人々は汚染された土地の上で、ただその日を生き抜くために生きていた。汚れた空気が、人も、草木も、全てを駄目にしていく。そんな場所で生まれた多くの子供たちが、自分の未来を思い描くことなく、病気になり死んでいった。
一人の女の子が、友達の男の子に打ち明ける。自分にも、病気の症状が現れてしまったことを。その女の子にはささやかな願いがあった。絵本の中で見た「真っ白な花」。いつかそれを自分の目で見たかったと、小さくつぶやいた。
男の子は本物の花なんて見たことはなかった。しかし必死に真っ白な花を探す。バリケードを乗り越え、立ち入りを禁止された場所までも。懸命に探した末、やっと見つけた一輪の花。それは茶色く萎びた醜い花だった。
男の子は迷いながらも、病に伏せる女の子へ茶色く萎びた花を差し出した。女の子は目をつぶったまま、震える指でその花びらを撫でる。「とても綺麗な花……」そう言って一粒の涙を流した。女の子は貰った花を大事そうに握ったまま、その夜、永い眠りについた。
武器種 | 槍 | レアリティ | ★★★ |
属性 | 闇 | シリーズ | 抗抵 |
EN | Antinomy Spear | ||