ある軍に、ヒョロヒョロに痩せた炊事班の青年がいた。青年は最前線で戦うことを望んで入隊したが、見るからに体格が戦闘向きではなかった。炊事班へ配属され、来る日も来る日も豆を煮続けた。
朝も昼も夜も、青年は野菜を洗い、皮を剥き、一口大に切り、煮込み、炒め、蒸し、肉を焼き続けた。そして、戦線で誇らしく負傷してキャンプへ戻ってくる仲間達に、食事を提供し続けた。
ある日キャンプが襲撃された。仲間達は殺され、青年は銃で脅された――――「作戦を吐け」。しかし、何しろ野菜を切ってばかりいたから、作戦など知らないのだ。知っているのはレシピだけだ。
敵軍の捕虜となった青年は、またも炊事係をさせられることとなった。しかし青年は抵抗しなかった。剣の代わりに包丁を持つほうが自分に向いていると、とっくに気づいていたのだ。天職だった。
武器種 | 小型剣 | レアリティ | ★★★ |
属性 | 火 | シリーズ | 近代軍記 |
EN | War's Chronicle II | ||