NieR Re[in]carnation ストーリー資料館

不死鳥の槍

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nier_rein

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とある村に一人の兵士がいた。戦果と人気を夢見て故郷を離れたはいいが、僻地に配属されたために、これといった戦いに参加できなかった男。近隣住民さえ足を運ばない施設の見張りをする彼は、名声はおろか、友達すら作ることができなかった。

目が覚めては身支度を整え、窓辺の小鳥へ餌を与えてから家を出る。誰も通らない道の見張りを続け、日が暮れると施設の鍵を閉じて帰路についた。誰とも顔を合わさず過ぎる日々。そんなある日、兵士は小鳥に話しかけられたような気がした。

人恋しい余り、ついに幻聴まで聞こえたか。男はそう自嘲する。その内聞こえなくなるだろうと、これといった対処もせず日々を過ごしていた。しかし、快活な子供を思わせるその声は、何度も男に語りかける。「私が友達になってあげる」。

男は怖くなった。聞く度に鮮明になっていく小鳥の声が、自分が壊れていく証明のようにさえ感じられて。焦った男は窓辺の小鳥を握り潰す。だが、翌日も再び窓辺から声が聞こえる。小鳥の姿はない。男は自らの命を絶った。「私ガ友達ニナッテ……アゲタ」。

武器種 レアリティ ★★★★ 
属性 光   シリーズ 不死鳥
追加日 2021年9月17日
EN Phoenix Lance
NieR Replicant
NieR:Automata
SINoALICE

+ NieR Replicant
NieR Replicant
とある辺境の国に死をも恐れぬ戦士がいた。
戦士の屈強な体は弓等では射抜けぬと思える程に頑丈だった。
その為、戦士は常に戦場の真っただ中に身を置いていた。

ある時戦士の夢に美しい小鳥が現れた。
小鳥は、その勇猛な戦いを褒め称え「戦が終結し平和な世界となる事」か「不老不死の体」どちらかの願いを叶えようと囁いた。
戦士は「不老不死の体」を欲した。

それからの戦士の戦いぶりは目を見張るものであった。
敵を草を刈るようになぎ倒し、いくら弓を射たれてもいくら太刀を浴びても平然と敵の真っ只中を切り開いていくのだ。
王は戦士に数々の称号と褒美を与え、戦士の輝かしい栄光の日々は永遠に続くかと思われた。

けれど戦は終わる事なく、辺境の国はやがて滅び、戦火は拡大し辺り一帯は荒廃した。
草木は枯れ、人々は死に絶え、やがて戦士を知る者はいなくなった。
いくら飢えようとも死なぬ体で戦士は再び美しい小鳥の夢を見る。
戦士は死にたいと小鳥に懇願したが、小鳥は死ねないと答えた。
戦士は未来永劫死ぬことはないと囀った。

+ NieR:Automata
NieR:Automata
とある戦士の伝説があった。その戦士は屈強で何者にも劣ることなく、さらに不死鳥から不老不死の体を授かったという。戦士は力を振るう場所を求め、何十年も戦場をさすらった。

止まることのない争いは、やがて戦士を孤独にした。死ねない体を持て余した戦士は、手にした槍で何度も己を貫いた。しかし傷はたちどころに癒え、痕すら残すことは無い。

崖から身を落とし、火の中に飛び込み、濁流に身を投げても、その身は滅びることはない。いつしか戦士は意識を閉じた。そして数百年の後、その傍に一羽の美しい小鳥が舞い降りた。

小鳥は言う「貴方の罪は償われた。永遠の不死がもたらす孤独から救って欲しいのならそうしてやる」。戦士は涙を流し、神に感謝の言葉を述べ、それから小鳥を踏み殺した。

+ SINoALICE
SINoALICE
男は愛する妻のため戦場へと赴く。戦火の中、男は胸を貫かれ腹を斬り裂かれても、決して膝をつくことはない。彼は不死の体を持つ戦士だった。不死でもなければ、体躯にも腕力にも恵まれない男がここまで生き延びることもなかっただろう。

男が不死の体となったのは、一羽の美しい小鳥に出会ったあの日からだった。妻を一途に想う男に心打たれ、小鳥は自らの羽根を一枚差し出しながら言う。「この羽根を身に着けている限り、あなたは愛する人と寄り添えるでしょう」

ひとつ戦争が終わるたび、男はその報酬を手に妻と暮らす故郷の村へと帰る。妻に着飾らせてやることもできない、裕福とは程遠い暮らし。それでも、最愛の妻と一緒に暮らせることが彼にとっての生き甲斐だった。

男は愛する妻のため戦場へと赴く。戦火の中、男は胸を貫かれ腹を切り裂かれ、そして絶命した。その日、故郷の村では、男が肌身離さず大切にしていたはずの美しい羽根を、商人に売りつける妻の姿があった。
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