• 本項は「6だん」を基準にしています。 「6だんP」(プリンセス編)は4月6日より執筆可能です。


ひみつのアイプリ

【ひみつのあいぷり】

ジャンル トレーディングカードアーケードゲーム
対応機種 アーケード
発売元 タカラトミーアーツ
開発元 タカラトミーアーツ
シンソフィア
稼動開始日 2024年4月4日
料金 1プレイ:100円
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント
プリティーシリーズ

概要

プリティーシリーズ第5世代。今作では「ひみつのアイプリ」と「アイプリバース」の2種類の筐体が同時展開される。
こちらの筐体は「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 クロスブレイド」からのコンバートであり、排出式のカードとなっている。
カードサイズは遊戯王などの小さめのTCGと同じで、スリーブ等も流用可能。裏側のコードを読み取っているため、透明スリーブ推奨。


ゲームシステム

  • 100円を入れてゲームスタート。するとカードが1枚排出される。
    • 次にセーブコードを読み込むか選ぶ。もちろん読まずに進めることも可能。その後カードを読み込ませる。
    • 遊ぶキャラクター、コーデ、楽曲はカードごとに固定されており、選択することはできない。
    • このタイミングでマイキャラを呼び出すことができ、予め「アイプリバース」で登録しておいたコーデを着せることもできる。(楽曲は最初に読み込んだカード依存)
    • 最後にカードを1枚で遊ぶか、2枚で遊ぶか選んで決定。
  • 変身シーケンスのあと、今回の審査員が表示される。審査員ごとに評価が優しい、厳しいといった特徴がある。
  • リズムゲームでは直接カードを指示されたように動かす。成功するごとにゲージが溜まっていく。
    • 開始前にコーデのバズパワーに応じてゲージにボーナスが入る。玩具「アイプリブレス」使用時はさらにボーナスが入る。
    • 実は金判定、銀判定という概念があり、すべて金判定で「パーフェクトフルコンボ」になる隠し要素がある。
    • ゲージがMAXになると「バズリウムチェンジ」が発生し、バズリウムコーデに着替えて特別な演出が入る。
  • 最後に審査員による評価が行われる。審査員3人が3点ずつで9点、そこにバズリウムチェンジ成功で1点追加された10点満点で評価される。
    • 6点以上で「だいごうかく」、9点以上で「バズごうかく」となり、カードの追加購入枚数が増える。ちなみにどんなにミスしても、全員厳しい審査員でも必ず3点もらえて「ごうかく」になる。
    • ここでカードを追加購入*1するか選び、ゲーム終了となる。

その他のゲームモード

マイキャラフェス(要ログイン)

  • ログインした状態で「アイプリバース」を1000円分遊ぶと解禁される期間限定のモード。
    • 遊ぶキャラはマイキャラで固定され、事前に決められた5曲を1回ずつクリアしていく。
    • 1曲分遊ぶとピンズが貰え、5回分遊ぶとピンズが金色になる。

アイプリグランプリ(要ログイン)

  • 事前に決められた3曲を1回ずつクリアしていく期間限定のモード。3曲クリアで「アイプリバース」で使えるプレゼントコードが送信される。
    • NPCとの対戦的な要素があるが、やはりというべきか絶対に負けることはなく「バズしょうり」が確定する。また、対戦相手になるキャラも普通に使える。

評価点

1プレイ100円

  • やはり100円でカードも付いて遊べるというのは大きく、女児の小遣いの範囲でも気軽に遊べる。
    • その場で印刷ではなく、予めセットされたカードがすぐに排出される。カードの排出も早くついつい財布も緩む。

豊富な描きおろしイラスト

  • 星3以上のカードイラストは全て描きおろしとなっており、コレクションが捗る。
    • プリティーシリーズはなかなか新規イラストを出さない傾向にあるため、これほどまで供給されるのは珍しく新鮮味がある。
    • シークレットとして専用イラストでキャラクターのサインが入ったパラレル仕様の「サプライズカード」が用意されている。出現率もそれほど低くなく、割と引き当てやすい。
    • 低レアリティでも必ずホロ加工が施されてあるため、みすぼらしいということもない。
    • カードの裏側には様々な「ひみつ」が記載されている。コーデの情報からキャラの「ひみつ」など様々な情報があり、世界観やキャラを知ることに一役を買っている。

カード一枚でフルコーデ

  • カード一枚でコーデ一式が手に入るため、手軽に遊びやすい。
    • 前作までは、トップス・ボトムス・シューズ・ヘアアクセと4つのコーデパーツを集めなければフルコーデにならなかった。今作ではカード一枚で済むので非常にお手軽である。
    • カードが最初に排出されるようになり、手ぶらでも遊びやすくなった。

わかりやすいゲーム性

  • コーデチェンジや楽曲選択を排したことで、女児でも迷わず遊べる。
    • 「カードを動かす」という要素は今までのシリーズには無かったが、直接的でわかりやすいと古参ファンにも好評。
    • キャラの動きに合わせてカードを動かすものもあり、カードを使ってのゲーム性を楽しめる。
    • 一部の曲はマーカーの表示速度が速いため手応えのある難易度となっている。さらに、難易度「おにむず」が用意されている曲もある。

賛否両論点

特殊アクションの廃止

  • プリズムジャンプ、メイキングドラマ、やってみた、イリュージョンと歴代シリーズで引き継がれてきた要素がついに廃止された。
    • その分ダンスシーンの比率が大きくなっており、その点を評価する声があるが、やはり無いのは寂しいという声もある。
    • また過去作の特殊アクションはアニメ主要キャラの人物像の掘り下げという側面も大きかったので、そういう観点から残念がる人もいる。特に今作はマイキャラではなくアニメキャラの使用を前提としている節があるだけに尚更といったところか。
      • とはいえシリーズを重ねるごとに要素が形骸化していっており、前作「ワッチャプリマジ!」ではもはや何のためにあるのかよく分からない状態になっていたため、廃止は致し方無いという意見もある。
    • スコア次第ではバズリズムチェンジすら発生せず、さらに寂しいことになる。

楽曲選択の廃止

  • 基本的にはカードに記載されている曲でしか遊べないため、遊びたい楽曲を増やしたいならそれなりにカードを揃える必要がある。
    • 1章はキャラが3人しかいなかったため種類が少なくマシだったが、2章で2人追加&デュオ曲登場で細分化された。
      • 更に3章では「バースデーカード」なるものが登場。誕生日を祝う専用曲が用意されているが全て星4でアソートに基本1種類ずつしかないという低確率になっている。
    • 特にデュオ曲は上位コーデに設定されているため、なかなか出てこない。店頭大会で「課題曲のデュオ曲を予め練習しておこう!」と書かれていたが、持っていないのでぶっつけ本番で挑むプレイヤーも多かったと思われる。
      • 目玉の曲が遊べないというのは不評だったのか3章では下位コーデにもデュオ曲やトリオ曲が設定された。が、今度はソロ曲の比率が低くなることとなった。
    • 一応ログインできればグランプリモードやマイキャラフェスで持ってない楽曲も遊べるが、女児には厳しいか。もっとも女児はさほど楽曲選択に関心がない可能性もあるが、それでも『アニメで気に入った曲でゲームを遊んでみたかったのに、カードを持っていなかったので遊べなかった』などの状況は十分に発生し得る。
  • ソロ曲を別キャラに歌わせる等の遊び方がアイプリオーディションでは不可能になり、アイプリグランプリの課題曲でのみ可能になった。

任意のフォーメーションが組めない

  • 実はキャラの初期ポジションもカードごとに固定されており、対応するカードを読み込むことで簡単に歌唱パートとフォーメーションを一致させることができるようになっている。
    • 逆に言えば好きなキャラを任意のポジションに置くことはできない。例えばマイキャラをセンターにしたい場合、センターポジションのカードが無いとセンターにできない。

問題点

カードが傷つきやすい

  • 一応耐摩耗性も考慮されているらしいのだが、カードを直接動かす都合上キズが付きやすい。
    • スリーブを付ける手があるが、付けると認識や反応が悪くなるためあまり推奨できない。またスリーブ自体の摩耗も早い。
    • 不正防止のため、読み込ませたあと他のカードに代えて「身代わり」にすることはできない。よってスリーブを付けない限りカードは基本的に消耗品ということになる。

セーブ手段が少ない

  • セーブするには玩具「アイプリブレス」を買う、スマホでセーブコードを生成する、店頭で配布されるセーブカードを使う、の3択しかなく、女児にはかなり厳しい。
    • 特にマイキャラを複数作るならセーブカードも複数枚確保したい*2という思惑もあり、稼働直後はセーブカードが品薄気味となった。
    • もっとも、もう1つの筐体「アイプリバース」を遊ばないのであれば、本作でセーブする意義はほとんどないのだが*3

追加購入が罠

  • ゲーム終了時カードを追加購入できるが、何枚買っても経験値は1枚分しか入らない。
    • そのため経験値を稼ぐには何度も周回プレイをする必要があり、非常に面倒。

筐体スペックに起因すると思われる問題

  • 筐体は「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 クロスブレイド」からのコンバートだが、元を辿ると2018年の「イナズマイレブンAC」から使われている旧式のもの。そのせいかスペック面で無理をしていることを思わせるような問題がいくつか存在する。
    • スペック的にかなりギリギリなのか、処理落ちが発生しやすい。一応複数人同時に表示させても60fpsをキープしているが、花火などの演出が入ると大きく処理落ちする。特に本作はリズムゲームでもあるので処理落ちすると判定がかなり苦しくなる。
    • ライブはバーチャル世界で行っているという設定なので世界観的な違和感は少ないが、背景などの作り込みは前作の豪華絢爛なステージに比べるとかなり簡素になっている。
    • カードを読み込ませて動かすパネルが縦長となっており、横向きの画面に合わせて動かすにはやや窮屈で嚙み合っていない。これは「イナズマイレブンAC」がサッカーコートを模したものだったことの名残である。
  • ただし、今作の1プレイ100円という料金体系は、筐体が既に減価償却済みなため実現したという部分も大きいと思われる。つまり以上のような問題点は、そういった犠牲を払ってでもとにかく手軽に女児に遊んでもらうためにハードルを下げるという決断を本作が下したということの裏返しでもあると言えよう。

カードの属性と審査員の関係

  • カードにはバズパワーとドリーム属性が記載されているが、ほとんど死に要素と化している。
    • 審査員の「夢見まい」「夢見うた」「夢見きぬ」はドリーム属性の「ダンス」「うた」「ファッション」にそれぞれ対応して有利・不利が決まるが、審査員が発表されるのはカード選択後なので、カード選択時点で駆け引き的な要素はない。
    • バズパワーも初期値にのみ影響し、重要なのは評価やバズリウムチェンジ発生に大きな影響を及ぼすリズムゲームの成功率のほうである。

ガヤがうるさい

  • ライブ中には『MCアイムゥ(CV:森久保祥太郎)』というマイクの形をしたキャラクターが画面上で飛び跳ねたりガヤを飛ばしたりする。DJのようなキャラで、非常にハイテンションなのが特徴。
    • しかし元気な曲ならともかく、静かな曲やクールな曲でも容赦なく「フォォー!!」とか「スィーー!」などと叫んでハイテンションなガヤを飛ばし、画面上で激しく跳ね回る。このため、雰囲気が損なわれているとの批判や、歌声をしっかり聴きたいのに聴こえないとの意見も多い。
    • 過去作でもマイキャラやプレイアブルキャラによる掛け声は存在してきた。だが女性の声だった過去作と異なり本作のMCアイムゥは男性ボイスであり、その分違和感を感じやすくなっているともいえる。
    • 公式のYoutubeチャンネルで掛け声やUIのない歌詞付きMVが投稿されているので、そこで補完できるのがせめてもの救いか。

バスリウムコーデの不足

  • ゲームオリジナルブランドである「クリスタルバース」「プリティーコレクション」「プリズムストーン」は専用のバスリウムコーデが用意されていない。
    • 以前はバスリウムチェンジするとポッピンハートバズリウムに着替えてしまい画一的で興が削がれていたが、6弾以降は上記3つのブランドのコーデはランダムに他のブランドのバズリウムコーデに着替えるようになったため多少緩和された。
    • そのためあえてバスリウムチェンジを失敗させて着替えさせないという戦略をとるプレイヤーもいる。
    • もちろん前作も含めたコーデ全てを光らせるのは土台無理なのは分かっているのだが、例えばプリティーコレクションでは「神コーデ」など、関連性を持たせた専用コーデに変身してほしいところ。

星2が手抜き

  • 最低レアリティである星2は1弾からほとんど内容を変更しておらず、やればやれるほどダブってゲンナリしてくる。
    • 従来作では最低レアリティにはドレスとは異なるカジュアルコーデが用意されており、ラインナップも毎弾変えてきていた。本作がメタバースという設定でカジュアルコーデが出しにくいという事情があるのだろうが…
      • 5弾ではラインナップがある程度変わった。しかしどれもシンプルなドレスばかりで、ストリートファッション的なものは全く無い。一応前作の互換コーデにその手の類のコーデが沢山あるので、カードを持っているならばそちらを用意すれば解決できる。

カード切れ

  • 人気が出たため、各地でカード切れが相次いでおり、需要と供給のバランスが崩れてしまっている。
    • 新弾は早々に売り切れて当然。こうなると余った在庫の過去弾でしのぐものだが、本作に対戦要素が無い*4ことが裏目に出て過去弾すら瞬殺という事態に陥っている。
    • マイキャラフェス完走やグランプリ優勝で「アイプリバース」用のマイキャラパーツやコーデが貰えるため、バース勢も無視できたものではない。
      • 特に3弾末期に開催されたマイキャラフェスは、新弾への過渡期ということもあり「マイキャラパーツが欲しかったのにカード切れでそもそもプレイできず獲得できなかった」という被害報告も散見された。

総評

前作の料金体制が女児に耐えられず、女児人気の獲得に失敗した反省から、別の筐体を用意するという奇策で解決を図った。
複雑な要素は徹底的に排除することで、女児でも手軽にプレイできるようになるなど原点回帰も見られる。
従来作では見られなかった新要素も、シリーズファンからは好意的に受け入れられた。
あとは女児が振り向いてくれるかどうかだが、各地でカード切れが相次ぐほどの人気となっており、久々のヒット作と言えるだろう。


余談

  • アニメも2024年4月7日から放送開始。制作はこれまで担当していたタツノコプロではなく、アニメ版ポケモンなど多くのキッズアニメ・ホビーアニメを手掛けるOLMが制作する。
    • スタッフも一新されているが、ゲームの演出などで旧スタッフが関わっており完全に関係が途切れたわけではない模様。
    • 同時期に派生作品である「KING OF PRISM」*5の再始動も発表されたが、そちらはタツノコプロが続投しており、あくまで現行作品に限った話のようだ。
  • 関連玩具も続々と発売。前作の消極的な展開は一体何だったのかと思わせるほど積極的に攻勢をかけており、意気込みが感じられる。
  • 裏技として、ある場面でタイムオーバーになるとゲーム要素のないCG鑑賞モードに移行できる。筐体録画や撮影に有用と話題になった。
    • 通常モードでは4章までに修正され裏技は不可能となっているが、マイキャラフェス限定で現在でも再現可能。やり方は最初にカードを置くシーンをタイムオーバーにし、(ユニット曲なら)任意のチームを組んだ後、遊ぶ枚数を選ぶシーンでもタイムオーバーにすること。チームメンバーを組むのは何の制限がないため、好きなチームで鑑賞できる。
  • 2024年11月には2期の制作が発表され、2025年2月に詳細が明らかにされた。2期では「リングシリーズ」が展開される。
    • 更に公式曰く「ひみつのアイプリ」が、あの「プリパラ」を超えてシリーズで最高の売り上げになったとのこと。さらに早々にも3期の存在を示唆するなど、非常に好調なことを明らかにした。
最終更新:2025年03月06日 16:20

*1 「ごうかく」で最大3枚、「バズごうかく」で最大5枚。

*2 ブラウザを複数用意したり、シークレットモードで毎回ログインする、スクリーンショットを印刷するなどすればスマホ1台でも運用できなくもないが…

*3 セーブデータがあると楽曲選択時にフルコンボ・パーフェクトフルコンボ履歴のトロフィーが出る、グランプリモードやマイキャラフェスが遊べる、ビンズを保存できる、ぐらいか。

*4 普通のTCAGはパワーインフレがあるため過去弾=弱いということであまり人気が出ない

*5 シリーズ初代作「プリティーリズム」のアニメ3作目『レインボーライブ』をベースとした派生作品。あくまでメディアミックスであるシリーズ本流の作品とは異なり明確にアニメ主体で展開されている。