仮ページ35

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(ページ名)  憲法問題の基礎知識

#CENTER(){&italic(){&sizex(4){歴史的観点を忘却しないこと、・・・超越論でもなく人格主義理論でもない基本権理論を模索すること・・・・・。&br()憲法研究者は、歴史を超越した普遍的な基本権思想を宣教師のように・・・・・・語り継ぐことはやめるべきだ・・・・・・。&br()基本権理論に必要なのは、道徳哲学ではなく、政治思想に関する知識である。}}}
#RIGHT(){&SIZE(15){&BOLD(){~ 阪本昌成(ハートの法概念論+ハイエクの自由論に依拠する憲法学者) 『憲法Ⅱ 基本権クラシック』}}}
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要旨■「平和憲法」「占領憲法」などのレッテル連呼に終始するのではなく、①憲法とはそもそも何か(法概念論)、②憲法の保障すべき価値は何か(法価値論)、③そうした価値を如何に実現するか(法学的方法論)、という憲法問題の課題を一つづつ検証していくことが肝要である。
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<目次>
#contents

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*■1.はじめに
憲法問題となると、たちまち「平和憲法を守れ」とか「占領憲法を破棄せよ」といった、左右両極端の立場からのイデオロギー的なアジテーション・罵倒合戦に終始してしまう現象が頻繁に観測される。(※なお、経済問題に関しても類似した現象がしばしば観測される ⇒ [[ケインズvsハイエクから考える経済政策>http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/1600.html]] 参照)。
このページでは、そうした扇動的なプロパガンダ的言説を避けて、努めて論理的・概念分析的な姿勢を守りつつ憲法問題の整理・解明を目指す。
そのために、
|BGCOLOR(wheat):<1>|BGCOLOR(white):まず、基礎法学(理論法学)と実用法学(応用法学)を区別して、憲法問題の位置づけを明確にし、|
|BGCOLOR(wheat):<2>|BGCOLOR(white):次に、基礎法学の主要3分野(①法概念論・②法価値論・③法学的方法論)各々について、実用法学の一分野である憲法学(憲法論)の課題を対応させた問題状況整理表を作成し、|
|BGCOLOR(wheat):<3>|BGCOLOR(white):そして、上流から順に(つまり①法概念論→②法価値論→③法学的方法論の順に)これらの課題を一つづつ分析し整理していく。|

**◆1.基礎法学(理論法学)と実用法学(応用法学)
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|BGCOLOR(#CCCC99):きそほうがく&br()【基礎法学】 &br()※日本語版ブリタニカ百科事典より|>|>|>|BGCOLOR(white):実用法学に対して、少なくとも直接的には法的な諸事象の純粋に理論的な認識・解明を目的とする法学。&br()理論法学ともいう。&br()基礎医学という用語にならって第二次世界大戦後の日本で使われるようになった。&br()法社会学、法史学、比較法学、法哲学がこれに属する。|
|BGCOLOR(#CCCC99):じつようほうがく&br()【実用法学】 &br()※日本語版ブリタニカ百科事典より|>|>|>|BGCOLOR(white):司法、行政、立法などの実用目的に奉仕する法学。&br()法解釈学と立法学がこれに属する。&br()基礎法学と対置されるが、現代の実用法学は基礎法学の成果を積極的に活用して法の合目的的な形成と運用を図る応用科学としての性格を強めつつある。|
|BGCOLOR(#CCCC99):ほうかいしゃくがく&br()【法解釈学】 &br()Rechtsdogmatik &br()※日本語版ブリタニカ百科事典より|>|>|>|BGCOLOR(white):解釈法学ともいう。&br()実定法の規範的意味内容を体系的・合理的に解明し、裁判における法の適用に影響を与えることを目的とする実用法学。&br()実定法を構成する文字および文章の多義的な規範的意味内容を明確かつ一義的に確定していく作業が法の解釈であるが、この作業には、①文理解釈、②論理解釈、③縮小解釈、④目的論的解釈、⑤反対解釈、⑥勿論解釈、⑦類推解釈などと呼ばれるものがある。&br()法解釈学は古代ローマで成立して以来、現代まで法学の中心的位置を占めているが、時代の変遷によって力点の変化がみられる。&br()自由法論以後の法解釈学は人間や社会に関する経験科学的認識を取り入れた応用科学としての性格を強めている。&br()第二次世界大戦後の日本の法学界における「法解釈学論争」では、法解釈学の実践的性格が強調された。&br()法解釈学は、その対象となる実定法の分野によって、憲法学、行政法学、刑法学、民法学、商法学、労働法学、国際法学、国際私法学などに分れる。|
|BGCOLOR(#CCCC99):けんぽうがく&br()【憲法学】 &br()※広辞苑より|>|>|>|BGCOLOR(white):法学の一部門。&br()憲法および憲法上の諸現象を研究の対象とする学問。国法学。|

**◆2.問題状況整理表
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|>|BGCOLOR(teal):COLOR(white):CENTER:基礎法学(理論法学)の主要3分野|>|>|>|BGCOLOR(teal):COLOR(white):CENTER:憲法学(憲法論)の課題|
|BGCOLOR(lightgreen):(1)|BGCOLOR(lightgreen):法概念論&br()(法とは何か)|BGCOLOR(khaki):<1>|BGCOLOR(khaki):憲法とは何か&br()(憲法の定義)|>|BGCOLOR(white):⇒(a)実質憲法(国制)と、(b)形式憲法(憲法典)、の区別が肝要。|
|~|~|BGCOLOR(khaki):<2>|BGCOLOR(khaki):法体系の中での憲法の位置づけ|>|BGCOLOR(white):⇒①法段階説(主権者意思[命令]説・・・ケルゼン及び修正自然法論者の法理解)と、②社会的ルール説(ハートの法理解であり、ハイエクの自生的秩序論と親和的)、の区別・評価が肝要|
|BGCOLOR(lightgreen):(2)|BGCOLOR(lightgreen):法価値論&br()(法の保障すべき価値は何か)&br()※法理論論、法目的論ともいう|BGCOLOR(khaki):<1>|BGCOLOR(khaki):主権論&br()(憲法は特定の主権者を規定すべきか)|>|BGCOLOR(white):※法価値論は、専ら、(a)実質憲法(国制)の在り方に関する分野である。&br()⇒①左翼的・全体主義的価値と、②保守的・自由主義的価値、の区別・評価が肝要。|
|~|~|BGCOLOR(khaki):<2>|BGCOLOR(khaki):人権論&br()(憲法の基礎的な保護領域は何か)|~|~|
|~|~|BGCOLOR(khaki):<3>|BGCOLOR(khaki):平和論&br()(奴隷の平和か正戦を肯定するか)|~|~|
|BGCOLOR(lightgreen):(3)|BGCOLOR(lightgreen):法学的方法論&br()(法価値を如何に実現するか)|BGCOLOR(khaki):<1>|BGCOLOR(khaki):憲法典(形式憲法)の解釈論|>|BGCOLOR(white):※法学的方法論は、専ら、(b)形式憲法(憲法典)の解釈・運用に関わる分野であり、具体的な条規について(2)法価値論の<1>~<3>の課題に対応した法解釈の対立が見られる。&br()⇒①左翼的・全体主義的解釈と、②保守的・自由主義的解釈、の区別・評価が肝要。|
|~|~|BGCOLOR(khaki):<2>|BGCOLOR(khaki):憲法典(形式憲法)の改廃論|>|BGCOLOR(white):⇒①護憲論、②改憲論、および③破棄論、の比較・評価が肝要。|
|~|~|BGCOLOR(khaki):<3>|BGCOLOR(khaki):憲法典(形式憲法)案の内容評価|>|BGCOLOR(white):⇒各々の草案について、(2)法価値論の<1>~<3>の課題への対応方針に留意しながら個別に評価していくことが肝要。|

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*■2.憲法とは何か(法概念論)

**◆1.憲法(constitution)の定義 - 実質憲法(国制)と形式憲法(憲法典)の区別
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|BGCOLOR(#CCCC99):けんぽう&br()【憲法】 &br()constitution &br()※日本語版ブリタニカ百科事典より|>|>|>|BGCOLOR(white):憲法の語には、(1)およそ法ないし掟の意味と、(2)国の根本秩序に関する法規範の意味、の2義があり、&br()聖徳太子の「十七条憲法」は(1)前者の例であるが、今日一般には(2)後者の意味で用いられる。|
|~|>|>|>|BGCOLOR(white):(2)後者の意味での憲法は、凡そ国家のあるところに存在するが(&color(green){&bold(){実質憲法}})、&br()近代国家の登場とともにかかる法規範を1つの法典(&color(green){&bold(){憲法典}})として制定することが一般的となり(&color(green){&bold(){形式憲法}})、&br()しかもフランス人権宣言16条に謳われているように、①国民の権利を保障し、②権力分立制を定める憲法のみを憲法と観念する傾向が生まれた(&color(green){&bold(){近代的意味の憲法}})。|
|~|BGCOLOR(white):<1>|>|>|BGCOLOR(white):17世紀以降この近代的憲法原理の確立過程は政治闘争の歴史であった。&br()   憲法の制定・変革という重大な憲法現象が政治そのものである。&br()   比較的安定した憲法体制にあっても、①社会的諸勢力の利害や、②階級の対立は、&br()   [1]&color(green){&bold(){重大な憲法解釈の対立}}とともに、[2]&color(green){&bold(){政治的・イデオロギー的対立}}を必然的に伴っている。|
|~|~|BGCOLOR(white):従って、|BGCOLOR(white):(a)|BGCOLOR(white):憲法は政治の基本的ルールを定めるものであるとともに、|
|~|~|~|BGCOLOR(white):(b)|BGCOLOR(white):社会的諸勢力の経済的・政治的・イデオロギー的闘争によって維持・発展・変革されていく、&br()   ・・・という二重の構造を持っている。|
|~|BGCOLOR(white):<2>|>|>|BGCOLOR(white):憲法の改正が、通常の立法手続でできるか否かにより、軟性憲法と硬性憲法との区別が生まれるが、今日ではほとんどが硬性憲法である。 |
|~|~|BGCOLOR(white):近代的意味での成文の硬性憲法は、|BGCOLOR(white):①|BGCOLOR(white):国の法規範創設の最終的源である(&color(green){&bold(){授権規範性}})とともに、|
|~|~|~|BGCOLOR(white):②|BGCOLOR(white):法規範創設を内容的に枠づける(&color(green){&bold(){制限規範性}})という特性を持ち、かつ|
|~|~|~|BGCOLOR(white):③|BGCOLOR(white):一国の法規範秩序の中で最高の形式的効力を持つ(&color(green){&bold(){最高法規性}})。|
|~|~|>|>|BGCOLOR(white):日本国憲法98条1項は、憲法の③最高法規性を明記するが、日本国憲法が硬性憲法である(96条参照)以上当然の帰結である。&br()   今日、③最高法規性を確保するため、何らかの形で&color(green){&bold(){違憲審査制}}を導入する国が増えてきている。|
|~|>|>|>|BGCOLOR(white):なお、憲法は、&br()①制定の権威の所在如何により、欽定・民定・協約・条約(国約)憲法の区別が、&br()②歴史的内容により、ブルジョア憲法と社会主義憲法、あるいは、近代憲法(自由権中心の憲法)と現代憲法(社会権を導入するに至った憲法)といった区別がなされる。|
|~|>|>|>|BGCOLOR(white):なお、下位規範による憲法規範の簒奪を防止し、憲法の最高法規性を確保することを、&color(green){&bold(){憲法の保障}}という。|
|~|>|>|>|BGCOLOR(white):   (⇒憲法の変動、⇒成文憲法、⇒不文憲法)|

上記のように、憲法(constitution)という概念には、
|BGCOLOR(skyblue):①|BGCOLOR(skyblue):実質的意味の憲法|BGCOLOR(skyblue):(=国制 constititional law)|BGCOLOR(white):と、|
|BGCOLOR(khaki):②|BGCOLOR(khaki):形式的意味の憲法|BGCOLOR(khaki):(=憲法典 constitutional code)|BGCOLOR(white):の2つのレベルがあり、|
両者を区別して考察していく必要がある。

そして、これに対応して、憲法論にも、
|BGCOLOR(skyblue):①|BGCOLOR(skyblue):実質的意味の憲法論|BGCOLOR(skyblue):(法価値論=憲法の保障すべき価値は何かを考察する価値論であり、それを具体化すると立法論になる)|BGCOLOR(white):と、|
|BGCOLOR(khaki):②|BGCOLOR(khaki):形式的意味の憲法論|BGCOLOR(khaki):(法解釈論=既に成文化された憲法典の解釈論)|BGCOLOR(white):の2つの段階があり、|
この両者もまた確り区別して考察していく必要がある。

|BGCOLOR(silver):★補足説明:「実質的意味の憲法」「国体法」「国制」|
|BGCOLOR(silver):たとえば「民法」という概念には、①実質的意味の民法(=民法典に限らず「総体としての民法 civil law」を指す)と、②形式的意味の民法(=民法典 civil code という具体的な法律)の二つの意味があり、また「刑法」という概念にも同じく、①実質的意味の刑法(criminal law)と、②形式的意味の刑法(=刑法典 criminal code という具体的な法律)の二つの意味がある。&br()これらから類推されるように、当然「憲法」という概念にも、①実質的意味の憲法(constitutional law)と、②形式的意味の憲法(=憲法典 constitutional code という具体的な法律)の二つの意味があり、これらは確りと区別されて論じられるべきであるが、明治期に constitution(英語)ないし Verfassung(ドイツ語)という概念を日本に導入する際に、専ら②形式的意味の憲法(憲法典)という意味で「憲法」という言葉が用いられてしまったために、現在の日本では、憲法とは専ら②憲法典である、とする理解(すなわち、①の意味を見落とした状態での理解)が一般的となってしまっている。|
|BGCOLOR(silver):これに関しては、戦前の日本では、①実質的意味の憲法(国制)を意味する言葉として、明治以前から「国体」という用語が普及していたという裏の事情があるが、この「国体」という用語は、昭和初期に濫用されて右翼的イデオロギーの色彩を強く帯びてしまったことから、戦後はこの用語の使用自体がタブー視される状態となってしまい、なおさら現在の日本人が、①実質的意味の憲法、を考えることを困難化させてしまっている。&br()この①実質的意味の憲法 constitutional law を素直に翻訳すれば「国体法」となるが、ここでは主に「国制」というよりイデオロギー色の薄い訳語を用いることとする。(※なお、アリストテレス著として伝わる『アテナイ人の国制』の英語版書名は 『The Athenian Constitution』であり、①の意味での constitution の訳語として「国制」が現時点ではやはり一番適切であると思われる。)|

**◆2.法体系の2つの捉え方
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***◇1.ケルゼンおよび修正自然法論者による法段階説(半世紀前の法学パラダイム)

|&ref(http://www35.atwiki.jp/kolia/?cmd=upload&act=open&page=%E8%8A%A6%E9%83%A8%E4%BF%A1%E5%96%9C%E3%80%8E%E6%86%B2%E6%B3%95%E3%80%80%E7%AC%AC%E4%BA%94%E7%89%88%E3%80%8F%E6%8A%9C%E7%B2%8B&file=%E6%B3%95%E6%AE%B5%E9%9A%8E%E8%AA%AC%EF%BC%88%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%82%BC%E3%83%B3%26%E8%87%AA%E7%84%B6%E6%B3%95%E8%AB%96%E8%80%85%EF%BC%89.png)&br()※図が見づらい場合⇒[[こちら>http://www35.atwiki.jp/kolia/?cmd=upload&act=open&page=%E8%8A%A6%E9%83%A8%E4%BF%A1%E5%96%9C%E3%80%8E%E6%86%B2%E6%B3%95%E3%80%80%E7%AC%AC%E4%BA%94%E7%89%88%E3%80%8F%E6%8A%9C%E7%B2%8B&file=%E6%B3%95%E6%AE%B5%E9%9A%8E%E8%AA%AC%EF%BC%88%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%82%BC%E3%83%B3%26%E8%87%AA%E7%84%B6%E6%B3%95%E8%AB%96%E8%80%85%EF%BC%89.png]]を参照|BGCOLOR(lavender):※①宮澤俊義(ケルゼン主義者)・②芦部信喜(修正自然法論者)に代表される&color(crimson){戦後日本の左翼的憲法学は「実定法を根拠づける“根本規範”あるいは“自然法”」を仮設ないし想定するところからその理論の総てが始まる}が、そのような&color(green){ア・プリオリ(先験的)な前提から始まる論説は、20世紀後半以降に英米圏で主流となった分析哲学(反形而上学的哲学)を反映した法理学/法哲学(基礎法学)分野では、とっくの昔に排撃されており}、日本でも“自然法”を想定する法理学者/法哲学者は最早、笹倉秀夫(丸山眞男門下)など一部の化石化した確信的左翼しか残っていない。&br()このように&color(navy){基礎法学(理論法学)分野でほぼ一層された論説を、応用法学(実定法学)分野である憲法学で未だに前提として理論を展開し続けるのはナンセンスであるばかりか知的誠実さを疑われても仕方がない}行いであり、日本の憲法学の早急な正常化が待たれる。&br()(※なお、&color(crimson){近年の左翼憲法論をリードし「護憲派最終防御ライン」と呼ばれている[[長谷部恭男>よくわかる左翼憲法論2~長谷部恭男・追討編]]は}、芦部門下であるが、&color(crimson){&size(20){&bold(){[[ハートの法概念論>法と権利の本質]]}}}を正当と認めて、&color(crimson){芦部説にある自然法・根本規範・制憲権といった超越的概念を明確に否定するに至っている}。)|

***◇2.ハートによる社会的ルール説(現代の世界標準の法学パラダイム)

&ref(http://www35.atwiki.jp/kolia?cmd=upload&act=open&pageid=1768&file=%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B3%95%E4%BD%93%E7%B3%BB1.png)

&ref(http://cdn35.atwikiimg.com/kolia/?cmd=upload&act=open&page=%E6%B3%95%E5%AD%A6%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E7%9F%A5%E8%AD%98&file=%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B3%95%E4%BD%93%E7%B3%BB2.png)

※上記のように、&color(crimson){ハート}の&color(crimson){法=社会的ルール説}は、&color(crimson){現実の法現象について詳細で明晰な分析モデルを提供}しており、&color(crimson){特定の価値観・政治的イデオロギーに基づく概念ピラミッド}に過ぎない&color(crimson){法=主権者意思[命令]説}の法体系モデルを、&color(crimson){その説得力において大幅に凌駕}している。

※上図について、詳細な解説は[[法と権利の本質に関する2つの考え方>http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/1359.html#id_53446b7f]]へ。

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*■3.憲法の保障すべき価値、理念・目的は何か(法価値論)
→ 主として、実質憲法(国制)に関する議論領域

|BGCOLOR(#CCCC99):ほうかちろん【法価値論】&br() legal axiology &br()※日本語版ブリタニカ百科事典より|BGCOLOR(white):法的な価値について考察する研究分野。&br()法的な価値は正義という言葉で表現されることが多いから、正議論といってもよい。&br()古代ギリシア以来、法哲学の主要分野をなしてきたが、最近は、①規範的倫理学と、②分析的倫理学の区別に対応して、①規範的法価値論と②分析的法価値論(メタ法価値論)とが明確に区別されるようになった。|


※サイズが画面に合わない場合は[[こちら>http://www35.atwiki.jp/kolia/?cmd=upload&act=open&page=%E6%B3%95%E5%AD%A6%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E7%9F%A5%E8%AD%98&file=%E6%86%B2%E6%B3%95%E8%AB%96%E3%81%AE%EF%BC%92%E6%AE%B5%E9%9A%8E.GIF]]をクリック願います。
&ref(http://www35.atwiki.jp/kolia/?cmd=upload&act=open&page=%E6%B3%95%E5%AD%A6%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E7%9F%A5%E8%AD%98&file=%E6%86%B2%E6%B3%95%E8%AB%96%E3%81%AE%EF%BC%92%E6%AE%B5%E9%9A%8E.GIF,with,height=550)



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*■4.憲法の保障すべき価値・理念・目的を如何に実現するか(法学的方法論)
→ 主として、形式憲法(憲法典)に関する議論領域

**◆1.現行憲法典の解釈論
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 ※■3.の整理表下段を参照

**◆2.憲法典の改廃論
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(1) 改正論 ①保守的改正論・・・保守主義的・自由主義的な法理念(法価値/目的)のより確実な実現を目指す改憲論
         ②左翼的改正論・・・左翼的・全体主義的な法理念(法価値/目的)のより確実な実現を目指す改憲論

(2) 護憲論 ①左翼的護憲論1(芦部信喜説準拠)・・・戦後左翼が長年連呼してきた「人権」「平和」理念を絶対視して、その理念を体現する憲法典の護持を訴える論
         ②左翼的護憲論2(長谷部恭男説準拠)・・・自衛隊の存在などは「憲法の変遷」があった(=条文の変化はないが、その解釈が変化したことにより合憲となった)として現状追認する一方で、現行憲法典の条文自体には「世界平和の希求」「人権価値実現の目標プログラム」など将来に向けての積極的価値を認めて、改憲に反対する論
         ③右翼的護憲論(いわゆる新無効論(真正護憲論))
(3) 破棄論 ①占領憲法失効・破棄論(菅原裕説が代表的)・・・日本の主権回復(1952.4.28)直後には一定の論理的整合性・説得力をもっていた説


**◆3.具体的な憲法典改訂案のチェック
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①中川八洋草案
②日本会議の提言案
③産経新聞案
④読売新聞案
⑤自民党案

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