【ないと とらっぷ】
ジャンル | バーチャルシネマ(インタラクティブ・ムービー) | ![]() ![]() |
対応機種 |
メガCD 3DO interactive multiplayer |
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発売元 |
【MCD】セガ・エンタープライゼス 【3DO】ヴァージンゲーム |
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開発元 | デジタルピクチャーズ | |
発売日 |
【MCD】1993年11月19日 【3DO】1994年6月25日 |
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定価 |
【MCD】9,680円 【3DO】10,780円 |
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プレイ人数 | 1人 | |
備考 |
英語圏のみスーパー32X版・PC版も販売 2017年からリマスター版を各機種で配信 |
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判定 | 賛否両論 | |
ポイント |
Sega CDのローンチを飾った実写ホラーゲーム プレイヤーは、監視カメラを見守る特殊部隊 侵入した怪物を"トラップ"ですかさず仕留めよう 良くも悪くもB級全開すぎるホラー映像 表現が刺激的すぎてレーティング団体設立の引き金に 人によって名作ともクソゲーともバカゲーとも |
「メガCD」の目玉タイトルとして送り出されたインタラクティブ・ムービー。北米では同ハードのローンチを飾った。(*1)
今作は最新ハードの性能をアピールする役割を果たし、後年では「実写ゲーム」代表格の一つに数えられている。
後継機のスーパー32Xに移植された他、セガの手を離れて3DOやMS-DOSに移植された。このうちメガCD版と3DO版だけが日本でプレイ可能となっている。ただし、メガCD版と3DO版では日本語吹替の声優陣が一新されており、映像鑑賞がゲームの肝となる事もあり別物と把握した方がいい。
メガCD版が日本にローカライズされた際は、『夢見館の物語』と共に「バーチャル・シネマ」と銘打って送り出された。
プレイヤーは監視カメラの視点で家屋を見守り、劇中の怪物を次々と退治していく。
ゲームとホラーサスペンス映画の融合を目指した独特のシステムは、それまでにない斬新な作風として反響を呼んだ。
静かな湖のほとりで、5人の若者が行方不明になった。
若者たちはマーチン家の別荘に招待された後、消息を断っている。
不可解な事件に困惑した警察は、特別捜査機関S.C.A.T.(*2)に捜査を依頼した。
別荘を調査したS.C.A.T.は防犯カメラとトラップによる奇妙な防犯システムを発見し、極秘のうちにシステムを外部からコントロールできるように改造、マーチン一家を監視していた。また若者が別荘に招待される事を知ったS.C.A.T.は、招待客を装って女性隊員ケリーを潜入させる。そして、S.C.A.T.メンバーとなったキミに防犯システムを使って若者たちを守る任務が与えられた。
(3DO版説明書より引用)
+ | 一応ネタバレ注意 |
+ | よく挙げられるツッコミ所一覧 |
+ | 詳細 |
+ | 真エンド条件 |
当時一般的では無かったCD媒体のアドバンテージが大きく活かされた作品。
今作の実写映像がもたらす表現は92年のゲームとしては斬新な物として受け止められ、インタラクティブ・ムービーの名作として高く評価されている。
ただしゲームジャンル自体が人を選ぶ上に、要の映像部分はゲームと見るか映画と見るかで見方が変わる。
まじめにホラーとして恐怖する人もいればバカバカしいB級ドタバタコメディとして楽しむ人もおり、メディアや媒体によって扱いは安定していない。
本wikiの判定で良し悪しを一意に説明するのは難しく、ネット上ではウェブサイトやレビュアーによっても違った感想が飛び出してくる作品である。
確実にわかるのは、そんな作品を送り出した米国セガの野心と、チャレンジ精神の凄さである。
ゲーム業界に影響を与えたホラー要素がどのような物だったのか、それが今の視点だとどう映るのかなど、グラフィックの進化の歴史を知りたい人にとっては新しい発見が待っているかもしれない。
今作は企画成立から発売まで、かなりの時間を要した事で知られている。
以下のソースはYouTubeの『My Life in Gaming』チャンネルで行われた25周年記念インタビュー、および『セガVS.任天堂』より。
以下の情報は主に、英語版Wikipediaの記事と『セガVS.任天堂』を中心に抜粋。
*1 日本では1年近く遅れて発売されている。後述する表現絡みの問題が影響したと見られる。
*2 メガCD版は"Sega Control Attack Team"の略とされており、セガ以外から出されたバージョンだと"Special Control Attack Team"の略とされている。
*3 一部の若者は捕まってもゲームは続くが、遅かれ早かれそれが原因でゲームオーバーとなる。
*4 日本のメガCD版のみ「Trap」、他のバージョンは「Captured」となっている(3DO版以降は7セグメントによる大文字表記)。メガCD版は日本人でもなじみ深い単語になった反面、「Capturedが点滅=捕獲に成功した」という直観的な表現が損なわれてしまった。
*5 アラブ圏以外の人間は、視線を動かす際に左から物を見る習性がある(文字を読むときの癖によるもの)。このため3DO版以降は「部屋を選択する」→「カメラの映像に視線を映す」という動きを直感的にこなす事ができる。
*6 パーフェクトエンド中のみ可能なので、これの為にオーガー全捕獲を成し遂げなければならない。
*7 これは当初発売元になるだったハズブロ社が、厳しいコンプライアンスを要求していたのが由来である。具体的に言うと、今作はバスルームや軽めの着替えシーンがあるのにシャワーシーンは一切ないという、あからさまな自主規制が見られるほど。
*8 ただし状況によってはそのようなプレイをしていた場合護衛対象をトラップにはめてしまうこともあるので注意は必要。
*9 あるシーンではハイタッチしたり、斧で扉を壊したり、シャワー室に隠れて上から外を覗っていたり、そもそも吸血装置を活用したりと、理性の無い怪物らしからぬ行動も取るが。
*10 ちなみにこの隊員も捕獲可能だが、上述の隣人と違って即ゲームオーバーになる。
*11 トニーはケリーを捕まえてトラップの情報を吐かせる。ビクターとシーラはサラが倒された後にケリーを襲う。
*12 日本語版は吹き替えだけなので、この演技を聞く事は出来ない。日本で聞く場合は、メガドライブミニ2にて言語設定を英語にして遊ぶか後述するリマスター版をSwitchの海外アカウント等で入手する必要がある。
*13 ちなみに「オープニングデモを最後まで見届ける=プレイを放棄した」とみなされるゲームは他に『アイドルマスター』が、チュートリアルを最後まで見ると罵倒されるゲームは『michigan』が存在する。前者はアーケードゲーム、後者はゲームオーバーにはならないのでまた事情が異なってくるが。
*14 3DO版は説明書でメモの使用を推奨しているが、メガCD版には特に誘導が無く、ネット上のプレイ動画や当時の雑誌レビュアーの多くはメモ無しで遊んでいるのが確認できる。
*15 3DO版では、説明書であらかじめその存在が仄めかされている。
*16 「もう一度コードを変えましょう。○よ。」という様子。英語音声ではもう少し喋った後に色を言う。
*17 トラップに巻き込まれてしまった隊員が、真エンドではオーガーに対処してくれていたのではないかという推測は可能。しかし救出しても情けなくその場に倒れ込んでしまうので、本当にやってくれたのかは少々怪しい。
*18 実写映像でシューティングを行う、迷作インタラクティブ・ムービー。日本では3DO版しか遊べないうえ、出荷本数が少なくかなりのレアソフトとなっている。こちらは2019年~2020年にかけてPS4/Win/SwitchでHDリマスター版が発売された。
*19 ただ、賛否両論点で上述した通り、捕獲順と侵入順が不同のオーガーもおり、プレビューで正確な順番を把握していたが故に失敗し得るケースもある。
*20 「シチュエーション・コメディ」と呼ばれる物のうち、特に「舞台や登場人物の顔ぶれがほぼ固定」、「登場人物が毎度さまざまな状況・展開で立ち回るという話が中心」となっている基本1話完結のコメディのこと。