Sofia
【そふぃあ】
| ジャンル | アクション |  | 
| 対応機種 | Nintendo Switch | 
| メディア | ダウンロード専売 | 
| 発売元 | レジスタ | 
| 開発元 | YMCAT | 
| 配信開始日 | 2021年5月6日 | 
| 定価 | 1,990円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 1箇所・オートセーブ方式 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | ご当地キャラ多数出演の横スクロールアクション ドット絵のクオリティは非常に高い
 ゲームバランスはかなり雑
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概要
渋谷区のメーカーであるレジスタから発売されたNintendo Switch専用ダウンロードソフト。開発は鳥取県米子市のソフトウエア開発グループであるYMCATが担当。
YMCATが開発して1987年頃に発売されたMZ-1500/X1/MSX用ソフト『ソフィア』のリメイクとなる。
ジャンルは横スクロールアクションに該当し、各ステージの構造が迷路チックになっているのが特徴。
女の子「ソフィア」が迷い込んだパラレルワールドを舞台に、同じく迷い込んだ「ご当地キャラ」の救出と脱出のカギとなる「クリスタル」探しの冒険をするという設定。
作中において現実世界の都道府県に実在するご当地キャラが20キャラ登場し、それぞれのキャラ解説もなされる。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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全22ステージ(+チュートリアル)を順々に攻略していく。一度プレイしたものはステージセレクトが可能。
 
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操作体系
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一般的な横スクロールアクションと同じ感覚でソフィアを操作していく。
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アナログスティック等左右で左右移動。同じくはしごに近づいて上下で昇り降り。さらに同じく上下左右でその方向への微小の視野調整を行う。
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ジャンプボタンでジャンプを行う。「木箱」の上でジャンプすると破壊できるほか、ジャンプからの「スイッチ」を押す行動が必要な局面もある。
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「樽」に近づいてアナログスティック等左右で押し引きができる。足場の台座として利用できるほか、スイッチを押す重しとしても活用できる。
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原則としてソフィア自身が敵を倒す操作は存在しないが、「ボール」等に体当たりするとぶつける形で敵を倒す事ができる。
 
 
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アイテムについて
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「そのまま放置」「敵を倒す」「木箱を壊す」などで以下のアイテムが出現する。
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ハートゲージ回復の「ハート」、ろうそくゲージ回復の「ろうそく」、スコアアップの「袋」、残機が増える「1UP」、後述の「鍵」が主なアイテム。
 
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ステージのどこかには複数色の鍵が配置されており、同色の「扉」を開けるのに必要となる。
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2色以上の鍵を同時に持つ事は可能だが、使用した鍵は扉を開くと同時に消耗する。なお鍵を持ったままクリアしても他のステージに引き継ぐ事はできない。
 
 
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ステージクリアとミス条件について
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ステージのどこかにある「ゴールポイント」にソフィアを到達させるとクリア。
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本作のステージは大きく分けて「地上」と「地下」の2層に分かれており、地下にいる状態では視野が一回り狭くなる制限がかかる。
 地下にいる間は「ろうそくゲージ」が徐々に減少し、ゲージが0になると視野がさらに狭くなる。初期ゲージは3ポイントでアイテム取得により回復。
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本作にはボスに相当する存在はおらず、敵を無視してもクリアの影響はない。敵以上にトラップや仕掛けの割合が多いため、移動と避けを重心となりやすい。
 
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「ハートゲージ」による初期3ポイントのライフ制と初期3つの残機制を採用しており、双方共になくなるとゲームオーバー。
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ソフィアが敵やトラップ等に触れると2~3ポイントほどのダメージで、時間経過でも徐々にゲージが減少。落とし穴転落で即ミス。アイテム取得で回復。
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ステージ途中には複数の「チェックポイント」があり、ミス後はそこからの再開となる。再開後は敵の位置やアイテムの取得等の状況がそのまま引き継がれる。
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ゲームオーバー後は無限コンティニューが可能。再開場所は通過したチェックポイントからで、スコア以外の状態はリセットされないまま引き継がれる。
 
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クリア後はステージ別で「クリア時間」「進行達成率」「アイテム取得率」の好成績の記録される。
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進行達成率は「ステージ内で利用したチェックポイントの数」が、アイテム取得率は「同じく取得したアイテムの数」がパーセンテージで表示される形となる。
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スコアも記録対象であり、ゲームオーバーになるまで稼いだハイスコアが記録される。ただしステージ別でのハイスコア記録は非搭載。
 
 
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ご当地キャラについて
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各ステージのどこかには「ご当地キャラ」がソフィアを待っており、彼らを救出する事が本作における二次目的となる。
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ご当地キャラは見つけなくともステージクリアは可能だが、救出しておくとタイトル画面やエンディングに華やかな変化が起こる。
 
 
評価点
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アクションゲームとしての安定感
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横スクロールアクションとしてはスタンダードなもので、難解なシステム抜きでプレイできる安定感がある。
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全体的にジャンプアクションと迷路探索が重視された内容で、場合によっては謎解きチックな操作を要する。一方で敵を倒す場面はあまりない。
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各ステージの構造は適度な長さで、極端にクリアが長期化する事はほとんどない。下記の問題もあるが、頑張ればいつかはクリアできる難易度に留まる。
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操作性は原則良好で軽快な操作が可能。またステージ開始前のロード中にゲームに関するチュートリアルが挟まれるため、プレイが混乱する心配も薄い。
 
 
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クオリティの高いドットグラフィック
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グラフィックはSFC時代を彷彿とさせるレトロチックなもので、ソフィアを筆頭とするドットのクオリティは非常に高い。
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ステージ背景の多彩さや書き込みも見所の一つで、幻想的なステージの数々を冒険している感が大きい。ご当地キャラ一斉集合の絵面は一見の価値あり。
 
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ゲームに調節影響するものではないが、「戦闘(?)服」「防寒服」「巫女服」とステージによってソフィアの衣装が変わる演出あり。
 
問題点
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画面の状況が分かりにくい
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敵や落とし穴などが画面に隠れる形で表示されている場面が非常に多く、先の見えないダメージやミスに遭遇しやすい。
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具体的には「段差だと思われた地形が落とし穴だった」「見えない敵やトラップが何の前触れもなく出現」などのアクシデントに見舞われがち。
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一応は視野調整による先の確認は可能だが、調整範囲がほんの少ししか行えないため、どの道先の確認は困難。結果理不尽気味なダメージやミスが頻発する。
 
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これだけならば「あらかじめパターンを覚えれば…」という解決方法がありそうだが、下記の問題点が絡んでくるのが厄介。
 
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強すぎるランダム性
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敵やトラップなどの動きにかなりのランダム性があり、パターン攻略が全くといっていい程に通用しない。
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さらには無駄にトラップの配置が多い場面もあり、ランダム性の強さも相まってノーダメージで潜り抜けさせる気が感じられない。
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それに加えダメージを受けるとソフィアが大きく吹き飛ばされる仕様で、ダメージ後に近場の落とし穴へと転落という死亡フラグが至るところで発生する。
 
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先の見えにくさも相まって理不尽なダメージやミスが頻発し、どう考えてもまともなゲームバランスではない。
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このためノーコンティニューを目指すとなると半ば運ゲーと化すが、ステージ全体がそう長くないためコンティニューを繰り返せばクリアは難しくない。
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無限&途中コンティニューによるミスの繰り返し前提のようなゲームバランスで、わざわざ残機制を採用する必要であったのかといわれるとかなり疑問に思える。
 
 
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残念な不具合の数々
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ソフィアが動く(崩れる)系の地形に乗ると、ジャンプ入力が効かなくなる現象が多発する。
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これ系の地形は落とし穴とセットになっている場面がほとんどなので、明らかに地形に乗っているにもかかわらず転落ミスという理不尽に陥ってしまう。
 
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ハートゲージが尽きるとソフィアがもがくモーションが発生するのだが、この間にもやられ判定が残っている。
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このやられ判定中に敵等に触れると吹き飛ばしが延々と発生し、ミスとして扱ってくれない。状況によっては吹き飛ばしの連鎖で最悪ゲームが詰む。
 
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ゲーム中の音量がかなり大きく、橋が崩れ落ちる効果音では音割れが発生する。
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しかし、設定メニューに「音量の調整」が無いため、TV側のボリュームで音を小さく出来ても、音割れを避けることはできない。
 
 
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ご当地キャラの存在感の薄さ
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ご当地キャラとソフィアとの絡みがほとんど描かれず、キャラ単体の会話シーンもごくわずかなため、ご当地キャラの存在感が浮いている。
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ゲーム内ではせいぜい背景キャラ程度の存在でしかなく、ストーリー描写自体が非常に淡泊な事もあって、とってつけたような存在にしか見えない。
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そもそも黒幕的な存在がおらず、ご当地キャラに何かの危機感が迫っている訳でもないため、彼らを頑張って救出しているという実感が沸きにくいのも批判材料。
 
 
総評
横スクロールアクションとしての遊びやすさを持つ反面、納得のいかないダメージやミスに遭遇しやすいゲームバランスの雑さも目立つ一作。
作中の雰囲気は上々でソフィア達の可愛らしさは魅力的だが、ご当地キャラの存在感がどうも浮いているのは微妙なところ。
最終更新:2024年01月25日 08:58