プーペガールDS

【ぷーぺがーるでぃーえす】

ジャンル おしゃれコーディネート
対応機種 ニンテンドーDS
メディア DSカード
発売元 アルヴィオン
開発元 プーペガール
サイバーエージェント
発売日 2009年12月17日
定価 5,600円(税込)
プレイ人数 1~8人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 終了したPCサービスの買いきり版
衣服はかわいらしいが作業的なゲーム

概要

原作は、サイバーエージェントグループが提供していたインターネットコミュニティサービスである(現在はサービス終了)。
女性の人形型のアバターをつくり、ゲーム内の服の着せ替えや服の売買・友達との交信や取引を行えるツールであった。

本作DS版でも、一部機能が再現されており、衣服を購入・収集したり、着せ替えたプーペを日記のように記録したり、DSの通信機能で友達とやりとりしたりできる。

システム

基本

  • DSは縦持ちとなり、タッチペンのみ対応。ボタン操作はできない。
  • マイアバターの設定
    • ゲーム開始時に行うことになる。プレイヤーの分身となるプーペの肌の色、唇の形、目の形・色などを決定する。
  • 1日の経過
    • 1日は9時から24時までとなる。
    • プーペタウンから自宅に帰るたびに3時間ずつ経過。24時になると就寝となる。
    • お店の営業時間は9時から24時となっていることが多いが、上記のコンテストは特定の時間帯にならないと開催されない。
  • リボン
    • この世界における通貨。日課作業(着替え・メイク)や、何かしらの事を複数回達成すると少しずつもらえる。
  • 衣装・化粧
    + 衣装・化粧一覧
    • アウター(コート・ジャケット・ブルゾン等)
    • トップス(シャツ・ニット・カーディガン・カットソー・Tシャツ・キャミソール等)
    • ボトムス(ロングスカート・ひざ丈スカート・ミニスカート・パンツ・ハーフパンツ・ショートパンツ等)
    • ワンピース、サロペット
    • インナー(下着・レギンス・タイツ・くつ下等)
    • バッグ(ショルダーバック・ハンドバッグ・ボストンバッグ・クラッチバッグ等)
    • アクセサリ(ピアス・ネックレス・リング・時計・ブレスレット等)
    • くつ(サンダル・パンプス・ブーツ・スニーカー等)
    • 小物(ぼうし・ヘアアクセサリー・めがね・ベルト・グローブ・ストール等)
    • メイク(アイシャドウ・口紅・チーク・マニキュア・ペディキュア・カラコン等)
  • 一度に身につけられる衣装の総数は12まで。タッチペンで身につける衣類を決定すると、インナーからアウターの順で自動的に着せていく。
    • 「並べ替え」でどの服を最も上に(アウターとして)羽織るか、下に隠すように(インナーとして)着るかを決められる。タッチペンで服を並び替えして、外・内の順序を決定する。
  • キャサリンショップに入荷しているものを購入するか、コンテストに参加あるいは優勝し景品としてもらえる。
  • プーペタウンにはNPCがいることがあり、話しかけると「プペトモ」に誘える場合がある。プペトモに誘うと無償で何かしらの衣装を1つもらえる。
  • 町を歩いているキャサリンに話しかけ、クイズに正解することでももらえる。不正解だともらえない。
  • 着せ替えをするとスナップ写真を撮るかどうかたずねてくる。ゲーム時間の1日に1回につき、スナップ写真を保存することが可能。
  • プペノート
    • プレイヤーの実績が記録されるコーナー。
    • カレンダーとスナップ写真が閲覧できるほか、今までに手に入れたアイテム、友達になったプペともも確認できる。
    • プレイヤーが今までに入手したアイテムやリボンの数、施設の累計使用回数、スナップ写真をどのように撮ったか、コンテストの優勝実績に応じて、ニックネームも入手できる。
    • プロフィール(他ユーザーと通信する際の挨拶文)もここで設定できる。入手したニックネームに応じて、作れるプロフィールのバリエーションも増加してくる。

プーペタウン・登場人物について

  • 本作は、大きく分けてプーペタウンと自宅の2つのロケーションから成る。
  • プーペタウンの建物の外ではNPCが歩いていることがあり、タッチペンでタッチすると話しかけることが出来る。
  • 建物にタッチすると入ることが出来る。
  • マイルーム
    • 上述の着せ替えと、セーブが可能。
    • 占い(総合運、ラッキーカラー、ラッキーアイテム)を閲覧できる。
    • プレイヤーの達成した実績もマイルームに戻る際に表彰され、それにあわせてプペノートに使えるニックネームのバリエーションが増加していく。
  • キャサリンショップ
    • 上記衣装、化粧用アイテムを変える。
    • ゲームを進行させることで、品揃えが少しずつ増加していく。新商品入荷の際はメールで連絡がくる。
    • 店主のキャサリンとは最初にプペともになることとなり、メールで呼び出されてちょくちょく話すことになる。
      • 次の新商品に何を仕入れるか相談してきたり、クイズを出題して景品を用意してきたりできる。
  • リサイクルショップ
    • 持っている服を売ってリボンに換金できる。同じ服を2枚以上所持してしまった際に使うことになるか。
  • ブランドショップ
    • ゲーム開始時はまだ準備中となっており買い物ができない。高級なアイテムを取り扱っている。
    • 白い服を着ているパトリシアというNPCとプペともになれば、買い物ができるようになる。
  • ビューティプーペビル
    • 有料でプーぺのパーツ・見た目を変えられる。キャサリンの妹のモニカが店主を勤めている。
  • 図書館
    • コーデやおしゃれに関する用語を閲覧できる。

イベントについて

  • コンテスト
    • コンテストのタイトルにて、求められるテーマのファッションが提示される。
    • 自分のアバターとなるプーペを、手持ちの衣類で着替えさせて出場させる。
    • 初回はキャサリンのメールを受諾することで12:00のものに参加できるが、2回目以降は定期開催(12:00~、15:00~)となる。
    • 勝つことで高難易度版も出てくる。高難易度版となると、ライバル*1の数が3→4→7…と増えていく。参加賞で1つアイテムをもらえるほか、優勝・好評価をもらえるとさらに追加で衣装が1つもらえる。
  • メール
    • プペともから時折メールが送られてくる。内容は時候のあいさつだったり、新商品の入荷のお知らせだったり、新コンテストの開催だったりとさまざま。
    • 一般的にはこちらから返信は不可。返信を必要としているタイプのメールは、返信を選ぶとそのキャラと出会う約束をしたこととなりプーペタウンの広場に行くと勝手にイベントが始まる。
    • 履歴には最新の30通しか保存されない。

通信

  • ワイヤレス通信、すれちがい通信に対応(最大8人まで)。
    • ワイヤレス通信では、本作を所有しているプレイヤーをプペともに登録したり、アイテムのやりとりをしたり、コンテストを開催して競うことが可能。
    • すれちがい通信では、同じく本作を所有しているプレイヤーをプペともに登録できる。

評価点

  • ボリュームは相当なもの。
    • 衣類の総数は2000以上にのぼり、原作(PC版)に比べれば少ないとはいえ、集めるには良い意味でなかなか骨の折れる量ではある。着せ替えで作れるファッションのパターンはかなり多様。
    • 買い切り版としてプーペガールの世界観にひたることはできる。
    • プレイヤーのプレイ実績にあたる「ニックネーム」も多様。すべての特定のジャンルの衣類をたくさん集める、コンテストで優勝する、メールを555件受信する、特定のショップを300回以上使用するなど、深いやりこみに対応している。
  • プペともがかわいい
    • プーペガール原作版ゆずりの小悪魔風なデザインのプーペたちも顕在。ひとつのコーデとして出来上がったキャラクターたちを眺められる。
    • プペともになるのも簡単で、プペともになってしまえば彼女たちが着ていた服をいつでも参考にできる。
    • 衣装そのもののクオリティは高い。Double standard clothingの監修も入っている本格仕様。
  • ファッション知識の勉強になる
    • キャサリンが時折出してくる質問は初心者向けなので、ファッションに疎い人がファッション入門として手に取るには丁度いいか。答えとなる情報も図書館で調べることが出来る。

賛否両論点

  • シミュレーションゲームの要素はほぼない
    • ガールズモードのような服屋を経営するようなシステムはない。そのため気楽に着せ替えに集中は可能。
    • 金銭(リボン)も継続的なプレイで勝手にたまっていくゲームバランスである。お金に困ることは特にない。
  • コンテストの採点基準
    • 厳密な採点基準はマスクデータ化されているが、着ている衣類の色合いが採点の大まかな判断基準のひとつとなっている。見た目としてのオシャレさよりかは色合い(がコンテストのテーマに合致しているか)に重きを置いたほうが勝ちやすい。あまりデザインとして洗練されているかどうかを意識する必要がないので手軽ではあるが、逆に言うと冴えない見た目のプーペが優勝してしまうこともしばしば。
      • 問題点でも記述するが、服の色合いさえ間違っていなければ、コートからインナーはみ出したような服でもコンテストに勝てる。
    • コンテストに着ていくべき色合いについては、町のNPCプーペたちがヒントとなる発言していくので逐一メモして参考にするのが良い。
  • 入手できる衣類の傾向など
    • プペともを作ったときや、コンテストで優勝した際の景品は原則こちらが能動的に選べない。
    • プレイヤーが買い物で間違ったプレイングをして詰むようなことはないし、もともと選べる衣類の数がかなり多いので色合いのバランスに偏りは生じにくい。
  • キャラクターのデザイン
    • NPCの7割程度が、ギャル文字やギャル口調で会話してくるので気になる人はいるかもしれない。

問題点

  • グラフィック処理
    • インナー・アウターを入れ替えできるとはいえ、重ね着された際の服のグラフィック表示がいい加減。
    • プレイヤーの意向で「パンツにシャツイン」ができるのは良い側面かもしれないが、スカートの上にタイツを選んだりすると、スカートの上にタイツが乗っかるように表示されてまるでバグに遭遇したかのようなな見た目になる。
    • ダボダボなシャツの上に、ぴっちりとした細身のコートを羽織ると、コートの「輪郭線から」内側からだぼだぼなシャツが横にはみ出してしまう。
  • 着せ替え時の操作性が不便
    • 服の着脱はタッチペンで気軽に行えるものの、探すのが大変。特に入手した数が増えてくるとなおさら。
      • 身に着けるものを選ぶ際はいいが、逆に身に着けた衣類のどれかを後から脱ぎたくなったときにも苦労する。脱ぐ際ももういちどその着た服を見つけ出してタッチしなくてはならない。
    • 原則として「着ているものを全部脱ぐ」ようなこともできない。ゲーム中着ているものを全部脱げるタイミングは、パジャマに着替えるときと、パジャマを脱ぐときのみ。
    • インナーに着る服・アウターに着る服を並べ替えする時、タッチペンでうまくつかんで動かせない服が存在する。
  • 作業的なゲームである
    • 1日のなかでやれることといえば、プペとも探し、メール返信と、買い物、コンテスト出場くらい。
    • NPCと会話したりもできるが、会話のパターンも大して多いわけではなくゲーム時間で10日くらいプレイしていれば、嫌でも前に見たような会話を目にすることになる。
    • 上記の通り、着替えそのものがしにくいゲームとなっているので、毎晩のパジャマへの着替え毎朝の着替えやるのも面倒くさくなってくる。一応、就寝前、外出前の着替え自体はパス可能ではある(デメリットももらえるリボンが少し減る程度)。
    • 評価点にて、やりこみ要素が充実していることは挙げたが、逆に言うとこの単純作業を最後までやり込めるほど本作にのめりこめるかは怪しい。
  • DS画面による弊害
    • DSの画面が小さいため、せっかく着せ替えたプーペをきちんと鑑賞しづらいといった声は聞かれる。
  • 通信プレイの環境
    • 本作は発売当時でもマイナーなゲームの部類であり、通信してくれる友人をみつけたり、すれちがい通信でプレイヤーに出会うのは困難だった。
    • 20人とすれちがう、ワイヤレスコンテストで他プレイヤーから高評価をもらう、といった条件で解放されるプペノートのニックネームも存在する。コンプリートの難易度は相当に高い。
    • NPC以外のプレイヤーの動向を確認したり、いらなくなった衣服をやりとりできたりするので、通信プレイの意義がなかったわけではないが、これらを有効に活用できなかったと悔やむ声がみられる。

総評

やりこめる余地があるのは長所であるが、着せ替えをベースとした単純作業の繰り返しから成立しているゲームであり、長期間飽きずにプレイするハードルは高め。他プレイヤーとのやりとりを楽しむのが本来の楽しみ方だったのだろうが、プレイ人口の少なさからあまり実現はしなかった。
サービス終了してしまったプーペガールの雰囲気を再度味わいたいなら、手にとって見る価値はあるか。

最終更新:2024年02月08日 09:46

*1 無作為に選ばれたプーペタウンのプペ住人