NieR Re[in]carnation ストーリー資料館

純然たる大義

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nier_rein

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本当なら、逃げ出してしまいたかった。でもそれはできない。
自分の命と他人の命を天秤に乗せたとき、針はどんな風に揺れる?
その結果を、軟弱だと言うか、当然だと言うか。
誰か、その答えを知っている人がいたら、教えてほしい。

俺は剣を握る。その手は震えていた。
こんなことで、任務が果たせるというのだろうか。
でも、これはきっと、任務を嫌がる体の方が、正しいのだろう。
たぶん任務に逆らえない俺の精神の方が、間違っているのだから。

俺は今日、初めて任務を成功させた。
剣を突き刺し、俺を見る兵士の目が、大きく見開かれる。
その瞳孔の黒さに、俺は飲み込まれてしまいそうだった。
「大義のために……大義の……」俺は何度も頭のなかで繰り返す。

剣の切先から、兵士の真っ赤な血が滴り落ちる。
その「赤」は、この世の憎しみを煮詰めたような色をしている。
その「憎しみ」はもう、俺の全身にこびりついてしまっていた。
俺はもう、引き返す道は残されていないことを理解した。

武器種 小型剣 レアリティ 真暗ノ記憶
属性 シリーズ
追加日 2021年3月9日
EN Perfect Justice
解放: ラルス(輪廻実存の喪失兵)
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