NieR Re[in]carnation ストーリー資料館
不死鳥の大剣
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hakto
とある森に棲む一羽の小鳥は、生まれながらにみすぼらしい姿をしていました。その姿に他の鳥達も嘲笑いました。色味も艶もないボロボロの羽でしたが、そんな羽でも翼を広げれば自由に大空を舞うことができると、小鳥は大好きな空を飛び続けました。
他の鳥達は汚い羽で空を飛ばれるのが不愉快で、とある賭けを持ちかけることにしました。「誰が一番高く飛べるか勝負しよう。勝てばこの羽をお前にやるが、負けたらこの森から出て行け」と。綺麗な羽で空を飛んでみたいと、小鳥は勝負を受けることにしたのです。
いよいよ勝負が始まり、鳥達は大空へと飛び立ちました。次第に空気が薄くなり、気流も読みづらくなっていきます。やがて小鳥と大鷲だけが残りましたが、体躯の大きな相手に敵うわけもなく、あと一歩及ばず小鳥は限界を迎えてしまいました。
小鳥は宙を舞い、真っすぐ堕ちていきました。このまま地面に叩きつけられると思われたそのとき、太陽が小鳥を照らし、身体を炎が包み込んだのです。火に焼かれながらも空を舞うその姿は、まるで伝説に名を聞く不死鳥のように美しかったそうです。
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今は昔のお話です。
ある所に光り輝く羽根を持つとても美しい小鳥が、森の奥深くで静かに慎ましやかに暮らしておりました。
ある日、森の奥に口減らしの為に捨てられた子どもが迷い込みました。
飢え衰えた子どもを憐れに思った美しい小鳥は、自らの羽根を一枚啄ばみ子どもに渡しました。
子どもはそれを持ち帰ると大層喜ばれ、再び家族と暮らせるようになりました。
それを聞きつけた人が次々と森に押し寄せ、美しい小鳥に向かって自分が如何に貧しく不幸で報われぬかを訴えました。
憐れに思った美しい小鳥は一枚、また一枚と輝く羽根をむしっては与えむしっては与え、そしてとうとう最後の羽根も与えると、美しかった小鳥の姿はみすぼらしい体となり果てました。
それでもみすぼらしい小鳥は悔いなどありませんでした。
羽根を失い寒さに凍えるみすぼらしい小鳥の前に、いつかの子どもが現れ、恩返しの為に光輝く美しい小鳥を探しているのだと伝えました。
みすぼらしい小鳥は喜び、自分の願いを子どもに伝えました。
「それは私です、どうかその胸で私を温めてくれないでしょうか。」
けれど子どもはそのみすぼらしい小鳥を一瞥すると、嘘付きめと大きな剣で斬り捨て焼いて食べ尽くすと、また美しい小鳥を探し始めてしまいましたとさ。
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NieR:Automata |
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ある日、森に一羽の鷹が迷い込んできました。大空を飛ぶ優美な翼は傷付き弱り果て、今にも死んでしまいそう。その姿を憐れに思った美しい小鳥は、必死に鷹の世話をしました。
美しい小鳥のおかげで、鷹は徐々に元気になりました。優々たる大きな翼に寄り添う、光輝く小さな鳥の姿は、森の動物たちの憧れの的となりました。
傷が完全に治った鷹は、森の外へ帰ると言いました。けれど必ず戻ってくるとも。美しい小鳥は、友情の証としてその輝く羽根を一枚、鷹に与えました。
約束通り鷹は戻ってきました。その傍らに人間を連れて。「この羽根は高値で売れる。良くやった」人間は鷹を褒めると手にした大剣で小鳥を叩き殺し、その羽根を全てむし取りました。
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