政治学の概念整理と、政治思想の対立軸

「政治学の概念整理と、政治思想の対立軸」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 - (2011/08/18 (木) 03:03:35) のソース

<目次>
#contents

*■1.このページの目的
「自由主義」「保守主義」「社会主義」など、政治のあり方(以下&color(crimson){&bold(){政治的スタンス}}と呼称する)に関して様々な用語があり、混乱の種となっている。
ここでは、そうした政治思想や政策を表す用語を、&color(crimson){&bold(){理念型}}という概念を使って大胆に5分類・8分類し、
さらに「自由主義」と「全体主義」の対立という根本問題に落とし込んで整理する。

// ≪ポイント≫
// 政治思想の対立軸は、右翼 v.s. 左翼 ではなくて 自由主義 v.s. 全体主義 である。
//&bold(){&size(20){政治思想の対立軸は、右翼 v.s. 左翼 ではなくて 自由主義 v.s. 全体主義 である。}}

*■2.分析・分類のための概念整理

**◆1.政治学の構成
politicsという言葉には、①政治 と ②政治学 の二つの意味がある。
ここでは、②政治学 という意味でのpoliticsを考える。

この ②政治学(politics) は、さらに (1)政治哲学 と (2)政治科学 の二分野に分けられる。
|BGCOLOR(#CCCC99):(1)|BGCOLOR(#CCCC99):政治哲学(political philosophy)|BGCOLOR(#D7EBFF):政治の本質・価値や目標、あるいはその達成手段・原理を考究する規範的学問分野|
|BGCOLOR(#CCCC99):(2)|BGCOLOR(#CCCC99):政治科学(political science)|BGCOLOR(#D7EBFF):実証主義的立場から、政治現象を科学的手法を用いて究明する経験科学分野|

//政治学は、(1)政治哲学と(2)政治科学の二分野から成り立っている。
その各々と、①政治理論、②政治思想、③イデオロギー の関係を下図にまとめておく。
|>|BGCOLOR(olive):COLOR(white):CENTER:政治学|BGCOLOR(olive):COLOR(white):CENTER:政治理論|>|BGCOLOR(olive):COLOR(white):CENTER:政治思想|>|BGCOLOR(olive):COLOR(white):CENTER:イデオロギー|
|BGCOLOR(#CCCC99):(1)|BGCOLOR(#CCCC99):政治哲学&BR()(規範学の一つ)|BGCOLOR(lightgreen):規範的理論&BR()(「あるべき政治像」を追求)|BGCOLOR(#FFDB8E):←|BGCOLOR(#FFDB8E):(干渉、方向付け)|BGCOLOR(pink):←|BGCOLOR(pink):(拘束)&BR()※イデオロギーは「あるべき政治像」を拘束してしまう|
|BGCOLOR(#CCCC99):(2)|BGCOLOR(#CCCC99):政治科学&BR()(経験科学の一つ)|BGCOLOR(lightgreen):経験的理論&BR()(「政治の実像」を追求)|BGCOLOR(#FFDB8E):→|BGCOLOR(#FFDB8E):(フィードバック、論理的反省)|BGCOLOR(pink):×|BGCOLOR(pink):(無視)&BR()※イデオロギーは「政治の実像」を無視した空理空論の元凶となる|

**◆2.政治思想とイデオロギー
|BGCOLOR(#CCCC99):広辞苑(岩波書店)|BGCOLOR(#FFDB8E):し-そう【思想】|BGCOLOR(#D7EBFF):①考えられたこと。かんがえ。「誤った-」&BR()②〔哲〕(thought イギリス・Gedanke ドイツ)&br() (ア)判断以前の単なる直観の立場に止らず、このような直観内容に論理的反省を加えて出来上がった思惟の結果。思考内容。特に、体系的にまとまったものをいう。「新しい-」&br() (イ)社会・人生に対する全体的な思考の体系。社会的・政治的な性格を持つ場合が多い。「仏教-」|
|BGCOLOR(#CCCC99):ブリタニカ百科事典|BGCOLOR(#FFDB8E):せいじしそう【政治思想】|BGCOLOR(#D7EBFF):政治についての思想ないし、考え方。&BR()それは政治の発生とともに古く、これまで現実政治を動かし、未来を方向づけてきた。&BR(9その思想ないし思考は様々な形で表出されている。&BR()政治思想は、狭義には特定の個人の政治思想や、体系化・理論化された政治理論・政治学説を指すと考えられるが、広義には不特定多数の人の政治意識・政治的意見・世論などを含む。&BR()なお政治哲学は政治についての規範理論という理解が一般的であり、政治思想史は政治哲学や政治理論を主として取り上げながら、意識や世論にいたる思想をも対象としている。|
|BGCOLOR(#CCCC99):広辞苑(岩波書店)|BGCOLOR(#FFDB8E):イデオロギー【ideologie ドイツ】|BGCOLOR(#D7EBFF):(もと、19世紀初め、フランスの哲学者デステュット=ド=トラシーが唱えた観念学)&br()①トラシーらを空論家として非難したナポレオンの侮蔑的用法を受けて、マルクスが用いた語。歴史的・社会的に制約され偏った観念形態の意。&br()レーニンは、ブルジョアジーのイデオロギーに対抗するために、マルクス主義をプロレタリアートのイデオロギーと考えたが、その場合は肯定的な意味を持つ。&br()②フランクフルト学派の批判理論では、虚偽意識として批判の対象とされる。&br()③転じて、単に思想傾向、政治や社会に対する考え方の意味にも使われる。|
|BGCOLOR(#CCCC99):ブリタニカ百科事典|BGCOLOR(#FFDB8E):イデオロギー ideology; ideologie|BGCOLOR(#D7EBFF):もともとはフランスの唯物論者デステュット・ド・トラシーが『イデオロジー原論』で用いたフランス語ideologieに由来する語であり、文字通りには「イデーの学」すなわち「観念学」であったが、今日ではマルクスによって定義された「虚偽意識」としての「観念諸形態」「意識諸形態」を指す。&br()マルクスによるイデオロギーの概念は、『ドイツ・イデオロギー』(1845-46)において社会構造との関連で明確に打ち出され、『経済学批判』(59)の序文のなかで定式化された。&br()マルクスによれば、広義には下部構造に対する上部構造一般を指すとされているが、それは法律・国家・政治形態や諸社会制度のみならず風習・道徳・宗教・哲学・科学・芸術などの諸意識形態を指示するというべきである。&br()マルクスは上部構造としての観念諸形態が社会の下部構造としての物質的土台に規定されるとしたが、階級社会においては肉体労働と精神労働が分離される結果、実践から遊離した観念の一人歩きが生じ、それが支配階級たるブルジョアジーの権力の正当化と安定に用いられることを分析した。&br()これに対して、20世紀に入ると、K.マンハイムはマルクス主義の階級的イデオロギー論に対して、知識社会学の立場からその批判・克服を目指した。&BR()マンハイムはマルクスに倣って諸意識形態の「存在被拘束性」を認めたが、それを自己の立場にあてはめようとはせず、自らの立場自体のイデオロギー性を認めないマルクス主義を批判した。&BR()今日では一般的に、ある階級・集団・組織などがその社会的利害を隠蔽しつつ自らの立場を正当化しようとして形成する信条・観念体系をイデオロギーと呼ぶ。&BR()この意味では科学もイデオロギー化されうる。|

**◆3.主な政治思想・イデオロギー
※下記は全て、ブリタニカ百科事典(日本版)より引用
|BGCOLOR(olive):COLOR(white):CENTER:政治思想ないし&BR()イデオロギー|BGCOLOR(olive):COLOR(white):CENTER:説明|BGCOLOR(olive):COLOR(white):CENTER:関連ページ|
|BGCOLOR(#FFDB8E):ナショナリズム(nationalism)|BGCOLOR(#D7EBFF):民族、国家に対する個人の世俗的忠誠心を内容とする感情もしくはイデオロギー。&br()普通、民族主義と訳されるが、国民主義あるいは国粋主義と訳されることもある。&br()しかしこれらの訳語はいずれもナショナリズムの概念を十分に表現しているとはいえない。&br()ナショナリズムの概念が多義的であるのは、ネーション(民族、国民)が歴史上きわめて多様な形態をたどって生成・発展してきたことに起因している。&br()歴史的な重要概念となったのは18世紀末以後のことである。&br()アメリカの独立とフランス革命がその端緒となったとされ、南アメリカに浸透し、19世紀にはヨーロッパ全体に広まり、ナショナリズム時代をつくりだし、20世紀に入って、アジア・アフリカで多くのナショナリズム運動が展開された。&br()ナショナリズムはこうした諸国の独立をもたらす解放的イデオロギーではあるが、民族紛争と戦争の拡大をもたらす危険も大きい。|BGCOLOR(#CCCC99):[[ナショナリズムとは何か]]&br()&BR()[[右派・右翼とは何か]]|
|BGCOLOR(#FFDB8E):社会主義(socialism)|BGCOLOR(#D7EBFF):資本主義の矛盾を批判し、これを克服して、新たな社会を建設しようとする思想と運動の総称。&br()この思想は、資本主義とほぼ同時に生まれたといえる。&br()すなわち、資本の原始的蓄積過程における様々な矛盾の発現に対して、平等社会を夢み、資本主義を批判したT.モア、T.カンパネラなどがそれである。&br()資本主義が産業資本主義段階に入ると、サン=シモン、R.オーウェンらが出て、資本主義の矛盾が私有財産制にあることを指摘し、それを廃した平等社会を主張した。&BR()その後、19世紀半ばになると、マルクス、エンゲルスが出て、資本主義も過去の社会と同じように一歴史社会であり、労働者階級の力を媒介にして、社会主義に取って代わられる社会であることを、唯物史観のもとに明らかにした。&BR()マルクスの『資本論』は、その経済学的根拠を証明しようとしたものである。&BR()なおマルクス主義において、社会主義という用語は狭義には生産手段の共有がみられるものの、なおも一定の社会的不平等の残存する段階を指して、共産主義の前段階を社会主義と位置付けることもある。&BR()その後、社会主義は、マルクス主義を主流に展開したが、ロシア革命以後、基本的にはレーニン主義と社会民主主義に分裂、現在に至っている。|BGCOLOR(#CCCC99):[[左派・左翼とは何か]]|
|BGCOLOR(#FFDB8E):自由主義(liberalism)|BGCOLOR(#D7EBFF):個人の諸自由を尊重し、封建的共同体の束縛から解放しようとした思想や運動をいう。&br()本格的に開始されたのはルネサンスと宗教改革によって幕をあけた近代生産社会においてであり、宗教改革にみられるように、個人の内面的自由(信教の自由、良心の自由、思想の自由)を、国家・政府・カトリック・共同体などの自己以外の外在的権威の束縛・圧迫・強制などの侵害から守ろうとしたことから起こった。&br()この内面的諸自由は、必然的に外面的自由、すなわち市民的自由として総称される参政権に象徴される政治的自由や、ギルド的諸特権や独占に反対し通商自由の拡大を求め、財産や資本の所有や運用を自由になしうる経済的自由への要求へと広がっていった。&br()これらの諸自由の実現を求め苦闘した集団や階級が新興ブルジョアジーであったため、自由主義はしばしばそのイデオロギーであるとみられた。&br()しかし各個人の諸自由を中核とした社会構造は、その国家形態からみれば、いわゆる消極国家・中性国家・夜警国家などに表象されるように、自由放任を生み、当然弱肉強食の現象を現出させることになり、社会的経済的に実質的な平等を求める広義の社会主義に挑戦されることになった。&BR()しかし、20世紀に出現した左右の独裁政治の実態は、自由主義が至上の価値としてきた内面的自由・政治的社会的諸自由などが、政治体制のいかんに関わらず、普遍的価値があることを容認せしめ、近代西欧社会に主として育まれてきた自由主義は再評価されている。|BGCOLOR(#CCCC99):[[ハイエクと自由主義]]&BR()&br()[[リベラリズムの真実]]|
|BGCOLOR(#FFDB8E):保守主義(conservatism)|BGCOLOR(#D7EBFF):既存の価値・制度・信条を根本的に覆そうとする理論体系が現れたときにこれに対する対抗イデオロギーとして形成される。&BR()「保守主義の宣言」とも言われる『フランス革命に関する省察』を著わしたE.バークは、人間のあらゆる制度の基礎は歴史であり、具体的な文脈のなかで長い時間をかけて培われてきたものだけが永続性を持つため、抽象的な哲学原理に基づく革命は座絶を運命づけられているとしている。&BR()バークは決して変化を拒絶しないが、それは既存のものの漸進的改良として果たされねばならないと考える。&BR()歴史的・有機的な社会秩序への人為的介入の排除とその漸進的改革が保守主義の思想的特徴であるが、これは現代のF.ハイエクやM.オークショットにもみられる考え方である。|BGCOLOR(#CCCC99):[[保守主義とは何か]]|
|BGCOLOR(#FFDB8E):オポチュニズム(opportunism)|BGCOLOR(#D7EBFF):日和見主義と訳される。&br()確固とした原則的立場をもたず、状況や力関係によって動揺し、無原則的な対応をとること、またはそのような思想的潮流をいう。&br()おもに社会運動・労働運動で用いられる。&br()マルクス主義は、E.ベルンシュタインに代表される修正社会主義を右翼日和見主義、L.ブランキのような一揆主義を左翼日和見主義と呼び、どちらも科学的社会主義理論を歪曲する誤った理論であるとしている。|BGCOLOR(#CCCC99):[[中間派について]]|
※当サイトでは、この5つの政治思想ないしイデオロギー概念を基礎に、政治的スタンスを5分類・8分類している。(下図参照)

**◆4.理念型(ideal type)
政治的スタンスを分析・分類するために、さらに理念形という概念を押さえておく。

|BGCOLOR(#CCCC99):広辞苑(岩波書店)|BGCOLOR(#FFDB8E):りねん・けい&br()【理念型】&br()(idealtypus ドイツ)|BGCOLOR(#D7EBFF):マックス=ウェーバーの社会科学方法論の重要な概念の一。&br()ある現象について、現実には分散的に存在している諸特徴をとりだし、それ自身矛盾のない理想像にまで結合したもの。&br()現実に対する規範ではなく、実在の現象を測定し、比較し、またその文化的意義を明らかにするための手段。理想型。|
|BGCOLOR(#CCCC99):ブリタニカ百科事典|BGCOLOR(#FFDB8E):りねんけい&br()【理念型】&br()idealtypus; &br()ideal type|BGCOLOR(#D7EBFF):理想型ともいう。M.ウェーバーの社会科学方法論の基礎的概念。&br()現実の一定部分を理解するための手段として、それを思惟のなかで整序し、それ自体矛盾のない理想的コスモスとして構成された一種の理想像が理念型である。&br()この概念構成は、1904年に刊行された『社会科学的および社会政策認識の<客観性>』において展開された。&br()彼は理念型を、多数存在する経験的に与えられた所与の現実のなかからその概念を構成するのに必要と思われる本質的要素だけを取出し、一面的に高揚した結果を作り上げた一種のユートピア(思惟像)であるとした。&br()理念型はその純粋性において現実のどこにも存在しないものであり、現実型ではない。&br()さりとて平均型でもないし、また価値を伴った模範型でもない。&br()本質的要素だけを取出して作った思惟像であり、経験的事実と理念型とを比較することによって、現実の記述が明確にされる。&br()理念型の検証は、社会科学的認識にとって有効かどうかによって行われる。|
※理念型は、あくまで政治現象を社会科学的に認識するための仮説であるが、複雑な現象を理解するうえで有効である。


*■3.政治的スタンス五分類・八分類
&ref(http://www35.atwiki.jp/kolia?cmd=upload&act=open&pageid=1380&file=all.PNG,with,height=650)

*■4.本当の対立軸は、自由主義 v.s. 全体主義
上図のように、政治思想の本当の対立軸は、右翼 v.s. 左翼 ではなくて 

&bold(){&size(20){&color(crimson){自由主義(開かれた社会) v.s. 全体主義(閉ざされた社会)}}} 

である。

それぞれに該当する諸概念を以下に対比する。

(※なお、社会主義・ファシズムは共に全体主義)

|BGCOLOR(teal):COLOR(white):CENTER:自由主義(開かれた社会)|BGCOLOR(teal):COLOR(white):⇔|CENTER:BGCOLOR(teal):COLOR(white):全体主義(閉ざされた社会)|BGCOLOR(teal):COLOR(white):CENTER:関連ページ|
|BGCOLOR(lightgreen):民主制(自由民主制)|⇔|BGCOLOR(pink):独裁制(全体主義体制)|[[デモクラシーの真実]]|
|BGCOLOR(lightgreen):資本主義|⇔|BGCOLOR(pink):共産主義||
|BGCOLOR(lightgreen):保守主義|⇔|BGCOLOR(pink):急進主義|[[保守主義とは何か]]|
|BGCOLOR(lightgreen):真の個人主義|⇔|BGCOLOR(pink):アトム的個人主義+集産主義|[[個人主義と集産主義>http://www10.atwiki.jp/syoutai/pages/41.html]]|
|BGCOLOR(lightgreen):解放的ナショナリズム(パトリオティズム)|⇔|BGCOLOR(pink):拡張的ナショナリズム(ジンゴイズム)or国家解体思想|[[ナショナリズムとは何か]]|
|BGCOLOR(lightgreen):立憲主義|⇔|BGCOLOR(pink):専制主義(絶対主義)||
|BGCOLOR(lightgreen):法の支配|⇔|BGCOLOR(pink):人の支配|[[リベラル・デモクラシー、法の支配、国民主権]]|
|BGCOLOR(lightgreen):批判的合理主義|⇔|BGCOLOR(pink):設計主義的合理主義|[[国家解体思想の正体]]|
|BGCOLOR(lightgreen):歴史・伝統主義|⇔|BGCOLOR(pink):反歴史主義、リセット主義||
|BGCOLOR(lightgreen):価値多元論・非決定論|⇔|BGCOLOR(pink):価値一元論・決定論|[[左派・左翼とは何か]]|

*■5.政治的スタンス分析の応用
|BGCOLOR(#FFDB8E):(1)|BGCOLOR(#FFDB8E):支那・中共への抗議活動の性格|BGCOLOR(#D7EBFF):例えば、私たちが中共に反対しているのは、邪悪な全体主義体制だからである。&br()すなわち、自由を価値とせずデモクラシーでもない抑圧体制に反対しているのであって、マスコミなどが盛んに指摘するようなナショナリズム(この場合は拡張的ナショナリズム)ゆえに中共に反対しているのではない、ということをここで確認しておこう。(特に支那の民主化運動やチベット・ウイグルの解放運動の場合)&br()もっとも、尖閣諸島問題は純粋に日本の国内領土への支那の侵略行為であり、これに反対することは日本人にとって正当なナショナリズム(解放的ナショナリズム)の発動であり、また国内の不法在留外国人の不当な土地占拠などに抗議する活動も、正当なナショナリズム(パトリオティズム)の発動と考えてよいと思う。|
|BGCOLOR(#FFDB8E):(2)|BGCOLOR(#FFDB8E):連携の在り方|BGCOLOR(#D7EBFF):例えば、円環モデルの8分類について、本来は同じ「自由」に価値を置くはずの「保守」と「リベラル右派」が、郵政民営化問題などをきっかけに分断されてしまうと、「左翼」が選挙で得をすることになりかねない。&br()図的には、「保守」と「リベラル右派」が確り連携し、「右翼」「中間」まで取り込むか、「保守」と「右翼」が確り連携し、「極右」から「リベラル右派」さらに「中間」まで取り込むことで、「左翼」に打ち勝つ可能性が高まるように思われる。|

*■6.ポリティカル・コンパスとの関係
他の政治的スタンス分析として、「[[ポリティカル・コンパス>http://sakidatsumono.ifdef.jp/political-compass.html]]」がよく使われているが、以下の問題点があり、円環モデルの方が分析・分類内容としてより正確である。

|(1)|ポリティカル・コンパスは、従来の左から右へ一直線に並んだ政治的位置関係を考察するだけの分析ではなく、①政治軸と②経済軸の2次元で、自身の政治的スタンスを分析できる、と謳っている。|
|(2)|しかし、現実には①政治的自由度と、②経済的自由度は密接にリンクしており、両者を分離して考えることは不可能である。(②経済的自由が損なわれれば、①政治的自由も必然的に損なわれる)|
|(3)|また、ポリティカル・コンパスの2次元モデルでは、極右と極左が実はその実質において双生児である(どちらも全体主義である)という、ハイエクやポパーが第二次世界大戦中に鋭く指摘し、英米圏では常識となっている事実を全く表現できない(むしろ隠蔽しているように感じられる)。この極右・極左の隣接を分かり易く表現できるのは、円環モデルだけである。|
|(4)|さらに、[[ポリティカル・コンパスの解説>http://sakidatsumono.ifdef.jp/explain3.html]]によれば、、①保守(=アンチ全体主義の伝統重視派)と右翼(=ナショナリスト)の区別、及び、②リベラル(=本来の意味は自由主義者)と左翼(=社会主義者)の区別、が共についていない。(「いわゆる右翼は保守に、左翼はリベラルに対応します」と解説しているが、これでは本来のリベラル(=ネオ・リベラル)の概念が完全に欠落してしまう。)|
|(5)|なお余りに詳細な分類は役に立たない。円環モデルにある5分類(内枠)および8分類(外枠)程度が適度である。|

*■7.ご意見、情報提供
#comment

#include_cache(政治理論・共通)