいらしいグラフィックと世界観
    • 本作と同ジャンルの非対称型対戦ゲームはホラー要素があったり、海外メーカー故のデザイン上の日本人とのセンスの違いから人によっては手の取りにくさがあるが、本作は2~3頭身程度にディフォルメされた日本人好みのデザインに仕上がっている。
    • 捕まった時のムービーもコミカルで面白く、マップやオバケはなるべく直線的なデザインを廃することで「触っても痛くなさそう」な雰囲気を醸し出しており、低年齢層の子供にも安心して遊ばせやすいゲームとなっている。
    • オバケに追われている時も緊迫感を煽りながらもどこかいい意味で気が抜けるBGMが流れるため、幽霊をメインの敵役としつつも全体的にコミカルな印象を受ける。
      • ちなみにシナリオモードがあるわけではないがオバケたちがニンゲンを捕まえる理由は「遊んで怖がらせるのが好き」「ショップの店主が流行らせた遊び」という微笑ましい理由付けがなされており、恐怖感を感じさせないゆるいノリ。
  • シンプルな設計
    • 若干の独自要素を抜けば「子供の頃に遊んだケイドロ」そのものなので極めてルールが分かりやすい。
    • 操作は移動・ジャンプ・Yボタンのアクション・(ニンゲンのみ)しゃがみや仲間の救出及びエモート…と単純で初プレイ時やオフラインでの接待用のゲームとしても遊びやすい。
      • できることのが限られることは煽りプレイや意図的に味方に大きな負担をかけるプレイがやりにくく*1他の非対称型ゲームに比べ余計なストレスが溜まらないという利点にもなっている。
    • 一試合3分なので気楽にプレイしやすく、負けてもすぐに次に行こうと気持ちを切り替えてプレイしやすいのもポイント。
  • 豊富なプレイスタイル
    • オンライン対戦に限らず携帯モードを使ったローカル戦や画面を4分割した多人数プレイも行えるため、パーティゲームとしても活用できる。
    • 特に1台でも4人プレイ可能なゲームは近年ではなかなか珍しいため特筆点。
      • 画面4分割した上で遅延のない多人数プレイは技術的にハードルがあり、(フレームレートがやや落ちるものの)CS機での開発経験が無い小規模な開発チームで実現できたのは開発者視点で言えばなかなかの評価点と言える。

賛否両論点

  • オバケ側が不利だと言われやすい。
    • とりわけ檻の開錠ボタンが2つしかないマップはニンゲンが一人捕まってもニンゲン側が二人同時で突っ込んでくればオバケのリキャストタイム中に開錠できてしまうため、セオリーを理解している相手だと勝つのが非常に難しい。
      • ただしスタッフインタビューによると開発陣はニンゲン側の協力プレイの楽しさに重点を置いた設計にしているらしく「オバケは上級者向け」と公言している。
      • また、確かに初心者同士の対戦ではニンゲンの方が扱いやすく感じるものの、公式Twitterの発表(2020年8月1日)によると、1年間の総対戦回数1,513,070回においての勝率は57%対43%とオバケ側が上回っており、ゲームバランスが未調整であるとは言えない。
    • 一応なんとか2人捕まえてさえしまえばオバケにも勝機はあり、オバケとステージの組み合わせによってはかなり強くなるケースも存在する。
  • 上述の通り余計な要素が無い分、人によっては飽きるのが早いかもしれない。
    • これに関しては下記の通りアップデートの乏しさも影響していると言える。

問題点

  • 弱すぎるCPU
    • マップによってはちょっとした段差や同じ道をぐるぐる回るだけで完封できるケースあったりと弱いにも程があり、歯ごたえが無い。
      • 百歩譲ってオバケのCPUが弱いのは上述の「ニンゲンの協力プレイの楽しさ」に重点を置いているためと擁護できるかもしれないが、ニンゲン側にCPUが混じった場合は足手まといもいいとこで擁護のしようがない。
  • アップデート・ゲーム内イベントの乏しさ。
    • 本作は明確にストーリー・ゲームの終わりが存在するRPG等とは違い対戦がメインのゲームである。こうした対戦型ゲームは発売後も開発側が中~長期のサポートをして随時新たなコンテンツの提供やゲームバランスの調整が行われなければゲーム性が硬直し早期にプレーヤー離れが起こってしまうが、
      本作は発売後の一年間でステージの追加や期間限定イベントの開催が行われたのはごく数回程度で、十分な新要素の追加が行われているとは言い難い。時間帯によっては明らかにマッチングが成立しにくかったりと実際にアクティブプレイヤーの減少を招いてしまっている。
    • また、この期間限定イベントはここでしか入手できない特別な能力を持つオバケとニンゲンが存在したのだが、短期間中にかなりやりこまないと入手条件が満たしにくい上にイベント終了後も未だに再入手できる救済措置が存在しないため、参加したプレーヤーとしていないプレイヤー間で格差が生じてしまっている。
    • 一応開発スタッフはインタビューにて「大まかな作りそのものは変更することはないが、若干のカスタマイズ性等は導入したい」と抱負を述べている。
  • 上述の内容から続く話だが、アクティブプレイヤーの減少は副次的にランク差のあるプレーヤー同士の格差マッチも招いてしまっており、初めたてのプレイヤーが上級者同士のマッチに一人放り込まれやすい事態を引き起こしている。
    • 近年のオンライン対戦ゲームはいわゆる「上級者のサブ垢」を素早く昇格させ初心者狩りを防ぐ機能が搭載されているタイトルも存在するが、本作は恐らくこの機能が存在しないと思われる。
  • 通信環境が悪いプレーヤーを排除する機能が存在しない。
    • ご想像通り通信のラグを悪用した戦法がまかり通るため、言うまでもないが不評。
    • 上述の通りオバケ側がやや不利なのはある程度意図したゲームデザインだが、これに関しては明らかにスタッフが対処すべき問題点であると言える。

総評

とてもキュートな世界観が魅力な作品。
児童の遊びをモチーフにしつつも上手くゲームらしい要素を加えたアレンジを施し、同ジャンルの先駆者から複雑性・スプラッター要素を排したことでより幅広い層が楽しめるゲームに仕上がっていると言える。

一方ライト・キッズ層をメインユーザーに想定しているためか、コアゲーマーや他の非対称型ゲームをやりこんだ層からすると底が浅いように感じてしまう部分も存在する。
新興メーカーのCS機参入一作目としては一定程度以上の完成度に到達できているとも言えるが、やはり大手メーカーと違ってノウハウ不足が祟っている問題点があること自体は否定しきれない。

とはいえど、ゲームの根幹のアイデア自体には光るものがあり、スタッフインタビューでは新コンテンツの追加や継続的なサポートについて前向きなコメントをしているため、今後のより一層のクオリティアップに期待したいところである。

余談

  • 元々本作は岐阜で毎年開かれている「全国エンタメまつり」というイベント専用の完全オリジナルゲームとして開発されており、開発会社であるフリースタイルがITソリューション事業などいわば裏方業務がメインの会社だったこともあって、製品化の予定もなかった作品である。
    • ところがなんと、本作を開発したフリースタイルのブースのすぐ近くに 偶然にも任天堂が出展していたことで任天堂社員の目に留まり 、(同イベント内でも特に人気が高かった作品だったこともあって)直々に製品化をもちかけられたという開発経緯を持つ。
    • その後も任天堂から直々にアイデアやサポートを貰いつつも同社では初となるCS機でのソフト開発ということもあって苦戦はしたが、最終的になんとか現在の形にこぎつけられたとのこと。
  • こういった経緯もあってか2020年8月10日~同年8月16日のNintendo Switch Onlineの加入者限定コンテンツである「いっせいトライアル」にて国内メーカー製インディーゲームとしては初の対象タイトル*2として選ばれた。
    • 期間中は無料で遊べる上8月23日まで製品版のセールも行われているため、興味を持った方はまずはトライアルに参加してみるといいだろう。
最終更新:2020年08月11日 04:15