Railway Empire

【れいるうぇい えんぱいあ】

ジャンル SLG
対応機種 Xbox One
Windows 7SP1/8.1/10 (Steam/Epic Games Store)
Linux (Steam)
プレイステーション4
Nintendo Switch
発売元 Kalypso Media
開発元 Gaming Minds Studios
発売日 【One】2018年1月26日
【Steam】2018年1月27日
【Epic Games】2020年9月11日*1
【PS4】2018年5月24日
【Nintendo Switch】2020年2月14日
定価 【One】2,350円(税込)
【Win/Linux】3,748円(税込)
【PS4 パッケージ版】8,140円(税込)
【PS4 DL版】7,260円(税込)
【Nintendo Switch】5,280円(税込)
プレイ人数 1人
レーティング CERO: A(全年齢対象)
ESRB: E(Everyone)
判定 良作
ポイント 日本語フルボイス付き(One版のみ非対応)

概要

  • 鉄道会社の経営SLG。
    • 鉄道黎明期の1830年から黄金期の1930年までの100年間が舞台。
    • 舞台は北米大陸のみ。ただし、西部、東部、南部、南東部、北部、北西部、中西部というマップがある。
      • DLCでメキシコ、ドイツとフランス周辺、南米、オーストラリアなどのマップが別売りされている。2021年5月には日本マップもリリースされた。
    • 蒸気機関車からせいぜいディーゼル機関車までで、電車は登場しない。
      • バスやトラックなども登場しない。

システム

  • キャラクター
    • プレーヤーは、下記の6名のキャラクターから1人を選んでプレイすることになる。
    • なお、キャンペーンモードではロジャー・スマイス固定となっており、任意のキャラクターを選ぶことは出来ない。
+ キャラクター
ジョナサン・ジョンソン(将軍)
  • 線路建設費が20%安くなる
  • 鉄道員の雇用費が10%高くなる
  • トンネルと橋の費用が40%高くなる
ドック・マーフィー(技術者)
  • 機関車の価格が70%安くなる
  • 整備施設(通常 $80,000)が無料になる
  • ビジネスのアップグレードにかかる費用が70%増加する
  • 修理の進み具合が15%遅くなる
ドン・ロレンゾ(ギャング)
  • 競売人が5人の状態でゲーム開始
  • 貨物からの収入が15%増加する
  • 事務員からの応募なし
  • 乗客と郵便物からの収入が15%低下する
ロジャー・スマイス(実業家)
  • 工場建設の値段が50%安くなる
  • 町の工場(及び1次産業拠点)をオークションなしで買収できる
  • オークションの価格が50%上昇する
    • 実際には、オークション中の価格は他プレーヤーと同じ額が表示されるが、落札後に落札価格の1.5倍の額が資金から引かれる。
ベアトリクス・ボン・ポンプ(貴婦人(?))
  • 乗客と郵便物からの収入が15%増加する
  • 急行列車からの利益が2倍になる
  • 修理の進み具合が10%遅くなる
  • 貨物からの収入が20%低下する
  • キャンペーンを通して、彼女のこれまでの生き様を勝手に自分語りしてくれる。
  • プレーヤーの社員を引き抜いた時に、その社員とは「誓って清い関係ですわ」と言いつつも「でも、おねだりされたらどうしましょう」と変な含みをもたせる。
トリシア・ジョーンズ(ペテン師)
  • オークションの価格が30%低下する
    • ロジャー・スマイスと同様に、こちらもオークション中の価格は他プレーヤーと同じ額が表示されるが、落札後に資金から引かれる額が -30%されている。
  • スパイからの応募が3倍になる
  • 獲得するイノベーションポイントが70%低下する
  • マップ
    • 実際の地形に基づいたリアルなものとなっており、固定で実在した都市が存在する。
      • 1つの都市には駅は2つまでしか建てられない。
      • 駅と線路、信号機以外は都市の上には建てられない。倉庫と補給所も建てられない。
    • マップには1次産業の生産拠点が存在する
      • 小麦、肉牛、とうもろこし、木材、砂糖、綿花、野菜、果実、石炭、鉄鉱石などがある。
      • ゲーム開始時点では生産拠点はNPCが所有している。 これらの生産拠点の経営者は経営状態が悪いと身売りを考えてその事業をオークションに出すことがある。 オークションに誰も入札しなければ、そのままの経営者となるが、プレーヤーやライバルAIが購入すれば連結子会社となる。
      • 1次産業の生産拠点の上には駅も倉庫も線路も建てられない。
        『Transport Tycoon』や『Simutrans』では、事業を買収すると立ち退かせることが出来るのだが、本作では行えない。
    • ネイティブ・アメリカンの居住区においても、駅も倉庫も線路も建てられない。
  • 年代
    • 1830年から20年毎に区切られた5つの年代と、1830-1930の100年間を通して遊ぶ計6つの年代に分かれている。
      • 特に100年プレイ時は時間の進む早さをはじめ、一部仕様が他と大きく異なる。
    • 年代毎に使える機関車が変わる他、1次産業の生産拠点や都市の工場も変化する*2
  • 鉄道網
    • 駅は都市の、あるいは1次産業の生産拠点の周りにしか建設できず、何もない所に駅を作ることは出来ない。
    • 倉庫は逆に都市の上には建てられない。それ以外なら陸上で傾斜が許す場所ならどこにでも建てられる。
      • 倉庫を都市の近くに建てるとその倉庫に運び込んだ貨物は都市に供給され、都市で生産した2次3次産品を積み出すことが出来る。
    • 線路は駅同士または倉庫を繋ぐ様にしか敷けないものの、線路を敷いた後、諸々を撤去すると線路だけが残った状態にすることが出来る。そんな方法でライバルを妨害しようなんて考えないように。
    • トンネルと橋は複線を前提としており、単線を複線化する場合は大幅なコストダウンがある。
      • 逆にトンネルと橋部分は隣接して3本目を敷くことは出来ない。線路1本分程度離して敷く必要がある。
  • 列車
    • 機関車を購入して路線を設定することで、機関車がその始発駅に登場する*3
    • 機関車の運行には「石炭」「砂」「水」が必要。補給は駅では行う事ができず、駅間の線路に補給塔を建てる必要がある。
    • 機関車は運行することによってコンディションが劣化し故障しやすくなるが、整備を行うことでコンディションを回復することが出来る。
      • 整備は駅に「整備施設」を併設することで行える。
      • 『Transport Tycoon』における機関庫のような整備専用の施設として整備駅を建設できるが『Transport Tycoon』ファン向けの縛りプレイ用と思って差し支えない。
    • 1台の機関車で最大8両までの貨車を牽引することが出来る。
      • 貨車は購入する必要はなく、需要に応じて駅で勝手に増減する。
      • 路線の設定時に最大車両数を減らして設定することで最大貨車数を制限することは出来る。
        逆に、最小貨車数を設定することで、指定の車両数に達するまで出発を待つ設定とすることもできる。
      • 研究によって「食堂車」などの、売上に寄与する特別な車両を連結可能となる。 当然ながら貨車数に含まれる為、売上は上がるが輸送量は減る事になる。
    • 運搬物は混載できず、1種の品物で1両を占める必要がある。
      • 全ての運搬物は単位が1両分で統一されている為理不尽とは感じにくい。
    • 運搬物は大きく「貨物」と「旅客と郵便」の2つに分かれる。
      • 機関車も両者のどちらを運搬するのに適合しているのか(或いはどちらも大丈夫なのか)が明示されている。
      • 路線の設定時に「貨物専用」「旅客と郵便専用」にも設定が可能。
        「自動」設定であっても、どの貨物を優先に積み込むかを指定できる。
    • 貨物は運賃が固定額であり、1000㎞以上離れた都市へ遥々運び込んでも利益は十分には上がらない。
      一方で需要を十分満たす事で都市が発展し更なる需要や旅客が生じる為、将来への投資の側面が強い運搬物である。
      運べるのは都市内の駅へは需要に応じた分のみだが、倉庫には上限まで送れるので、先に貨物を運んでから工場を建てるとすぐに生産が始まる。
      • 貨物の種類によって1両あたりの重さや運賃が異なるのだが、ゲーム中ではそのデータは開示されていない。
    • 旅客と郵便は運賃が距離及び時間に応じた変動額であり、基本的に貨物より利益が出やすい。 一方でどれだけ素早く大量に運んでも更なる旅客の獲得には繋がらない。
      • 最速に近い速度で運搬する事でその路線が急行判定となり、運賃が更に上昇する。
  • 産業
    • 都市には工場を建てることが出来る。ゲーム開始時にNPCが都市に工場を所有している場合がある。
      • 都市の人口が増えると、40,000人で2つ目の工場、90,000人で3つ目の工場を建てることが出来るようになる。プレーヤーが建ててもいいし、NPCが建てる場合もある。放置しすぎるとライバルAIが建てることもある。
      • 都市の工場はオークションを経ての購入が可能。 ロジャー・スマイスはオークションを経ずに購入が可能。
        1次産業の生産拠点の価格は基本的にはその産業拠点のレベルに大きく依存するが、その時点でのその拠点の稼働率に連動して大きく値段が上下し、さらに含み資産の量も加味される。
      • 所有している工場を撤去することもできるが、別途費用が掛かる。
    • 1次産業の生産拠点はオークションを経て買収可能だが、新規に建設及び撤去することは出来ない。
    • 都市の工場も1次産業の生産拠点も、資金を費やしてレベルアップさせることで生産量を倍増させることが出来る。
      • 都市の工場のみ、所属都市の人口に応じて最大レベルが制限される。
    • 都市の工場も1次産業の生産拠点も、生産が止まっている間の維持費はかからない。
      • 1次産業の製品の輸送費は1次産業の生産拠点の所有者が支払っているようだ。
        このため、1次産業の生産拠点の所有者は生産量が増えると逆に経営が苦しくなるというジレンマに陥って、身売りオークションを行うハメになるようだ。
      • 1次産業の生産拠点は生産に対しての経費は全く発生しない。
        自社の生産拠点から自社の工場に原料として運んだ場合、1次産業側に計上された売上は誰が払ったのかと考えるとモヤモヤする。
  • 研究
    • イノベーションポイントを消費して新しい研究をアンロックできる。
      • 毎月固定でイノベーションポイントが得られ、大学を建てていると獲得量がさらに増える。
        また、トリシア・ジョーンズは得られるイノベーションポイントが極端に少ない。
      • 応募者(後述)の事務員の中には、毎月のイノベーションポイント獲得量を増やす効果がある者がいる。
        同じくフリーランサーのなかには、イノベーションポイントと現金を変換できる者がいる。
    • 研究には新型の機関車、機関車の動力を上げるものから、乗客数を増やすもの、チケット代を上げるもの、産業の収益を上げるものなど多岐にわたっている。
    • 研究はツリー形式となっており、「列車&機関車」と「企業&建設」にページが分かれている。前段の研究が終わっていないとイノベーションポイントが足りていてもアンロックできない。
      • 更に一部の機関車は「列車&機関車」の研究を一定数終えていることがアンロックの条件になっている。
      • 100年プレイ時は得られるイノベーションポイントが減少し、「列車&機関車」と「企業&建設」が同一ページに統合された形のツリーとなる。
    • 研究が突発的にオークションにかけられることがあり、落札すればイノベーションポイント無しでアンロックできる。
      また応募者のフリーランサー"スパイ"を雇うと、ライバル会社が開発済の研究をイノベーションポイント無しでランダムにアンロックできる。
      • これらの方法の場合ツリーが繋がっていなくてもアンロックできる。また、ツリーが繋がらないまま更に先の研究をイノベーションポイントでアンロックすることもできる。
  • 経済
    • 鉄道会社は各社株式を発行している。
      • 自社株の購入は通常はできない。他社の株を買う場合は全株式の1%単位で指定して購入する。
        最大で99%まで購入可能。基本的に株価はその会社の総資産に比例して値動きし、暴落などは期待できない。
      • 他社の株を買い占めることで他社を合併することが出来る。他社が自社の株式を持っている場合は、株価に+20%上乗せした価格で買い戻す必要がある。
        合併した場合、「線路と機関車を残す」「機関車だけを売却する」「線路も機関車も売却する」を選ぶことになる。
    • 鉄道会社以外の株も買える
      • 個別の銘柄を買えるわけではなく、「農業株」「鉱業株」などというざっくりしたくくりの株を売買する。
        それらの分野の出荷量に応じて価格が変動する。
    • 債券(社債)を発行できる。
      • 総額が多いほど利回りが高くなる。8%などの高利率が設定されていて、異次元の低金利に慣れた人には腰が引ける。
      • 一方で借りた資金を適切に運用すれば8%どころでない利益を生む事ができる。
        ゲーム開始時に限界まで借りるのが定番の戦略の一つとなっている。
  • 応募者
    • 事務員
      • 駅長、測量士、会計士、チーフエンジニアの4つのポストに1人ずつ雇用できる。
      • 同じポストでも別の効果がある場合がある。例えばチーフエンジニアでは、毎月のイノベーションポイントを増やす者と、駅などの建築物の建築費を安くする者の2タイプが居る。
    • 乗務員
      • 機関士、エンジニア、添乗員、警備員の4種類がいる。
        1編成に各ポスト1人ずつ雇用できるが、乗務員の雇用には給料がかかるため、ある程度の儲けが出ている列車でなければ赤字に転落する可能性がある。
    • 事務員、乗務員の社員は経験を積んでレベルアップし、その効果が上昇する。が、効果の上昇幅が1-2%程度なのに給与が10%以上も上がることがあり、乗務員のレベルアップによってその編成の収支が悪化することもある。
      • 社員にはそれぞれ性格が設定されており、相性によって効果が1レベル分以上増減する。
    • フリーランサー
      • 上記2種と異なり単発契約で、効果発揮後は再び応募者に上がるのを待つ必要がある。
        + 一覧
      • 野盗
        ライバル会社の列車を襲う。被害にあった列車に警備員が居なかった場合、被害にあった会社に賠償金の請求が届く。それを支払わなければ1ヶ月、その列車の発着の都市の旅客が50%減る。ライバル会社が当該の都市に乗り入れていれば、もちろんその分の旅客はライバル会社に取られることになる。
      • 妨害者
        ライバル会社の工場を襲う。事前に犯行予告付きの脅迫状が届くことがあり、要求額を支払うと防げるが、法外な額なので無視して妨害されたほうが被害総額が少ない場合もある。
      • ジャーナリスト
        ライバル会社の評判を下げ、指定の都市での旅客および郵便の数を一定期間大幅に下げる。
      • スパイ
        ライバル会社から研究を奪う。
      • スカウト
        ライバル会社から社員を引き抜く。
      • 競売人
        他社所有の工場や産業を勝手にオークションに掛ける。
      • アナリスト
        ライバルの会社の株価を上げ下げ出来る。
      • 会計士
        自社の株価を上げ下げ出来る。
      • 広報担当
        旅客もしくは郵便のどちらか指定した方の扱い量が一時的に増える。
      • プロモーター
        指定した都市の人口上昇率を上げる。
      • 開発者
        即座にイノベーションポイントを獲得する。
      • 教授
        イノベーションポイントで雇用し、即座に資金を獲得する。
  • 懸賞金
    • 『Transport Tycoon』と同様にゲームプレイ中に懸賞金が掛かったイベントが発生する。
      • 都市または生産拠点を期限までに鉄道網につなげる。
        駅を設置して線路をつなげてしまえば条件クリアとなるため、クリア後に即、撤去してしまって問題ない。
        『Transport Tycoon』の場合は「都市に旅客を届ける」などと厳し目の条件となっており、そういった不正行為を防いでいる。
      • 都市に新しい産業を起こす。
      • 指定の都市間に急行を走らせる。
        本作の運賃は『A列車』シリーズのような「実際に運んだ距離」ではなく、出発地点と到着地点の絶対距離で評価されるので基本的に無理ゲー。
        このため、急行認定されるには指定の都市間にほぼ直線な線路を用意して他の列車はその線路に入らないようにした上で、旅客専用列車を往復させる必要がある。
  • モード
    • キャンペーンモード
      • チュートリアルを兼ねたシナリオ集。アメリカの鉄道黎明期から、南北戦争、そして大陸横断鉄道の全通までを5つのチャプターに分けて体験する。
      • クリアにはタスクリストに設定されたタスクを指定の年までにクリアしなければならない。
        洋ゲーらしくチュートリアルとしては難易度が高めで、1回目のプレイでクリアできるとは限らない。
    • シナリオモード
      • 開始位置と資金は固定。タスクリストをクリアする必要がある。キャンペーンモードよりは難易度が高め。
    • フリーモード
      • ライバルの有無や開始資金などをある程度自由に設定できる。
      • フリーと言いつつ、ランダムに生成されたタスクリストがある。
        他のモードとは異なりタスク未達成でもゲームオーバーにならないので、最終スコアが気にならないなら無視しても構わない。
    • モデルモード
      • 開始位置も開始年も自由。さらに資金が無限になり、研究もタスクリストもない。キャンペーンモードを終えた後だと、自由すぎて逆にモチベーションが保ちにくい。
    • チャレンジモード
      • 完全に固定された条件内におけるクリアスコアを他プレイヤーとランキング形式で競う。スコアは各タスクをクリアした早さのみによって決まる。
        switch版には無い。

評価点

  • チュートリアルがしっかりしている
    • 複線の敷き方など複雑な操作が必要なものには動画による操作説明がついている。
  • 日本語フルボイス付きである
    • 発売当初は日本語はなかったが、PS4日本語版発売後にこっそり追加された。
      • Epic Games Storeでは日本語対応とは明記されていないが、Steam版と同じく日本語フルボイス付きである。
    • 声優は公表されていないものの『Shadow Tactics』の出演者と同じ顔ぶれであるようだ。
  • 上手く単純化されている
    • 各生産拠点、工場の生産量や需要の物量の単位は「車両1両分」という単位で揃えられている。
      • これまでの鉄道経営シミュレーションでは、生産量はトンなどで提示され、プレーヤーがいちいち、それが貨車で何車両分に当たるのかを計算する必要があった。
    • 駅や線路の維持費や固定資産税、売上に対する税金もない。
  • 機関車が豊富
    • 鉄道黄金期の超特急牽引用や、多数の西部劇に出演し有名になったもの、鉄道黎明期に使われた物など、各年代ごとに40種類以上の機関車が登場。

賛否両論点

  • 線路の敷き方が難しい
    • 駅と駅を結んでも最適な線路を自動で敷いてくれるとは限らない。
      • AI敵は傾斜を勘案した、なだらかな線路を敷くこともあるので、それと差をつけられているのは少々納得がいかない。
    • ただし、線路を敷くUIはMicrosoftの「Powerpoint」やMac OSX付属の画像編集ソフト「プレビュー」などで自由曲線を描くUIとほぼ同じであり、いわば業界標準的なものであるので、ある意味仕方がない。
      それらのソフトで使い慣れている人からすると、これで良いということになる。
  • 応募者を雇う時、性別が分からない。顔と名前である程度は判断出来るが、どっちなのかよく分からないグラも多い。
    • 分からなくても困らないから別にいいのだが、スパイは男、添乗員は女・・・・とか、役職毎に性別を分けたい人や雇うのは男か女のみという縛りを設けたい人にはちょっと残念な仕様。

問題点

  • サウンドのミキシング機能が十分ではない
    • ライバル会社の経営者などのセリフが始まるとBGMが途切れたり、セリフ中には操作音が鳴らないことがある。
    • 素早く連続して操作をした場合、最初の操作音しか鳴らないことがある。
  • ライバルAIの挙動がおかしい
    • AIの敷いた線路が混み合っている場合、AIが迂回路となる線路を敷く場合がある。
      たまにこの路線が成功する場合もないわけではないが多くの場合失敗する。
      • AIは迂回路を敷いても特定の路線にその迂回路を通るよう設定しない。
        迂回路がたまたまどこかの路線の最短経路となっていた場合はいいが、大抵最初に敷いた線路がそのまま最短経路となるため、AIが敷いた迂回路の大半は無駄な投資となる。
  • シナリオ開始年以前の旧式の機関車を使えない
    • このゲームのキャンペーンやシナリオモードでは、1830年から20年刻みの年代ごとに研究&使用できる機関車が固定されている。未来の機関車を使えないのは当然だが、過去の年代に登場する機関車も使えない。
    • 100年プレイなら旧式を使い続けることは可能だが、他のモードで「機関車が極度に大型・高性能化した1910年代のシナリオで、あえて1870年代の旧式機関車を使いライバルに挑む」というようなことが基本的に不可能。
      • さらに、一部の機関車はゲーム中に登場する年代と、モデルになった実際の機関車の年式が一致しない*4ため、史実では最新型のはずなのに、ゲーム中では過去の年代に属していて使用不可といったことも。
  • 勾配について
    • このゲームでは最大傾斜20%という、現実なら普通の列車は到底走行不可能、鉄道よりはるかに勾配に強い自動車ですらキツい様な坂を作ることができ、速度は低下するものの問題なく列車を走らせることが可能。
      • レール及び車両が現実より何十倍も巨大化しており(標準的なマップでは大体一両1.5㎞)、傾斜を避けて敷設するのが難しい為のバランス調整だと思われるが、結果として違和感が出てしまっている。
  • ボリュームの割にキャラが少ない上、最初から特性がある程度決まっている為、プレイスタイルに合わないキャラを使う事はまずない。
    またそれぞれのキャラの個性が強過ぎて実際には有り得ない様な設定の為、キャラに対する思い入れが湧き難い。
    • 応募者に関しても顔グラのパターンは豊富なんだけどセリフ等は何も無く、ただ表示されてるだけな感が強い。

総評

『Transport Tycoon』の影響が色濃い鉄道会社経営シミュレーション。『A列車シリーズ』とは、貨物重視である点や電車が出てこない事、そしてライバル会社とのイリーガルな足の引っ張りあいがあるという点で異なっている。
そもそも、ギャングやペテン師が鉄道会社社長という時点で何かがおかしい。
なので、AIが変な路線を敷いたり、列車強盗を送りつけてきても、相手はギャングだから仕方がないと許されている面はある。そもそも鉄道モノのゲームはで流石に初めてではないだろうか*5
経営要素も単純化されており、本作はリアル路線ではなく色モノ路線を走っている。

後の展開

  • PS4日本語版はユービーアイソフトから発売された。*6
    • このPS4日本語版からPC版へ日本語訳データ及び音声が逆輸入された。
  • Switch版ではメキシコマップなどPC版ではDLC扱いの一部マップが最初から入っている。
  • 2023年3月15日に続編であるレイルウェイ エンパイア2の発売日が公式発表された。
    • PC、Xbox Series X|S、Xbox Oneは2023年5月25日。PlayStation5、PlayStation4は2023年6月15日。Nintendo Switchは2023年8月10日に発売開始された。
最終更新:2023年10月31日 12:04

*1 発売から1週間無料配布された

*2 例えば、原油は1830年スタートでは出現しない等

*3 『Transport Tycoon』や『Simutrans』では車両は機関庫から登場する

*4 1870~90年代のシナリオで使用可能なマストドン 4-8-0など。

*5 実際に19世紀アメリカの鉄道会社はかなりアウトローであり、ライバルの鉄道会社を妨害するために法廷闘争はもちろんのこと、法執行官に賄賂を渡したり、無法者を雇って妨害させたり....といったことは多々あったようだ。

*6 当時のKalypso Mediaはまだ日本法人がなかったため、CS機での日本版は別の会社が発売元になっている。