サリーの法則
【さりーのほうそく】
ジャンル
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アドベンチャー/アクション
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対応機種
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Windows/Mac OS(Steam) Nintendo Switch Xbox One
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メディア
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ダウンロード
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発売元
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Nanali Studios 【Switch/One】POLARIS-X
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開発元
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Nanali Studios 【Switch】POLARIS-X
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発売日
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【Win/Mac】2016年8月24日 【Switch】2018年4月5日 【One】2019年9月25日
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定価
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【Win/Mac】398円(税込) 【Switch/One】1500円(税込)
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プレイ人数
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1~2人
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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父娘のぎこちなくも健気な家族愛 ボリューム不足
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概要
韓国のインディーデベロッパー、Nanali Studiosが送る横スクロールの2Dアクションゲーム。
登場人物は球体にデフォルメされたデザインで描かれる。娘サリーと父サミュエルを交互に動かし、時には助け合い先に進んでいく。
あらすじ
母を早くに亡くし、残された父サミュエルととひとり娘サリー。
父は娘のためにいっそう仕事に心血を注ぐようになるが、いつしかサリーは孤独を感じるようになり、絵本作家を目指して都会へと飛び出す。そんなサリーのもとに父が倒れたとの話が伝わり…。
システム
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概要のとおりマリオシリーズのような2Dの横スクロールアクションである。
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娘サリーおよび父サミュエルが一定区画進むごとに、それぞれのモノローグが入るといった形でストーリーが進捗する。
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ステージは全部で30。5つのチャプターに分かれている。
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サリー(娘)
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1人プレイと2人プレイとで操作性が大幅に変わる。
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1人プレイ時では勝手に右側に転がり続ける。プレイヤーが能動的に指示できるのはジャンプ操作のみ。
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2人プレイ時では、ジャンプに加えて左右の移動やその場での静止も可能となる。
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ばねにぶつかると高くジャンプしたり、左右にはじかれる。サリーの行く先は柵や丸太に阻まれているのだが、下記の父親の援助があるおかげで無傷で通ることができる。
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サミュエル(父)
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左右に移動させたり静止させることができる。サリーと異なり自発的にジャンプできない。サリーに触れると高くジャンプする。
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丸太や柵に触っても平気であり、サリーの先回りをして、行く手を阻む柵や丸太をどけることが役目。
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柵はサミュエルが触れることでどけられる。丸太は対応したスイッチを踏むか、鍵を入手することで解除できる。
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1人プレイ・2人プレイ
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1人プレイではサリーを先に操作してゴールまでたどり着かせる。つづいてサミュエルを操作し、先ほど動かしたサリーを阻む丸太や柵をサリーがたどり着く前にどかすという流れでゲームが進行する。
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2人プレイでは、ひとりがサリーを操作しもうひとりがサミュエルを操作する。尚、2人プレイが可能なのはSwitch版とXboxOne版のみ。
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2人プレイ時では、上記のモノローグが入らないためストーリーをつかむことができない。
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収集要素
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1人プレイ時には、マップのどこかに家族の写真が隠されており、集めるとサリー一家の日常の写真1枚1枚を閲覧できるようになる。
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2人プレイ時にも同様に、マップのどこかにアイテムが散らばっており、集めるとサリーたちを着せ替えできるようになる。
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失敗条件
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サリーが壁や段差にひっかかって先に進めない状況が5秒程度進むと失敗(1人プレイ時のみ)。
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サミュエルが丸太や柵をどかしていない状態で、サリーがそれらに触れてしまう。
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サリーあるいはサミュエルが奈落の底に落ちる。
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サリーとサミュエル間の距離が大幅に離れる(2人プレイ時のみ)。
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字幕は日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語に対応。
ボイスは日本語(標準語)および日本語(関西弁)の2種類がある。
評価点
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不器用な父と夢を追いかける娘の物語
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ストーリー自体は数十分で読了できてしまう程度のボリュームではあるが、家族のすれ違いを描写するのに最低限必要なことはおさえてある。
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序盤では、サミュエルが娘のために仕事に没頭することで、かえって娘の心が離れてしまうというどこかありがちな出来事が描かれ、共感しやすい。
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終盤では、サリー本人が父の不器用な愛情を理解し感謝し始めるので、父が一方的に報われない話でもない。
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扱うテーマとゲーム性の合致
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影でサリーを支える父、自分の夢の思うままにひたむきに直進するサリー、という2人の登場人物と互いの関連性をひとつのゲームとして表現しようとしている。
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サリーにはみつからない場所で父が活躍し、サリーが先に進むための道を健気に切り開き続けるという演出がある。
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適度に頭を使える難易度である
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1人プレイでは、思い出の写真を入手するためにサリーをあえて段差にひっかけて時間稼ぎしたり、なにもないところでジャンプさせたりと前準備が必要なことがある。
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ピアノを主体としたBGM
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感情を深く掻き立てるのではなく、段々と語られていくストーリーを淡々と彩るようなBGMとなっている。
賛否両論点
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ボリュームがあまりない
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テーマはしっかりしているが、ボリューム自体は少ない。良く言えば無駄な情報がなくゲームのメッセージをすんなり理解しやすいが、悪く言えばつまらない。
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泣けるという触れ込みで大々的に宣伝されている側面があるが、物語としてはオーソドックスな部類であり超大作というレベルではない。ウルっとくる人はいるだろうがさすがに号泣するレベルとまではいかないだろう。
問題点
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ゲーム性がとくにない
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物語はあるがひとつのゲームとしてはいまいち物足りない。いつキャラをジャンプさせるか、どの位置で待機させるべきかといった駆け引きぐらいしかできない。
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ジャンプ操作がシビアな場面が多々ある
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ギリギリ飛び越えられるかどうかの距離をジャンプさせられるケースが多い。
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集中力を切らすとつまらないところで凡ミスを頻発しがち。またミスすることでサリーとサミュエルのモノローグも最初からやり直しになったりするので、物語に水を差されかねない。
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序盤の話が若干わかりづらい
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「父が倒れた」との話があり村へかけつけるサリーなのだが、幾度に渡って父の魂がサリーの行く手を助けていくことになり混乱しやすい。
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このサリーを助ける父がいかにも幽霊のような出で立ちなので、死んでしまったと誤解しかねない。エンディングではしっかりと再会しているのでサリーを助けていたのは父の幽霊ではなく想念のようなものだろうか。
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2人操作での難易度が低い
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1人プレイ時ではあった「サリーが勝手に進んでしまう」という制約がない。片方のキャラクターを長時間静止させたところでペナルティも特に無い。
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1人でコントローラーを持ち替えてプレイしても、クリア自体は可能なレベルと思われる。
総評
不器用な父と娘のぎこちない関係性から成る物語をゲーム性にも反映して、2P協力型の2Dスクロールアクションとした一作。
ストーリーやボリュームは良くも悪くもシンプル。泣けるゲームとして宣伝はされているものの、実際は心温まるストーリーを楽しむことが主体となるのではないか。
最終更新:2021年07月20日 11:26