少年アシベ ゴマちゃんのゆうえんち大冒険
【しょうねんあしべ ごまちゃんのゆうえんちだいぼうけん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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スーパーファミコン
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発売元
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タカラ
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開発元
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ノバ
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発売日
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1992年12月22日
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定価
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7,800円(税別)
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記録方式
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パスワード16文字
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判定
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なし
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ポイント
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キュッ アシベは添えるだけ 物足りないまま終わる
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概要
タカラからクリスマス商戦に発売された少年アシベのゲーム化第3弾。
今回は「アシヤ・ファンタジ~・ワ~ルド」を舞台にしたアクションゲームである。
FC版『少年アシベ ネパール大冒険の巻』が良作だった事で今回も期待を持てるが、急いでクリスマス商戦に間に合わせたためか至らぬ点が露呈してしまった。
内容
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アシベたちはアシヤファンタジーワールドに招待された。
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4つの宝石を早く集めて社長のところへ持っていくとプレゼントがもらえるという。
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遊園地内のパビリオンを回り、行ける場所を開拓していくのが本作の柱。
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宝石は園内に点在する4人の番人が持っている。課題をこなすと宝石を渡してくれる。
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アクション
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遊園地内部あるパビリオンに入ると、ゴマちゃんのアクションステージが始まる。
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クリア条件
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8つのアイテムを集めるとゴールの扉を開く事が出来る。
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HPの概念はなく、敵に当たってもアイテムを散らかすだけであったり、どんな高さから落下しても痛がるだけで済むようになっている。
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ステージクリア
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遊園地内部にルートが通れるようになり先へ進めるようになる。また、ステージによっては別ゴールも用意されており、そちらでは新しいルートも開拓される。
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4人の番人
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遊園地内部に点在している。
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彼らの課題はゴマちゃんのためにあるようなもので、河流を渡って来るのが条件。
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渦巻や変な生物がゴマちゃんの行く手を阻む。こちらもHPの概念はないが、画面外に退場すると残機が減る。
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パスワードは人から教えてもらう。
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ただし、ゲームオーバーになるとパスワードが出る事もなく終わるので、こまめにパスワードを聞いておくのが得策である。
評価点
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原作キャラは色々登場する
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最初にペッペッペッは概要を教えてくれるし、宝石を守る番人は味田や天童先生などが務める。なお、アシベの父ちゃんはCMでは登場しているが作中では登場しない。
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台詞も色々と用意されており、長音符は「ー」(伸ばし棒)ではなく「~」(波ダッシュ)で柔らかい印象を与える。
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ゴマちゃんの動き
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ステージではゴマちゃんが多彩な動作をする。頭突きやジャンプする事は勿論、角では踏みとどまったり楽しそうに坂道を下るなど実に多彩。
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ステージは全方向スクロールで広大だが制限時間も長いので安心。ゴマちゃんの遊園地とある通り、水中も用意されている。
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キュッという音声も用意。FC版でもキュッという音声があったが、SFCになった事で更に品質が向上している。
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パスワード
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アルファベットと数字の構成であるが、「Iアイ」「Oオー」「0ゼロ」などのまぎらわしい文字は削減されている。これにより写し間違いをしにくいように配慮されている。
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再開後の残機は3に戻る。
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難易度は手ごろ
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FC版同様、アシベファンのライトユーザーでもエンディングまで到達する事が出来るようになっている。
賛否両論点
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音声
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音声はゴマちゃんのみで、他の人間キャラ等の声には対応していない。人物の声については、プレイヤーによる脳内再生で補っていただきたい。
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なお原作コミック版のみ知っている読者にとっては、イメージを崩されないという意味で、むしろ良点とも言える。
問題点
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ストーリーは薄い
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本作は遊園地で遊ぶだけというもので、FC版に比べてストーリーが薄くなっている。
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遊園地の構成
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マップは離れ小島を木の板で渡したようで、見るからに遊園地のイメージとはほど遠い。
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パビリオン
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アイテムという名のノルマ
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アイテムというと有益そうだが、ゴールに入る前に8つ集めなくてはならず、実際はノルマである。本作には1UPや制限時間増加などの攻略用アイテムは一切出てこない。
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別ルートを出すのが二度手間感
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ステージによってゴールは二通りあるのだが、再訪しても8つのアイテムを再び集めないといけないので面倒。
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別ゴールで別な道が解放される際も、何の演出も無く道が出来ているのみで分かり辛い。
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ギミックが分かり辛い
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スイッチを押すことで、頭突きで壊れなかった岩が壊れるようになるというものがある。見た目に変化がないので分かり辛い。
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クリア済みの扱い
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パビリオンと言っても、通路を塞ぐような格好で配置されている事が多い
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クリア済みのパビリオンを素通りしようにも通る度にまた遊ぶ・遊ばないの選択が出るので鬱陶しい。
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本作にはキャンセルボタンがないので「遊ばない」を選んで決定しなければならない。うっかり「遊ぶ」を選んでしまうとEXIT機能もないので再クリアするしかない。
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パスワード
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遊園地の内部には教えてくれる人が点在しているのだが、最初に聞くためには最低でも3ステージをクリアする必要があるのでやや遠い。
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アシベの役割が薄い
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フィールドではアシベを操作するのだがステージではゴマちゃんが活躍するのみ。
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他にじゃんけんで残機を増減させるミニゲームもあるが、遊園地の要素は無いし、これで負けが嵩むとゲームオーバーになってしまう。
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フォント
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文章はファミコンレベルで漢字が使われていないので安っぽい印象である。
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細かい点だが、タイトルで新規と続きの2択があるがどちらも文字が薄くてやや見づらい。選んだ方だけ濃く表示されるという事もない。
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エンディングが不完全
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一応伏せる
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エンディング条件を達成しても特に何も起こらず、特定の人に話しかけると突然スタッフの読み上げが始まってしまう。達成感よりも虚無感のほうが強いであろう。
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優勝賞品は後で家の方に送ると言われるが、プレーヤーはそれが何だったのかを知る術はない。このあたり特に練り込み不足感が半端ない。
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総評
クリスマス商戦に向けて滑り込み発売という形になってしまった事もあり、練り込み不足になってしまった。
とはいえ、ゴマちゃんの色々な表情は見ていて面白く、難易度も極端に高いわけではないのでライトユーザー向けのファンアイテムとしての品質は保ってはいる。
余談
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GB版『少年アシベ ゆうえんちパニック』が91年9月27日に発売されている。
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こちらもじいちゃんのプレゼントを巡って遊園地を巡る内容となっているが、経験値・装備の概念なし、パスワード4文字での記録方式、無限に使える回復コマンドをこまめに使えば絶対に負けない、ラスボスも通常攻撃を3ターン押し続けるだけで倒せるなど、とんでもないクソゲーとなっている。
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後に2017年4月19日。別なメーカーからも3DSで『少年アシベ GO!GO!ゴマちゃん キュ~トなゴマちゃんいっぱいパズル』が発売される。
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こちらはアニメ版第3作を元にしており、旧作とは設定が違っている。
最終更新:2024年08月12日 14:57