ドラえいご のび太と妖精のふしぎコレクション

【どらえいご のびたとようせいのふしぎこれくしょん】

ジャンル 学習ソフト
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 小学館
発売日 2014年11月20日
定価 4,571円(税別)
セーブデータ 1個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
廉価版 ハッピープライスセレクション
2016年3月17日/2,800円(税別)
配信 【Switch】2021年2月4日/1,125円
判定 良作
ポイント 難易度調整が絶妙
ドラえもん要素が弱い
ドラえもんシリーズ


概要

『ドラかず』に始まるドラえもんの学習ゲームシリーズの「楽習ソフト」第4弾。本作はタイトルの通り「英語」がテーマとなっている。

ストーリー

スネ夫の家で珍しい模型を見せられたのび太。くやしくって、つい言ってしまう。「ぼくなら、もっと珍しいものをつくるね。」
家に帰って、早速ドラえもんに泣きつくのび太……。
「ドラえも~ん! 何とかしてよ~!」
ドラえもんが取り出したのは、撮影したデータで本物そっくりな小さな模型が作れる「プラモ化カメラ」。
でも、のび太がほしいのは、みんなが見たことがない模型。そんな都合のいいものなんて、あるわけない。さて、どうしよう?
そこへのび太のまわりを飛び回る、小さな光。
よ~く見ると、それは小さな女の子。
妖精の国からきた妖精だったのです。
妖精は不思議な言葉を話します。 なんと、妖精の国の言葉は英語だったのです。
さていつもなら、ここで登場するひみつどうぐは「ほんやくコンニャク」のはずだけど、何と品切れ中。
しかし「タスケて ください・・・」と、日本語が少しだけ話せる妖精は、のび太にあるお願いをします。
妖精は人間界の珍しいものを、のび太は妖精界の珍しいものをそれぞれ手に入れるために協力し合うことにしたのでした。
さて、ここからドラえもんとのび太の冒険が始まります!君もいっしょに冒険に参加しよう!
(公式サイトより抜粋)

ゲーム内容

「ストーリー」「えいごチャレンジ」「ようせいコレクション」「ひみつどうぐコレクション」がある。

  • ストーリーモードでは、お話を読み進めながらゲームをプレイしていく。
    • ゲーム本編では上画面には英単語の指示が、下画面には風景と複数の物体が表示されている。指示は難易度が「かんたん」ではスペルとイラスト、「ふつう」ではスペルとシルエット、「むずかしい」ではスペルだけになる。
      • 上画面の英単語に対応する物体を下画面から探し、タッチする。1ステージに割り当てられる単語数は決まっており、すべて集め切ると2周目に入る(一部ステージ除く)。
        制限時間が無くなるまでこれを繰り返す。
      • 風景が強制スクロールするステージと、自分でスクロールするステージの2種類がある。これらはプレイ前に確認できる。
    • ステージを終えるごとに「もじなぞり」のミニゲームが挟まれる。ここでプレイしたものはえいごチャレンジモードで遊ぶことができる。
  • えいごチャレンジモードでは、ストーリーモードで獲得した4種類のミニゲームが遊べる。
    • もじなぞり…アルファベットを書き取り練習できる。
    • いれかえクイズ…1文字以外が共通する複数の単語(PINEとFINEとLINEなど)について、どの文字がどの絵に当てはまるのかを答える。
    • えいごしりとり…音声を聞き取り、単語の文字の穴埋めをする。埋めた単語同士はしりとりになっている。
    • まとあてクイズ…上画面に表示される日本語に対応する英単語を、下画面から答える。
  • ようせいコレクションでは、ストーリーモードでタッチした英単語のイラストとスペルを見ることができる。全300個。
    • 「もんだい」コマンドもあり、ここでは文字の穴埋めやスペルチェックの問題が受けられる。

評価点

  • 楽しみながら英語を学べるシステムがまとまっている。
    • メインのゲームでは「指示されたものをタッチする」という簡単な操作でありながら、難易度ごとにしっかりメリットが存在する。
      • 「かんたん」「ふつう」では上画面と下画面の絵を合わせるだけでクリアできるが、タッチするたびに英単語が読み上げられるので自然と単語が身についていく。「リンゴって『アポー』っていうんだ!」といった具合。
      • 「むずかしい」では上画面にスペルしか表示されないため、知育はおろか学校のテストにも対応しうる強力な学習素材となる。ただし楽しくプレイしたいなら予習は必須になってくる。
    • ようせいコレクションは単なる収集要素にとどまらず、これまたスペルチェックの問題が解ける良い学習要素になっている。
  • お話がフルボイス。

問題点

  • メインとなるストーリーモードのゲーム内容は単調。
    • 先述の通り学びとしては十分なのだが、ノルマが設定されていないため、全問タッチし終えると最初からになる。つまり、制限時間が無くなるまで延々とタッチ作業を繰り返さなければならない。
      • しかも同じ物体がすぐ再出現するため、タッチがどんどんワンパターンになっていく。
    • また、最初から最後までずっとこのタイプのゲームしか出現しない。強制スクロールかそうでないかの違い以外は全く同じゲーム性が続く。
      • 同じゲームばかり続くのは『ドラちえ』もそうだが、あちらはストーリーが進むにつれてギミックが増え、マンネリ化を感じさせなかった。
  • コレクションが水増し。
    • 300種類と数が多いのはいいのだが、ご丁寧に「どの難易度でゲットしたか」が記録される。コンプしようと思ったら本編を3周する必要がある。
  • 「フォニックス学習」を謳っているが、実際のところフォニックス学習にあたる要素はない。
    • フォニックス学習とは、英語を発音記号を用いずに発音させる学習法のこと。たとえば「th」を「ス」と読ませるなど。
    • しかし本作の学習は綴りと意味の突き合わせがメインで、発音を学ぶ場面は一切ない。
  • のび太が妖精に協力するのがメインで、妖精がのび太に還元するシーンはほぼ皆無。ステージをクリアするたびにご褒美が…といった演出もない。
    • 物語自体「ここは探したから次」「ここも探したから他の場所」といった場所移動を繰り返すばかりで、正直ストーリーになっているかどうかも怪しい。

総評

難易度調整がうまくできており、英単語学習にはもってこいの作品である。絵と読みとスペルを突き合わせながら、楽しく英単語が覚えられる。
ストーリー面にかなり難があるものの、ドラえもんは多数登場し、見守られながら学習している独特の感覚を味わうことができる作品になっている。

余談

  • 公式サイトがいろいろと酷い。
    • 誤字脱字だらけで同じ文が2回繰り返されていたり、挙句リンクが滅茶苦茶な繋がりになっていたりとボロボロ。
      • 「町の中や裏山、のび太の部屋など○個のステージを用意しています」という文言まで飛び出す。ホームページの数字の入れ忘れすらまともにチェックしていないらしい。
  • 2021年2月4日にNintendo Switchで本作単体のダウンロード版が配信され、パッケージで発売された『ドラえもん学習コレクション』にも本作が収録されている。
最終更新:2024年02月06日 06:58