バンドリ! ガールズバンドパーティ! for Nintendo Switch
【ばんどり がーるずばんどぱーてぃ ふぉー にんてんどー すいっち】
ジャンル
|
リズム&アドベンチャーゲーム
|

|
対応機種
|
Nintendo Switch
|
発売元
|
ブシロード
|
開発元
|
Craft Egg ロケットスタジオ
|
発売日
|
2021年9月16日
|
定価
|
7,678円
|
プレイ人数
|
1人
|
セーブデータ
|
1個
|
レーティング
|
CERO:B(12才以上対象)
|
判定
|
良作
|
ポイント
|
ソーシャルゲーム要素を撤廃したガルパ バランスの良い調整と上質なグラフィック コンプ前提なら本家の課金より割安 あくまでシーズン1までの移植
|
概要
ブシロードが展開するメディアミックスコンテンツ「BanG Dream!」(バンドリ)のスマホゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』(略称は「ガルパ」、以下「スマホ版」と表記)のコンシューマ機版。移植にあたって多人数プレイと課金要素は完全に廃止され、無課金かつ1人で遊びきれるようになっている。
当初の収録内容は、スマホ版のシーズン1までのものであった。その後2022年1月にシーズン2の内容の一部を追加するDLC「シーズン2パス」が2,800円で配信された。
ストーリー
プレイヤーはライブハウス「CiRCLE」のスタッフ。オーナーはガールズバンドを集めたライブイベントを発案するが、参加希望が出ない状態が続いていた。
そんな中、バンド「Poppin' Party」のリーダーである戸山香澄が押しかけてくる。プレイヤーがライブイベントについて話すと、香澄たちは参加を快諾。Poppin' Partyのメンバーは他の参加バンド探しを任され、ライブに向けて奔走することに。
(シーズン1のメインストーリー部分の要約)
システム
-
原作であるスマホ版と同様に「プレイヤーランク」が存在し、ランクが上がる事でストーリーが解放されていく。
-
また、バンドごとに「バンドランク」も設定されており、所属しているキャラを使用してでライブを行ったり、ホーム画面で会話を見ることで増えていく。
-
基本的には上記2つのステータスを上げていってストーリーを完遂することを目指す。
-
移植にあたり、スタミナおよびスマホ版の課金アイテム「スター」の要素は全て消去されている。
ホーム
-
ホーム画面であるとともに、キャラの会話を視聴できるスペース。ショップでの商品購入やエリアアイテムの設置もここで行う。
-
「CiRCLE」「カフェテリア」など数個のエリアに分かれており、それぞれで個別の会話が用意されている。
-
会話はストーリーと別に存在し、読むことでわずかに自分とバンドのEXPがもらえる。未読の会話には「NEW」と表示されている。
-
一部のエリアには「エリアアイテム」と呼ばれるオブジェクトを設置できる。これを置くと対象のバンドのパラメータ上昇効果が得られる。
-
エリアアイテムはコインを使ってレベルアップでき、上昇効果がより大きくなっていく。
ライブ
-
7本のレーンにノーツが流れてくる。ノーツは普通にタッチすれば良い「シングルノーツ」、2つ同時にタッチする「ダブルノーツ」、連続する最後のノーツまでタッチし続ける「ロングノーツ」「スライドノーツ」、上下左右どれかにフリックする「フリックノーツ」の5種類。
操作方法はスマホ版同様のタッチ操作のほか、コントローラーのボタンを押すボタン操作、Joy-Con2本持ちで振ってプレイするJoy-Con操作があり3種類から選べる。
-
ボタン操作の場合、スライドノーツやフリックノーツのスライド操作は省略される。フリックノーツはL/R/ZL/ZR、それ以外は十字ボタンもしくはA/B/X/Yのボタン押下に対応する。
-
Joy-Con操作の場合はどのノーツもJoy-Conを振ることでタッチの扱いになる。ロングノーツ・スライドノーツのみ、起点でL/R/ZL/ZRを押しながらJoy-Conを振り、終点までボタンを押し続ける必要がある。
-
タッチのタイミングによってMISS・BAD・GOOD・GREAT・PERFECTの評価がなされ、GREAT以上ならばコンボが続く。
-
スキル(後述)によっては「BAD以上がすべてPERFECTになる」という補助効果を持つものもある。
-
画面右上にはライフが表示されており、BAD以下だと減っていき0になると演奏終了になってしまう。なおスマホ版ではスター消費によるコンティニューができたが、本作ではスターがないのでできない。
-
スコアは各ノーツの評価のほか、各バンドメンバーの総合力によってより高まる。また、ホームに設置しているエリアアイテムによってもボーナスが生じる。
-
譜面はスマホ版のEASY・NORMAL・HARD・EXPERTに加え、Joy-Con操作向けに新規作成された「Switch」を収録する。
-
楽曲クリア後、スコアやコンボの達成度によって達成報酬が得られる。
ストーリー
-
バンド結成の経緯やメンバーの交流を描く「バンドストーリー」、その名の通りの「メインストーリー」、スマホ版で開催されたイベントストーリーをなぞる「イベントストーリー」の3種類がある。
-
イベントストーリーはバンドランクを上げることで解放されていく。
バンドとメンバー育成
-
メンバーは☆〜☆☆☆☆まで4段階のレアリティがあり、☆☆☆以上では一枚絵がつく。
-
ライブのためには5つのメンバーを編成した「バンド」を作る。各メンバーの「総合力」を組み合わせたバンドの総合力が、ライブでのスコアに大きく影響する。
-
メンバーにはパワフル・クール・ピュア・ハッピーの4種類の「タイプ」があり、揃えて編成することで総合力がより上がる。
-
また、キャラクターごとに所属する「バンド」(上記の編成グループとしての「バンド」とは別、「Poppin' Party」のような設定上のもの)を揃えることでも総合力が上がる。
-
各メンバーにはレベルがあり、ライブなどでもらえる「練習チケット」を消費することでレベルアップさせられる。また、ライブでのスコアアップなどの効果を持つスキルにもスキルレベルが別にあり、こちらは「スキル練習チケット」の消費でレベルアップできる。
-
☆☆☆以上のメンバーはレベルを最大にすると「特訓」でき、一枚絵が豪華なものになりステータスも大幅アップする。
-
各メンバーには「エピソード」と「メモリアルエピソード」という個別のシナリオがあり、ライブで手に入る「かけら」というアイテムを使って解放できる。
ガチャ
-
「CiRCLEチケット」を使ったCiRCLEチケットガチャ(全メンバーが排出対象)のみ存在する。スマホ版のスターガチャチケットのシステムに近いが、10連を引くことができるという違いがある。
-
排出は未入手のメンバーのみ・ダブりなしという激甘設定となっており根本的にシステムが違う。そのため全種類のカードを出し尽くした場合はComplete!と表示されてもう引けなくなる。
その他
-
コミックでは「もっと!ガルパライフ」「ちょこっと!ガルパライフ」を読むことができる。
-
特定条件を達成するとアイテムがもらえる「ミッション」ではデイリー、ウィークリー等の区分はなく、全て出続けている。
-
プロフィールでは名前や称号を設定できる。
評価点
-
キャラの個性が光るストーリー
-
本作には5つの5人編成バンドが中心となって物語が展開されていく。25人のキャラクター達(DLC購入後は2バンド追加され35人になる。)はキャラ付けがはっきりしており、どのキャラにも魅力がある。
-
プレイヤーはCiRCLEの新人スタッフであるという設定こそあるが主体的に彼女らに接する場面はほとんどないので、この手の作品にありがちなギャルゲー的要素は無く、それらに抵抗がある人でもストーリーを読みやすい。
-
特にバンドストーリー・イベントストーリーはメンバー同士での関わりを多く描いており、応援したい気持ちにさせてくれる。イベントストーリーはスマホ版における実装の関係でイベントストーリーと冠しているが、メインストーリーと言っても差し支えないほどにキャラクターを掘り下げて成長させていく内容がほとんど。
-
メインストーリーでは主人公であるPoppin' Partyひいては香澄が主役の場面が多いが、その他では不自然にならない範囲で各キャラが満遍なく描かれている。
-
質の高い楽曲
-
本作収録の楽曲は「Elements Garden」が手掛けており、聴きごたえのあるものとなっている。
-
バンド毎に特徴のある曲調となっており、幅広く楽しめる。
-
オリジナル楽曲のほとんどが各ストーリーと深く関わっている。ストーリーで活躍したキャラクターの想いがその曲に込められており、ストーリーと共に高く評価されている。
-
カバー楽曲も同チームが編曲をしておりこちらも高クオリティなバンドアレンジとなっている。
-
イベント、会話、メンバーなどをほぼ完全に収録
-
コラボ関係のものを除いた上記の要素は全て収録。ソシャゲの移植としてはバッチリなボリュームを確保している。
-
ガチャでメンバーを集めやすいので、無課金ではアプリリリースから何年経っても手に入らないような☆☆☆☆の一枚絵を好きなだけ集めて楽しむことができる。
-
もちろん会話はフルボイスである。
-
Joy-Con操作が楽しい
-
操作感は良好であり、オススメするだけあってSwitch譜面の曲はJoy-Conで遊びやすい。
-
一枚絵が綺麗
-
スマホ版で好評を博したイラストをそのまま収録しており、移植元と変わらないクオリティの絵を眺めて楽しむことがめきる。
-
ソーシャルゲーム要素を撤廃したことによる調整がきちんと行われている。
-
スマホ版では協力ライブのSSランククリアでも20個が関の山であり集めるのに苦労する「かけら」だが、本作ではソロライブでも各種70個以上余裕でドロップする。
-
ガチャは先述の通りであり、10連ガチャなら☆☆☆☆が5枚以上排出されることも起こる。
-
その他スマホ版と比較しての評価点
-
スマホ版はソーシャルゲームであるためプレイ時にはインターネット接続が必須であり、サーバーメンテナンスの時間帯には一切遊ぶことができない。一方Switch版の本作はオフライン環境で遊ぶことが可能で、メンテナンス等にプレイを阻害されることもない。
-
リズムゲーム部分において、利用するスマートフォンやタブレットといった端末ごとに画面をタップしてから判定が出るまでのタイミングが異なるためオプションから判定調節をする必要が生じていたが、Switch版の携帯モードで動作させる場合ではデフォルトの判定調節設定±0の状態でも最適なタイミングで反応するようになっている。違和感を覚えるようであればスマホ版同様に調節することも可能である。
問題点
-
スマホ版と比べた際のボリュームダウン感
-
本作の発売時点でスマホ版の方は既にシーズン2に入ってから1年半程経っており、楽曲・ストーリーも大幅に追加されている。そのため、両者ともに同時期のスマホ版と比べると少なさが目立ってしまう。
-
特に楽曲に関してはSwitch版が74曲(オリジナル39曲、カバー35曲)なのに対し、本作発売時点でのスマホ版における実装楽曲数が300曲を超えていることを考えるとどうしてもボリューム不足感が出てしまう。権利関係もあってシーズン1中に実装されたカバー曲が全て収録されているわけではなく、Switch版限定楽曲も本作の主題歌「キミが始まる!」の1曲のみとなってしまっている。
-
シーズン2パスで30曲(オリジナル12曲、カバー18曲)追加されるが、それでも物足りなさは感じるであろう。
-
ストーリーもシーズン2における人気イベントストーリーが未収録で終わってしまっているのは勿体ない。
-
シーズン2のイベントも各キャラクターの掘り下げと成長を描いたものは多く、特に初期から「Roselia」の最終目標として言及されていた「FUTURE WORLD FES.」への挑戦を描いた「ノーブルローズ」シリーズが未収録なのは新規ファンにとっては消化不足である。
-
スマホ版はソーシャルゲームということもあって定期的に楽曲・ストーリーが追加されるため、それらに関してはスマホ版の方が優位に立ってしまっている。無論、ソーシャルゲームであるスマホ版と買い切りのSwitch版、どちらが優位であるかという単純な比較ができないのは留意していただきたい。
-
エリアアイテムの交換が煩わしい
-
ある程度メンバーが揃ってくれば単一バンドメンバーでのライブもできるようになってくるが、エリアアイテムはバンド毎にブースト効果が設定されている。別のバンドを使ったライブをする場合、ハイスコア狙いをするのであれば対応したアイテムに全て交換して回る必要がある。
-
ボタン操作にやや難がある
-
Nintendo SwitchのボタンはJoy-Con横持ちの関係から方向ボタンとA/B/X/Yが上下にずれて配置されており、同時に操作することもある本作では噛み合わせが悪く押しづらい。
-
メインのボタン操作の方がL/Rになっていれば良かったのだが…
-
スキル練習のバランスが厳しい
-
スマホ版ではダブったメンバーを使ってスキルレベルを上げることができたのだが、本作ではそれがないためスキル練習チケットによるEXPアップでしか行うことができない。しかしチケットによる上昇量は泣けるほど小さく、かなり工夫して使わないとすぐ枯渇する。
-
この点はもっとバランスを調整してほしかった。
総評
人気スマホゲームであるガルパをソーシャルゲーム要素なしのストレスフリー設計に改め、スマホ版で万単位の課金者が得られるべきコンテンツを存分に味わうことができる一作。
フルプライスであり協力ライブの要素がない点からスマホ版の古参・重課金ユーザーにはオススメし難いが、新規ユーザーやスマホの容量に難のあるユーザーならば、一人で綺麗な絵や熱いストーリーを堪能するのにぴったりである。
ただしシーズン1の内容が本作の殆どを占めており、定期的にアップデートが行われるスマホ版の存在もあるため、どちらをプレイしたらいいかは購入前に検討すべきではある。
余談
-
テレビCMは通常のゲーム内容の紹介版のほか、芸人のなかやまきんに君を起用したバージョンも放映された。
-
15秒版はきんに君の肉体がノーツとして降り注ぐ、30秒版は発売されるか否かを自分の筋肉に問うというどちらもシュールな内容のものであった。
-
コロコロアニキにて本シリーズのコミカライズを連載しているニャロメロン氏もTwitterでツッコミを入れている。
最終更新:2024年03月09日 21:06