魔王ゴルベリアス
【まおうごるべりあす】
ジャンル
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アクションRPG
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対応機種
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MSX、セガ・マークIII/マスターシステム
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メディア
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ROMカートリッジ
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発売元
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MSX:コンパイル SMS:セガ・エンタープライゼス
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開発元
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コンパイル
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発売日
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MSX:1987年4月 SMS:1988年8月14日
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定価
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MSX:6,800円(税別) SMS:5,500円(税別)
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プレイ人数
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1人
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判定
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なし
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概要
コンパイル製のアクションRPG。コンパイルが出したアクションRPGとしては「クルセーダー」(ポニーキャニオン発売)に続く2作目となる。
最初はMSXで発売され、後にグラフィックとサウンドを強化したマスターシステム版が発売された。
ストーリー
まだ世界に魔物がいたころのお話。
アレイド王国は深い谷に囲まれた静かで平和な国であった。人々は何不自由なく暮らしていたが、水を得るためには深い谷の底まで降りなければならなかった。
だが、その谷底で魔物を見たというものが現われ、その数は増えてくると人々は谷底へ降りるのをいやがるようになり、王国を離れていくものも少なくなかった。
アレイド国王アレキスは魔物のことで頭を悩ませ、ついに病におちいってしまった。祈祷師によれば、その病をなおすには谷底に生息する薬草「メア」が必要だという。
王の姿をみかねた一人娘であり、また王女であるリーナ姫は人々の反対を押し切り、勇敢にも谷底へ向かった。ところが、いつまで待っても帰って来ない。
人々の不安は募る一方であった。
この話を偶然耳にした旅の少年ケレシスは、リーナ姫を探しに谷底深く降りて行った。
そこでケレシスが見たものは、荒れ果て、水の枯れた谷川の中に不気味に口を開けた洞窟だった……。
システム
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基本的には画面切り替え式のトップビューの画面を探索していくが、ボス戦の前には半強制横スクロールまたは強制縦スクロールの洞窟を進行していく構成。
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ボス戦前の洞窟で画面外に出てしまった場合は強制的に洞窟の外にはじき出されて最初からやり直しとなる。
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所持金にあたるFINDは探索力も兼ねており、これが低いと洞窟やアイテムを見つけることができない。
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またFINDをためられる限界値も設定されており、アイテムを見つけることで上限を上げることができる。
評価点
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探索RPGとしての完成度の高さ。
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謎を解いたりアイテムを得たりすることで道が開かれていくという基本的な探索RPGのツボを押さえた手堅い作り。
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基本はトップビューだが、ダンジョンではシーンに応じてシステムを変えて行くことで緩急をつけている。
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BGMの評価も優秀。
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ストーリーの進行とともにフィールド画面が勇ましい曲になっていくのもなかなか。
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マスターシステム版はFM音源にも対応しており、より完成度の高いBGMを堪能できる。
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コンパイルのRPG作品につきものの登場人物のユニークなノリは本作より始まった形。
問題点
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プレイヤーの攻撃は剣のみで魔法や弓などの飛び道具系は存在しないため地味。
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攻撃手段が複数あれば謎解きの方法もさらにバリエーションを増やせているだけに惜しい。
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ボス前の洞窟ステージは攻撃は前方のみというのも拍車をかけている側面がある。
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強制縦スクロールの道中の場合はスクロール速度がこちらの移動速度に対して若干早いため、強制的に画面外に出されて最初からやり直しという事態が頻発しやすい。
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縦スクロールの道中は初見殺しもかなり多く、わかっていても移動が間に合わないというケースも多発しやすい。
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後半のFIND稼ぎがかなり作業感が強い。
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必須アイテムが高額なうえ、隠し通路を見つけるのにFINDも必要な仕様がよりそれに拍車をかけている。
総評
探索型アクションRPGとしては堅実なつくりをしており、複数のシステムを組み合わせるなどして展開に緩急をつけているので少なくとも完成度は水準以上。
ただ攻撃手段がシンプルであるがゆえに地味さはぬぐえないのが厳しいところ。
余談
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後にMSX2にて本作のリメイクとなる『真・魔王ゴルベリアス』が1988年に発売されている。
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基本的にはマスターシステム版をベースに、トップビューが8方向移動可能になったりマップに地域ごとの個性が付与された。
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またストーリーの導入についても若干差異がある。
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本作のエンディングでは続編を示唆するような終わり方となっているが、結局本作の続編となる作品は発売されないままコンパイルは倒産し、続編が出ることはなかった。
最終更新:2025年10月13日 08:45