りんたろー。とワニの村
【りんたろーとわにのむら】
ジャンル
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アドベンチャー (公式ジャンル:野田ゲー)
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対応機種
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iOS 9.0以降 Android 4.1以上
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発売元
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吉本興業
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開発元
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よしもとゲームズ 新宿ロケッツ
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発売日
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【iOS】2020年10月30日 【Android】2020年11月9日
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定価
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250円(税込)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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【iOS】4歳以上対象 【Android】16歳以上対象
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判定
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なし
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ポイント
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野田クリスタルが作成したEXITのADVゲーム 良くも悪くも野田ゲー 死に覚えゲーなのにセーブ/ロード一切無し
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野田ゲーシリーズリンク
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概要
吉本興業所属のチャラ男キャラで知られるお笑いコンビ「EXIT」を題材としたアドベンチャーゲーム。
本作は同じく吉本興業所属のお笑い芸人で、当時R-1ぐらんぷり 2020で優勝したことにより、それなりに知名度の上がってきたマヂカルラブリーの野田クリスタルが勝手に作成したゲーム(通称「野田ゲー」)であり、吉本興業から発売された。
本作には課金要素は一切なく、完全買い切り型のゲームとなっている。
企業パブリッシングされた野田ゲーは『すごい事になりそうだ!!組体操合戦』に次いで2作目となる。
特徴
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本作のストーリーは簡潔に書くと「ローカル番組でアマゾンの奥地にロケをしにいったEXITがワニの村に遭遇し、ワニに捕まったかねちー(兼近)をワニと勘違いされたりんたろー。が救い出す」というもの。
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システムは文章を読み進めながら、選択肢をタップで選んでいくというかなりシンプルな内容。
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エンディングはマルチエンディングとなっている。
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エンディングではないが、選択肢を間違えると即ゲームオーバーとなる場面が多く、ゲームオーバーの回数もカウントされる。
評価点
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EXITのゲームとしては意外と堅実な出来
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一見謎すぎる内容故にEXITの人気に便乗しただけのゲームと思われる方もいるかもしれないが、そんなことはなくEXITのキャラクターをしっかりとゲーム内に反映させている。
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カメラが回っている間はチャラいが、スタッフに対する姿勢は真面目であるなど、ちゃんとEXITの人柄を再現している。
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ボケ担当のかねちーこと兼近大樹がベビーシッターの経験がある、ツッコミ担当のりんたろー。が老人ホームで介護のアルバイトをしていたことなど、妙にマニアックなことまでゲーム内に組み入れている。
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この辺りの造り込みはやはりEXITと同事務所に所属している同業者といったところである。
賛否両論点
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謎すぎるストーリーと設定
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本作のストーリーは特徴に書いた通り、どこからツッコんでよいのかわからないほど意味不明なものとなっている。
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正直このストーリーなら主役がEXITである必然性があまりない。
強いて挙げるならりんたろー。がワニ顔であることくらい。
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野田ゲー自体このようなヘンテコな内容のゲームであることが多いので、「EXITのゲーム」として見るか、「野田ゲー」として見るかで感想が変わるところ。
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グラフィックがやや雑
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EXITの2人はイラストの体に顔写真がつけられたものと少々雑。
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そしてワニに関しては実写のワニの顔に人型の体のイラストと雑コラにも見えるような珍妙なビジュアルをしている。
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「企業が有料で販売したゲームとしては雑すぎる」と否定的に捉えるか、「野田ゲーなので仕方ない」「雑過ぎて笑えてくる」と肯定的に捉えるかは人次第。
問題点
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セーブ/ロード機能一切無し
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前述した通り本作は選択肢を間違えるとゲームオーバーとなる場面が多く、エンディングもマルチエンディングとなっているのだが、本作にセーブ/ロード機能は一切搭載されていない。
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「麻酔銃をかねちーに撃つ」など、明らかにゲームオーバーになるとわかっていても、ついつい選びたくなってしまう選択肢もあるので、ゲームオーバーのパターンを網羅したい人だと、なおさら不便に感じてしまう。
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一応、最初のプロローグの選択肢を突破した後は、プロローグを飛ばしてプレイできるように配慮されているが、初回プレイ時にプロローグで選択肢を間違えてゲームオーバーになってしまったら、またプロローグを見直さなくてはならない。
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一人の芸人が提案した低価格ゲームであるという事情を含んでも2020年のADVとしては、かなり不便。
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ボリューム自体は比較的少なめなので、そこがせめてもの救いか。
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スキップ機能もない
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上記の通りゲームオーバーになると最初からやり直しとなるのだが、同じ選択肢へと戻るためには何度も画面タップをし続ける必要があり不便。
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フラグを確認できない
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エンディングに辿り着くにはしっかりとフラグを立てておく必要があるのだが、そのフラグ(手に入れた持ち物など)の確認ができない。
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ゲームオーバーになると当然それまでのフラグも消えて最初からやり直しとなるので、前述のセーブ/ロード無しという仕様と合わさって、フラグ管理が面倒。
総評
作風に関してはいつもの野田ゲーと言った感じで、野田ゲーファンなら馴染み深い内容となっている。
しかし、マルチエンディングの死に覚えゲーでありながら、セーブ/ロード機能が一切無いというのはかなり不便であり、その他システム面の不備も合わさって、手放しで良ゲーとは言い切れない。
定価は250円と低価格であり、ボリュームも少なく手軽にサクッと遊べる内容ではあるので、EXITや野田クリスタルのファンであれば遊んでみても良いかもしれない。
余談
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App Storeではジャンルが堂々と「野田ゲー」として表記されている。
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iOS版のリリース直後は
謎の人気が出て、App Storeのカジュアルカテゴリのランキングで1位となった。
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ゲームカテゴリでも2位と上位を獲得。1位は『Minecraft』なのでかなりの大奮闘と言える。
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ゲームそのものの問題点ではないが、EXITに無許可で作成したゲームを、低価格とはいえ有料で販売するのは、よくよく考えると一大企業が販売する商品としては結構アレだったりする。ギャラなどはどうなっているのだろうか……?
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吉本の場合前例があるので余計に心配である。
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とはいえ30年近く前の上述の作品とは違い、今作は「同じ事務所の先輩が売れっ子の後輩の名前を勝手に使ってゲームを作った」というある種の芸人同士の内輪ネタでもあるため、少なくともりんたろー。からは怒られておらず、今のところ大きなトラブルにはなっていない。
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本作のトゥルーエンドで見ることができるクレジットには吉本興業傘下の会社「よしもとゲームズ」と野田クリスタルの名前が表記されており、これらが開発元だとわかる。
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しかし、野田クリスタルは某テレビ番組で「『りんたろー。とワニの村』は外注」と発言しており、野田クリスタル自身が開発したわけではないらしい。
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あくまでもシナリオの作成や企画の提案などを野田クリスタルが行い、それを元によしもとゲームズが開発したということなのだろう。
最終更新:2022年10月29日 14:38