未解決事件は終わらせないといけないから
【みかいけつじけんはおわらせないといけないから】
ジャンル
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ADV
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対応機種
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Nintendo Switch
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発売元
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PLAYISM
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開発元
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Somi
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発売日
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【Switch】2024年9月19日
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定価
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990円(税込)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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IARC:3+
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判定
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良作
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ポイント
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「会話の整合性」に特化した推理パズル 静かに真相に迫る緊張感 システムのとっつきにくさが壁
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概要
韓国のインディーズクリエイターであるSomi氏が開発した推理ゲーム。
内容は同氏の過去作『レプリカ』『リーガルダンジョン』『The Wake』と同様、テキスト主体のアドベンチャー。
しかし、国家や社会における罪悪感を題材としたそれらとは異なり、人と人との連帯をテーマにした作風となっている。
ストーリー
2012年2月に起きた「犀華ちゃん失踪事件」は現在も未解決のままである。
若き警官は当時事件を担当した元警部の清崎を訪ねるが、記憶から引き出された会話は断片的で、「誰の発言なのか」「いつ行われた会話なのか」は全てぐちゃぐちゃになっていた。
2人はそれらの会話を整理し、事件の真相、および「なぜこの事件は解決できなかったのか」に迫る。
キャラクター
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警官
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未解決事件の真相を知るべく、清崎を訪ねた若い女性警官。
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清崎の認識の変化に伴って名前欄が書き換わるうえ、「警官」という名称もゲーム中には登場しないが、ここではストアの説明文に準じた。
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清崎 蒼
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犀華ちゃん失踪事件を担当した警察官。現在は辞職している。
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警察には30年勤めており、警官からも「おばあちゃん」と呼ばれる年齢。
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犀華(せいか)
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2012年に昼間の公園で、周囲が目を離した僅かな間に姿を消したという女の子。
システム
ゲームの大部分は、会話の内容を示すカードを並べた仮想的なボードの上で進行する。
1つのカードには一連のセリフと挿絵が記載されており、加えて発言者(清崎警部と誰の会話なのか)が設定されている。
ボードは横軸が人物、縦軸が時間(下に行くほど後の発言)を示しており、それぞれのカードについて「誰がどの順番で話したものなのか」を表す構図となっている。
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発言者の変更
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設定されている発言者が正しいとは限らない。
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プレイヤーは任意に発言者、つまり「この会話を誰としていたことにするか」を再設定でき、その設定に応じてカードは自動的に該当人物の列へと移動する。
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順番の変更
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縦の並びも時系列通りとは限らない。列内でカードを入れ替えて、正しいと思われる順番に変更できる。
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並べ替えた結果が真実と合致する場合、カードがマージされたうえで、ポイントを1点獲得する。このポイントが6点蓄積すると、後述する「黄色い鍵」を得られる。
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単語から他のカードへの連携
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会話内の特定の単語は「#」付きのタグとなっており、選択するとその単語に関連する新たな会話のカードが出現する。
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ただし出現するカードは冒頭部しか見えない不完全なものであり、選択したタグを消費して初めて完全なカードとして開放できる。
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カードは開放しないと、中身を読了することはおろか、発言者や順番の変更、会話中のタグの参照も行えない。
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消費したタグは打消し線が引かれ、以降選択できなくなる。
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複数個のカードがいっぺんに出現する場合もあるが、この場合も開放できるのはうち1つだけとなる。そのため、開かなかったカードを開放するには、同じタグを別のカードから見つけて選ぶ必要がある。
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単語から新たな人物への連携
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タグには人物や施設・団体を示す「@」つきのものもあり、これを選択すると該当人物の列が開放される。
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同じ対象を示す@タグは複数のカードに仕込まれているが、開放済の人物のタグを選択しても効果はない。
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錠つきのカード
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一部のカードは鍵がかかっており、関連する未消費の#タグがあったとしても、条件を満たすまで開くことはできない。
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赤の錠:そのカードに書かれた設問に答えると解錠できる。設問は「誰々の発言が嘘であることを示す証拠は?」「誰々が持っていたものは?」といった事件解決に関わるもので、その答となる発言や挿絵をボード上から選んで回答する。
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紫の錠:4ケタのナンバーロックで正しい数値を入力すると解錠できる。「誰々が何々した日」のようなヒントが添えられており、他のカードの会話を熟読することで推測できる。
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黄色の錠:黄色い鍵を所持していれば、1個を消費して解錠できる。黄色い鍵は前述した「順番の変更」において獲得する。
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ゲームの最終目的
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カードの解錠と開放を繰り返し、「未解決事件となった理由」に至る全ての手がかりが明らかになるとエピローグに移行する。
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結末は2種類あり、エピローグ内での選択によって大きく物語が変化する。
評価点
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「会話の順番と話者を不明にする」という独創的なパズル
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会話の一部を切り取り発言者と順序を隠すだけで、非常にミステリアスな状況が生まれ、独自性の高いパズルが成立している。
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例えば話者が違えば「あの人」「あの子」といった表現の指す対象がガラッと変わるし、どの会話の後かによって話者の反応の意味合いも変容する。口調や挿絵を手がかりに想像を膨らませ、「この会話が意味することは…」と考えながらカードを動かし、それが真実と一致した瞬間はなかなか気持ちが良い。
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ゲームはボード上で進行しメインキャラクターたちも動かないゆえに、純粋な頭脳ゲーム的面白さが際立っており、推理に没頭する時間を楽しめる。
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BGMと展開の同期
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BGMも最初から最後まで同じ楽曲の繰り返しとなるが、聞き疲れしにくいアンビエントな曲調であり、展開に応じてパーカッションを追加するなど、密かに場面を盛り上げる工夫がされている。
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特に中盤の一場面では、推理の方向性を大きく変化させる重大な手がかりが開放された瞬間、情報の重みを強調するように強めのドラムシーケンスが鳴り始める。画面上に派手な演出は一切ないにもかかわらず、プレイヤーに強い衝撃を与える演出となっている。
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ストーリー上に埋め込まれた絶妙なひっかけ
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事件の理解を阻害する巧妙なひっかけが随所に配置され、プレイヤーを的確にミスリードへ誘い込む仕掛けが複数存在する。
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とはいえ、会話の順序や話者がめちゃくちゃであることは冒頭で明示されていることから、アンフェアさを感じさせない設計になっている。
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また、プレイヤーが能動的にカードを整理し、隠された真実を自ら見つけ出す仕組みのため、これらのひっかけは心地よい刺激として機能している。
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解錠可能なカードや関連タグを一目で参照できる
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画面右下にはミニマップが常時表示されており、全体のカード配置をざっくりと視認できるようになっている。
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このマップ内では解錠可能となった錠付きのカードが対応色で明滅するため、「情報は集まったけど何をすればゲームが進むのかわからない」という状況に陥りにくい。
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明滅条件を満たすタイミングだとまだプレイヤー視点では手がかりが揃ったかピンと来ないことも多々あるため、若干勇み足気味ではあるが、それでも場面転換に乏しい本作において捜査の進展を感じやすい長所といえる。
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また、未開放のカードを選択した際は、対応する#タグを持つカードが一時的に明滅する。後半になるほどボードの範囲が広くなってタグ探しが大変になるため、こちらも親切な設計。
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解法ルートの多彩さ
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カードの開錠、開放はある程度並行して行え、複数のルートから真実にたどり着くことができる。
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赤の錠における設問も複数の回答が用意されているうえ、間違えてもペナルティがなく、手詰まりしにくい配慮がなされている。
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集中してプレイするのにちょうどいいプレイ時間
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ゲームの性質上、断片的なテキストを元に脳内で物語を推測する状況が続くが、概ね2~3時間でクリアできるためダレにくく、かといって物足りなさも感じにくいボリュームである。
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良好な翻訳
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元は韓国語の作品だが、日本語においても誤字脱字や口語に適さない単語などは見受けられず、自然なローカライズがなされている。
問題点
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システムがとっつきにくい
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一般的なテキストADVとは大きく異なり、情報だけが提示されて進行はプレイヤー任せであるため、まず何を求められているのかがわかりにくい。
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チュートリアルとして教えられるのは「話者を変えられる」ことと「会話の順序を入れ替えられる」ことのみで、他の操作は実際に触って推測するしかない。しかも会話を入れ替えたらどうなるのかについては警官による「鍵が貰える」とのメタ発言のみであり、具体的にどういうメリットがあるのかが伝わりにくい。
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一番問題なのは「#タグの消費とカードの開放は好きな順番でやっていい」ことがプレイヤーにはわからないという点。
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評価点でも触れた通り解法ルートは複数ある。同一の#タグは至るところに散らばっているし、開放される側のカードも2~3種のタグに対応しているので、実は行き当たりばったりで開けていってもクリアできる。しかしプレイヤーからすれば「本当にこのタグはこのカードに使っていいのか、詰んだりしないか」と思いながら、かといって優先度の見当もつかないカードに対して開放の選択を迫られるので、自分が正しく攻略できているという実感が湧きにくい。
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解錠順の誘導に難がある
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赤錠の中に、開放時に清崎警部と警官の会話イベントを発生させるものが一つある。その会話はこの物語の基本的な謎の一つを提示するものであり序盤に見ることが想定されているとみられるが、そのような誘導は無い。
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この赤錠は解錠の難易度がやや高いため後回しにされがちで、今更なタイミングでこの会話を見る羽目になることも。
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プレイ再開した時に状況がわからなくなる
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本作は既に記した通り、ばらばらになった会話だけが提示され、プレイヤーの脳内で物語を構築しながら整理していくゲームとなっている。そのため、一度プレイを中断すると「で、何やってたんだっけ?」となりがち。
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あらすじの説明やフォローも一切無いため、物語への没入状態がリセットされた状態では、ただやみくもに開放された会話の断片が大量に並んでいるだけでしかない。再開が日を跨ぐほど、いっそ最初からやり直した方が早いという事態になりがち。
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赤い鍵解錠時のカーソル移動が面倒
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前述の通り、赤い錠には問題が記されており、他のカードの一文を選択することで回答に代える形式となっている。この時、十字キーの操作で台詞から台詞へ、各一文ごとにスナップするカーソルで渡り歩いていくことになる。
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しかしほとんどの設問において回答候補の対象は全カードとなっており、上下左右への移動のみで総計何百となるテキストから正解を探り当てなければいけない。
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一応、設問に対して全く無関係な台詞は暗転し候補から除かれているが、それでも正しい一文を選択するためにボードの端々を巡る必要があり、キーの押下回数はなかなかのものとなる。
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スクロール操作も存在するが、この回答待ち状態は通常時と異なり、ただ表示範囲をスクロールするだけでカーソルは追従しない。
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文字が小さい
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文字情報が主体のゲームなため仕方ない面はあるが、基本的に文字サイズが小さめ。
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会話テキストはマシな方(それでも一般的なノベルゲームの本分の4分の1程度)だが、未開放カードに付記された開放条件のタグや、紫錠のヒントはその更に4分の1ほどのサイズであるため、画面に近づかないと読解が難しい。
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一応ズーム機能は搭載されているが、拡大率はさほどではなく、プレイヤーの視力によっては進行に支障が生じ得る。
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リピート性の乏しさ
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進め方によって変わるのは「結末が2種のうちいずれか」だけであり、またその結末もグッドエンドとトゥルーエンドといった趣(どちらにしてもプレイヤーがすっきりする円満な解決)なので、周回プレイには向いていない。
総評
断片的な会話を整理し、隠された真実を浮かび上がらせるという独自性は、シンプルながら推理ゲームとして刺激的。
一方で説明不足やフォローの欠如、視認性の問題などプレイヤーを戸惑わせる要素はあるが、それでもばらばらの情報が繋がる快感や、謎の核心に迫る過程で得られる達成感は強力。
人間関係や動機に重きを置いたプロットが好きなプレイヤーにとっては、特に刺さる内容といえるだろう。
余談
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作中で犀華という名前の評判が悪い
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犀華という名前の由来が語られる会話があり、名前に託した願いが語られる一方、犀を孤独の象徴として扱い「名前が悪いからこんなことになる」とやけに酷評するテキストがある。
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これ自体事件の本質に関わるわけではないが、現実でも「犀」や「華」は人名に使用可能であり、「犀華ちゃん」もその他の「犀○ちゃん」も実在する可能性があるため、人によっては何もそこまで言わなくてもと思うかもしれない。
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とはいえ、ここら辺は命名に関する文化の違いもあるだろう。
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例えば韓国の場合、子供の名前は生まれたその日に付けるのが一般的で、前々から熟慮して用意しておくということが少ない(作中でも出生直後に名付けをするエピソードが語られている)。
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また本作には当てはまらないが、親が名付けをせず占い師や祖父母が付ける例も多いうえ、加えて日本よりも改名率が高く、「カッコ悪い」「運勢が良くない」と言った理由でも改名が可能となっている。
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上記から、名前は一生ものであるとか、出生時につけた名前に対してとやかく言うべきでないというイメージは、日本に比べるとやや薄い可能性はある。
最終更新:2025年01月06日 12:04