Ninja Smasher!
【にんじゃ すまっしゃー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ニンテンドー3DS Windows(Steam) Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売
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開発元
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【3DS】PUMO ⇒ フライハイワークス 【Steam】Q-Cumber Factory 【Switch】フライハイワークス
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開発元
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Q-Cumber Factory
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配信開始日
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【3DS(PUMO)】2016年4月13日 【Steam】2016年11月24日 【3DS(フライハイワークス)】2017年5月1日 【Switch】2023年4月27日
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定価
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【3DS】400円 【Steam】498円 【Switch】900円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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4箇所・任意セーブ方式
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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備考
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3DS版はスライドパッド非対応
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判定
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良作
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ポイント
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忍者が主役のメトロイドヴァニアアクション 程よい難易度・豊富なやり込み要素
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概要
日本のインディーズメーカーであるQ-Cumber Factory開発によるメトロイドヴァニア系のアクションゲーム。
初出はiOS専用のスマートフォン向けアプリゲームで、後にニンテンドー3DSとSteam、Nintendo Switchの各プラットフォームに移植された。
3DS版は当初PUMOから発売されていたが、PUMO倒産により一時配信停止となった。その後、フライハイワークスが発売元を引き継いだ上で配信が再開されている。
妖怪軍団にさらわれた姫様を救出するため、主人公の忍者一味が妖怪のアジトに立ち向かうというストーリー設定。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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舞台となる妖怪のアジトの中を探索し、行動範囲を広げつつも黒幕を撃破していくのが目的。
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最初のうちはアジトの一部分しか行動できないが、「新たな特殊操作の獲得」「ボスを倒す」などのフラグを達成するたびに行動できる範囲が広がっていく。
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ジャンルの関係上、アジトは複雑な迷路構造となっている。それまでに到達したアジトの行動範囲はMAP表示がなされ、おおまかな攻略の目安となる。
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アジトのどこかにはショップがあり、雑魚敵を倒すと入手できるお金を貯めて様々な買い物ができる。買い物は無制限に可能だが、一部購入制限のある品物あり。
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アジトのいたることろには宝玉の形をしたセーブポイントが存在し、触れると即セーブが行える。セーブをするとそれまでに消費したHPが全回復する。
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操作体系
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一般的な横スクロールアクションと同じ感覚でプレイヤーキャラを操作していく。
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十字ボタン等で左右移動。ジャンプボタンでジャンプ。攻略を進めれば二段ジャンプや壁及び天井への張り付きも行える。
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攻撃には刀攻撃と特殊攻撃に2タイプがあり、それぞれが別のボタンに振り分けられている。後者はさらに複数のものがあり、切り替えによる攻撃選択も行う必要あり。
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以下にプレイヤーキャラが忍者の場合における刀攻撃と特殊攻撃の種類一覧を表記する。
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忍者の攻撃種類一覧
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刀攻撃
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メインとなる近距離専用の攻撃。連射が可能で、敵への当て具合によっては連続攻撃風のダメージをあたえられる。 ジャンプ中に敵の下から攻撃すると、一時的な浮遊状態となる。これを利用して地形に乗るような感じで空中移動制御が行える。 ジャンプ中から下突きによる刀攻撃が行え、こちらも連続的な攻撃が可能。下突きには仕掛けであるスイッチを押す効果もある。
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特殊攻撃
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ダッシュ攻撃
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最初から使用可能。一時的なダッシュをしながら刀攻撃を行う。空中でも使用でき、上下左右斜めの8方向へのダッシュもできる。 無制限に使用できるが、ダッシュ後に隙を伴うリスクあり。これを利用しないと先に進めない地形多数。
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手裏剣攻撃
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ショップで購入できる消耗品。上下左右斜めの8方向に手裏剣を投げる。
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爆弾攻撃
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ショップで購入できる消耗品。上下左右斜めの8方向に爆弾を投げ、岩を破壊する効果。
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火遁の術
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特定条件で使用可能。使用するたびにSP消費。上下左右斜めの8方向に火の攻撃を撃ち、ろうそくに火を灯せる効果。
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風神の術
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特定条件で使用可能。使用するたびにSP消費。上下左右斜めの8方向に風の攻撃を撃ち、張られた紐を切る効果。
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水遁の術
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特定条件で使用可能。使用するたびにSP消費。忍者周辺を回る形で水のバリアを張り、ろうそくの火を消す効果。
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その他の攻撃
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矢印のパネルに忍者を接触させると、自動的にその方向へとダッシュ攻撃を行う。矢印の配置によっては連鎖的なダッシュが発生する局面あり。
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HP・SPとゲームオーバー条件について
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敵接触などのダメージを受けると忍者のHPが減少し、HPが0になるとゲームオーバー。また、落とし穴に落ちるとHPの残量に関わらずその時点でゲームオーバー。
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一部の特殊攻撃を使用するたびに忍者のSPが減少する。減少したSPは時間経過で徐々に回復する。
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ゲーム開始時における最大HP及びSPは各3ポイント。貴重アイテムの獲得等で上限を各16ポイントまで増やせるが、どこまで増やすかはプレイヤー次第。
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クリア後の特典について
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一度本編をクリアすると以下の隠し要素が解禁される。
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それまでのプレイヤーキャラだった「忍者」のほかに、「くの一」「鎖鎌」「ロボ忍者」が使用できる。それぞれに性能差あり、使い勝手が大きく異なる。
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アプリ版の操作を再現した、タッチ(マウス)側で操作できるモードが追加される。操作感覚が非常に独特なので、扱いこなすには慣れが必要。
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以下にプレイヤーキャラの性能差を表記する。
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プレイヤーキャラの性能一覧
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忍者
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ゲーム初回時では必ずこのキャラ固定となる。もっともクセが少なく扱いやすい性能。
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くの一
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俊敏かつ連射可能なくない攻撃による遠距離攻撃を得意とする一方で、攻撃・防御力の面では他キャラよりも劣る。4段ジャンプが行える。
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鎖鎌
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攻撃と移動の性能を兼ねた鎖鎌攻撃が行えるテクニカルなキャラ。
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ロボ忍者
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鈍足で攻撃の隙が大きい反面攻撃力が高い。ドリル突進やガトリンク連射、ブーストジャンプといったロボらしい行動が行える。
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アチーブメントについて
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主に本編クリア後において特定条件を満たすと、アチーブメントにやり込みの証が付く。証は全部で56種類あり。
評価点
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絶妙なゲームバランスとテンポの良さ
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難易度は程よく、簡単すぎず難しすぎずの絶妙なバランスでゲームを攻略できる。
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原則として忍者一味はそう易々とゲームオーバーにはならない耐久度を持っているし、回復アイテムのハートも比較的出やすいので、敵を確実に仕留めながら慎重に進めば十分に先に進める余裕がある。
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一方で敵の配置密度や耐久度は高めに設定されており、ごり押しばかりで攻略するのは自殺行為となるため、敵の猛攻をどう超えていくかが課題となってくる。
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刀攻撃の連射の利きやすさを利用して、連続的に攻撃を当てていくかというアクション性が強く含まれる。これを利用すればスタイリッシュな攻略が楽しめる。
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仕掛けやトラップの配置も多く、アクション性だけでなくある程度のパズル性も含む。考えながら操作していく面白みが多く詰まっている内容といえる。
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ウエイト皆無かつゲームテンポが非常に軽快で、流れるような展開でゲームが進行していく。
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多くの場面では必ずしも敵を相手にする必要はなく、無視して先に進んでいく逃げの戦法も必要。よって、過剰に戦闘時間を消費する心配もない。
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1回あたりのクリア時間は初見で4時間以上、やり込めば2~3時間ほどと推測される。販売価格を考慮すればなかなかのボリューム感あり。
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やり込み要素も非常に豊富
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プレイヤーキャラが4キャラおり、それぞれの性能に大きな差が図られているため、キャラを使いこなす楽しみが多く詰まっている。
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どのキャラにも一長一短の性能があり、さらには使用できる武器までも異なる。そのため、周回プレイを繰り返してもプレイが飽きにくい。
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アチーブメントによる証収集をやり込むとなると、相当回数の周回プレイは必須。
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キャラ別でのクリアはもちろんの事、「指定時間以内でクリア」「タッチ操作でクリア」など証の獲得条件は莫大な数に及ぶ。
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忍者たちのコミカルな容姿の数々
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グラフィックはシンプルなレトロドット風で、忍者を筆頭とするキャラの数々がコミカルに描かれている。
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忍者たちの動きがちょこちょことして可愛い一方で、攻撃時のアクションが非常にスタイリッシュでかっこいい。
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敵である妖怪もコミカル一色で殺伐さは全く感じず、アクション活劇とは思えないほどに敵味方共がゆるい雰囲気を漂わせている。
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曲数はあまり多くないものの、BGMの数々もレトロチックな良曲揃いで聴き応えあり。
賛否両論点
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スライドパッド未対応(3DS版のみ)
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今作の3DS版では自機の移動に十字キーを用いるのだが、一方で機種のメイン操作デバイスであるスライドパッドには対応しておらず、必ず十字キーで操作しなければならない。
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十字キーの操作自体は劣悪という物ではない。自機の移動にスライドパッドではなく十字キーを用いる事によって、ビジュアル面だけでなく操作面の方もレトロハードに寄っている一方で、スライドパッドに対応していない事によって、同ハードのプレイヤーは今作に慣れる際に戸惑いやすいのは事実。
問題点
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MAP表示が確認し辛い
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MAPの表示が小さい上に事の情報が最低限しか表示されないため、忍者がいる位置がどこなのかが若干把握し辛い面がある。
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慣れれば十分に確認可能だが、初めのうちは表示がこぢんまりとしていて混乱しやすい。なお、残念ながら3DS版における表示の拡大機能は搭載されていない。
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3DS版の音のバランスが悪い
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BGMの音量が小さい。逆に、武器を振った時や敵を倒した時などの効果音はやけに大きいため、BGMを大きくしようと本体の音量を上げると、効果音が大きくなり過ぎてうるさくなってしまう。
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ネーミングが一部不自然
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かぜのスカーフは、名前の印象からすると、移動速度アップとかジャンプ性能強化とか、そちら方面の強化アイテムのように思えるが、実際の効果は「やわらかい壁を壊せるようになる」こと。「かぜ」と「壁破壊」では、名前と効果が全くマッチしていないし、そもそもそういう効果なら、アイテムが「スカーフ」である必要性も無い。せめて、名前が「ちからのスカーフ」というような感じならよかったのだが。
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終盤のとあるエリアについて
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今作では基本的に落ちたらアウトになるトラップは存在しないのだが、ゲーム終盤で訪れる事になるエリアの「かっぱっぱしつげん」では一転。落ちるとゲームオーバーとなり再開時にセーブポイントまで戻されてしまう落とし穴がエリアの至る所で点在。所謂「死にゲー」要素がゲーム終盤になって盛り込まれる様になる。とはいえ同エリアの地形自体は比較的平坦なのだが…
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問題はエリアの最奥地に存在するダンジョン「かっぱのちていこ」。
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このダンジョンの中には「敵をジャンプ斬りで踏み台にしつつ天井掴まりで移動していく大穴」という内容のエリアが存在するのだが、天井掴まりの操作自体に癖がある上に、天井と穴の距離が短く、なおかつ弾を飛ばしてくる砲台タイプの敵が多数配置されている地点でもあるので、この手のアクションが苦手な人にとってはとことん苦手に感じやすくなっている。最悪、このエリアを超えられなくて結局詰んでしまうという事もあり得る。
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ゲーム終盤になって何も前触れも無く即死要素が盛り込まれるという点に疑問や不満が噴出した。
総評
メトロイドヴァニア系としての完成度は非常に高く、400円の販売価格としては遊べる範囲が多岐に及ぶボリューミーさも兼ね備えた一作。
終盤の即死要素についてはいただけないが、初心者から上級者まで様々なプレイヤーが楽しめる、そつのない良作アクションといっても過言ではないだろう。
その後の展開
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2018年4月に関連作品にあたる『Ninja Striker!』がNintendo Switch及びSteamのダウンロードソフトとして配信された。
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本作と同じ横スクロールアクションだが、『Ninja Striker!』はステージクリア形式を採用している点が異なる。
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なお、原作であるアプリ版は『Ninja Striker!』⇒『Ninja Smasher!』の順で配信されており、CS機版とは配信順が逆になっている。
最終更新:2024年04月29日 00:43