Magrunner: Dark Pulse

【まぐらんなー だーく ぱるす】

ジャンル FPV-アクションパズル
対応機種 WINDOWS XP SP3/VISTA SP2/7/8/10
開発・発売元 Frogwares
発売日 2013年6月21日
定価 980円
プレイ人数 1人
周辺機器 コントローラーフルサポート
備考 Unreal Engine使用
判定 なし
ポイント 日本語あり

概要

  • FPVのアクションパズルである。
    • 基本情報欄に貼り付けた画像の通り、序盤は『Portal』の亜流なのだが、中盤からは意外な展開が待っている。

ストーリー

Daxは海難事故で両親を失い、父親の友人で腕が6本あるミュータントGamajiに育てられた。
インターネットのSNSで大成功したGruckezber*1 Corporationは、同社が開発した磁気技術を使いこなせる人物"Magrunner"を選抜するコンテスト行い、優秀者上位5名は宇宙飛行士になるという。
Daxは最終選抜の7名に残り、3ヶ月に渡るテストを受けることになった。

  • 企画段階では主人公の名前は "Yoshi"とされていて、ゲームタイトルは『N.Y.C.(Newton, Yoshi, Cthulhu)』の予定だった。
  • Frogwaresはフランス人によってウクライナで設立されたゲーム制作会社で、主にADVの『Sherlock Holmes』シリーズを製作している。
    • Frogwaresは2019年に本作と同じくクトゥルフ神話の世界観のホラーADV『The Sinking City』を製作している。

システム

  • 磁力の力を操るグローブで一部のギミックを磁化できる。
    • 同じ色に磁化されたものは引き合う(えっ?)。別の色に磁化されたものは反発する。
  • オートセーブである
    • ステージ内にチェックポイントが設定されている場合があり、その場合は「チェックポイントからやり直す」事ができる。
      • チェックポイントは文字通り「ポイント」であって、パズルの進行具合と無関係に特定地点を通過することでセーブが発動する。このため、同じポイントでこまめにセーブできる反面、詰み確定でもセーブが行われる。
    • 「レベルをやり直す」で、ステージを最初からやり直せるので、完全なハマりはない。
  • 色々なギミックが存在するが『タロスの原理』同様にそれらのギミックの説明は全く無いため、使用方法自体がネタバレとなるため説明は割愛させて頂く。

評価点

  • 単純なルールながら、そこそこ考えさせられる新たなアクションパズルプラットフォーマーである
    • システム項でも述べたが、磁力を使うと言っておきながら、同じ色に磁化されたものは引き合う(えっ?)という常識に捕らわれない大胆なルールによって、理解しやすく使い勝手の良いルールとなっている。
      • 使用例を例示するとネタバレとなるため、詳述は割愛する。
  • グラフィックは凝っている
    • Act.1はハイテク感あふれるステージだったが、Act.2のいかにもプロトタイプなステージは各ギミックもプロトタイプなデザインに変わっており、徐々に不気味さを増している。
      • Act.2のグラフィックデザインのプロトタイプ化は『Portal』と似ているが、本作は同時に邪悪さも増している。

賛否両論点

  • 問題は40ステージある
    • ただし、ギミックの組み合わせ方にバリエーションが少なく、組み合わせ方に意外性があるステージはそれほど多くない。
      • Newton出現後、見ただけでNewtonを使用するんだろうなと分かる場面では、手数が掛かるため少々うんざりすることもある。
    • フェアではないステージがある
      • パズルを解くために必要なギミックが確認しにくい場所に意図的に隠されている場面が多々ある。
    • Act.3のステージはいずれも広めで、手数は掛かる。
      • Act.3は敵が出現するステージがあり、「敵が出現するからいつもの手順を手早くする必要がある」だけのステージもある。
  • Act.3で敵が出現するステージがある
    • 繰り返しになるが、敵が出現するステージでは「敵が出現するからいつもの手順を手早くする必要がある」だけのステージもある。
    • いずれも死に覚え状態であり、一瞬のミスで大きく手戻りする場面も多々ある。
    • アクションではなく、純粋にパズルの難易度で楽しませて欲しい。

問題点

  • ストーリーが淡々と進む
    • 各ステージ間に通信で、他のキャラたちがなんかやっているらしいのは分かるのだが、どのキャラも結局「Xanderはどこだ!」ばかりでセリフの内容に代わり映えがしないため、逆に停滞感しか感じない。
    • 主人公も「他のメンバーはどうした?」と何度も他のキャラに尋ねるが、そもそもプレイヤーは他のメンバーの紹介を全く受けていないので興味が湧かない。
    • Act.1の最終ステージに入ってすぐの演出はなかなかショッキングなので、そのようにちゃんと映像付きで見せるべきだったのではないか。
  • 3D酔いし易い
    • 『タロスの原理』や『Portal』等と同様に3D酔いし易い。
      • FPVアクションパズルの宿命ではある。

総評

練り込み不足が目立つ『Portal』系アクションパズルプラットフォーマー。
値段相応な出来とも思えるが、Frogwaresの『Sherlock Holmes』ADVシリーズの旧作の一部も同価格まで定価が下がっており、それと比べると見劣りする感じもある。
敵を倒すために使えるギミックを敵が前もって建設し、爆破用キューブまで置いているご都合主義にモヤモヤしてしまう。

後の展開

  • 2013年10月にPS3版と360版が発売されている。

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最終更新:2021年05月18日 01:09
添付ファイル

*1 Zuckerbergのアナグラムである。なおCGはイーロン・マスク似。