RIDERS REPUBLIC
【らいだーず りぱぶりっく】
ジャンル
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スポーツ
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対応機種
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プレイステーション5 プレイステーション4 Xbox Series X/S (ダウンロード専売) Xbox One (ダウンロード専売) Windows (Epic Games Store)
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発売元
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ユービーアイソフト
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開発元
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ユービーアイソフト アヌシースタジオ ユービーアイソフト ベオグラードスタジオ ユービーアイソフト ベルリンスタジオ ユービーアイソフト キエフスタジオ ユービーアイソフト プネスタジオ ユービーアイソフト モンペリエスタジオ ユービーアイソフト オデッサスタジオ
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発売日
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2021年10月28日
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定価
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通常版: 8,290円(税別) ゴールドエディション: 13,200円 アルティメットエディション: 15,040円
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プレイ人数
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【PS5/XSX/Win】1~50人 【PS4/One】1~20人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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備考
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日本語音声非対応
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判定
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良作
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ポイント
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オープンワールドエクストリームスポーツ スリルとスピード感溢れる体験 最大50人の同時マルチプレイ 実在企業20社以上とコラボ 挙動や操作性にはかなり癖がある
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概要
フリースタイルスキーやマウンテンバイクといったエクストリームスポーツとオープンワールドを組み合わせた異色のスポーツゲーム。システム的には『Forza Horizon』シリーズに近い。
ヨセミテやブライスキャニオンなどアメリカの国立公園を組み合わせたオープンワールド「Republic」の各地で開かれるレースイベントに参加して名を上げ、イベント「Riders Ridge Invitational」に参加するのが目的。
RED BULLやSALOMONといった実在の企業とコラボしており、スポンサーとして企業の名を冠した大会なども存在する。
ちなみに本作は、『ASSASSIN'S CREED』シリーズや『FARCRY』シリーズなどの大人向けタイトルで知られるユービーアイソフト製としては珍しいCERO:A(全年齢対象)タイトルである。
メイン開発は過去にオープンワールドウィンタースポーツゲーム『Steep』の開発をメインで務めたユービーアイソフト アヌシースタジオで、同作の続編とも言える。
なお、本記事における操作方法はPS5/PS4版を基準とする。
特徴・システム
競技
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本作でプレイできる競技はバイク系(自転車)、スノー系(スキー・スノーボード)、エアリアル(ロケットウイング・ウイングスーツ)の3種目。さらに各系統でトリック(技)の合計ポイントを競うトリック系と、順位やタイムを競うレース系に分類される。また、バイク系とスノー系はコースの環境によってさらに細分化される。いくつかの競技を組み合わせた複合競技「マルチスポーツ」やギヤ(後述)が固定される「フォースド・ギヤ」も存在する。
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バイク系
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自転車を使った競技。
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トリック系は急斜面を駆け下りながらトリックを決めていく「フリーライド」と平地や比較的緩い斜面に設置されたコースでトリックを決める「スロープスタイル」に分類される。
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レース系はフリーライドと同じく急斜面を駆け下りて順位やタイムを競う「ダウンヒル」と舗装された道路などを使う「ロード」に分類される。
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スノー系
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スキーやスノボを使った競技。
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トリック系はスキー場のコースやハーフパイプを使う「スノーパーク」と人の手が入っていない斜面で岩などを使ってトリックを決めていく「オフトラック」に分類される。
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レース系はスキー場のコースを滑降する「ダウンヒルスキー」と、オフトラックと同じく人の手が入っていない斜面を滑り降りる「ディープスノー」に分類される。
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基本的にスキーとスノボは区別されていないのでイベントにはどちらでも参加できるが、ダウンヒルスキーだけは名前通りスキーのみで一部の例外を除きスノボが使えない。
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エアリアル系
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ロケットウイング:ロケットを内蔵したウイングを背負って空中を飛翔する。イベントはタイムや順位を競うレース系に分類される。
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ウイングスーツ:ムササビのように高所から滑空する。障害物などに接近して飛行するなどのパフォーマンスでポイントを稼ぐトリック系に分類される。
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トイ系
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競技ではほとんど使わない、移動用のギヤの総称。
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スノーモービルやパラモーター、DLCで使用可能なロケットバイクなどが分類される。
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バイクにせよスキーにせよ性質上斜面の登りに弱いので、登坂時などの移動速度を補ってくれる。
基本操作
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共通操作
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R2を押し続けると加速、L2を押すと減速・ブレーキ。また、L2を押しながら左右でドリフトとなる。
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R1でトラックバック(プレイの巻き戻し)ができ、失敗したと思ったら巻き戻してプレイ可能。ただし時間経過はそのまま。
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ギヤ固有操作
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バイク系はL1でスプリント。通常より加速できるが、当然スタミナゲージを消費する。ゲージは漕ぐのをやめると回復していく。
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スノー系はL1でスタンスの切り替え。スキーの場合は前向きと後ろ向き、スノボの場合はレギュラーとグーフィーを切り替える。
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ロケットウイングではL1でブースト。ゲージが持続する間はより高速で飛翔できる。また、十字キーの下でパラシュートを開き着陸する。
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ウイングスーツではL2がブレーキに相当するスローモードとなり、ゲージを消費して減速し高度が上昇する。ロケットウイングと同じく十字キーの下でパラシュートを開き着陸する。
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トリック
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バイク系やスノー系は、ジャンプ台などでタイミングよくボタンを押すとジャンプし、そこからコマンド入力で様々なトリックを繰り出せる。
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〇、×、□、△それぞれが前後左右のローテーション(回転)に対応しており、ジャンプした時のボタンと空中での入力でサイドスピンやフロントフリップ(前方宙返り)、バックフリップ(後方宙返り)などが出せ、着地に成功すると繰り出したトリックに応じたポイントがもらえる。
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ジャンプ中にL2やR2と左アナログスティックの組み合わせで、ローテーション以外の様々なパフォーマンスを繰り出す。単独ではそれほど高いポイントはもらえないが、ローテーションと複合で出せる。
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スノー系はレールなどを使ったグラインドも可能。グラインド中はポイントが加算されていくほか、他のレールに乗り換えたり〆にローテーションを決めたりすることもできる。
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着地はオプションで自動と手動を切り替え可能。自動の場合は着地に失敗しなくなるがボーナスがもらえない。手動の場合、ボタンを押し続けるなどで着地姿勢を自分で制御する必要がある。当然ながら着地に失敗すると転倒しポイントはもらえないが、成功すれば姿勢に応じたボーナスポイントがもらえる。
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レース中に新規のトリックを成功させた場合はNEWボーナスとしてボーナスポイントが加算される。高得点を狙うなら、同じトリックを何回も決めるのではなくできる限り違うトリックを決めるのがセオリー。
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同じトリックとみなされる定義は、ローテーションは「回転角度・方向・スタンスがすべて同じトリック」であること、それ以外は「レース中に一度でも成功させたトリック」となる。
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スノボでのローテーションを例にとると、「レギュラーでの前方1回転」を2回決めた場合は2回目以降が同じトリックとみなされNEWボーナスが加算されない。それに対し、「レギュラーでの前方1回転1回目、レギュラーでの前方2回転1回目、グーフィーでの前方1回転1回目、レギュラーでの後方1回転1回目」などは互いに別のトリックとみなされ、それぞれでNEWボーナスが加算される。
レースイベント
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基本ルール
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コース上に設置されたチェックポイントを通過していき、ゴールに当たるチェックポイントを通過すると終了。チェックポイントを通過し損ねると強制的にプレイが巻き戻され、チェックポイント直前から再開となる。特にレース系では致命的な遅れになりかねないので注意が必要。
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トリック系では定められたゴールがなく制限時間内にどれだけポイントを稼げるか、といったものも存在する。
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レースを完走することで☆と経験値が貰える。
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☆の数が一定値に達することでスポンサーや競技のアンロックされる。イベントの場合はサブ目標を達成することで追加で貰える(1回のみ)。他にも、スポンサー契約を達成するなどでももらえる。
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経験値は貯めていくと競技ごとのキャリアレベルが上がり、新しいギヤやイベントがアンロックされていく。
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スタント
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各地にある一種のチャレンジモード。チェックポイントを通過してゴールにたどり着くのは共通だが、時間制限が設定されている。
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コースも細い一本橋を超えたりとかなり難度が高いが、初回クリアで☆が5つ貰えるので自信がついてきたら挑戦してみよう。
ギヤとコスチューム
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ギヤはイベントで使用するバイクやスキー板などの装備。基本的に種目ごとに分かれており、対応しない種目で使うことはできない。ゲームを進めることでより高性能なギヤが獲得できる。
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他にもアイスクリームワゴンやら木の板スキーなどといったネタ装備があり、それらはファンキーズと呼ばれるカテゴリに分類される。性能面でもかなりピーキーだったり低めのものが多いが、トリック/レース関係なく使用できる。
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バイク系とスノー系のコスチュームは競技に合わせて個別設定可能。外見のみで能力には影響しない。
マップ探索
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レースに参加していない場合はマップを自由に探索可能。ギヤの着脱や別のギヤへの切り替えも自由。
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各ポイントへのファストトラベルの他、マップカーソルを合わせた場所にヘリで直接向かうこともできる。
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ただしヘリの使用は専用のチケットまたはゲーム内通貨が必要なので、基本はファストトラベルを使うことになる。
スポンサー契約
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一種のデイリーミッション。前述のように本作ではRED BULLなどの実在の企業とコラボしており、スポンサーとして登場する。
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スポンサーごとに様々な課題が設定されており、クリアしていくと企業の名を冠したギヤやコスチュームが手に入る。
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課題は日ごとに3種類で、一度にチャレンジできる企業も最大3社分となる。デイリーが完了したスポンサーは別のスポンサーに切り替えて再度チャレンジもできるが、一度切り替えると現実時間で2時間変更できなくなるのでタイミングにも注意が必要。
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なお、ミッションの更新時間は一般的な0:00ではなく22:00となっている。
SHACKDADDYチャレンジ
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Republicで活動しているライダー集団「SHACKDADDY BANDITS」が主催しているという設定のチャレンジで、こちらはウィークリーミッションにあたる。
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こちらも達成するごとに様々な報酬が貰えるが、ミッションを開放するのにお金が必要。
クリエーション
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静止状態から30秒以上ギヤを使用して移動すると、その軌跡をレースイベントとしてアップできる。
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チェックポイントの設置場所やレース/トリックの種目設定も可能。名前もある程度自動生成してくれる。
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自分で作ったイベントのテストや他のプレイヤーが作成したイベントもプレイできる。
評価点
スリルとスピード感満点のエクストリームスポーツ体験
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レースでは100km/h近くにおよぶ速度でかっ飛ばし、トリック系ではかっこよくトリックを決めたりと、現実ではオリンピックなどでしか見られないエクストリームスポーツを疑似体験できる。
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大ジャンプからバックフリップやロデオなどの大技を決めつつ完璧に着地できた時や斜面を猛スピードでかっ飛ばす快感は病みつきになること請け合い。
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視点を主観に切り替えれば臨場感はさらに増す。なお視点を主観に切り替えていてもローテーション中のみ自動で三人称視点に戻るので3D酔いにはなりにくい。
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ただイベントに参加しているだけでも楽しいが、勝とうと思うとそれなりの練習や操作への習熟が必要になる。また、イベントが違えば当然コースも異なるので、コースの特性に合わせたギヤの選定などコースへの理解も必要とやり込み要素としても十二分に機能している。上達してきたら難易度を上げてキャリア経験値ボーナスを狙うも良し。
探索要素
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一辺およそ16kmという広大なマップはヨセミテ、キャニオンランズ、セコイア、ザイオン、ブライスキャニオン、グランドティトン、マンモスマウンテンスキー場といったアメリカの国立公園を組み合わせた独特なもので、雪山のすぐ南に荒涼とした渓谷や砂漠が存在するなど良い意味でごった煮的な雰囲気を出している。
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各地の有名なビューポイントを訪れることもでき、映像での解説もしてくれる。
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他にも、レリックと呼ばれる特殊なギヤが手に入ったり、本作のロゴを模したバルーンが配置されていたりと収集要素も多い。
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時々熊などがいるが、本作はCERO:Aなので襲ってくることは一切ない。
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オープンワールドゲームとしてはロードもそこそこ速い。
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探索時はギヤの切り替え・着脱は自由。砂漠でスノーモービルを乗り回したり雪山でバイクに乗ったりといったこともできる。
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ロケットウイングでかっ飛ばしたりパラモーターでのんびり空中散歩を楽しんだりと、空も自由に探索できる。
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マップからイベントを選択すると自動で最寄のポイントにファストトラベルしてくれるので移動も快適。
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デスペナルティなども一切なく、高所から落下してもジャンプの着地に失敗したときと同じく転倒するだけなので迂回などを気にする必要もない。
アサシンより頑丈とか言わない。
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自由探索する他プレイヤーのゴーストを表示できるので、ソロでもマルチプレイ気分が味わえる。
自由度の高さ
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マップを好きなように探索し、気になったイベントに参加するだけでゲームが進むので、自分の好きなようにゲームを進めることができる。
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上達してサブ目標やスタントをクリアできるようになればより効率的に進められるが、イベントをクリアできなくて詰むといったことは起こりえない。時間をかければいつかはクリアできるようになっている。
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イベントについても、前述のようにチェックポイントさえ通過すればそれ以外のルートは自由なので、自分だけのベストルートを見つける楽しみもある。
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むしろトリック系の場合は正規コース以外のジャンプポイントを使ってトリックを決めるのも重要になる。
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レース中もギヤの着脱が可能。一見意味がないように思えるが、向きを微調整したり岩などに引っかかった時の脱出手段にするなど、使い方次第でイベントやスタントの安定性が大きく増す。
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クリエーションも自分の探索から簡単にイベントが作成できるので、こういったことにあまり慣れていないプレイヤーでも簡単にオリジナルコースが作成・投稿できる。
マルチプレイ
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ソロでも十分楽しめるが通常のレースイベントはPvPにも対応しているほか、マルチプレイ専用のモードも用意されており、PS5などでは最大50人(PS4などでは最大20人)同時対戦も可能。
賛否両論点
コスチューム
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普通のウェアもあるが、着ぐるみなどネタ枠も多いため、デザインについては人によってやや好みが分かれる。
問題点
操作性
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現実に近い挙動を再現しているのか、総じて操作性や挙動に癖があり慣れるまでは扱いが難しい。意図しない方向にジャンプしたりしてチェックポイントを逃し、巻き戻されることもしばしば。
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特にエアリアル系は挙動に加えカメラワークが独特で垂直方向が確認しづらく、探索である程度癖を掴んでおかないとイベント完走もおぼつかない。
カメラワーク
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レースの速さに対してカメラの回転が追いついておらず、急カーブを曲がった時などにあらぬ方向を向くことがある。
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トラックバックも微妙に慣性が乗る上にカメラのアングルが勝手に切り替わるので、解除直後の調整がやりづらい。特にスタントではこの仕様のせいでリカバリしづらい。
マルチプレイありき
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ゲームの性質上ある意味仕方ないが、マルチプレイ限定のモードなどもあるため、隅々まで楽しむならPSplusなどの加入が必須になる。
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スポンサー契約やSHACKDADDYチャレンジにもマルチプレイ前提の内容があるため、ソロの場合はそちらでもやや不利になる。
マップ
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2Dマップの拡大倍率がやや低く、地形の確認などがやりづらい。細かい確認をするときは3Dマップに切り替えればよいが、3Dマップは広域が表示できないので一長一短。
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イベントとファストトラベルのポイントが重なっている場所も多く、純粋にファストトラベルだけしたい場合に地味に面倒。
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レース中のミニマップがなくコンパスだけなので、コースをしっかり覚えないとチェックポイントを見失いやすい。
イベント形態
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☆を集めるイベントが一部期間限定で、それまでに集められなかった場合は報酬がもらえない。
総評
家にいながらアメリカの国立公園の絶景や爽快感抜群のエクストリームスポーツを楽しめる。
ソロでテクニックを磨くもよし、マルチプレイでハチャメチャなレースを楽しむもよし、広大なマップをのんびり探索するもよしと、ソロでもマルチでもやり込み甲斐は十分。
操作性やカメラワークは慣れるまで大変だが、慣れさえすれば十二分に楽しめるだろう。
最終更新:2023年11月12日 15:15