【ぜるだのでんせつ ぶれす おぶ ざ わいるど】
ジャンル | アクションアドベンチャー | ![]() ![]() ![]() |
対応機種 |
Wii U Nintendo Switch |
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発売・開発元 | 任天堂 | |
発売日 | 2017年3月3日 | |
定価 | 6,980円(税別) | |
プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ | 1個 | |
レーティング | CERO:B(12才以上対象) | |
備考 | パッケージ版は3GB以上のデータインストール必須 | |
「The Game Awards 2017」
「Golden Joystick Awards 2017」 「Game Developers Choice Awards 2018」 「D.I.C.E. Awards 2018」Game of the Year受賞作品 |
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DLC |
【WiiU/Switch】エキスパンション・パス 2017年3月3日 / 2,547円(税込) 【Switch】本編+エキスパンション・パス セット 2021年10月8日 / 8,980円(税込) |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
「『ゼルダ』のアタリマエ」をとことん見直した傑作 広大さ・自由さ・手ごわさを備えたオープンワールド 国内外様々なメディアにおいて圧倒的な高評価を得る |
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ゼルダの伝説シリーズ |
任天堂が誇る謎解きアクションアドベンチャー『ゼルダの伝説』シリーズのSwitchにおける1作目にして、Nintendo Switchのローンチタイトルの1つ。
リメイク・続編作品(『神々のトライフォース2』)を除く、純粋な新作としては『スカイウォードソード』以来(5年以上ぶり)の作品となる。
良くも悪くも様々な意見があった「リモコンと剣の連動」や、全体的に難易度が高かった「ダンジョン攻略や戦闘全般」などかなり大幅な変化を遂げた『スカウォ』のコンセプトは「濃密ゼルダ」だった。
しかし、本作ではそういったダンジョン内容・ストーリー・アクション性は「浅く広い」仕上がりになっている。
また、『スカウォ』が『ゼルダ』史の原点(時間軸で言えば最も古い)を描いた作品であるのに対し、今作は設定上最も未来の時系列とされることに合わせてか、シーカーストーン・ガーディアンなど近代化を遂げている印象も強く受けるなど、『スカウォ』とは対極にあたる作品と言える。
当初は2015年にWiiUで発売予定だったが、クオリティアップと新ハード「Nintendo Switch」への対応のため、延期を経て2017年3月3日に発売された。
結果、『トワイライトプリンセス』と同じように前世代ハードWiiU末期のソフト(*1)かつ、新ハードであるSwitchのローンチソフトとなった。
今作ではハイラル全土をシームレスに移動できるいわゆるオープンワールドとなっているが、開発スタッフはどこへ行って何をするのも自由なプレイと、BGMより環境音を重視した音楽、天候や時間が流れる空気感などを指して「オープンエア」と呼称している。
『神々のトライフォース2』に続き「ゼルダのアタリマエを見直す」がコンセプトとなり、今回は「シナリオに沿って進む」「順番にダンジョンを攻略する」という過去作のお約束が完全撤廃され極めてゲームの進行の自由度が高い作品となっている。
基本的にどこへ行こうと、何をしようとプレイヤー次第で、良い意味で過去作とは一線を画する作品に仕上がっている。
サブタイトルの“Breath of the Wild”は訳すと「野生の息吹」といった意味になり、シリーズ過去作のように重要アイテムや人物を指したサブタイトルではなく、世界そのものが主役といった意味がこめられている。
また、国内版タイトルロゴは特に初代『ゼルダ』に近いものになっており、「原点回帰」もコンセプトの1つである。
ハイラル王国は太古の昔から幾度となく魔王ガノンの厄災に見舞われ、その度に退魔の剣を携えた騎士と聖なる力を持つ姫によって封印されるという戦いの歴史を繰り返してきていた。
ある時、王国の占い師がガノンの復活を予言したため、ハイラル王国は1万年前の高度な文明によって作られガノン撃退に活躍したという古代兵器の「四神獣」と「ガーディアン」を発掘し、現代に蘇らせることでガノンの復活に備えた。
だが、1万年前の大惨敗を受け、復活したガノンは呪いによって真っ先に神獣とガーディアンを奪取、乗っ取られた切り札によって人々や町は襲われ、ハイラル王国はついに滅亡。
退魔の剣の騎士リンクも瀕死の重傷を負い、傷を癒すため回生の祠で永い眠りにつき、生き残ったゼルダ姫はたった1人でハイラル城にガノンを封じていたのである…。
大厄災と呼ばれる王国の滅亡/ガノン復活から100年後、回生の眠りから目覚めるも記憶を失ったリンクは、出会った老人や不思議な声の導きによって、ハイラルの地を巡る冒険に旅立つ。
本作特有のシステム
オープンエア
各種「チャレンジ」
試練の祠
「ハート」と「がんばりゲージ」
神獣の解放
武器と盾の耐久度
隠れたコログ族
天候や気温の影響
ブラッディムーン現象
本作のリンクのアクション
+ | やれることが多いので格納 |
シーカーストーン
マップ
望遠鏡
リモコンバクダン
マグネキャッチ
ビタロック
アイスメーカー
ウツシエ
amiibo
本作の装備
武器と防具
+ | 長いので格納 |
フィールドの乗り物
馬
その他の乗り物
特殊なアクション
英傑の加護
+ | ネタバレ注意 |
料理
その他の新要素
キャラクターボイスの追加
amiiboの追加
オートセーブ
複数言語への対応
DLC
DLC第1弾「試練の覇者」
+ | 2017/06/30配信 |
DLC第2弾「英傑たちの詩」
+ | 2017/12/8配信 |
広大さ・自由度・密度を兼ね揃えた濃密な「オープンエア」の世界
武器や防具の価値が上昇した
野生の息吹を感じさせるサバイバル
自由な発想を試せる懐の深い謎解き
オープンワールドの自由さを阻害しないストーリー
魅力的な登場人物たち
特徴的なグラフィック
豊富なやりこみ要素
自らの手で作り上げるハイラル図鑑
良質かつ気を使われているBGM
その他の評価点
難易度のバランス
祠について
武器・盾・弓が使い捨て
敵の種類が少ない
マックス系食材が他の食材の存在意義を奪っている
ハイラル王国北部へのアクセスが悪い
至るところに現れる敵
その他の賛否両論点
武器や装備のバランス・アイテム関連等の甘い部分
戦闘・探索・ダンジョンにおいて気になる箇所
BGMの存在感が薄い
その他の問題点
広大なオープンワールドを自由に旅でき、発見の連続と発想を試される数々の仕掛け、そして歯ごたえ満点のてごわい戦いなど、アクションアドベンチャーとしての要素が高い次元でまとまっている。
発売前こそアタリマエを見直すというスローガンやオープンワールド化を疑問視する声があったが、
結果として少し行き詰まりを見せていたゼルダシリーズに新たな息吹を吹き込むことに成功したといえるだろう。
作風がガラリと変わったにもかかわらず、『ゼルダの伝説』をプレイしていると思わせる作りは流石の一言に尽きる。
今までのオープンワールドゲームの良いところを積極的に取り込み、それでいながらオープンワールドにつきものの致命的バグは非常に少ない。
これにより、シリーズ内でも同じく高水準な完成度で名を轟かせた『時オカ』と並ぶシリーズの転換点となるであろうと目されている。
圧倒的な自由度であるが故、多くの危険が身近に潜むハイラルの世界は新規プレイヤーに容赦なく襲い掛かることもあるが、
各々が望むままの自由なプレイスルーを実現した本作は、オープンワールドというジャンルとゼルダシリーズの歴史両方に伝説として深く刻まれるタイトルになったといえるだろう。
2019年4月にアップデートで「VRモード」が追加され『Nintendo Labo: VR Kit』のVRゴーグルで遊ぶことができるようになった。
同VRゴーグルの対応が追加されたソフトは日本では他に『スーパーマリオ オデッセイ』『進め! キノピオ隊長』『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』が存在するが、それらとの大きな違いとして本作のVRモードはほとんど(馬の名付けUIを除く)全編に渡ってVRモードでのプレイが可能である。
本編とは大きく異なる体験でありボリュームも大きいため、VRモード独自の評価点・問題点はこの項に分けて記載する。
カメラ操作
解像度・視野角
VR酔い
評価点
問題点
その中では、ネタに応用がきくアクションテクニックから、はたまたフレーム単位の精度が必要なバグめいた技までもが使用されている。
*1 ダウンロード専用タイトルであれば本作以降も2018年に至るまでソフトがリリースされている。パッケージソフトに目を向けても、WiiU版『ドラクエ10』のVer.4パッケージなどがあるため、本作が最後というわけではない。
*2 初代もその自由度の高さからオープンワールドに類似した構造であるが、当時はその概念が存在しなかったので、オープンワールドというジャンルが3Dゲームで成立して以降初という意味合い。
*3 倒していないカースガノンはハイラル城で戦うことになる。その場合、神獣のものよりもHPが強化されている。
*4 ただし、マスターソードだけは手元からロストせず、実時間で10分=ゲーム内の約半日で再び装備できるようになる。
*5 ただし、焚き火や馬宿でスキップした時間は含まれない。ハイラル城内などのダンジョン内部にいるときに迎えたときは翌日に持ち越される。また、長時間プレイで本体側のメモリ不足などが起こった際、突発的に起こることもある。
*6 要は『[[スプラトゥーン]]』シリーズなどと同じ操作である。
*7 マスターソードの剣ビームを撃つには従来通りハートが満タンが必須。なお、射程は最大ハート数に比例し、剣が輝いていないときに撃つと耐久力を消耗する。
*8 両手武器のビッグブーメランという例外はある。
*9 ご丁寧にリンクも口にする時に思いっきり顔をしかめ、噛むことも無く一気に飲み下す。
*10 実際は歩数基準であり祠や神獣内部、メニューを開いている時間はカウントされない。
*11 一定時間で数回ヒットまで)代わりに、自身の体力もハート0.25個で固定される(=あらゆる敵やギミックで即死する。
*12 価値の低い材料ほど効果が高い。
*13 一応、世界の端は存在しており、それ以上は進めなくなるポイントがある。
*14 後のインタビューで開発者自身もこの攻略法は想定していたが、さらに「台座をラケットに見立て、玉をゴールへと弾き飛ばす」攻略法が出た際にはさすがに想定外だったと驚いたという。
*15 一部、「祠に入るまでが試練」である「○○の祝福」系の祠は、進入に特定のアイテムが必要になる場合も。
*16 ただし、例としてリンクされている作品の内『MGSV』『FFXV』は詰め込み過ぎたが故の納期問題や、大元締めである発売元との不協和音といった不可抗力など、「単純に噛み合わせが悪かったこと」が原因とは言い切れない点があることには注意。
*17 ただし、料理のゲージ最大値上昇効果を無意味にしないためか、祠をすべてクリアしてもハートとがんばりゲージの両方を理論値にするまでには至らない。
*18 シーカータワー・試練の祠・地名アンロック・コログのミなど。
*19 つまり、マップ上で達成率に関わるポイントは実に1210個存在しているということになる。
*20 実質的な「レーダー機能」の強化版。
*21 この方針については、本作自体が他人との競争を念頭に置いていないためと言われている。
*22 例えば武器を持っている敵だと、(敵の種類に応じた攻撃力+武器の攻撃力) − (装備中の防具の合計防御力)が基本的なダメージ計算である。一部で有名な「アルテリオス計算式」の仕様。
*23 マスターソードを常時強化状態にすることもできるが、その条件は要DLCかつ非常に高難易度。
*24 ランダム個体差はあるが、「最大でも」40~50回ヒットすると壊れてしまう。
*25 種族というよりは、持っている武器・属性の種類に応じた戦い方をするモブ敵の配置率が高く、同じ種族の敵でも異なる立ち回りを要求される場合が多い。
*26 セーブデータを複数作成できるオープンワールドゲームも一応あるが。
*27 元々の上限数が多い「薬及び料理」の解説は除く。
*28 マスターソードなど一部武器はその限りではないが。
*29 例えば弓を引いた敵を別の敵の目の前に持っていき、目の前で誤射させる、ガーディアンの前に連れていきレーザーを当てるなど。
*30 注目ボタンと兼用なので単独では発動できないので注意。
*31 例えば水の音がするので川が近い、珍しい動物の鳴き声がするなどの要素はないなど。
*32 参考までに、最初期のPCVRヘッドセットである、Oculus Rift DK1と同じ解像度である。
*33 現行のVRヘッドセットであるValve Indexは144fps、Oculus Quest 2,HTC Vive Pro 2が120 fpsに対応してる。
*34 Oculus系統のヘッドセットに搭載されているフレーム補間技術
*35 SteamVRにおけるフレーム補間技術。
*36 2019年4月16日の記事より: 「冒険の途中でいつでもVRゴーグルのON/OFFを切り替えられるので、眺めの良い場所、好きなキャラクター、お気に入りの装備など、気になるものがあった時にVRゴーグルで覗いてみる。といった遊び方がオススメです。」
*37 続編発売当日には水木氏の公式Twitterにおいて、氏が本作を最終的に3225時間遊んでいたことが明かされている。氏は2022年12月6日に肺がんで死去したため、番組の取材から死去するまでの間にさらに70時間も遊んでいたことになる。
*38 マスターソードとライネルが登場しているため、初代~『神トラ』系列説が有力、逆に『風のタクト』系列は可能性が無いとされているが…。
*39 ツールに頼らない人力操作のタイムアタック。
*40 他に休憩が認められたのは同じく長時間走である「リングフィットアドベンチャー」程度だが、RFAについてはプレイヤーのフィジカル面をタイム短縮のポイントとみなしているため、こちらより休憩時間が短い。
*41 当初は『ゼルダ』も本作をベースにする予定はあったがあまり戦うシーンが少ない事やスマブラ設定のゼルダとコンセプトがかけ離れていた理由で没となった。
*42 『SP』のゼルダは神々のトライフォース(2)からの参戦で声優も同じだが時系列がかなり離れているのと神トラの劇中に変身する設定が存在しないのでほぼ別人と思われる。