「ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国 - (2014/05/22 (木) 22:04:30) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国 【ぞいどつー へりっくきょうわこく ぶいえす がいろすていこく】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005U0LW)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|トミー|~| |開発元|ウィル|~| |発売日|2002年2月21日|~| |価格|5,800円(税抜)|~| |>|>|CENTER:''[[ゾイドシリーズリンク>ゾイドシリーズ]]''| **概要 &bold(){共和国と帝国の覇権を巡る戦争が再び繰り返される・・・!} 太陽系から、はるか数万光年の彼方に存在する惑星Zi(ズィー)。~ そこに生息する巨大な金属生命体「ゾイド」は、「メカ生体・ゾイド」に改造され、戦争に投入されていた。~ ガイロス帝国とヘリック共和国の覇権を巡る果てしなき抗争は再び幕を開けたのである……。(説明書より引用) ゾイドのアニメが『/0』へと代替わりを果たした2002年((しかし、発売された時点では放送は既に終了していた。))、満を持して発売されたPS版ゾイドシミュレーションゲームの2作目である。基本は前作を踏襲しつつ、物語に重点が置かれている。~ 今回はアニメのストーリーとバトスルトーリーが適度にミックスされた内容であり、バトルストーリーから取られた部分もあればアニメから取られた内容もある。~ 一方、前作ほどミリタリーに重点は置かれてなく、子供向けアニメ作品らしくとっつきやすいつくりになっている。 ---- **評価点 //あって当たり前のことは書かない。 ***登場ゾイドの種類 今作では前作に登場しなかった新世代ゾイドが多数登場し、共和国・帝国あわせてその数100体以上。 その中にはアニメで活躍したブレードライガー、ライガーゼロ、ジェノザウラーだけでなく、オリジナルゾイドが2体が登場し、前作で未登場が嘆かれたグレートサーベルはグレートセイバーという名前で登場し、さらにはライジャーの勇姿も。 -ゾイドは前作と同じくすべて3DCGで再現されていて、戦闘では変わらず軽快な動きを見せてくれる。 -改造のバリエーションが前作よりも増え、新型機は勿論旧型機も多くのバリエーションを持つ。 -アニメ登場ゾイドはもちろん強力だが、だからといって旧型機相手に無双ができるほどではなく、集中攻撃されればあっさり墜ちる。シミュレーションゲームとしてのバランスは破綻していない。 ***ストーリー・設定 賛否両論部分もあるが、固有名詞を持った登場人物が姿を見せるようになり、より深く作品に没頭できるようなった。 帝国、共和国いずれもただの軍人だった主人公が戦いを通じて、その裏で暗躍する陰謀に気づき、国家の枠を超えて惑星のために真の敵と戦うという王道の物語が展開される。 -当然、ストーリーに絡んでイベントも多く、プレイヤーは多くの選択をしなければならない。選択によって補給されるゾイドの種類が変わったり、途中で入手できる(かもしれない)ゾイドやアイテムがある。前作のように只言われるがまま、戦場を渡り歩くのとは一味違う。 -アニメ、バトルストーリーとのクロスオーバー 名前が出ただけでは終わらず、バトルストーリーやアニメと同様のイベントが進行するステージが存在する。 -前作でも地球人が乗ってきたグローバリー3世が登場するなどしていたが、今作は当事者として行動しなければならない。 -帝国基地に忍び込んでゾイドを盗むステージや、ライガーゼロを入手した主人公を宿敵と見なして追い回すライバル登場など。 -ライガー系ゾイド乗り最高の称号であるレオマスターの名を冠するアイテムが登場する。 ***前作からの改善点 -前作では標準装備も含めて6つまでしか装備が出来ず、設定では強力なはずのゾイドが装甲板を装備した骨ゾイドよりも弱い、と言うことがよくあった。今作では固定装備とは別に管理されるようになり、種類を問わず4つまでパーツを装備ができるようになった。 --前作の改造に加えて装備品を取り替え、能力が変化する『換装』が一部のゾイドの機能として追加された。 ---ライガーゼロの売りであるCAシステム((チェンジング・アーマー・システムの略。))を再現した機能だが、旧世代ゾイドのグランチュラなどもこの機能により能力と外見が変化する。 ---換装は改造と異なり、また元に戻すことも出来るため、気軽に変更することが出来る。換装は輸送型ゾイドに搭載しているときにも可能なため状況によって使い分けが出来る。 -固定装備と分けられた結果、ゾイドの装備している武器が一つ一つ、可能な限り再現されるようになった。 -前作では存在もなかったEシールド、反荷電粒子シールドが再現された。 --シールドライガーはダメージ減少が出来るようになり、マッドサンダーは荷電粒子砲を完全に無効化できるようになった。((ただし、燃費が著しく悪くなるため、そればかりに頼った戦いは出来ない。)) --再現されているのは武器だけでなく、レーダーやレーザー照準機といったものも含まれ、それによってゾイドの個性が大きくなった。 ---再生能力に優れているという特徴のある『ハイドッカー』はHP再生をデフォルトで持つようになるなど装備以外でも特徴づけられている。 --また、前作にはなかったゾイド固有の装甲値が再現され、重装甲のゾイドはそれだけダメージを受けづらくなっている。 -戦闘AIが改善。 --行動順がまず一般のゾイド、最後に隊長機に変更された。 --このため、少なくともやみくもに突撃して、真っ先に小隊長機が撃破されるということは少なくなった。 --しかしながら砲撃主体のゾイドが接近戦を挑んできてあっさり返り討ちなんて事も。 -ゾイドの改造バリエーション・能力改善 --前作に登場した改造キットのバリエーションが増え、より多くの種類の派生機体を作成できるようになった。 ---セイバータイガー系、レッドホーン系、シールドライガー系、ジェノザウラー系などなど。 --一部の改造機体はバトルストーリーでつけられていたコードネーム((シャイアン、マーキュリーなど))がつけられ、また色も変化するようになった。 -スキルポイント・特殊能力の見直し --遠距離射撃、近距離射撃と別れていたのが射撃に統合され、よりわかりやすく、そして無駄なくポイントを割り振れるようになった。 --特殊能力の名称も変更され(「精神集中」→「猛進特攻」など)、%%中二病な%%特徴を捉えた個性的な名称になった。 ***その他システム -前作のセーブデータがあると、今作にそれをロードして前作で鍛えたゾイドを登場させることが出来る。本来ならイベントでしか手に入らないレアゾイドも容易に入手できる。 -セーブデータを利用して、チーム対戦が可能。 --友人・知人相手に自慢の部隊でゾイドバトルを行うことができ、結果問わず本編でも使えるゾイドや資金などを入手できる。 -設定を変えることで戦闘アニメを省略できるようになった。 ---- **問題点(前作との比較部分有り) ***戦力の偏り 登場するゾイドの基本性能は、今作でも共和国に有利となっている。 -前作同様、帝国側には飛行ゾイドが少ない。 --帝国は今作でも『レドラー』を主力に戦わないといけない。ただし、今作ではレドラーは改造可能であり、運動性は若干落ちるがレドラーキャノンに改造することが出来る。((とはいえ、拘りがなければ共和国ゾイドを使った方が良い。)) --もっとも、共和国に存在するはずの新型飛行ゾイドも登場しないため、共和国も前作と同じくサラマンダーやレイノス、プテラスを主力として使っていくことになるのだが。 ***未登場ゾイド 念願かなって登場したゾイドもいる一方、軍の編成バランスを調整するためか未登場に終わってしまったゾイドもいくつか存在する。 -共和国側はストームソーダ、ハンマーヘッド、ガンスナイパー・シャドーフォックスなど。 -帝国側はレブラプター、エレファンダー、ザバットなど。 --ストームソーダーは空軍バランスが更に共和国に傾くことを懸念しての未登場と思われるが、ハンマーヘッドが居ないのは帝国海軍が有利なままである((潜水(隠蔽)からの不意打ちでもない限りレドラーより弱いはずなので空軍への影響は少ない。))。 --同時参戦ならバランス的には影響が少ないはずのガンスナイパーとレブラプター((余談だがアニメ『機獣新世紀ゾイド』だと逆にレブラプターは登場したがイグアンが登場しなかった(帝国でもゴドスを使っていた)。))、アニメ『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』の前半でのライガーゼロのライバル機でもあったエレファンダーが登場しないのはやはり残念。 --帝国側の新型飛行ゾイド『ザバット』は基本的に無人操作で特攻も任務の内の爆撃機と言う設定のため、登場させづらかったと思われる。残念。 -また登場はするものの、ダークスパイナーが原作と同様の「背びれから発生させた強電波で敵ゾイドを操る」という能力が再現されていない。尤もスパイナーの能力は途中で変更された((TVCMでは背びれでEシールドを発生させる様に描かれていたが、後のバトルストーリーでは背びれで敵を操るに変更された。))うえ、アニメ『ゾイドフューザーズ』だと背びれには何の能力も無かったので原作が悪いのかもしれないが。当然ゲームバランス的な問題もあったろう((バトルストーリーでも共和国が電波対策を完成させるまで文字通り「無敵時代」を築いた。なにせスパイナーの数と同数の味方が(おそらく強い順に)敵に回るのだから。逆に言えば本作の共和国では既に電波対策が完成していると言い訳が出来るかもしれない。))。 ***戦闘アニメ、カットシーンが省略 OPやEDも含め、いずれも簡略化・省略化されている。 -前作は小型ゾイドにまで破壊されたときの動作があり、一部には撃破時の動作まであった。 --今作ではカメラ位置の変更もあってゾイドが小さく見え、さらにゾイドが撃破されると多くはそのまま場面が転換してしまい、非常に味気ない物となっている。 -マップ兵器使用時に流れるカットシーンは今作では完全カットされ、戦闘アニメの流用とエフェクトのみで表現されるようになった。 -好評だったOPは至極あっさりとした物になり、EDも共和国・帝国で共通の物が流れるようになった。 --一応、一部でムービーは流れるが前作と異なり、ポリゴンモデルを流用したものとなっている。 ***システムなどの問題 -マップが狭くなった。 --狭い一本道が続くマップもあり、このため、前作と同じ感じで遊んでいると狭くてゾイドが上手く展開できなくなっている。 --おそらく、その煽りを受けてマップ兵器の範囲が前作よりも狭くなっている。ガイロス帝国製の新型ゾイドはまだ何とか使えるが、前作でも使えた旧型ゾイドのマップ兵器は軒並み細い直線範囲になり、使い物にならなくなった。((デスザウラーを除く。)) -前作で強すぎた特殊能力がそのまま残っている。 --特に猛進特攻(前作では精神集中)は名前が変わっただけで、相変わらずの壊れた性能をしている。今作ではレオマスター専用技をはじめとした強力な格闘武器が増えたので、様々な機体でとんでもないダメージを叩き出すことが可能。 -マップ画面で敵ゾイドにカーソルを合わせて△ボタンを押すと、敵ゾイドの装備や特殊能力を覗き見ることができるのだが、この機能を使って、ステルスで不可視状態であるはずの敵ゾイドを発見できてしまう。 -&bold(){回避は可能だが、進行不能になる致命的なバグがある。} -途中から帝国・共和国でシナリオがほぼ共通となってしまう。 -次から次へと新型ゾイドが登場するのだが、それまで鍛えていた同型機よりレベルの高いゾイドを下賜され、それなら別のゾイドのレベルを上げれば良かった…となることもしばしば。 --下手にゾイドを戦いで鍛えるより、捕獲用ゾイドを使って捕まえた方がより強いゾイドを簡単に入手できてしまう。尤もこの点は前作も同じだが。 **賛否両論部 ***ゾイド支援システム -戦闘アニメ有効時のみだが、戦闘中に指定されたボタンを連打することで攻撃力が1~2割ほど増加する。 --親切な機能であることは間違いないが、戦闘アニメ省略時には使えない機能であるため、戦闘アニメを省略したくても出来ない…という人も。((さほど大きな差になるわけでもないため、気にしないのが一番なのだが、せっかくある機能を使わないのももったいないので…。)) -アニメ省略中は一部の特殊能力の成功率が0%になってしまう。 ***水中ゾイドを攻撃可能 -前作では武器に水中適応がないと水中にいるゾイドは攻撃できなかったが、今回はダメージ半分になるが攻撃できるようになった。 --そのため、水中ゾイドの有効性・アドバンテージが低下した。 --水中用ゾイドは攻撃しづらいため、前作の時から骨ゾイド並みにHPが低く設定されていた。本作でもそれは継承されており、多くは非常に脆くなってしまった。 --「水中に潜ったデススティンガー退治に使えるのでは?」と思われるかもしれないが、デスティンガーの高攻撃力にはシーパンツァーでも紙装甲であり、まともに戦えるのは帝国側では『デススティンガー』自身か隠しゾイドである『ジェノハイドラ』、共和国側では『ウルトラザウルス』くらいである。 -余談だが、前作で猛威をふるったステルスゾイドはレーダー持ちゾイドが増えた今作では脅威が薄れている。 ***状態異常の回復率 状態異常の種類は前作と同様だが、『ショート』『炎上』『サビ』からの回復が非常に早くなった。ほぼ1ターンであっさり回復してしまう。 -帝国ゾイドの有用性と特徴が低下。 --状態変化系武器とマップ兵器が陳腐化したこと、共和国側に近接戦闘が得意なライガー系が大量に登場したこともあって、ますます帝国と共和国での特徴の違いが少なくなった。 --また、前作にもまして戦闘が強力な攻撃をひたすら当てるだけのごり押しになってしまった。どうせすぐ回復するのだから、帝国大型ゾイドに接近戦を挑むリスクが小さくなり、ゾイドの配置や距離を余り考慮しなくとも良くなった。 ***パイロットの存在 -固定の名前が付いた登場人物、主人公の存在は感情移入を高める一方で、やはりそれが嫌われる場合もある。 --特に帝国編の主人公はかなり粗忽な行動を取るので…。 ***シナリオの問題 -元ネタのバトルストーリーやアニメが同様なのだから仕方ないことだが、物語の終盤になると『高HP』『高攻撃』『高防御』『高移動力』の3Kならぬ4Kのデススティンガーが大量に敵として登場するようになる。 --一体一体がボス級の強さというかボスそのものであり、大量の高性能武器、広範囲マップ兵器、潜水に砂漠ステルスを備え、さらにリーダー格は特殊能力『HP回復』まで持っているため、撃破は非常に困難。 --後半の勝利条件はほとんど各部隊長機であるデススティンガーを全て撃破するというものになるので、システム的にも逃げ道は無い。 --シナリオ中に登場するデススティンガーはほぼ全て部隊長機なので、捕獲することもできず、特殊能力『咆吼』に耐性持ち。 --こんな敵が佃煮に出来るくらい大量に出現するため、後半のステージは忍耐力が試されることになるだろう。 ---1周目でも残骸回収からのデススティンガー入手にありつける…ということも起こり得るが、つまりそのぐらい大量に出てくる、ということ。 ---簡単に言えば、育成次第では最初からやり直した方が速いくらいに絶望的な状況。 ---- **ゾイダー限定の問題 -%%俺のアイアンコングがこんなに弱いわけがない。%% --装甲値が設定されたことで、本来なら互角だったはずのゾイドに大きな戦力差が発生するようになってしまった。((むしろゴジュラスが強化されすぎてるかも。尤も前作のゴジュラスは苦手な砲撃戦どころか得意の格闘戦もコングより弱かったりもしたが(威力命中率共にコングが上。当然装甲は双方共0。命中率のみは原作設定とも言えるが)。)) -原作では3年以上かけて展開していたストーリーを25話前後に収めているためか、些か駆け足気味。 ---- **総評 -前作同様、ゾイドのゲームとしては奇跡と言っていいほどの出来映えを持っている。しかしながら前作があるからこそ、評価が辛くなる部分や改善して欲しい部分があるのも事実である。単純にシミュレーションゲームとして見ると、原作つきゲームの宿命としてどうしても一部機体(ライガー系とジェノザウラー系)のごり押しせざるを得ない部分があり、ライガー&ジェノザウラー派生機だらけとなりバランスが悪くなってしまった。特にライガー系はゲームバランスを崩壊させる、いわゆる&bold(){『必殺技』}を持つため、バトルストーリーを重視する層に嫌われる面がある。 -しかしながらセーブデータを使っての帝国・共和国と繰り返しプレイでき、さらにクリアデータを新規ゲームで読み込むことで、敵平均レベルが80越えのハードモードとも言うべき内容で遊べたりと、長く遊べる要素は評価ポイントである。 -細かいところの詰めの甘さや、キャラクターゲームという特性上、万人に勧められる内容ではないが限りなく良作に近い凡作ではないだろうか。 ----
*ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国 【ぞいどつー へりっくきょうわこく ぶいえす がいろすていこく】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005U0LW)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|トミー|~| |開発元|ウィル|~| |発売日|2002年2月21日|~| |価格|5,800円(税抜)|~| |>|>|CENTER:''[[ゾイドシリーズリンク>ゾイドシリーズ]]''| **概要 &bold(){共和国と帝国の覇権を巡る戦争が再び繰り返される・・・!} 太陽系から、はるか数万光年の彼方に存在する惑星Zi(ズィー)。~ そこに生息する巨大な金属生命体「ゾイド」は、「メカ生体・ゾイド」に改造され、戦争に投入されていた。~ ガイロス帝国とヘリック共和国の覇権を巡る果てしなき抗争は再び幕を開けたのである……。(説明書より引用) ゾイドのアニメが『/0』へと代替わりを果たした2002年((しかし、発売された時点では放送は既に終了していた。))、満を持して発売されたPS版ゾイドシミュレーションゲームの2作目である。基本は前作を踏襲しつつ、物語に重点が置かれている。~ 今回はアニメのストーリーとバトスルトーリーが適度にミックスされた内容であり、バトルストーリーから取られた部分もあればアニメから取られた内容もある。~ 一方、前作ほどミリタリーに重点は置かれてなく、子供向けアニメ作品らしくとっつきやすいつくりになっている。 ---- **評価点 //あって当たり前のことは書かない。 ***登場ゾイドの種類 今作では前作に登場しなかった新世代ゾイドが多数登場し、共和国・帝国あわせてその数100体以上。 その中にはアニメで活躍したブレードライガー、ライガーゼロ、ジェノザウラーだけでなく、オリジナルゾイドが2体が登場し、前作で未登場が嘆かれたグレートサーベルはグレートセイバーという名前で登場し、さらにはライジャーの勇姿も。 -ゾイドは前作と同じくすべて3DCGで再現されていて、戦闘では変わらず軽快な動きを見せてくれる。 -改造のバリエーションが前作よりも増え、新型機は勿論旧型機も多くのバリエーションを持つ。 -アニメ登場ゾイドはもちろん強力だが、だからといって旧型機相手に無双ができるほどではなく、集中攻撃されればあっさり墜ちる。シミュレーションゲームとしてのバランスは破綻していない。 ***ストーリー・設定 賛否両論部分もあるが、固有名詞を持った登場人物が姿を見せるようになり、より深く作品に没頭できるようなった。 帝国、共和国いずれもただの軍人だった主人公が戦いを通じて、その裏で暗躍する陰謀に気づき、国家の枠を超えて惑星のために真の敵と戦うという王道の物語が展開される。 -当然、ストーリーに絡んでイベントも多く、プレイヤーは多くの選択をしなければならない。選択によって補給されるゾイドの種類が変わったり、途中で入手できる(かもしれない)ゾイドやアイテムがある。前作のように只言われるがまま、戦場を渡り歩くのとは一味違う。 -アニメ、バトルストーリーとのクロスオーバー 名前が出ただけでは終わらず、バトルストーリーやアニメと同様のイベントが進行するステージが存在する。 -前作でも地球人が乗ってきたグローバリー3世が登場するなどしていたが、今作は当事者として行動しなければならない。 -帝国基地に忍び込んでゾイドを盗むステージや、ライガーゼロを入手した主人公を宿敵と見なして追い回すライバル登場など。 -ライガー系ゾイド乗り最高の称号であるレオマスターの名を冠するアイテムが登場。ライガー系ゾイドに装備させると非常に強力な必殺技が使用可能になる。 ***前作からの改善点 -搭載武装の再現度向上 --前作では標準装備も含めて6つまでしかパーツが装備出来ず、設定上強力なはずの重武装ゾイドが装甲板を装備した骨ゾイドよりも弱い…と言うことがよくあった。~ 今作では固定装備とは別に管理されるようになり、種類を問わず4つまでパーツを装備ができる仕様に変更された。~ これにより、前作では設定だけで存在していなかった補助的な役割の武装が一つ一つ可能な限り再現されるようになり、ゾイドの個性が大きくなった。 --シールドライガー、ジェノブレイカー等はEシールドをONN/OFF切り換え型の特殊能力と使用可能。戦闘中のダメージの減少だけでなく、フィールド上で発動させて範囲攻撃や奇襲攻撃のダメージを減少させることが出来る。~ ただし、ターン毎にエネルギーを消費するため燃費が悪く、こればかりに頼ることはできない。 --マッドサンダーの反荷電粒子シールドも再現され、荷電粒子砲を完全に無効化できるようになった。こちらは無効化する度にエネルギーを消費する。 --ゴルドスやディメトロドン等の電子戦ゾイドには索敵範囲の広いレーダーが標準搭載となり、射撃戦以外の強みをもつことができた。 --ブースターを搭載したゾイドには「加速」という特殊能力が与えられ、一時的にフィールドでの移動範囲を強化することができる。高い機動力を戦闘中だけでなく、フィールド上でも推進力として再現した。 --前作でマップ兵器でしか使えなかった武器が戦闘でも使用可能に。いずれも長射程で高火力。弾数は範囲攻撃用と戦闘用で別々に管理されている。 ---この中でもデスザウラーの大口径荷電粒子砲は、エネルギー消費量が凄まじいが長射程・高火力・高クリティカル率。設定通り小型・中型ゾイドなら一発で蒸発させられるほどの凶悪な武装となった。~ ジェノザウラー系やデススティンガー等も荷電粒子砲を同じように使用可能。新型ゾイド寄りではあるが、帝国ゾイドの射撃戦において大きなアドバンテージとなっている。 --再生能力に優れているという特徴のある『ハイドッカー』はHP再生をデフォルトで持つようになるなど装備以外でも特徴づけられている。 --また、前作にはなかったゾイド固有の機動力と装甲値が再現され、高機動ゾイドは回避率が高く、重装甲のゾイドはそれだけダメージを受けづらくなっている。 -戦闘AIが改善。 --行動順がまず一般のゾイド、最後に隊長機に変更された。 --このため、少なくともやみくもに突撃して、真っ先に小隊長機が撃破されるということは少なくなった。 --しかしながら砲撃主体のゾイドが接近戦を挑んできてあっさり返り討ちなんて事も。((射程の長い武器を弾切れやエネルギー切れで使えないようにさせるとよく発生する)) -ゾイドの改造バリエーション --前作に登場した改造キットのバリエーションが増え、より多くの種類の派生機体を作成できるようになった。 ---セイバータイガー系、レッドホーン系、シールドライガー系、ジェノザウラー系などなど。 --一部の改造機体はバトルストーリーでつけられていたコードネーム((シャイアン、マーキュリーなど))がつけられ、また色も変化するようになった。 --さらに改造に加えて装備品を取り替え、能力が変化する『換装』が一部のゾイドの機能として追加された。 ---ライガーゼロの売りであるCAS((チェンジング・アーマー・システムの略。))を再現した機能だが、旧世代ゾイドのグランチュラなどもこの機能により能力と外見が変化する。 ---換装は改造と異なり元に戻すことも出来るため、気軽に変更することが出来る。換装は輸送型ゾイドに搭載しているときにも可能なため、任務中でも状況によって使い分けが出来る。 -スキルポイント・特殊能力の見直し --遠距離射撃、近距離射撃と別れていたのが射撃に統合され、よりわかりやすく、そして無駄なくポイントを割り振れるようになった。 --特殊能力の名称も変更され(「精神集中」→「猛進特攻」など)、%%中二病な%%特徴を捉えた個性的な名称になった。 ***その他システム -前作のセーブデータがあると、今作にそれをロードして前作で鍛えたゾイドを登場させることが出来る。本来ならイベントでしか手に入らないレアゾイドも容易に入手できる。 -セーブデータを利用して、チーム対戦が可能。 --友人・知人相手に自慢の部隊でゾイドバトルを行うことができ、結果問わず本編でも使えるゾイドや資金などを入手できる。 ---審判として『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』からジャッジマンが登場。さらに低確率でダークジャッジマンが乱入し、プレイヤー同士で突然共闘することになるイベントがある。 -設定を変えることで戦闘アニメを省略できるようになった。 ---- **問題点(前作との比較部分有り) ***戦力の偏り 登場するゾイドの基本性能は、今作でも共和国に有利となっている。 -前作同様、帝国側には飛行ゾイドが少ない。 --帝国は今作でも『レドラー』を主力に戦わないといけない。ただし、今作ではレドラーは改造可能であり、運動性は若干落ちるがレドラーキャノンに改造することが出来る。((とはいえ、拘りがなければ共和国ゾイドを使った方が良い。)) --もっとも、共和国に存在するはずの新型飛行ゾイドも登場しないため、共和国も前作と同じくサラマンダーやレイノス、プテラスを主力として使っていくことになる。 -地味に響いてくる点としては、帝国ゾイドの武器は基本的に火力が高いかわりに命中率が低いものが多い。共和国ゾイドの小型・中型の機動力重視なメンツも相まって、序盤で結構苦戦するポイント。 -帝国側に与えられたアドバンテージとしては、上記の荷電粒子砲が挙げられるが、搭載ゾイドが与えられるのは後半から。 ***未登場ゾイド 念願かなって登場したゾイドもいる一方、軍の編成バランスを調整するためか未登場に終わってしまったゾイドもいくつか存在する。 -共和国側はストームソーダー、ハンマーヘッド、ガンスナイパー、シャドーフォックスなど。 -帝国側はレブラプター、エレファンダー、ザバットなど。 --ストームソーダーは空軍バランスが更に共和国に傾くことを懸念しての未登場と思われるが、ハンマーヘッドが居ないのは帝国海軍が有利なままである((潜水(隠蔽)からの不意打ちでもない限りレドラーより弱いはずなので空軍への影響は少ない。))。 --同時参戦ならバランス的には影響が少ないはずのガンスナイパーとレブラプター((余談だがアニメ『機獣新世紀ゾイド』だと逆にレブラプターは登場したがイグアンが登場しなかった(帝国でもゴドスを使っていた)。))、アニメ『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』の前半においてライガーゼロのライバル機でもあったエレファンダーが登場しないのはやはり残念。 --帝国側の新型飛行ゾイド『ザバット』は基本的に無人操作で特攻も任務の内の爆撃機と言う設定のため、登場させづらかったと思われる。残念。 -また登場はするものの、ダークスパイナーが原作と同様の「背びれから発生させた強電波で敵ゾイドを操る」という能力が再現されていない。尤もスパイナーの能力は途中で変更された((TVCMでは背びれでEシールドを発生させる様に描かれていたが、後のバトルストーリーでは背びれで敵を操るに変更された。))うえ、アニメ『ゾイドフューザーズ』だと背びれには何の能力も無かったので原作が悪いのかもしれないが。当然ゲームバランス的な問題もあったろう((バトルストーリーでも共和国が電波対策を完成させるまで文字通り「無敵時代」を築いた。なにせスパイナーの数と同数の味方が(おそらく強い順に)敵に回るのだから。逆に言えば本作の共和国では既に電波対策が完成していると言い訳が出来るかもしれない。))。 ***戦闘アニメ、カットシーンが省略 OPやEDも含め、いずれも簡略化・省略化されている。 -前作は小型ゾイドにまで破壊されたときの動作があり、一部には撃破時の動作まであった。 --今作ではカメラ位置の変更もあってゾイドが小さく見え、小型・中型はゾイドが撃破されると多くはフェードアウトしてしまい、非常に味気ない物となっている。((例外的にライジャーとライトニングサイクスは、中型でありながら勝利・撃破演出のある好待遇を受けている)) -マップ兵器使用時に流れるカットシーンは今作では完全カットされ、戦闘アニメの流用とエフェクトのみで表現されるようになった。((マップ兵器が戦闘でも使用できるようになった弊害か)) -好評だったOPは至極あっさりとした物になり、EDも共和国・帝国で共通の物が流れるようになった。 --一応、一部でムービーは流れるが前作と異なり、ポリゴンモデルを流用したものとなっている。 ***システムなどの問題 -マップが狭くなった。 --狭い一本道が続くマップもあり、このため、前作と同じ感じで遊んでいると狭くてゾイドが上手く展開できなくなっている。 --おそらく、その煽りを受けてマップ兵器の範囲が前作よりも狭くなっている。ガイロス帝国製の新型ゾイドはまだ何とか使えるが、前作でも使えた旧型ゾイドのマップ兵器は軒並み細い直線範囲になり、使い物にならなくなった。((ただしデスザウラーは逆に大幅強化された。)) -前作で強すぎた特殊能力がそのまま残っている。 --特に猛進特攻(前作では精神集中)は名前が変わっただけで、相変わらずの壊れた性能をしている。今作ではレオマスター専用技をはじめとした強力な格闘攻撃が増えたので、様々な機体でとんでもないダメージを叩き出すことが可能。 -マップ画面で敵ゾイドにカーソルを合わせて△ボタンを押すと、敵ゾイドのステータスを覗き見ることができるのだが、この機能を使って、ステルスで不可視状態であるはずの敵ゾイドを発見できてしまう。 -&bold(){回避は可能だが、進行不能になる致命的なバグがある。} -途中から帝国・共和国でシナリオがほぼ共通となってしまう。 -次から次へと新型ゾイドが登場するのだが、それまで鍛えていた同型機よりレベルの高いゾイドを下賜され、それなら別のゾイドのレベルを上げれば良かった…となることもしばしば。 --下手にゾイドを戦いで鍛えるより、捕獲用ゾイドを使って捕まえた方がより強いゾイドを簡単に入手できてしまう。尤もこの点は前作も同じだが。 **賛否両論部 ***ゾイド支援システム -戦闘アニメ有効時のみだが、戦闘中に指定されたボタンを連打することで攻撃力が1~2割ほど増加する。 --親切な機能であることは間違いないが、戦闘アニメ省略時には使えない機能であるため、戦闘アニメを省略したくても出来ない…という人も。((さほど大きな差になるわけでもないため、気にしないのが一番なのだが、せっかくある機能を使わないのももったいないので…。)) -アニメ省略中は一部の特殊能力の成功率が0%になってしまう。 ***水中ゾイドを攻撃可能 -前作では武器に水中適応がないと水中にいるゾイドは攻撃できなかったが、今回はダメージ半分になるが攻撃できるようになった。 --そのため、水中ゾイドの有効性・アドバンテージが低下した。 --水中用ゾイドは攻撃しづらいため、前作の時から骨ゾイド並みにHPが低く設定されていた。ところが本作にもそれが継承されてしまい、その気になれば地上からゴリ押しで撃破可能でもあるため、非常に脆くなってしまった。 -余談だが、前作で猛威をふるったステルスゾイドはレーダー持ちゾイドが増えた今作では脅威が薄れている。 ***状態異常の回復率 状態異常の種類は前作と同様だが、『ショート』『炎上』『サビ』からの回復が非常に早くなった。ほぼ1ターンであっさり回復してしまう。 -帝国ゾイドの有用性と特徴が低下。 --状態変化系武器とマップ兵器が陳腐化したこと、共和国側に近接戦闘が得意なライガー系が大量に登場したこともあって、ますます帝国と共和国での特徴の違いが少なくなった。 --また、前作にもまして戦闘が強力な攻撃をひたすら当てるだけのごり押しになってしまった。どうせすぐ回復するのだから、帝国大型ゾイドに接近戦を挑むリスクが小さくなり、ゾイドの配置や距離を余り考慮しなくとも良くなった。 ***パイロットの存在 -固定の名前が付いた登場人物、主人公の存在は感情移入を高める一方で、やはりそれが嫌われる場合もある。 --特に帝国編の主人公はかなり粗忽な行動を取るので…。 ***シナリオの問題 -元ネタのバトルストーリーやアニメが同様なのだから仕方ないことだが、物語の終盤になると『高HP』『高攻撃』『高防御』『高移動力』の3Kならぬ4Kのデススティンガーが大量に敵として登場するようになる。 --一体一体がボス級の強さというかボスそのものであり、大量の高性能武器、広範囲マップ兵器、潜水に砂漠ステルスを備え、さらにリーダー格は特殊能力『HP回復』まで持っているため、撃破は非常に困難。 --上記の「地上からでも水中のゾイドを攻撃可能」という特性を利用して戦っても、かわされるか雀の涙ほどのダメージしか与えられず、逆に荷電粒子砲で返り討ちに遭う。 ---では潜水ゾイドで対抗できるのはどのぐらいいるのかというと、帝国側では『デススティンガー』自身か『ジェノハイドラ』、共和国側にいたっては『ウルトラザウルス』ぐらいしかいない。ターン数を費やしてでも何とかして地上に引きずり出す方法も考えねばならない。 --後半の勝利条件はほとんど各部隊長機であるデススティンガーを全て撃破するというものになるので、システム的にも逃げ道は無い。 --シナリオ中に登場するデススティンガーはほぼ全て部隊長機なので、捕獲することもできず、特殊能力『咆吼』に耐性持ち。 --こんな敵が佃煮に出来るくらい大量に出現するため、後半のステージは忍耐力が試されることになるだろう。 ---あまりにも大量に出てくるため、1周目でも残骸回収からのデススティンガー入手にありつける…なんてことも。 ---簡単に言えば、育成次第では最初からやり直した方が速いくらいに絶望的な状況。((おまけにデススティンガーが出現するとどこでも絶望的なBGMに切り替わる)) ---- **ゾイダー限定の問題 -%%俺のアイアンコングがこんなに弱いわけがない。%% --装甲値が設定されたことで、本来なら互角だったはずのゾイドに大きな戦力差が発生するようになってしまった。((むしろゴジュラスが強化されすぎてるかも。尤も前作のゴジュラスは苦手な砲撃戦どころか得意の格闘戦もコングより弱かったりもしたが(威力命中率共にコングが上。当然装甲は双方共0。命中率のみは原作設定とも言えるが)。)) --MkⅡもしくはPKまで強化すれば頼もしい。冷凍砲を搭載したままPKに改造できるバグも実はそのまま残っている。 -原作では3年以上かけて展開していたストーリーを25話前後に収めているためか、些か駆け足気味。 ---- **総評 -前作同様、ゾイドのゲームとしては奇跡と言っていいほどの出来映えを持っている。しかしながら前作があるからこそ、評価が辛くなる部分や改善して欲しい部分があるのも事実である。単純にシミュレーションゲームとして見ると、原作つきゲームの宿命としてどうしても一部機体(ライガー系とジェノザウラー系)のごり押しせざるを得ない部分があり、ライガー&ジェノザウラー派生機だらけとなりバランスが悪くなってしまった。特にライガー系はゲームバランスを崩壊させる、いわゆる&bold(){『必殺技』}を持つため、バトルストーリーを重視する層に嫌われる面がある。 -しかしながらセーブデータを使っての帝国・共和国と繰り返しプレイでき、さらにクリアデータを新規ゲームで読み込むことで、敵平均レベルが80越えのハードモードとも言うべき内容で遊べたりと、長く遊べる要素は評価ポイントである。 -細かいところの詰めの甘さや、キャラクターゲームという特性上、万人に勧められる内容ではないが限りなく良作に近い凡作ではないだろうか。 ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: