ブラダマンテ(Fate)

登録日:2020/05/02 Sat 14:05:58
更新日:2025/01/15 Wed 05:08:34
所要時間:約 52 分で読めます







シャルルマーニュ十二勇士が一人、白羽の騎士ブラダマンテ。

ランサーとして召喚されました。

シャルルマーニュ大王に成り代わり、正義を為します!




Fate/Grand Order』に登場するサーヴァント
クラスはランサー、FGOでのレア度は☆5(SSR)。
2018年度におけるクリスマスイベント『クリスマス2018 ホーリー・サンバ・ナイト ~雪降る遺跡と少女騎士~』にて初実装。
Fate/Apocrypha』や『Fate/EXTELLA LINK』にて、その存在は既に語られていた。

2017年度のクリスマスエレシュキガルが実装されてから一年ぶり、なおかつカルナ以来ともなる恒常排出・全体攻撃宝具の新たな最高レアリティランサー。
当初は上記イベントをクリアすることも絆ポイント解放のマテリアル最終段階解放条件に併記されていたのだが、その終了後には条件が緩和されている。




ILLUST:saitom
CV:森永千才*1

身長:170cm
体重:55kg
出典:シャルルマーニュ伝説
地域:フランス
属性:秩序・善・地・愛する者
性別:女性
伝説の英雄ヘクトールの子孫。騎士ロジェロもまた、ヘクトールの子孫である。

◆ステータス

筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
B A+ A C D B


◆スキル


○クラス別スキル

  • 対魔力:A
魔術への耐性。ランクAでは魔法陣及び瞬間契約を用いた大魔術すら完全に無効化してしまい、事実上現代の魔術で傷付ける事は不可能なレベル。
ブラダマンテ単体の対魔力は本来Cランク相当だが、後述の宝具の効果で強化されている。
FGOにおいては状態異常・弱体効果耐性パッシブスキル。


○保有スキル

  • クレルモンの勲:B CT:7(最短5)
クレルモンの家に生まれた者としての誇り、精神性がスキルとなったもの。
兄リナルドの凄絶な剣技に追いつくため、ブラダマンテはあらゆる手段を尽くす。
常人であれば発狂しかねない凄惨な戦場であろうと駆け抜ける。
ブラダマンテは決して諦めず、勝利をつかむ。
ゲーム中では自身のQuick及びArtsのカード性能を強化するもの。
Quick/Arts強化倍率は最低20%~最高30%。3ターン継続。

  • 白羽の騎士:B+ CT:8(最短6)
生まれついての肉体の頑健さと、戦闘を続行する能力を示すスキル。
頑健スキルの一部と戦闘続行スキルの効果を含む。
マーリンの洞窟の奥底へと転がり落ちても、ブラダマンテは大丈夫。
ゲーム中ではガッツと防御力上昇を付与するスキルとなっている。
ガッツは最低HP1000~最高HP3000で復帰回復。3ターン中1回のみ。
防御力強化値は最低20%~最高30%。3ターン継続。

  • 魔術解除:A CT:7(最短5)
保有する宝具に由来する強力な技能。
味方に魔力を供給し、別途掛けられた弱体効果を解除する。
NP増加量は最低10%~最高20%。味方単体を選択して弱体解除。


宝具


目映きは閃光の魔盾(ブークリエ・デ・アトラント)
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~30 最大捕捉:100人


D'accord!

光よ、螺旋と成りて! 全力で参ります!

螺旋拘束! 全身、全れぇ――――い!

目映きは閃光の魔盾(ブークリエ・デ・アトラント)』!!


恋人ロジェロを攫った邪悪な魔術師アトラントが所有していた魔盾。
真名解放によって盾は強烈な魔力の光を放ち、対象にダメージを与えつつ、気絶判定を強制する。
気絶しなかったとしても、目を眩ませる事で敏捷のパラメーターを一時的に著しく低下させる。

なお、本来は盾で殴らない。*2
現界にあたってテンションが上がりすぎているのか、ほぼ無意識に突進して殴っているものと思われる。
アトラントを倒したブラダマンテは、彼の持つ盾を手にし、彼が乗っていた幻獣ヒポグリフを得たと言われる。
(ライダークラスで召喚されれば、もれなくヒポグリフがついてくる)

Quick属性の全体攻撃宝具。敵1体につき5ヒットする。
攻撃前に自身の宝具威力をUP(1ターン・OCで上昇:最低20%~最高60%)し、敵全体に確率でスタン状態を付与(1ターン/60%)・クリティカル発生率をダウン(3ターン/20%)という効果がある。
全体スタン・クリティカル発生率ダウンの効果は固定。


麗しきは美姫の指輪(アンジェリカ・カタイ)
ランク:C 種別:対人宝具/結界宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:30人

十二勇士のひとりローランや兄リナルドが恋に落ちたとされる異国の美姫アンジェリカが所有していた、魔術の指輪。
あらゆる魔術を無効化する力を持つとされる。
数奇な運命からこの指輪を持つこととなったブラダマンテは、邪悪な魔術師アトラントから恋人ロジェロを助け出す際に大いに指輪の力を活用した。

本来はCランク程度であるはずの対魔力スキルがAランクとなっているのも、魔術解除スキルが付与されているのも、この宝具の効果によるもの。
真名解放すれば、魔術に対する自陣全体の防御力を跳ね上げるが、本作では基本的に解放されない。
本来は「姿を隠す」力も備えているが、そちらも基本的には使用しない。
今回の現界にあたっては、この指輪の魔力を右手の槍に込めており、魔術的存在に対する戦闘力を底上げしている模様。

+ 彼女の絆礼装にもなっている。
ブラダマンテ(ランサー)装備時のみ、自身がフィールドにいる間、味方全体のNP獲得量を10%アップ&宝具威力を10%アップ。
ブラダマンテ本人としてはアンジェリカ姫との縁の証でもあるが、フレーバーテキストではアストルフォみたいに他人の宝具を借りパクしたまま現界しているという点を指摘され、大いに焦っている。

「あなたって、本当に最低の屑だわ!」
「あ、アンジェリカ様!? ……じゃない! どど、どなた様ですかっ!?」




◆真名:ブラダマンテ


槍を宝具として持たないランサーにして、アストルフォと同じく借り物宝具系英霊。
ライダーならば宝具に『この世ならざる幻馬』を持つらしいが、ランサークラスでは持ち込めないし、そのためなのか騎乗スキルもなし。聖騎士なのになんでさ。
ただし、マシュアキレウスに続く「盾の宝具を持つ英霊」であり、彼らやレオニダス一世と同様にシールダークラスの適性を持つ英霊とも言える。

「少女騎士」との触れ込み通り、童顔で音域の高い声の美少女。
大王の姪という血統もあるためまさしく「姫騎士」であるとも。
しかしながらよくよく見れば170cmの高身長で胸もたわわなモデル体型。少女とは。


立てば騎士・座ればナイト・歩く姿はマジパラディン。
最初は体操選手のようなレオタード風の衣装を着ているが、霊基再臨で騎士らしい純白の陣羽織を着込む。
第一再臨のサー・コートに光り輝く装備を持った立ち姿は銀河美少年だと嘘吐いて紹介しても真に受ける人がいるかもしれない。

それから再臨すると脱ぎ直す。サー・コートとは。*3
そして宝具を放つ時は更に脱ぐ。完全武装とは。
本人としては「鎧がないように見える部分も魔力で覆われている」とのこと。鎧とは。


素直で純粋、また思い込みが激しく騙されやすい猪突猛進型ヒロイン。
そして恋にはポンコツと化す純情真面目委員長。あと脳味噌筋肉。
正義の騎士として正々堂々・勇猛果敢に戦うことを好んでいながら、諦めが悪く打てる手は惜しまず尽くし、宝具の盾で目くらましや「やられたふり」からの不意討ちすらも常套手段。

それは困難に直面しても絶対に諦めず、目的へ前進し続ける高潔な精神の現れ。
「くっ……殺せ!」などとは言わず、「くっ……こんな状況……覆してやる!」ってなるタイプ。



シャルルマーニュ十二勇士のひとり。純真な少女騎士。白羽の騎士。
王妹アヤとクレルモン家エイモン公との間に生まれた姫君であり、同じく十二勇士のひとりにして魔剣フルベルタを所持する剣士リナルドを兄に持つ。
兄に似て凄腕の剣士として知られる。
大王アグラマンとの戦いでシャルルマーニュ軍が窮地に陥った際には自ら殿(しんがり)を務め、敵将アルジェリア王ロドモンと見事な一騎打ちを行ってみせたという。

いくつかの冒険の末、ブラダマンテはやがて敵国の将である騎士ロジェロと恋に落ち、この恋を成就させるため、多くの苦難に立ち向かった。
邪悪な魔術師に彼が攫われようと、魔女に彼が囚われようと、ギリシャの王子が自分に求婚してこようと、決してブラダマンテはあきらめずに立ち向かい続けた。

あきらめない騎士。心も体も強い。
想いを果たすためであれば、何度でも、何にでも、立ち向かう。
不幸を不幸として受け止める事を良しとしない。
窮地にあっても正義を信じ、善を為そうと心掛ける純真な少女騎士である。

生前に嫌な目にあったため、魔術師嫌い。ただしマーリンは除く。
実は大魔術師マーリンと縁があり、生前の冒険では巫女を通じて助言を授かっている。
ブラダマンテにとって、マーリンは崇敬の対象なのである。



ブラダマンテがマーリンとの仲介役こと巫女メリッサと出会ったのは、マーリンが作り上げた自らの墓所にて。
いつ・どのようにして作られたのかはまあさておき、生家クレルモンに恨みを持つ敵の一族に騙され、断崖から突き落とされた先にあった洞窟――――その中に墓所があったのだ。
このマーリンの墓所には武蔵ちゃんも世界移動の際に訪れたことがあるらしく、2019年度夏季イベント『見参! ラスベガス御前試合~水着剣豪七色勝負!』にてマーリンに助力を取り付けるきっかけになった、と仄めかされている。
ちなみに実装当時、彼女がマーリンに言及したことと臨時のメンテナンスが発生したことを発端に「マーリンピックアップ」のデマが流れてトレンド入りを果たした。何もなかった。おのれマーリン。


ブラダマンテの「白羽の騎士」という称号は、予言の「白羽の矢が立った」騎士であることを示すものなのだろうか。
マーリンは「ブラダマンテとロジェロが結婚すればイタリアは繁栄する」というお告げを残したが――――いや「何で急にイタリア?」というツッコミはともかく――――、その一方で魔術師アトラントは「ロジェロはキリスト教徒に改宗した後、陰謀によって殺される」、つまりはブラダマンテとの恋を選ぶと彼が死に至る未来を事前に予知していた。

アトラントはアフリカ王アグラマンの孫たる双子の兄妹を養育していた。
その二人がロジェロとマルフィーザ。二人はヘクトール直系の血筋であった。
九偉人の末裔のキリスト教徒と王の娘の許されざる恋の末、生まれたばかりの二人は両親を亡くしており、上記の予言を受けていたアトラントによって箱入り育ちとなっていた。

……が、マルフィーザは齢七歳で出奔。これにはアトラントも絶句。*4
行方の知れない養娘を心底心配しながらも、ロジェロに対しては過保護になってしまった。
ところがロジェロもサラセン*5帝国大連合軍の要請を受け、脱走して戦地へ。

過保護な養父は彼を連れ戻すべく躍起になってあの手この手で行く手を阻む。
更には最愛の養子に悪い虫が付いたとでも言うかのように、ブラダマンテとの仲を引き裂こうとした。
祝福と破滅。二つの予言をもたらされた宿命の男女。敵同士の騎士。
斯くして二人は出逢いを果たし、破滅の運命すら受け入れ、多くの試練を乗り越えた。

遂にはロジェロへの洗礼も済ませたのだが、今度はブラダマンテのお見合い騒動が勃発。
両親が提示した結婚相手を嫌がったブラダマンテは、「自分を討ち果たした相手と結婚する」と宣言。
ロジェロ以外と結婚するつもりなどさらさらないので、誰が来ようと容赦なくブッ叩く気満々であった。
当の求婚者のギリシャの王子レオはこれに代役を立てたのだが――――何の因果か、この代役の正体がロジェロであった。

レオはロジェロとの友情に基づいて辞退し、こうして名実ともに二人は結婚を成し遂げた。
ロジェロはフランス・ギリシャ双方に睨まれていたブルガリアの民に請われてその地の王となり、ブラダマンテは王妃となって、友誼と親愛の下に平和をもたらした。
恋の成就に、結ばれた折には、かつてのトロイアの王女カサンドラがヘクトールとその末裔の未来を描いたとされる刺繍の大天幕の下、盛大な婚礼の宴が執り行われたのだそうな。




◆ユニットとしての性能


スキルによる耐久・宝具による敵行動の遅延と、攻防がバランス良く整ったアタッカー。
ランサーなのでクラス補正として攻撃力が1.05倍となっていてちょっとお得。
宝具で倒しきれない時は、スタンさせて相手の宝具をずらしてしまうことも。
撃つタイミングに注意するべきだが、クリティカル発生率ダウンで反撃を減らせる場合も。

Arts・Quickが二枚、Busterが一枚という構成で、それぞれArtsが2hit、Quickが4hit、Busterも4hitとなっており、同じレアリティならアキレウスと同様多くの場面でNPを稼ぎやすい。
ただ、敵単体への攻撃に関しては他の単体宝具ランサーに軍配が上がるのは勿論、通常攻撃も自前のバフがなければダメージソースに乏しい。
Artsも平均以下の性能なので、バフを張ってからのQuickが主体となる。
QB共にヒット数が多くスター生産にも貢献できるものの、クリティカル関係のスキルがないので、クリティカルを出させたい時は仲間のバフや礼装によるサポートが必須。

スキル構成は、二色バフ・ガッツ・弱体解除にNPチャージと、哪吒に近い。
哪吒とは言ったが、本人も正義発言をしているが、五飛は関係ないので悪しからず。

ただし、育成するには再臨・スキル共々大量の「英雄の証」と「大騎士勲章」が必要となる。
最終的にはスキルのレベルアップに第二部以降の「オーロラ鋼」まで喰われる。
どれもこれも周回で多く確保するには難のある素材。ぬううん騎士道ォォォォ!

周回・攻略問わずに活躍してくれることは確かだが、総合的に見ればパールヴァティーワルキューレら☆4のランサーにも見劣りしてしまう。
しかしいざという時のガッツ・防御バフや弱体解除とNPチャージは高難易度攻略に有用なスキルであり、宝具も最初に威力アップのバフを持つため、安定した火力を叩き出せる。
宝具での全体攻撃及びその連射を視野に、耐久にも備えた運用に重点を置くべき。


気になるところはスカディによるQサポート下での宝具連射。
ブラダマンテも勿論3WAVE中三連射が狙えるサーヴァントだが、少し小細工が必要。
三体の敵に対して一回の宝具発動ではどうしてもNP50リチャージには届かないのだ。
そこで自身の「魔術解除」によるNP増加・マスター礼装での補助・オーダーチェンジで別のNPチャージスキルを持つサーヴァントが必要になってくる。

前提条件としてスカディのスキルを十全に育成しておかなければならず、完凸済みカレイドスコープは必須、ブラダマンテ自身の「クレルモンの勲」も高レベルでなくてはならない。
それでも平均して30前後しか溜まらないので、自前のNP増加スキルや、オーダーチェンジが嫌ならマスター礼装「魔術協会制服」を使う必要が出て来る。
叩いてもNPが得られ難いバーサーカーやアサシン相手には殆ど溜まらない場合も。
所謂「スカスカ(Wスカディ)システム」を構築するにもクセの強いサーヴァントだ。

……が、高いHPやブレイクゲージを持った強敵が相手なら話は別。
Quick二枚のブラダマンテはそもそもスカディとの相性が良く、おまけに「原初のルーン」はQクリティカルバフも付与してくれるため、宝具の後も追撃を狙える他、その次のターンでは充分なスターを獲得しているので強力なQクリティカルを期待できる。

次ターンで欲しいQuickカードが出て来ないかもしれない?
だったら水着のBBちゃんだね。カードを固定できるしスターも貰える。
編成できるかどうかはコストと現実のお財布と要相談だがね。


+ 他にも色々な奴と組み合わせてみよう
きっついわ~。宝具が回り始めるまできっついわ~。
特筆するべき点はないが、どちらも耐久性能が高く、じっくりねっとり長期戦ができる。
そんなことより宝具をガン回しして超強化ブラダマンテをぶっぱしたい?
しょうがないにゃあ……そこに令呪が三本あるじゃろ?

とにかくカリスマ系スキルもりもり。
善属性のブラダマンテに悪属性を付与して宝具威力も上げてぶっぱ。気持ちいい。
どっちも期間限定で手に入りにくいし、アーチャーだから喰い合わせが悪いんだけれどね。

誰が呼んだか金髪二つ結びランサーレオタード組。眼福。
ブラダマンテが作り出したスターをエレシュキガルのArtsに集めてクリティカルを出させてみよう。
面白いくらいにNPが溜まってエレちゃんの宝具をすぐ放てるぞ。
QuickとArtsのカードを確保しておきたい? ……水着BBちゃんだね!

スター生成に敵の宝具を停止と、ブラダマンテの宝具と合わせて敵を封じ込められる。
宝具チェインすればOC宝具威力上昇無敵貫通防御無視ブラダマンテ砲弾が完成するぞ。
QuickとArtsのチェインがしやすいのも良い。
QuickとArtsのカードを確保しておきたい? ……水着BBちゃんだね!

ギルのスキルをフル活用すればArtsでもスターをたくさん稼げるし、敵への弱体付与成功率が上昇することで宝具のスタンの確実性が高まる。
そこにフィンも組み合わせればNP回収もサポートしてくれるし、素ではNP効率の悪いフィン自身もギルの恩恵を受けて活躍してくれること請け合い。
フィンがスキルのデメリットを発動しても、ブラダマンテならすぐにそれを解除できる。
フィンかギルどちらかの代わりにお虎さんを入れても好相性。
Busterが増えるのでQuick主体のブラダマンテと多少カードが揃いにくくなる半面、全体宝具のブラダマンテ・単体宝具&クリティカルのお虎さんとで役割分担できる。
「舞うが如く!」「にゃー!」「もんじょわー!」「オフだと言っておろうがぁぁぁぁ!」
ただしスキル封印には滅法弱いぞ。
いきなり全体に掛けられたらすごく困るぞ。








◆イベント「ホーリー・サンバ・ナイト」


説明しよう――――
2018年12月のFate/Grand Orderに起こった三つの出来事!

  • 一つ、アルテラ・ザ・サン〔タ〕が見出した新たなサンタクロース、ケツァル・コアトルはサンバと誤解したままサンタと化してしまった。
  • 一つ、西欧の信仰体系の概念であるサンタと南米の主神であるケツァルとは相性が悪く、「善神」と「戦神」の二つの側面が分離してしまった。成田離婚! 良悟じゃなくて空港な!
  • 一つ、分かたれた闘争を司る半神はクリスマス聖杯と共に南米メキシコへと飛び去ってしまった。
  • 一つ、その半神は悪役「ブラック・ケツァルマスク」を名乗り、メキシコクリスマス聖杯を核とした「真のサンタクロース」を決める「サンタタッグトーナメント」を開催しようとしていた!

……あ、これじゃ四つか。まあいいか。
「まるで意味がわからない」? 大丈夫、こっちも全然わかんねえから!


ブラック(略)マスクが聖杯を設置したリング兼祭壇のピラミッドにて召喚されたブラダマンテは、取り敢えず平穏な願いを聖杯に祈ろうとしたところ、それを「お手付き」としたブラックマスクに襲われてしまう。
ブラダマンテは奪われた力と鎧を取り戻すため、ブラックマスクの提示するルールに則りコンビを組む相手を探すのだが、魔力枯渇により力尽きる寸前にまで達してしまった。
そうして行き倒れていたところを、カルデアからレイシフトしてきた主人公とケツァル(略)サンバに助けて貰うのだった。

往年の超人プロレス漫画タッグマッチ編を彷彿とさせるどころじゃないレベルの怒涛のパロディ昇天ペガサスMIX盛りで描かれる闘いの連続――――
画面の外のマスター達の腹筋を亜光速で崩壊させながらも、予選落ちしたもののブラダマンテ専属コーチとして名乗りを上げたマルタ(テリーマン枠)による喧嘩殺法の伝授、駆け付けてくれた長老アルテラサンタ(西アジア代表として戦ったけれども脱落した)の助言を受け、騎士とサンタは遂に自分達二人だけの必殺技を完成させ、件の黒幕こと悪役レスラーブラックマスクに決戦を挑む!


そこで明らかになった事実は二つ。

  • 一つ、ケツァル・コアトルの持つ「善なるものへの優位性」は今回ケツァル自身に作用しており、謂わば悪の側面とも言える闘争神のブラックマスクの独り勝ちなステージであったこと。
  • 一つ、聖杯から抽出された高純度のサンタ概念と融合したブラックマスクは、最早純度の高いサンタクロースにしか倒せないということ。
  • 一つ、サンタとして、戦いの神として、ブラックマスクは「戦いにて願いを叶える者」となり、その完成には「願いを持つ者」が必要――――ブラダマンテは願いを無理矢理叶えさせられるためだけに召喚されたということ!

数えてみたら三つあったことはともかくとして、願いの成就――――即ち、敗北を、真のサンタとして認めることをブラダマンテに迫るブラックマスク。
騎士は、しかし、諦めてなどいなかった。
騎士は誇りを以て宣言する。願いは己の力で成し遂げてみせる、と。




「私は……。」

「……正しい道の先で、求めるものを見つけたい。」

「私は、騎士として胸を張った歩みの先で、見つけたいの。」

「努力して、苦しんで、いっぱいいっぱい歩いて、泥に塗れて。
けれども、だからこそ、喜んでくれると思うから。」

「ズルをして、他人の力だけで、簡単に見つけたって。」

「騎士らしさを捨てて、相棒を見捨てて。敗北を宣言しながら
懇願して、情けなく追い付いたって――――」


「そんなの、私の恋の証明にはならない!」




ブラダマンテの騎士道を讃え、相棒ケツァルマスクは彼女に己のサンタの力を貸し与える。
離れた場所から観戦していた歴代サンタ達もまた、ブラダマンテへサンタ概念を集合。
ここに、この一時のみに純度の高い新たなサンタクロースが誕生する。
その力を以て、永遠のクリスマスを謳う偽りのサンタクロースを打倒するために。

――――メリークリスマス。
ケツァルは無事に再統合を果たし、聖杯の力で降っていた雪は止んだ。

ところが、どうだろう。
普通12月は夏真っ盛りの南半球では実に珍しい、有り得ない、降雪が再び彼の地に現れた。
これは特異点の異常気象ではなく、世界の気まぐれで降る本物の雪。
戦士への祝福であり、空からの贈り物。

世にも美しい奇跡の景色に感嘆しながら、ブラダマンテは座へと還った。
その探索の道に祝福あれ。女神ではなく、友としてケツァルは言う。
いつの日か再び、カルデアの縁と交わらんことを。


騎士と騎士は、男と女は、何度もすれ違ってきた。
ひょっとしたら同じものを見ていたこともあるかもしれない。

――――雑用係のジャガーマンは、トーナメントパネルを片付けていた。
そこに「アフリカ代表コンビ」の一人として書かれていた名前を、ブラダマンテは知らない。
もしも少女騎士が、そこに自らの望む名前を見たとしても、気付かなかったことに笑うだけだろう。
後悔したとて歩みは止めず。想いは永遠。その恋は無限の彼方まで。





サーヴァントとして現界したブラダマンテにとってロジェロとは、『輝きを追い続ける英霊』というアイデンティティそのものといえる。
彼女がブラダマンテという“物語”であり続ける限り追い求め、探し続ける『希望』がロジェロなのである。
すなわち、生前のように幸福な結末を迎えることなく―――“永遠の探索の物語”として定義されたものこそが、英霊としての彼女であり……

「もちろん、ちょっと悲しいです! でもそれ以前に私は聖騎士だから、世界をとりもどすために全力でがんばります!」
『それがいいですよ。あなたの心に直接語りかけています』
「マーリン様!」



ちなみに。
2019年ゴールデンウィーク中に開催されたコラボイベント『レディ・ライネスの事件簿』においてはこのブラックケツァルマスク戦が再現され、そこにブラダマンテを連れて来ると、当時のクリスマスイベントと同じ複数の猛烈な強化バフ状態が付与されるようになっていた。
これは自前のブラダマンテにもサポートでフレンドから借りてきたブラダマンテにも発生する仕様だった。芸が細かい。
そしてブラックマスクの相棒は何故かルルハワのデケえ鶏だった。




◆補足


始めに言っておく。“シャルルマーニュ伝説”とは基本的に「喜劇」(コメディ)である。
それは騎士の騎士による騎士のための花道。
たとえ結末がハッピーエンドでなくても、苛烈果敢な勇者が入り乱れ、時に冗談みたいに命を落とし、誰かの恋が成就すれば、別の誰かは失恋し、アホはいつまで経ってもアホだと思っていたら突然凛々しくなって見直してしまうもののすぐアホに戻る。
それが騎士道物語。大衆娯楽の法螺吹き話。

シャルルマーニュ十二勇士は、中世フランスにおいてカール大帝直属の配下と謳われた聖騎士(パラディン)達のこと。十二の盟友(ドゥーズペール)とも言い、所属メンバーはシャルルマーニュ伝説を扱った作品媒体において差異や変遷が見られる。
ブラダマンテを十二勇士として扱わない作品も存在するが、Fate世界観においては彼女もその一員と認められているようだ。

+ 以下、Fate/EXTELLA LINKのネタバレを含むため格納
シャルルマーニュの項目にもある通りなのだが、Fateではその存在は幻想に基づくもの――――伝説は吟遊詩人が吹聴した法螺話、史実のカール大帝の逸話から派生した二次創作に過ぎない。
これを踏まえるならば、伝説を出典とするブラダマンテもまた同様に史実ではなく幻想寄りの存在、つまりは非実在の英霊だと言える。

しかしながら、ブラダマンテを含むシャルルマーニュの血筋と、その恋人ロジェロと、そして御存知マイフレンドことマンドリカルドくんには、トロイア戦争の英雄・九偉人ヘクトールの末裔だとする設定が存在する。
トロイアは実在したことが確認されているため、あながち幻想だけでなく史実にも紐付けられているのではと思いきや――――ちょっと違うのだ。

ぶっちゃけて言うと、ブラダマンテに関連する物語群もまた伝説の二次創作。
彼女が登場する物語の原典はマッテーオ・マリーア・ボイアルドによる『恋するオルランド』と、未完に終わったこれの続編として綴られたルドヴィーコ・アリオストによる『狂えるオルランド』の二作。
オルランド、即ちローランのイタリア語読みでの名前を冠するこの二作は、そもそもルネサンス期のイタリアで執筆されたものである。
イタリア発の誤解を多分に含めたフランスの騎士道ロマンスだったのだ。

特に後者、アリオストの『狂えるオルランド』にてブラダマンテとロジェロの恋物語は大きく展開している……というか、作中ではロジェロが主人公(ピーチ姫)でブラダマンテがメインヒロイン(マリオ)だと言っても過言ではない。
逆だって? いや合っている。捕まる方と助ける方だよ。

アリオストは時代考証にも地理にも非常に大雑把で、ヨーロッパ圏の国々を囲むアフリカや東方カタイといった諸外国群への理解度に乏しく、登場人物の名前も西洋風のものばかり。
契丹に由来するらしきカタイ、つまり中国の姫の名が「アンジェリカ」なところからもお察しの通り。
また、アリオストはこの作品において聖騎士の騎士道物語を背景に、ローランが発狂した経緯と、自らが仕える主人でありパトロンでもあったエステ家の起源を描いている。
このエステ家こそが、ブラダマンテとロジェロとの間に生まれた子孫だというのだ。

エステ家の開祖はフランク族のオベルトⅠ世とⅡ世、或いはアルベルタッツォⅡ世だと現実には記録されているが、それが伝説のヘクトールの血筋と結び付けられて物語に登場している理由は、ただの権威付け。
神話におけるゼウスの女性関係とすったもんだエピソードが生まれた原因が、ギリシャの権力者がどいつもこいつも「ゼウスの末裔」を名乗ってあれこれ付け加えたのと同様。

元々ロジェロとブラダマンテは『恋するオルランド』からの登場人物であり、彼らの血統についてもこの作品で説明されている。
『狂えるオルランド』の方では二人がエステ家の開祖となった、という設定が付け足されているに過ぎない。
要するに当時のエステ家のご当主様が、お抱えの詩人であったアリオストに「ロジェロとブラダマンテの子孫が我々なのだ」と書かせることによって、遡って自分達がヘクトール直系(重要)の子孫だと主張(捏造とも言う)したのである。

ところが、そのエステ家もなんだかんだで実際にヘクトールの血筋に組み込まれてしまっている。
上述したように、シャルルマーニュもヘクトールの子孫であり、とすると設定上同一人物であるカール大帝も勿論ヘクトールの子孫だということになり、大帝の子孫であるハプスブルク家を発端として、ヘクトールの血筋は欧州からロシアにまで広く分散するに至ったと言える。
現在実装されているサーヴァントにもその子孫・また関わりのある人物は多い。
マリーとかアナスタシアとか、カーミラことエリちゃんの旦那様とか。

……で、エステ家の話に戻る。
彼らはそのハプスブルク家と結婚しちゃったのだ。
法螺話を現実にしちゃうとか、有言実行にも程があるとは思わんかね。




◆人物関係


伯父と姪の関係。主君でもある。
とはいえ後者のヒゲには知らない子扱いされるかもしれないが。
シャルルマーニュが言うには「スカポンタン」な奴には十二勇士の素質があるとのこと。


生前の同僚にして親友、更には従兄弟の関係でもある。
互いに「アーちゃん」「ブラちゃん」と呼び合うくらい仲が良く、女装にも肯定的。可愛いは正義。
じゃあローランは「ローちゃん」だな。
「はーいっ! シャルルマーニュ十二勇士が一人、聖騎士ローランです。イタリアではオルランドとも呼ばれているんですって。メルシー、メルシー」(紫式部の声で)
うっ、怪電波が……と思いきや普通に名前で呼んでいる。

その奔放さには頭を悩ませることもあり、翌2019年度クリスマスではセイバーにクラスチェンジまでしでかして暴走する彼を見守りながら共闘。
残念ながらストッパーにもガード役にもならなかったが。

ちなみに宝具『触れれば転倒!』は、インドの女帝マルフィーザ(前述のロジェロの生き別れの双子の妹)と決闘する際にブラダマンテが使用したこともあり、また『この世ならざる幻馬』も元々魔術師アトラントから奪ったブラダマンテ→ロジェロ→アストルフォと所有者が推移している。
お互いに宝具の貸し借りを行うほど気安い関係でもあったのだ。
更にちなみにアストルフォはマルフィーザともマブダチになっている。どんだけだよ。

ライダークラスで現界する場合はもれなくヒポグリフもブラダマンテに付いてくる模様。
ブラダマンテも「ヒポちゃん」と呼びつつ可愛がっている。手作りチョコにもなった。


  • ロジェロ
敵国の騎士でありながら恋人となり、英霊として現界してなおも追い求める最愛の男性。
彼に関わる物事には「著しくIQが下がる」とアストルフォに言われるほど熱心。
具体的に言うと、彼の残り香がないかとヒポグリフにかぶりついてクンカクンカするくらい。

お互いにほぼ一目惚れであり、アルジェリア王ロドモンとの一騎打ちで殿軍から離されていたブラダマンテの窮地を紳士的に救ったのが二人の馴れ初め。
味方のはずなのにロドモン王を伸したり、ブラダマンテを倒そうとしたこれまた味方のはずのアフリカ兵を退けたりと、こちらも彼女に似たり寄ったりで恋に盲目。
ブラダマンテの方も、奮戦するイケメンの敵将を見るや「イケメンで強いのね! 嫌いじゃないわ!」という具合に最初から好感度MAXだった模様。

その実力は他の十二勇士にも引けを取らないどころか、ヘクトールの伝説の装備をほぼ自力でほぼコンプリートした殆ど化け物みたいなフルアーマーセイバーマンドリカルドくん(ブリリアドーロに騎乗中)にド頭をカチ割られながらも競り勝つという桁違いの物理最強。
他にも紆余曲折あってギリシャ帝国軍を単騎で全滅に追い込む、紆余曲折あって素性を隠したままブラダマンテと決闘した時には彼氏とは知らず本気で殺そうとしてきた彼女をRPG初期装備みたいな剣で完封するなど、シャルルマーニュ伝説に現れたスーパーサイヤ人と言っても過言ではない。
そんな彼でも魔術を用いた奇策には弱く運も悪く騙されやすい。すぐ捕まる。

ロジェロも一度は『この世ならざる幻馬』『麗しきは美姫の指輪』の持ち主だった。
ただし前者は、ブラダマンテと再会できて喜びも束の間、制御できず乗騎に連れ去られたため。
マーリンすら頭を抱えるほど間の悪い男であった。

なお、他のカップルとしての逸話を持つ英霊たちと同様に「ブラダマンテが登場した以上、ロジェロにも来てほしい」と彼の登場&実装を期待する声も多い。
また、前述の通りブラダマンテがキャラの割に高身長・ナイスバディであることから「ロジェロもブラダマンテと釣り合うような高身長マッチョマンなのではないか?」とか、「逆にロジェロは小柄なショタ系で、ブラダマンテと身長差カップルになるようデザインされているのでは?」とか予想する声もある。


  • マルフィーザ
上述のロジェロの双子の妹。一言でいうとマジ女傑。
現代なら小学一年生くらいにアトラントの塔を脱走するわ、脱走したら人攫いに遭うわ、売られた先のペルシャで下剋上を成し遂げるわ、いつしかインドの女帝にまでなって支配域を広げているわ、何故か独りで武者修行としてサラセンの軍勢に加わっているわ、しかもロジェロ並みに強いわ。
あの兄にしてこの妹あり、である。

このマルフィーザが紆余曲折あって傷付いたロジェロの看病をしていた折に、その噂を聞き付けたブラダマンテは彼氏が美女と懇意にしているのを浮気と誤解し、敵陣へ乗り込んでしまう。
名乗りもせずロジェロを要求する彼女に、彼氏は誰とも知らぬ猛者が自分へ決闘を申し込みに来たのだと更に誤解し、それに先駆けてマルフィーザが手柄にせんと颯爽登場。
彼氏を呼んだら件の美女が現れた(勿論当時は妹だなんて知りもしない)ため遂にブチ切れ、次第に馬にも乗らず武器も取らずのキャットファイトにもつれ込み、周囲のサラセン軍や彼女を追い掛けてきたフランス軍も巻き込む大合戦に発展した。
……という如何にも傍迷惑な経歴もあるため、ブラダマンテはイベントシナリオにおいてアストルフォに清姫と同類(意訳)」とまで言われている。

ことロジェロに関しては並外れた執念を抱き、暴走するブラダマンテだが、果てには彼を暗殺した一派に対し、このマルフィーザと共に復讐に及んでいる。
双方バーサーカーとアヴェンジャーの適性があるとしか言えまいが、ただしその内容を取り扱うはずだった『恋するオルランド』は文学作品としては未完。


  • アンジェリカ
第二宝具の本来の持ち主。絶世の美女。東方「カタイ」の姫。
ローラン発狂の原因である紛れもない悪女だが、舞台装置でしかない小悪党。
実を言うと、原典ではブラダマンテとは言葉を交わしたこともなく、宝具である指輪は盗賊に盗まれたものがロジェロに利用され、更に彼を追って来たブラダマンテの手に渡ったという経緯。
余談だが、ブラダマンテの兄リナルドとはコントみたいな追いかけっこを繰り返している*6


御存知マーリンお兄さん。ブラダマンテにとってのあしながおじさん。
重度の円卓の騎士信者であり、その中でもマーリン推し。麗しのマーリン様。
マーリンを所持していると感激するが、バトルのシステム上、相性はお察し。
魔術師は嫌いだと言いながらマスターへの好意的な態度も、元はと言えばマーリンの縁者でもあるため。

マーリンはブラダマンテの旅の相棒にもなる巫女メリッサ(職業:魔女)を介して数々のお告げを与え、「ブラダマンテとロジェロが結婚すればイタリアは繁栄する!」との予言を以て二人の仲を取り持った。
つまりはあのマーリンに甲斐甲斐しく入れ込まれた結果がこれ。あのマーリンにだよ。
これまでのマーリンのロクデナシっぷりを見聞きしてきた多くのマスターは彼の行いを疑い、ダ・ヴィンチちゃんにも「円卓でもそこまではいかないシンパっぷりよね」と言われるほど。

FGOにおいてもマーリンのお告げは健在。バレンタインでもお告げした。
絆を上げると何処からともなく親の声より聴いたマーリンの櫻井孝宏ボイスが割り込んで来る。
ここで言わせていただくが、「CV:森永千才」表記は「&櫻井孝宏」不備ではないかと。

ちなみに担当声優の森永氏によるマーリン評がこちら↓
収録時:「めっちゃ聖人じゃん」→2019年秋頃「なんか違うな」


  • 騎士王、円卓の騎士
名高き聖剣の騎士王と誉れ高きその騎士達。
アルトリア系列にはとにかくサインを欲しがる。*7

ガレスには性格的にも似ている点を認められており、モードレッドにも気に入られている。
ブラダマンテがサインをねだったり、モードレッド達が声を掛けたりしたのを、男の父上こと異世界のアーサーが返答に困って逃げたことから彼の王の幕間の物語が始まる。


イベント中、初対面のカルデア一行にも好意的になった理由。癒し。
曰く「マーリン様の匂いがする」とのことで、一時は「フォウ様」とまで畏まっていた。
マイルームでもフォウくんからはマーリンの気配を感じ取っており、もしやロジェロの生まれ変わりなのでは、というあまりにも飛躍した推論を発している。


憧れのトロイアの英雄。ブラダマンテ内最敬愛対象。
自分とロジェロ、そしてマンドリカルドの先祖でもあり、面と向かって会うとテンパる。
その一方、彼が遺した数々の武具や鎧の散逸に関しては管理不行き届きだと苦言を呈した。
もっともヘクトール本人からすれば死後の不可抗力でしかなく……

ちなみに、ブラダマンテの幕間は「実質、ヘクトールの幕間」と揶揄されるほど、おじさんの出番が多い。


かつて敵対したタタールの王にして強敵(ライバル)。遠い親戚でもある。
今の陰キャなマンドリカルドくん自身はロジェロにプライドごと打ち砕かれて死んだ後の人格なので、彼の縁者で今でも陽キャなブラダマンテら十二勇士にも警戒心を露にしていた。
だが、幕間の物語にてそのわだかまりも解け、生前の軋轢は水に流し、一緒にヘクトールの追っかけをする同好の士となった。


イベントにて巡り会ったリング上の相棒と押しかけホーリーコーチ。
カルデアベースにおいても交流を深めている。

ケツァルにはほぼ常時リングネーム風に「ブラダマン」と呼ばれ続けて困惑。
マルタはフランス所縁の聖女でもあり、性格的にも脳筋精神も相性抜群。
タラスクはサンドバッグ代わりにされていた。

純粋純真なブラダマンテだが、毒で寝込んだケツァルの代打としてマルタが登場した時は流石に見破……れるわけはなく、マスク一枚だけの変装で一日中完全に騙されていた。
気付かされたのは試合終了後。正体を現したマルタを見て「替え玉作戦」と「気付かなかった」ことの両方にショックを受けて凹んだ。

己の未熟さを認めながらも、甘やかされることにも弱いと知りながらも、自分の願いは自分の力で叶えるものとし、試練には真正面から挑戦する克己心こそがブラダマンテの強さである。
諦めずに前に進む、そんな彼女の健気な姿勢から誰もが手を貸すのだ。
本物の善神と本物の聖女が彼女に認めた「究極の善性」と「聖女の素質」――――それはとても心地良い、人間の持つ可能性、その輝きを凝縮した“未完成”なのだ。


イベント中では命の恩人であり、セコンド兼マネージャー。
前述の通りマーリンの残り香によって全面的かつ好意的に接する。
「王者」とは異なる彼/彼女の在り方に戸惑いつつも、自分は失せ物探しが得意だなどと言って、積極的に協力してくれる。

しかしながらブラダマンテはマーリンを除く大の魔術師嫌い。
曰く、「魔術師は概ね極悪非道冷酷無慈悲(意訳)」と、うん、大体合ってる。
……とすると、「通常の」聖杯戦争で「真っ当な」魔術師が彼女を召喚したならば。




◆余談

  • 森永氏最愛の英霊
担当声優の森永氏はブラダマンテの実装当時、ガチャで入手することが叶わなかった。
おまけに翌2019年は単体ピックアップもなく、サンバの復刻すらなかった。
これに対しては氏だけでなくケツァル・コアトル担当絵師の広江礼威氏ら含む関係者各位、またファンの双方からも悲しみの声が上がった。*8

それでも森永氏はブラダマンテを推し続け、自費でFGOフェスに参加したり、そこで「英霊祭装」版の彼女の肉付きの良さにご満悦になったりしていた……
そして時は過ぎ、2020年2月。
幕間の物語キャンペーン第12弾にて氏待望のピックアップガチャが開催され、念願のブラダマンテ召喚を達成。
その時のtwitterにおける氏の絶叫と歓喜にむせぶ様子は一種の語り草となっている。


  • Montjoie(モンジョワ)
宝具カードを選んだ時に聴ける「もんじゃ」みたいな台詞の正体。
イベントシナリオ中でも度々発し、やたらと印象に残るのではなかろうか。
英語で言い直すと“My joy!”となるか。ザ・ジョイ!(爆発四散)(不夜城のキャスターの声で)

この“Montjoie”は元々中世におけるフランス軍の鬨の声。万歳。
『ローランの歌』が成立した時期と同じ時代のルイ6世の統治の頃、“Montjoie, Saint Denis!”(サン=ドニ市、万歳!)という決まり文句があったと記録にも残されている。
蛇足だけれどサン=ドニ市の由来はゲオル先生の同僚たる十四救難聖人の一人、「パリのディオニュシウス/聖ディオニジオ/聖ドニ」*9が初代ご当地司教様だったから。


  • 実装時の反応
クリスマス2018 ホーリー・サンバ・ナイト ~雪降る遺跡と少女騎士~』というイベントのタイトルが発表された際に、「少女騎士」というキーワードからその年の水着イベントに顔出しをしていたガレス*10が実装されると予想していたマスターが多く、十二勇士からの抜擢に意表を突かれた者もまた少なくなかった。
加えて「金髪ツインテール」「ナイスバディ」「ビームシールド」といった、ソシャゲの美少女キャラとしては正統派・直球勝負なビジュアルに、逆に戸惑う声もあった。
……このあたり、直前の中国異聞帯での阿修羅ケンタウロスロボ宝具がフェイスフラッシュ性別:朕出戻りの先輩UMAといった魔球のような顔ぶれのピックアップに、マスターたちの感覚が微妙にずれていたフシもあるが。


  • 禁断のパーティー編成(超絶不敬朕様激怒案件)
始皇帝・陳宮・ブラダマンテ・ヴラド三世エウリュアレ・ステンノ
「朕陳ブラヴラ双生児」
始皇帝・陳宮・ブラダマンテ・ヴラド三世・ガネーシャ雷帝陛下
「朕陳ブラヴラパオンパオン」
刑部姫・玉藻タマモキャット・始皇帝・ブラダマンテ・李書文
「おっきー玉タマ朕ブラ李」
始皇帝・陳宮・ブラダマンテ・ヴラド三世・メルトリリス・ガネーシャ
「朕陳ブラヴラプリマハム」
始皇帝・陳宮・ブラダマンテ・ヴラド三世・メルトリリス・ディオスクロイ
「朕陳ブラヴラプリマ双生児」
(自由枠)・始皇帝・陳宮・ブラダマンテ・ヴラド三世・ディオスクロイ
「フリーダム朕陳ブラヴラ双生児」
ヘクトール・始皇帝・陳宮・ブラダマンテ・ヴラド三世・ディオスクロイ
「兜輝く朕陳ブラヴラ双生児」
殺生院始皇帝・陳宮・ブラダマンテ・ヴラド三世・ディオスクロイ
やっべ。
始皇帝・ブラダマンテ・ブラヴァツキー(術)・ブラヴァツキー(弓)・ヴラド三世(狂)・ヴラド三世(槍)
「朕ブラブラブラヴラヴラァッ! ヤベーイ!




追記修正、我が喜び(モンジョワ)
最後にこう付け加えるべきとマーリン様に教わりました!

(それが良いでしょう。今、あなたの項目を編集しています)


今の誰ですかマーリン様!?

(……誰でしょうねえ?)
もんじょわー?……\モンジョワー/









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  • 身長と尻がデカイ女
  • 終わりなき旅
  • Fate
  • (マーリン様…直接脳内に…!?)
  • 狂えるオルランド
  • 愛のある項目
最終更新:2025年01月15日 05:08

*1 実はもう一人いる。後述。

*2 盾での攻撃は「シールドバッシュ」或いは「シールドスラム」と言う。ブラダマンテのように盾で突撃する際は「シールドチャージ」または単に「チャージ」とも言い、現代においては機動隊による暴徒鎮圧のための攻撃手段の一つでもある。

*3 Surcoat:シュールコー(surcotte)とも。元々はシクラスと言い、十字軍の陣羽織であった。

*4 その後まさか養娘が奴隷から成り上がってインドの女帝になり、兄と肩を並べる凄まじい武勇をも誇るようになったとは思いもしまい。

*5 中世欧州で使われていた、東方イスラム世界の民を指す言葉。欧州古典文学上よく出て来るが、差別用語でもあるので日常会話には使わないでいただきたい。

*6 創作におけるトリスタン物語から引用されたらしき「愛」と「嫌悪」の泉の魔力によるもの。しかもこの泉、制作者はマーリン。

*7 ただしオルタやリリィやユニヴァース系列しか持っていない場合は聴くことができない。ちゃんとしたアーサーでないと。……ちゃんとしたアーサーって何だ?(錯乱)

*8 キン肉マンパロディがいけなかったのか、或いは当時放送中だったアニメ版第七特異点に配慮したのか……真相は闇の中。

*9 ローマによる迫害で首を刎ねられて処刑されてなお落ちた自分の首を拾い上げ、街中を説教しながら練り歩いてから往生しなさったとんでもねえ聖☆でゅらはん。サロメちゃんのストライクゾーンのド真ん中にいながら場外ホームランで勝ち逃げしそうな御仁だろう?

*10 当時はまだ真名が明かされておらず、あくまで推測。