• 『アイプリバース』は「6だん」を基準にしています。
  • 『アイプリバース』(リングシリーズ)は「リング3だん」を基準にしています。


アイプリバース

【あいぷりばーす】

ジャンル トレーディングカードアーケードゲーム
対応機種 アーケード
発売元 タカラトミーアーツ
開発元 タカラトミーアーツ
シンソフィア
稼動開始日 2024年4月4日
料金 1プレイ:100円+100円でカードゲット
プレイ人数 1人
判定 なし
ポイント 完全に大人向け
あまりにも薄すぎるゲーム性
プリティーシリーズ

概要

プリティーシリーズ第5世代。今作では「ひみつのアイプリ」と「アイプリバース」の2種類の筐体が同時展開される。
こちらの筐体は前作「ワッチャプリマジ!」から続投しており、印刷式のカードとなっている。
カードサイズは前作と同じなため、前作のコーデブックなどが流用可能。


ゲームシステム

マイキャラ

  • 本作の根幹を成すアバター。
    • ボイスは前作の4種類に加え、新たに「おとめ(CV:芹澤優)」と「かわいい(CV:相良栞優)」が追加された。
    • 前作はチーク、ネイル等細かく設定することができたが、本作では「メイク」と一括化されている。
    • なお、なぜかフェイスタイプとボイスは一度決めたら変更不可と前作から退化している。
  • マイキャラだけでなくアニメキャラで遊ぶことも可能。

ブランド

  • 各キャラクターのブランド以外に、オリジナルブランドとして「クリスタルバース」、「プリティーコレクション」、「プリズムストーン」が用意された。
    • 「クリスタルバース」は前作の「クリスタルマジック」の路線を引き継いだもので、ディズニープリンセス的なコーデが多い。
    • 「プリティーコレクション」は復刻コーデなど過去作の要素を持ったコーデに設定される。従来のプリズムストーンから分離がなされた。
    • 「プリズムストーン」はコラボコーデなどに設定される。実質的にはノーブランド相当になった。

ランク

  • シーズン制を導入した。シーズンごとにランクがあるが次のシーズンではゼロからやり直しとなる。
    • これはもう1つの筐体「ひみつのアイプリ」と同じだが、経験値は別々に蓄積される。
    • ランクアップによるアンロックの代替としてドリームとひみつシステムが導入された。

ピンズ

  • 従来の称号にあたるシステム。シーズンランクカンストやイベントへの参加で貰える。

ドリーム

  • 他でいうスキルツリー的なシステム。「シンガー」「ダンサー」「モデル」等があり、ランクアップするとマイキャラパーツがアンロックされる。アイプリひろばに入る前に選びなおしが可能。

ひみつ

  • 各アニメキャラやマイキャラと一緒に遊ぶ相手に選ぶごとに溜まっていき、マイキャラパーツなどがアンロックされる。
    • プレイアブルにアニメキャラを直接選択した場合は溜まらない。またレジェンドキャラはマイキャラ扱いとなる。

ゲームの流れ

メニュー

  • コーデチェンジの後、アイプリひろばに入る前に制限時間があるが各種選択を行うことができる。
    • アイプリひろばに入る
      • 選択を終了しゲームセクションへ入る。期間限定で別のアイプリひろばが用意されている場合もあるが、タイムオーバーになるとそちらは選べないので注意。
    • ドリームを選ぶ
      • ドリームを選びなおす。
    • メイクをする
      • マイキャラのメイキングをやり直す。
    • コーデを登録する
      • コーデを3つまで登録することができる。登録したコーデはもう1つの筐体「ひみつのアイプリ」でマイキャラを呼び出した際に着せることができる。
    • フレンドカードをつくる
      • フレンドカードを生成するモード。なおこのモードのみ刷ることが確定するためこのタイミングで100円を入れる必要がある。

アイプリひろば

  • 4人のキャラクターが登場し、一緒に遊ぶキャラを選ぶ。各キャラに「ピックアップ」というゲットできるコーデが設定されている。
    • 右下のキャラクターは今自分が着ているトップスと同じブランドのコーデが高い確率で出現するとのことだが詳細不明。
    • このタイミングでもう1つの筐体「ひみつのアイプリ」で排出されるカードやフレンドカードをスキャンさせることができ、枠をもう1人増やすことができる。
      • カード裏側に「チャンス」と書かれているカードをスキャンした場合、ピックアップはそのコーデが設定される。それ以外の場合、ランダムに選ばれる。

ひみつタイム

  • ゲームセクションの前に行われるミニゲーム。
    • ボタンを連打してひみつを獲得する。各キャラごとにひみつが設定されており、レジェンドキャラもちゃんと当時の設定に沿ったひみつを暴露してくれる。

ゲームセクション

  • 相性が設定されており、ドリームやコーデが遊ぶ相手と一致していると獲得できるバズパワーが増える仕組みになっている。
    • ミニライブ
      • ボタンをタイミングよく押していく。従来作よりかなり難易度が高めに設定されている。なおショットは自動で撮影してくれる。
    • パシャリング
      • キャラクターが様々な仕草をするところを好きに撮影する。撮るタイミングは任意だがよりポイントが多く入るタイミングが設定されている。
    • ピタっとポーズ
      • タッチパネルを使ってキャラクターを動かし、シルエットにはめてショットを完成させる。前作のミニゲームに酷似している。
      • このモードではライブやパシャリングとは違ったショットが撮れるようになっており、「2人が映るフレンドカード」といった趣になる。

コーデルーレット

  • ゲームセクション終了後ルーレットが始まり、コーデを入手したければ100円を入れてコンティニューする。ちなみにある程度は狙えるらしいが、かなりスベることがあるため目押しは諦めたほうが建設的。
    • ルーレットはピックアップ以外にもハズレとして別のコーデや部位が設定されており、コンティニューするほどピックアップが獲得できる確率が上がっていく。最大6/9まで上げることが可能。

エンドゲーム

  • コンティニューした場合のみカードに印刷するショットを選び、再びアイプリひろばに戻りキャラを選び直す。
    • このとき2人までキャラを毎回入れ替えることができ、さらにコンティニュー回数が増えるごとに入れ替えた際にレアコーデをピックアップとするキャラの出現率が上がる。
    • ルーレットでピックアップを引き当てた場合、同じコーデでそれとは違う部位が次のピックアップに設定される。つまり運が良ければ1プレイで一式揃えることも可能。

ひみつダイアリー

  • フルベット、つまり4回コンティニューしたことでのみ出現する要素。
    • マイキャラの秘密を4択の中から選んで決める。決めた秘密はひみつタイムで披露される。
    • 秘密の内容は上半分が固定で、下半分は弾によって変わる。コンプリートでマイキャラパーツがアンロックされる。

フレンドカードスタジオ

  • 前作と異なり背景やポーズを自由に選べるようになった。背景を透明にすることもでき、簡易フォトフレームとして利用できる。
    • マイキャラに加えてアニメキャラも選択可能。ブランドの縛り等も無くなり好きなコーデを着せることができる。
    • 刷ったフレンドカードはマイキャラルームでWeb画像としてダウンロードできる。このWebフレンドカードのみ「ひみつのアイプリ」でデュオ曲の相手として出現させられる。

評価点

ゲームとカードの分離

  • 前作ではゲームだけ遊ぶモードは存在しなかったのだが、本作はゲームとカードの分離が行われ、1プレイ100円に戻った。
    • 前作は筐体トラブル時の返金対応が面倒で、オペレーター泣かせなところもあったが、本作では内部のサービスボタンを押すだけでよくなった。
    • プレゼントコードでコーデを印刷する場合、ゲームはしないため1枚100円で刷ることが可能。

パシャリング復活

  • 「プリフォトカード」の名の通り、ゲーム内で撮影したショットがカードに印刷されるパシャリングが復活した。
    • ゲーム内で一緒に遊んだキャラクターとの2ショットが撮れ、カード自体が思い入れのある1枚になる。

キャラを愛でる楽しみ

  • やはりキャラクターに好きなコーデを着せて、可愛らしく踊る様を眺めるのは楽しいものである。
    • 前作はゲーム中遠めのカメラアングルがありそれが不評だったが、本作はアップショットが多めに取られており改善されている。

シームレスな展開

  • 前作ではロードや印刷で待機時間が入っていたが、本作はミニゲームなどを挟むなどしてシームレスな流れを実現している。

コーデ保存機能

  • マイキャラに限り前回着たコーデがそのまま次のプレーに引き継がれるようになった。
    • コーデチェンジする気が無いのならコーデカードを持ち歩く必要がなくなり、Webログインカードと組み合わせれば手ぶらで遊ぶことができるようになった。

レジェンドスタァ参戦

  • 過去作のレジェンドキャラが、当時のゲームでの姿そのままで本作に登場。更に当時のゲーム筐体曲とコーデを収録。
    • 筐体曲なのは根回しを考慮した結果だと思われるが、結果的によりマニアックで当時筐体をプレイしていた層へ強く訴えるものとなった。
    • プレイアブルとしてレジェンドキャラを選ぶことはできないが、パシャリングには制限が無いためカードに印刷できる。

チャンスカード

  • 「ひみつのアイプリ」で排出される星3つ以下のアイプリカードには概ねチャンスが設定されており、もう1つの筐体「ひみつのアイプリ」を遊ぶインセンティブが生まれた。
    • また期限が無制限で弾を跨いでも使えるため、カード資産が無駄になることもない。
    • 何より出現率を無視して初手で確実に出現させられるため、延々と一緒に遊ぶことでほぼ確実にフルコーデを揃えられる。
    • つまりチャンスカードを持っているなら、星3つ以下のそれらのコーデは後回しにしてもよくなった。思う存分星4つのレアコーデを追い求めることができる。
      • 万が一コーデを揃え逃したとしても、後からチャンスカードを入手できれば補完できるため、中古カードの価値も上がったと言える。

進化したフレンドカード

  • フレンドカードが遂に自分でコーディネートできるようになり、バッチリと決めたカードを刷れるようになった。
    • また前作ではグレーだったフレンドカードのWeb公開が公式にサポートされたことで、遠隔地やSNS経由でもやりとりできるようになった。
    • 現状フレンドを増やしても何か特典やメリットはない。また前作同様コーデ獲得の機会を捨てることになるため、前作以上に趣味性が強い。

問題点

前作からマイキャラを引き継げなかった

  • マイキャラを売りにしたゲームなのに、前作のマイキャラを引き継ぐことができず、1からやり直しとなってしまった。
    • フェイスタイプやボイスが続投するなど、アセットレベルではかなりの部分が前作から流用されているため、素人目には引き継ぎも可能ではないかと思わせてしまったのも一因。
    • 「引き継ぎキャンペーン」なるものがあったが、特別なドリームとコーデがアンロックされるだけで引き継がれるわけではない。
    • マイキャラパーツの追加頻度も平常運転と言えばそれまでだがあまり積極的ではなく、前作のマイキャラを再現するのもままならない。

やや違和感のある体型

  • 頭がかなり大きく、特に前作に慣れ親しんだプレイヤーからはやや違和感を感じるモデルとなっている。
    • 前作のキャラも参戦したため、一緒に遊ぶと明らかに前作のほうが小顔でますます違和感を感じる。
    • 実は首から下のモデルは前作と同じものが使われている。前作のモデルは大人っぽい、色気すら感じ取れるものとなっていたが、女児層への親しみという点では難があった。そのため脱却する必要があったのだが、しかし前作のコーデとの互換性を切り捨てるわけにもいかず、頭を大きくして無理矢理頭身を下げるという選択をしたのだと思われる。

あまりにも薄すぎるゲーム性

  • 初めてパシャリングが導入された「キラッとプリ☆チャン」では、ライブをしたあと別途パシャリングをするという流れだった。しかし本作ではどれか1つしか遊べないため、明らかにできることが少なくなっている。
    • ライブもたった30秒程度と着うた並みに短くなっており、しかも途中から始まってブツ切りで終わる曲があるなど印象がかなり悪い。せめてもう10秒ぐらい延長してほしいものだが…
    • 譜面難易度を上げてやりごたえを出そうとしているが、尺が短すぎるうえそもそもゲームオーバーという概念が無いためあまり意味がない。
      • マーカーの視認性も悪く、連続で来ると目押しが難しい。
    • 過去作の楽曲追加もされているが、尺が短いのでやはり物足りない。特に「プリティーリズム」の筐体曲は現代基準だとかなり短いことで有名だが、それすら満足に完走できないという有様。
    • 一緒に遊ぶアイプリを選ぶ際にライブの楽曲が表示されるが、決定後に確認出来ないため見逃した際に地味に不便。

コンティニューすればするほど有利になるシステム

  • コンティニューすることでレアコーデの出現率、獲得率が上がっていくシステムとなっており、実質1プレイ500円のゲームと化している。
    • もちろんカードを刷らずに100円で終わらせることもできるが、コーデが入手できない以上ほとんど使い道がない。
    • 特に星4コーデを追い求めるならば、フルベットが前提になる。ひみつダイアリーのコンプリートでマイキャラパーツがアンロックされるため尚更である。
      • 前作はコーデを捨拾選択することでお金の消費を抑えることができたが、本作では要らないコーデでも購入して続行せねばならなくなったためより悪質になっている。
    • 前作は最悪のケースだと1プレイで最大1500円を消費する可能性があったため、常に所持金に余裕を持たせなければならなかった。そのため1セット500円で収まる本作のほうがマシとする意見もある。

2重抽選

  • ゲームシステムをよく読むと分かるが、つまり欲しいコーデを集めるにはアイプリひろばで欲しいコーデを持つキャラを出現させ、更にルーレットでピックアップを当てる必要がある。
    • この2重構造によりコーデを揃えることがかなり難しくなっている。ルーレットが外れてダブりが出やすい云々以前に、そもそも任意のキャラを出現させることすら困難で、何回やってもコーデが散らばってなかなか揃えられない。
      • 実は 購入履歴を参照して揃えられそうな(コーデの一部を持っている)コーデは出現率が上がり、既に揃っているコーデは逆に出現率が下がるという隠しロジックがある (とされる)。もちろん隠しロジックなため公式サイトに一切記載が無いが、明らかに出現率が低いはずの『クリスタルバース』がパーツを手に入れた途端一転して出現しやすくなるのはこのロジックのおかげだと思われる。しかしこのような重大な要素を隠しているせいもあるが、「闇鍋」「『操作』されてる」感じが非常に強くやる気を著しく削ぐ要因になっている。
    • また最高レアリティの星4と最低レアリティの星2には広場での出現率の差があるが、一度出現させてしまえばルーレットの確率自体は共通で変わらない。そのため広場で星4とそれ以外の低レアリティが並んでいるとき、あえて低レアリティを選ぶ動機が無い*1。結果的にコーデがバラけてしまい揃えられないのを悪化させる要因にもなっている。
      • 「運が良ければ1プレイで一式揃えられる」とは書いたが、そのためにはそのコーデが初手で、ワンピコーデなら2巡目までに出現させる必要がある。もちろん星4が初手や2巡目で出てくることは稀なので、これは星2や星3に限った話なのだが、3-4巡目なら星4コーデも混じってきているはずで、上述のように基本的にはそちらへ狙いを変えるのがセオリーとなる。というわけで低レアリティコーデすらうまく揃えられない。  
    • もちろんここにルーレットのハズレで更にストレスが溜まる。システム上外れると試行回数が減ることになる(そして4回のコンティニューでゲームが終了し広場がリセットされる)ため、やはり揃えづらい。

ステージがハリボテ

  • ミニライブ、パシャリングの背景は言わばただの壁紙、ハリボテで、かなり手を抜いたものとなっている。前作の豪華絢爛なステージはどこへ…
    • 背景の内容はランダムで選ぶことができない。そのためキャラやコーデにそぐわない内容になってしまうことがある。これは前作のフレンドカードでも指摘された問題だが、本作の場合回避手段が少ない*2ため「事故った」ショットを印刷せざるを得ない局面がある。
    • ちなみに筐体スペック的に劣るはずの「ひみつのアイプリ」のほうがステージ演出等は頑張っており、本来なら豪華絢爛なステージで6人同時表示が可能な本筐体は性能を持て余しているという奇妙な逆転現象が起こっている。

設定の秒数が短すぎる

  • ドリームの選択、マイキャラのメイキング、コーデ登録のカウントダウンが短すぎてじっくり決められない。
    • 前作は120秒あったが、今作では半分の60秒しかない。さらに広場に入らず2回設定しようとすると更に半分の30秒しかない。ここまで短いとまるでタイムアタックの如く選ばなければならない。

カードが見づらい

  • 従来作のようにカードのコーデ情報が右下に小さく書かれるように戻ったため、パッと見ではわかりにくい。
    • しかもカードが半透明なため、従来作以上に見づらくなってしまった。
    • パシャリングによっては横向きのカードもあり、その場合コーデ情報も90度傾いて印刷されるため他の縦向きのカードと並べるとさらにわかりにくい。

購入履歴がなくなった

  • 前作はまだ持ってないコーデを自動判別し告知してくれる機能があったのだが、本作にはない。
    • マイキャラルームでの収集カタログやコンプリート率の表示も無くなったため、アイテムの管理は自前で判断する必要がある。
    • ちなみにピックアップを当てた時の挙動を見るに、どうやら告知してくれないだけで収集履歴自体はある模様。

地獄のクリスタルバース

  • 「クリスタルバース」のコーデは体感できるレベルで明らかに出現率が低く、コンプリート勢の大きな壁となっている。
    • 「アイプリひろば」で右下のキャラクターは今自分が着ているトップスと同じブランドが出現しやすいが、クリスタルバースだけはこのギミックが無効になっている模様。
    • 本作オリジナルブランドということもありチャンスカードも存在しない。そのため自力で出現させる必要があり中々集まらない。
    • そもそも前作のゲームオリジナルのブランドを本作に持ち越した意図もよくわからず、ゲームオリジナルという都合上ナラティブな要素も無いため今一つ「格」が感じられない。

ひみつタイムとひみつダイアリー

  • 従来作のランクラップでのアンロックは、わかりやすいものの高ランク帯のアンロックが絶望的になるという重大な問題点があり、本作ではドリームによる分散化が図られたが…
    • しかしひみつシステムは今まで同様の一直線でひたすらお金をつぎ込むしかないものであり、これでは意味が無い。しかもこの中には「おひめさまカット」など人気パーツも含まれている。
    • ひみつダイアリーも、入手するにはフルベットしなければならず、プレイスタイルを強要するもので不評。
  • 不評が祟ったのか、2期シリーズよりひみつタイムとひみつダイアリーは廃止されることが発表された。

総評

女児向けの足枷が外れたことで一気にシステムが複雑化するなど、シリーズとして大きな方向転換を行った。
マイキャラ勢だけでなく、懐古ファンも惹きつける要素を入れるなど、より大人層へ特化したゲームとなった。
しかしゲーム性が著しく後退しており、あっという間に終わってしまうのも相まってかなり好みが分かれる造りとなっている。
フルのライブは「ひみつのアイプリ」のほうで楽しんでくれ、というスタンスなのだろうが、それにしてもここまで薄いのはいかがなものか。
コーデを収集する、パシャリング、キャラを愛でるといったゲーム要素以外のところに楽しみを見出せなければ、人によってはクソゲーだと断じられてもおかしくない。
また従来作に比べると明らかに値上げの波を感じとれ、世知辛い世の中を思わせるところもマイナス。
もう1つの筐体「ひみつのアイプリ」によって相互補完される構造になっているが、これ単体ではかなり尖ったゲームと言えよう。


余談

  • 本作のCMを打たない(というかCM自体存在しない)、ホームページが「ひみつのアイプリ」のやや奥まったところにあるなど、女児層が混乱しないように配慮が見られる。隔離されたともいう
    • とはいえ、どこの店舗も大抵2つ並べて置かれていたため、「どっちをプレイしたらいいのかわからない」という声も散見された。
      • 基本的には「ひみつのアイプリ」を遊ぶべきで、マイキャラを育成するなど特殊な事情がある場合のみ本作を遊ぶのが適切だと思われる。経験値は別々なのでどっちが先でも問題ない。本当ならこういったことをもっと周知させるべきなのだが、本作の存在に触れること自体をマズイと思っているのか半ば放置されている。
  • 4月3日より始まる「リング1だん」より、ひみつタイムとひみつダイアリーが廃止されることが発表された。
    • これによりアンロック報酬のマイキャラパーツは入手不可能となる。なお後日再録する可能性があるとのこと。

アイプリバース(リングシリーズ)

【あいぷりばーす】

ジャンル トレーディングカードアーケードゲーム
対応機種 アーケード
発売元 タカラトミーアーツ
開発元 タカラトミーアーツ
シンソフィア
稼動開始日 2025年4月3日
料金 1プレイ:100円+100円でカードゲット
プレイ人数 1人
判定 なし
ポイント 何故か劣化した演出
プリティーシリーズ

概要(リングシリーズ)

アイプリバースの2年目で、「リングシリーズ」が展開される。
システムの整理等が行われたが、基本的なところは変わっていない。


特徴(リングシリーズ)

新ドリーム「パズリウムドリーム」

  • ランクアップするとバズリウムコーデが手に入る特別なドリーム。装備時『ひみつのアイプリ』で全属性に有利が付くなど明らかに優遇されている。

特別なコーデ「プレミアムリングシリーズ」

  • フレンドカードをスキャンして現れる5人目の枠にランダムで出現する。リング姫がプレゼントする演出が入る。
  • 特徴としてルーレットの内容が全てピックアップとなっており、外れることはない。代わりに出現をコントロールできないため、やはり運要素が強い。
  • 出現時にカードをスキャンすると上書きされて消滅してしまうので注意。

ひみつシステムとひみつダイアリーの廃止

  • 1年目でフルベット強要の原因になっていたため廃止された。

アイムゥ探し

  • リング3弾で追加。フルベット時のミニゲームで各都道府県をモチーフにしたアイムゥを集め、コンプリートするとマイキャラパーツが貰えるというもの。
  • アイムゥは前半5つ、後半5つに分かれており、1回のプレイで最大2匹まで手に入る。つまり最低でも6回以上フルベットしないとコンプリートできない。

評価点(リングシリーズ)

ドリーム追加ペースのスローダウン

  • 1年目にドリームを無秩序とも言えるハイペースで追加し、よっぽどやりこまないと全部埋めるのは難しい状態だったが見直しが入り、パズリウムドリームを除き追加しなくなった。
  • ある意味ドリームという要素を捨てたとも言えなくもない。パズリウムドリームが全属性に有利が付くというヤケクソっぷりからもそれは窺える。

ショップに前作のコーデを追加

  • 月替わりで前作のコーデが買えるようになった。ショップのため確実に揃えられる。
  • 前作のコーデはそのまま引き継ぐとバズパワーが大幅に弱体化されているのだが、このショップのコーデは別物扱いで最新コーデに準じた高いパワーが設定されている。

賛否両論点(リングシリーズ)

男子アイドル「七浦すばる」

  • 基本的な点は『ひみつのアイプリ』の項目を参照。こちらはアイプリバース特有の賛否両論点を挙げる。
  • プレイアブルに選んだ場合、コーデは既存のプリセットからランダムに選ばれる。そのため彼に限っては着せ替えできない。
  • 専用モーションが用意されておらず、女子と全く同じ動きをする。
    • そのため動きが女々しすぎる。いくら「実は可愛いものが好き」という設定があることを加味しても、かなり無理がある。
  • しかしすばるの登場でパンツコーデが増え、コーデの幅が広がったのは事実。ニッチだがマイキャラをボーイッシュや男の娘に見立てるユーザーもいたため、そういった層には嬉しい。
    • 前作の1年目でパンツスタイルや男役的なコーデが軒並み不人気だったため、前作の2年目以降はパンツコーデをどこか避けている節があった。ある意味「男」そのものを出すという形で解決を図ったものと思われる。  

問題点(リングシリーズ)

劣化した演出

  • ゲームの簡略化を図ったのか、何故か演出が劣化してしまった。
    • 例えばドリーム選択時、各ドリームをイメージした装飾が施されたゲートをくぐるという凝った演出があったのだが、単に1枚絵を切り替えるだけになった。
    • ひみつシステムが廃止。元のシステムもショボいと評判は良くなかったが、キャラのイメージ付けに役立っていただけに残念。
      • システム廃止に伴いひみつタイムもお互いに手拍子するだけで、もはや何のためにあるのか分からない謎タイムとなってしまった。
    • フルベット時のミニゲームも以前は一緒に遊んだキャラが表示されていたが、リングシリーズ以降はマイキャラ一人のみの寂しいものに。

マイキャラパーツが少ない

  • マイキャラの表現の根幹を担うマイキャラパーツの追加が相変わらず消極的で遅い。1年目のドリームや期間限定パーツも入手不能になったため、今から始めるとなるとパーツが少なくあまり幅を出せない。
    • これは女児などカジュアルプレイ層に大きな影響がある。女児層に向けてかパズリウムドリームがデフォルトに設定され、かつそのまま付けっぱなしにすることを想定しているため、思ったほどパーツを入手できない。
  • リング2弾より順次ドリームの復刻も開始されたが、当然だがプレイを重ねて金を注ぐ必要がある。女児の懐事情では現行のパズリウムドリームを埋められるかどうかすら怪しいのに、更に他のドリームを埋めるのは無理だと断言せざるを得ない。

相変わらずのフルベット要求

  • ひみつダイアリーが廃止されたため、一見するとフルベットをしなくてもよくなったように思えるが、実はコンティニューするほどレアコーデの出現率が上がるという特性はそのままのため、やはりフルベットしなければならない。
  • 更にリング3弾で「アイムゥ探し」を導入し、実質的にはひみつダイアリーを復活させてしまった。しかも前半後半で分けてあり一気にコンプリートできなくなったなどむしろ悪化している節すらある。

総評(リングシリーズ)

ただでさえ薄すぎるゲーム性が問題になっていたにもかかわらず、大幅なテコ入れはせず、逆に更なる簡略化を図った。
ひみつシステムやひみつダイアリーも褒められたものではなかったが、廃止されたことで更に薄っぺらくなることとなった。
では何故簡略化を図ったのかと言えば、大ヒットした『ひみつのアイプリ』で引き込んだ女児層に、『アイプリバース』も遊んでもらいたいという狙いからだろう。
しかしルーレットと薄すぎるゲーム性という根本的な問題をどうにかしない限り女児が遊ぶことは絶対にありえないわけで、見当違いと言える。
パズリウムドリームも「確実に揃えられる」という点では女児層に対するアンサーに見えるが、しかし着せ替えゲームとは豊富な手持ち衣装(≒それなりの財力ややりこみ)が無ければ楽しめないものである。
そもそも「100円で手軽に遊べて」、「着せ替えという概念を廃止した」、『ひみつのアイプリ』が大ヒットした時点で、本作はある意味コンセプト的な所で破綻していることが決定的だったと思えなくもない。
とはいえ本作無くして『ひみつのアイプリ』の存在はありえず、まさに光と影のようなゲームと言えよう。


余談(リングシリーズ)

  • リング1弾より歴代主人公が本作のコーデを纏ったPOPに取り換えられたが、次のリング2弾でリング編のキャラをメインにしたPOPに再び取り換えられた。
    • なぜ替えたかは定かではないが、おそらく歴代キャラの登場がプレイのハードルを上げてしまっていたという判断なのだろう。
    • …と思っていたらリング3弾でもPOP交換を敢行した。毎弾変えるつもりなのだろうか。
  • 男子キャラがメインのスピンオフ『KING OF PRISM』も正式にプリティーシリーズに組み込まれているのだが、本作には登場していない。POPにも未登場。
    • これは本流のシリーズと版権が異なることが原因だと思われる。『キラッとプリ☆チャン』の際、『プリティーリズム・ミニスカート』~『アイドルタイムプリパラ』までの過去作は「PSプロジェクト(プリティーオールフレンズ)」という括りで版権の統合が行われたが、『KING OF PRISM』はタツノコプロとエイベックス主導の企画で指揮系統が異なる。
    • ちなみに『アイドルランドプリパラ』も、タカラトミーアーツの独自企画のためPSプロジェクトの範囲外となっている。そのため本作には登場していない。
    • 当時範囲外だった『キラッとプリ☆チャン』と、その次回作である『ワッチャプリマジ!』は、それぞれ稼働終了後順次PSプロジェクトに組み込まれている。アニメの制作会社が異なる『ひみつのアイプリ』もPSプロジェクトに組み込まれるのかは不明。
最終更新:2025年09月17日 00:18

*1 その低レアリティのチャンスカードを持っている場合ならなおさら。もちろん「もう少しで揃えられそう」といった局面なら低レアリティを選ぶこともあるかもしれないが、その場合同確率で入手できる星4を諦めることになるため印象が悪い

*2 自動撮影ショットの内数枚だけ別の背景が用意されるので、それに賭けるしかない