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近代軍記ノ壱
町外れに隠居して暮らす老人を知っているか?雨の日に、窓から外をずっと眺めてるあのじいさんさ。現役時代は軍の衛生兵だったみたいで、数々の悲惨な現場に立ち会ってきたんだと。
ある時、激戦地から帰還した兵士の一人が、全身に火傷を負っていたそうだ。手の施しようがないほど酷い状態だが、辛うじて生きていた。しかし軍は、治療は無意味であると判断したんだそうだ。
次の朝、軍は予定通り別地点へ移動して、痛みに呻く火傷の兵士を置き去りにした。死にかけの兵士のために、貴重な水や人手を割くわけにはいかず、当時若造だったじいさんも従うしかなかった。
じいさんは、今もそのことを悔いている。軍にとっては正しい選択だったのだろうけどね。今でも雨が降るたびに願っているんだそうだ。この雨が、置き去りにした彼に降り注いでいればよいと。
武器種 | 大剣 | レアリティ | ★★★ |
属性 | 火 | シリーズ | 近代軍記 |
EN | War's Chronicle I | ||
近代軍記ノ弐
ある軍に、ヒョロヒョロに痩せた炊事班の青年がいた。青年は最前線で戦うことを望んで入隊したが、見るからに体格が戦闘向きではなかった。炊事班へ配属され、来る日も来る日も豆を煮続けた。
朝も昼も夜も、青年は野菜を洗い、皮を剥き、一口大に切り、煮込み、炒め、蒸し、肉を焼き続けた。そして、戦線で誇らしく負傷してキャンプへ戻ってくる仲間達に、食事を提供し続けた。
ある日キャンプが襲撃された。仲間達は殺され、青年は銃で脅された――――「作戦を吐け」。しかし、何しろ野菜を切ってばかりいたから、作戦など知らないのだ。知っているのはレシピだけだ。
敵軍の捕虜となった青年は、またも炊事係をさせられることとなった。しかし青年は抵抗しなかった。剣の代わりに包丁を持つほうが自分に向いていると、とっくに気づいていたのだ。天職だった。
武器種 | 小型剣 | レアリティ | ★★★ |
属性 | 火 | シリーズ | 近代軍記 |
EN | War's Chronicle II | ||
近代軍記ノ参
何十年と戦争が続くその国は、戦地へと駆り出された男達が毎年大勢死んでいた。ついに国は、不足する戦力を埋めるために、年若い子供さえも徴兵するという令を公布した。
そうして、母親と離れたくないと泣く子供達は、役人によって強制連行されていった。あらゆる町村で、無表情な役人に引きずられた子供達の、母親に助けを求める悲痛な叫びが響いた。
連行された子供達は施設に集められ、軍事教育を施された。たった1か月のうちに叩き込まれたのは、人間を殺す方法、脅す方法、拷問する方法。そうして、ついに実戦投入される日となった。
子供達がまず最初に殺したのは、自軍の指揮官だった。そして次々と上官を殺していった。子供達にとっての敵は、相手国ではない。自分達を母親から引き離し、利用しようとした大人達なのだ。
武器種 | 槍 | レアリティ | ★★★★ |
属性 | 火 | シリーズ | 近代軍記 |
EN | War's Chronicle III | ||
近代軍記ノ肆
12月。この地には滅多に雪が降らないが、内陸特有の底冷えする寒さが駐屯地を襲っていた。隊員らは身を寄せ合って酒を飲み、寒さをやり過ごす。この時期、隊員らの話題も華やぎ、遠い地にいる家族や恋人の話が増える。青年の周りも、例外ではない。
青年には恋人はいなかった。しかし、隊員らの話を聞くともなく聞いていると、ふと昔の恋人のことを思い出していた。戦地に派遣されることが決まる少し前に、別れを告げた相手だ。長い間離れ離れになり、生きて帰ってこれる保証もないと思っての決断だった。
彼女は今も、雪深い祖国で、きらきらと降り積もる真っ白な雪を見ているだろうか? 死と隣り合わせの自分には、彼女を愛する権利はないと信じていた。なのに隊員らは、祖国へ残してきた恋人のことを嬉しそうに話した。それが、彼らの戦うべき理由なのだった。
次の朝は雪が降った。地面に触れてすぐ溶ける雪のせいで、道はぬかるみ、酷い悪路となったが、隊員らは普段と変わらぬ態度で戦地へ出ていった。青年は決めた。次に祖国に帰ることがあったら、あの娘にもう一度会いに行ってみようと。
武器種 | 銃 | レアリティ | ★★★★ |
属性 | 火 | シリーズ | 近代軍記 |
追加日 | 2021年5月20日 | ||
EN | War's Chronicle IV | ||
解放: グリフ(形而上の兵長) |
近代軍記ノ陸
音楽家を名乗る青年が、徴兵されて小隊のラッパ手に任命された。彼は、自分はもっと技巧的で格式高い音楽を奏でるべき人間なのに、と文句を吐きながら仕事をした。
小隊の仲間達は、自称音楽家のこの青年のラッパで起床し、食事を摂り、就寝した。戦地においては、襲撃の合図としてラッパの音色に鼓舞されて戦った。
自称音楽家でラッパ手の青年は、だんだんとこの役割が好きになってきた。皆が、自分の奏でた音に反応して動いてくれる。それは彼にとって、初めてのことだったのだ。
任期が終わって、ラッパ手の青年は除隊して元の音楽家に戻った。しかし、彼の凡庸な音楽は見向きされることがなく、業を煮やした青年は軍隊へと戻り、再びラッパ手へ志願したとさ。
武器種 | 杖 | レアリティ | ★★★ |
属性 | 火 | シリーズ | 近代軍記 |
追加日 | 2021年9月10日 | ||
EN | War's Chronicle VI |