ななみとこのみのおしえてA・B・C
【ななみとこのみのおしえてえーびーしー】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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【無印/りにゅーある】Windows 98~XP 【HDワイドスクリーン版以降】7/8/10
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メディア
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DVD-ROM
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発売元
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株式会社メビウス
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開発元
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Studio Ring
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ディスクレス起動
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【無印】不可 【りにゅーある版以降】可能
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発売日
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【無印】2003年12月26日 【りにゅーある】2005年10月21日 【HDワイドスクリーン版】2010年10月29日 【DVDPG版】2011年2月10日
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レーティング
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アダルトゲーム
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配信
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FANZA:2010年10月29日/2200円 DLsite:2010年11月5日/2200円
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判定
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良作
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ポイント
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ほのぼのとした世界観 豊富なシリーズファンサービス システム周りはやや不便
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概要
ロリ趣味のプレイヤーを狙い撃ちにし、一世を風靡した、
『はじめてのおるすばん』『はじめてのおいしゃさん』に続く、『はじめてシリーズ』第3弾。
シリーズの良さを引き継ぎつつ、主にビジュアル面などで正当進化を遂げた。
あらすじ
アナタは暇な大学生。
近所には大の仲良しさんの双子の美少女・西村ななみちゃん、このみちゃんが住んでいます。
ある日、二人のお母さんから夏休みの家庭教師をお願いされました。
「…ななみ、おにいちゃんとお勉強したいな」
「このみに勉強教えてくれる、おにいちゃん?」
もちろん、おにいちゃんは即答です。「いいよ、僕でよければ喜んで」
「わぁ…よかった…」
「わぁーい、やったーっ!」
こうして夏休み中、毎日ななみちゃんとこのみちゃんにお勉強を教えるコトになったのです。
(公式サイトより引用)
特徴
選択肢でEDが分岐する、オーソドックスなADV。EDはグッドEDが4つ、バッドEDが2つ。
舞台は7/23~8/5までの夏休み期間。
攻略ヒロインは二人のみだが、ほぼ毎日何かしらのお色気イベントが起こる。ロリに特化した抜きゲー。
キャラクター紹介
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クリックで開閉
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井上雅尚(いのうえ まさなお)
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主人公。幼くして両親を亡くしており、ずっと一人で暮らしてきた。
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それ故、孤独を埋めてくれた西村姉妹に深く感謝しており、大切にしたいと思っている。
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名字/名前ともに変更可能。ヒロイン達からは「おにいちゃん」としか呼ばれないので、ボイスに影響は無い。
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後述の二人を含め、男性陣のボイスは無い。
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西村ななみ(にしむら ななみ)
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本作のメインヒロインその1。長いツインテールと白いワンピースが似合う、清楚で控えめな少女。
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かなり不器用で、家事などをすると大体失敗する。その為か、自己肯定感が少し弱い。
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勉強は得意。特に記憶力は並々ならぬものがある。
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意外と心霊現象は平気。むしろお化けは大好き。
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自分で即興で作った歌を口ずさむ癖がある。
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西村このみ(にしむら このみ)
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本作のメインヒロインその2。ななみの双子の妹。ショートツインテとスパッツがトレードマークの元気一杯な少女。
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家事全般が大得意。料理上手なのは勿論、掃除なども非常に効率の良いやり方で器用にこなす。
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運動神経抜群で、ゲームも得意。一方で勉強は大の苦手。
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人見知りせず、誰とでもすぐ仲良くなれる性格。反面、実は繊細で傷つきやすい一面がある。
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ななみとこのみの父親は、数年前に他界している。
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観月しおり(みづき しおり)
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前々作『はじめてのおるすばん』のヒロインその1。真面目で大人しい少女。
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観月さおり(みづき さおり)
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前々作『はじめてのおるすばん』のヒロインその2。勝ち気で強がりな少女。
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遠藤宏(えんどう ひろし)
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『はじめてのおるすばん』の主人公。本作主人公と同じ大学に通う先輩。
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卒論の為海外に行っており、観月姉妹とは長らく会っていない。
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朝倉ゆうな(あさくら ゆうな)
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前作『はじめてのおいしゃさん』のヒロインその1。ななみに輪をかけて天然なドジっ子。「ふに~」が口癖。
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朝倉まいな(あさくら まいな)
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前作『はじめてのおいしゃさん』のヒロインその2。気が強く負けず嫌い。身体が弱い。
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西村姉妹・観月姉妹・朝倉姉妹は全員クラスメート。
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上村雅文(うえむら まさふみ)
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『はじめてのおいしゃさん』の主人公。実は本作主人公の親戚。
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開業医だが、最近は人手不足の大学病院を手伝っている為、留守にしがち。
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評価点
ほのぼのとした優しい世界観
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特に大きな事件は起こらず「主人公と双子姉妹の幸せな日常」を徹底的に描く内容となっており、抜きゲーでありながら温かみのある空気感が作品全体を覆っている。
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R-18シチュエーションは全て和姦で、姉妹とのラブラブっぷりが感じられるものばかり。
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日常シーンや、R-18要素のないイベントでも「大好き」「ずっと一緒にいようね」などとイチャイチャし合う。
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姉妹の誕生日に主人公が2人への感謝を綴った手紙を渡すイベントや、遊園地で姉妹から「いつも一緒にいてくれてありがとう」と言われて泣きそうになるイベント等は、抜きゲーらしからぬハートウォーミングストーリーでホロリと来る。
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主人公も姉妹も幼くして親を失っており、互いが互いを心の支えにしていることが節目節目で感じ取れる。こういった背景が「泣き」展開に説得力を持たせている。
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OP曲「ちっちゃな恋」、ED曲「けせらせら」はどちらも、女児向けアニメ主題歌のような優しい曲調と歌詞。曲単体としても評価が高い。
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OPがヒロイン達から主人公へ、EDが主人公からヒロインへ向けたラブソングで、対になっている。
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他のBGMや背景グラフィックにもどことなく可愛らしさがあり、ほのぼのとした雰囲気をかもし出す。
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UIもクレヨンのような独特なフォントが使われており、温かさを強調している。
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前作までの「双子のどちらかが強気な性格」というお約束を廃し、2人とも優しさを前面に出した性格であることも、世界観形成に一役買う。
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さおり/まいなのポジションにあたるこのみには「元気で活発な子」という部分だけが受け継がれている。
グレードアップしたグラフィック
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塗りが今風の綺麗なものになった他、服装などのディテールにも拘るようになり、ロリキャラの可愛らしさが一層引き立つキャラデザになった。
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姉妹の部屋も、ぬいぐるみやガーリーな小物などが丁寧に描き込まれており「女の子の部屋」という雰囲気がよく出ている。
豊富なR-18シチュ
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バリエーション豊かなシチュエーションが毎日楽しめて飽きさせない。一枚絵や声優の演技も質が高く、実用性も文句なし。
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はじめてシリーズの特徴である、豊富な衣装チェンジも健在。
シリーズファン感涙のサービス要素
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前々作の観月姉妹/前作の朝倉姉妹が、序盤に立ち絵/一枚絵つきで登場。
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登場時、該当作のOPのインスト版が流れる演出もファンには嬉しい。
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さらに…
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ネタバレのため折り畳み
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特定条件を満たすと「みんなED」に分岐し、過去作ヒロインにスポットを当てたエピソードが1人ずつ展開される。
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1人のエピソードにつき、通常イベント3日分程度の文章量があり、「ただのおまけ」とは到底言えない程に力が入っている。
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内容も「海外にいるお兄ちゃんに送るビデオレターを撮る」「仕事が忙しいお兄ちゃんの為にクッキーを焼いて差し入れる」「本作ヒロインと前作ヒロインが喧嘩」など多岐に渡る。しかもどれも内容が濃く読み応えがある。
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それでいて本作ヒロインの西村姉妹も決して空気化せず、各々の強みを活かして活躍したり、存在感を見せたりしてくれる絶妙なさじ加減。
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序盤の顔見せ時と本エピソード内で、過去作ヒロインの性格はしっかり描写されるので、過去作をやっていなくても問題なく楽しめる。
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各エピソードの最後には、R-18シーンもしっかり入る。
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相手は過去作の主人公。「他の男性には身体を許さない」点も、過去作の設定を尊重しておりポイントが高い。
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問題点
一枚絵どころか立ち絵すらないシーンの多さ
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主にR-18シーンに多い。背景に文章とボイスが流れるだけ。
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該当シチュにはフェティッシュなものやマニアックなものも多い為、非常に勿体ない。せめて立ち絵だけでも入れてくれれば臨場感が高まったのだが。
やや不便なシステム
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オートモードは無い。
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バックログはあるが、ボイスの再生は不可。
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セーブ画面でゲーム内日付の確認が出来ず、どのシーンのセーブだったかわかり辛い。
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サムネイルも表示されているが小さ過ぎてテキストが読めない為、背景や立ち絵の服装で類推するしかない。
ゲームが全体的に重い
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このせいかボイスが再生されなかったり、ロードに失敗してフリーズしたりといったことが時折起こる。
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特にボイスはバックログから聞き直せない為、せっかくの萌え台詞を聞き逃してしまう。
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セーブ/ロード画面のサムネイル表示にも少々時間がかかる。
ボリューム不足
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抜きゲーでシナリオ重視でないことを考慮しても短く、あっさり終わってしまう。フルコンプまで20時間かからない程度。
総評
前々作・前作で積み上げられたものを堅実に活かし、要望にも全力で応えるという、ファンの方をしっかり向いて作られた作品。
双子達の小動物のような愛くるしさは、現代基準で見ても色あせていない。
システム面・演出面での不満はあるが、今ならDL版が安く手に入るので、絵柄が気に入ったなら値段分は十二分に楽しめるはず。
抜きゲーに興味がなくともロリキャラ好きならば、全力で懐いてくる双子姉妹の可愛さに癒されてみるのも良いだろう。
その後の展開
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2005年10月28日、シリーズ第4弾『はじめてのおてつだい』が発売。本作の西村姉妹も、過去作ヒロインとともにゲスト出演している。
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2005年10月、画面解像度を800×600に変更し、ディスクレス起動等に対応した『ななみとこのみのおしえてA・B・C ~りにゅーある~』が発売。
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2010年10月、解像度を1280×720に変更した『ななみとこのみのおしえてA・B・C HDワイドスクリーン版』が発売。DL版はこのバージョンをベースにしている。
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2011年2月、DVDPG版が発売。
その他
スタッフロールで『青紫』の名前がある事から、元Leafの超先生こと故竹林明秀が参加し、今作が2003年に亡くなった竹林の遺作になったのでは?
とネットで騒がれたが、2010年にビジュアルアーツの馬場隆博がそれを認めるツイートをしている。
最終更新:2022年06月06日 10:06