39Days to Mars
【さーてぃーないんでいず とぅ まーず】
ジャンル
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パズル/アドベンチャー
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対応機種
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Windows(Steam) XboxOne Nintendo Switch PlayStation 4(海外のみ)
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メディア
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ダウンロード
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発売・開発元
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It's Anecdotal
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発売日
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【One】2019年2月6日 【Win】2019年4月19日 【Switch】2019年5月16日 【PS4】2019年10月29日
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定価
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【Win/Switch】1,520円(税込) 【One】1,750円
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プレイ人数
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1~2人
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レーティング
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CERO:B(12歳以上対象)
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セーブデータ
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1個
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判定
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なし
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ポイント
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2カーソルで協力しあうアクションパズル
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あらすじ
舞台は19世紀の英国。天文学者が火星に生命体が居ると発表したことを機に、探検家であるアルバート・ワイクス卿とクラレンス・バクスター閣下は謎の宇宙生物を捕獲するため、英国軍艦フィアフル号に搭乗し火星へと旅立った。
だが、ある時蒸気エンジンが石炭を切らし、船にいたネコが渡航地図をズタズタにし、さらには紅茶まで冷めきってしまったことで、宇宙への航海は簡単なものではないと気づいた2人。無事に火星へ辿り着くには、2人の技術を合わせて問題を解決していかねばならないのであった。
システム
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平たく言えば本作の構造は2Dのミニゲーム集である。
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紳士たちを操作して「英国軍艦フィアフル号」船内を移動し、発生する問題に対処して回る。
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移動は左/右スティック、船内のアイテムや設備を調べるにはZLあるいはZRを長押しする。
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2人プレイの場合、2ついるキャラを分担して操作することになる。1Pは左スティック/ZLで操作し、2Pは右スティック/ZRで操作する。
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1人プレイでは「船によってコンピューター制御されたネコ」がAIとしてもう1人の方を肩代わりする。
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火星への航海中は日数(Days)が増加していく。ランダムでトラブルが発生し、そこに二人係りでZL/ZRを同時に長押しすることで調査。2P協力型のミニゲームをプレイすることで解決していく流れ。
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船に乗りこむ前の準備時、火星着陸直前時のミニゲームはランダムではなく固定発生する。
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ミニゲームの操作方法
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ミニゲームは2Dで描かれるイラストの中で展開される。
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スティックでカーソルを移動させ、気になるところを調べる。物体はZL/ZR長押しで掴みながら移動させたりできる。
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二人の共同作業が欠かせない場合もあるが、1Pプレイで対処可能な場合もある。その他制限時間が設けられている場合がある。
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ミスしてもゲームオーバーにはならずゲーム続行となる。ただし、ミニゲームの成功可否で、航海で起こる出来事が変化する場合はある。
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ミニゲームの一例
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出港準備
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出港のため鍵を釣竿で拾い上げるゲーム、発電機を修繕するゲーム、錠を開けるゲーム、暗証番号を入力するゲーム、火星への航図づくりといったミニゲームあり。
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紅茶作り
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熱々に熱せられた海水、キンキンに冷えた砂糖・ミルク、そして茶葉をブレンドして適度な熱さと甘さの紅茶を作って飲むゲーム。
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ミニゲームをするたびに、作らなくてはならない紅茶の熱さ・甘さが変化する。
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塩水で紅茶を入れても、砂糖で中和しないとしょっぱいまま。
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ティーポットに入れた紅茶も、放置していると段々と冷えていく。
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スコーン作り
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スコーンに適量のバター・クリーム・ジャム・ベリーをトッピングして召し上がるゲーム。
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ベリーはカーソルそのもので掴んで移動できる。バター・クリーム・ジャムのような非固形物は2Pで協力してバターナイフですくい上げないと運べない。
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こちらも紅茶同様、ゲームをするたびに目標のトッピングが変化する。
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スコーンに積み上げた物体は物理エンジンで管理されており、バランスが悪い積み方をすると崩れてしまう。
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モールス信号
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「―」の記号と「・」の記号を正しい順序で押して文章を完成させる。
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どんな記号を入力するべきかは、別の場所にある図書館の情報を参照する必要有り。
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庭の剪定
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剪定ばさみを持つ・剪定ばさみで切る、の動作を分担して庭で伸びすぎた木を剪定する。
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どんな状態に剪定すべきかは、別の場所にある図書館の情報を参照する必要有り。
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葉っぱや花の数を指定された条件どおりにする必要がある。
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配線修復
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2箇所の点をホースやワイヤーで接続するゲーム。
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どことどこをつなぐべきかは、手探りで調べなくてはならない。
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水道管修繕
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機械からランダムで吐き出される水道管パーツをくみ上げ、出発点と到達点を1本の管でつなぐゲーム。
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制限時間があり、それまでに水道管が出来上がらないとやり直し。
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石炭回収
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燃料放射しつつ前進、宇宙船の向きを変える、アームを伸ばして隕石を砕いて回収する、の3つのアクションを2Pで分担する。
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燃料が切れる前に船に戻れないと失敗。
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クラーケンの幼生捕獲
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船のまわりに小さなタコがうようよと飛び回り船を墨で汚すようになる。
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タモで捕まえ水槽に集める必要がある。相方は墨を霧吹きで清掃する作業をすることに。
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クラーケンとの決闘
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巨大なイカ形の怪物「クラーケン」と戦う係と、戦う係をロープで支える係に分かれてプレイするアクションゲーム。
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戦う係は傘を武器とする。ZL/ZRを短く押すと傘を振りかぶり、長押しすると傘を開いて敵の墨攻撃をガードする。
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クラーケンの黒い足先を傘で全て破壊するか、クラーケンが吐き出す墨に当たって真っ黒になってしまうかでゲーム終了。
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隕石避け
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脱出ポットを使って火星の地表に降り立つ。火星上空を漂う隕石にぶつかると傷つき、最終的には大破してしまう。
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脱出ポットの向きを調節・燃料の噴射による移動を2P間で分担して、隕石を避けつつ落下し続けることが目的。
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脱出ポットを大破させるか否かでその後のストーリー展開に差がある。
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評価点
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直感重視のコンセプト
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ミニゲーム中は敢えてルールが説明されない。ただギミックが置いてあるだけのことが多々あり、プレイヤー同士が直感でルールや操作方法を考えるという独自の面白みがある。
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時間経過でヒントが出るので詰む心配も少ない。
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美術デザイン
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カーキ色を基調としたデザインで一貫されている。
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宇宙船や登場人物から、ミニゲームに登場するギミックに至るまでかなり細かい線で描きこまれている。
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SFに徹した世界観ではなく、どこかクラシックな雰囲気の設備で宇宙へ旅立つというコンセプト。
賛否両論点
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物理エンジンを取り入れたゲーム設計
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プレイヤーたちのカーソルで動かされた物体は、物理エンジンを取り入れた挙動をする。思うように動かせないような調整がされている。日常では当たり前の動作も満足にできないことを楽しめるか、イライラするかは、プレイヤー次第。
問題点
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操作性
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階段・はしごを昇降する際、誤操作が発生しやすい。はしごを上るつもりが素通りしてしまったり。
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二人がかりでつかまれた物体がプルプルと振動してその場から動かせなくなることがある。これに関してはおそらく設定ミスかと思われる。
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カメラワークが悪い
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船は広いのですべて表示されない。キャラクターの移動に応じて、カメラが追従してくるシステムであるので、プレイヤーがカメラアングルをいじることも出来ない。
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キャラクターの移動速度に対して、カメラがついてくる速度が遅いので、キャラクターが画面から見切れてしまうこともしばしば。
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ゲーム中の目的がわかりにくい
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ミニゲームで何をしたら良いか分からないことも多々。わけもわからず失敗ということもありうる。ミニゲームのルールに気づけた際の感動は確かにあるが、気づけない時間が長いとダレやすい。
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ミニゲーム達を失敗したところで特にペナルティがないので、ストレスとはなりにくいがいまいちゲームに緊張感が足りない。
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船中で発生したトラブルを対処する前に、何かアイテムを持ってこなくてはならない場合がある。このアイテムが船内のどこに置かれているのかヒントがまったく無いのでしらみつぶしに探さなくてはならない。
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ランダム発生するミニゲームにいかに対応するか、が本作のピークであり、やり方がわかってしまえば後は作業ゲーになってしまうきらいがある。
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ボリュームがない
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1周で体験できるゲームが20個程度。いかに早くミニゲームをクリアできたかなどをやりこむ要素も無い。
総評
本作は、どこかクラシックなデザインの宇宙船に搭乗して体験するドタバタ劇をミニゲームとした内容。
あえて遊び方を説明せずプレイヤーにルールを気づかせるスタイルのため、試行錯誤していく工程が本作のピークであり、その後は作業ゲーになってしまう点有り。
最終更新:2023年02月08日 10:01