「ノスタルジア1907」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ノスタルジア1907 - (2010/11/07 (日) 20:51:00) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

**ノスタルジア1907 【のすたるじあ ないんてぃーんぜろせぶん】 |ジャンル|アドベンチャー|~| |対応機種|PC-98、X68000、メガCD|~| |開発元|タケル(シュールド・ウェーブ)|~| |発売元|タケル|~| |発売日|【MCD】1991年12月14日|~| |定価|【MCD】7,200円|~| **あらすじ 1907年、北大西洋上を行く豪華客船「ノスタルジア」号において、爆弾によるハイジャックが発生。それと同時に犯人による「『ロシアの霧』を探しだせ」との声明文が発見される。~ 爆弾が日本製であった事から、容疑者とされた乗客唯一の日本人ヤマダカスケは、自らの無実を証明するため、犯人を、そして『ロシアの霧』を見つけるべく奔走する。 **特徴 -グラフィックは全編セピアの色調で統一されているのが特徴。 -シナリオは「探偵もの」だが、ストーリーの背景にはタイトルどおりの1907年、20世紀初期、日露戦争に日本が勝利した頃の当時の混迷した世界情勢を取り入れており、豪華客船という狭い場所で世界の覇権をめぐる権謀術数が繰り広げられていき、主人公カスケは一歩引いた視点からそれを解き明かしていく。 --登場人物は架空だが、音楽家のストラヴィンスキーや、ファッションデザイナーのココ・シャネル、心理学者のカール・グスタフ・ユングを模した人物が出てくる。このうちユングを模した「カール老」は、ストーリーの核心に関わる人物として登場する。 --また、テキストはシナリオライターの独特なセンスの塊。その感性に合った人にとっては名台詞の宝庫である。 -BGMは優しさと哀しさを併せ持ったまさに「ノスタルジア」の名に相応しい曲が揃っている。 -客船内のどこに行くかという選択肢はなく、ボタンを押すことで自動で物語が先に進んでいく。ACTION1~4の全4章構成。 -人物に取り調べを行う際には、言葉ではなく話すときの態度を、並んだ四角のうちから直感的に選んで進めていくという独特のシステム。ゲームが後半になるにつれ、取れる態度の数も増えていく。 --机を挟んで主人公と取調べ相手の二者が描かれたグラフィックが表示されるが、取った態度によってキャラの絵も変化する。またキャラが話している間はそのキャラのBGMが流れ、態度によって曲調も変化する。 --このシステムのチュートリアルがゲーム開始直後にインディアンポーカーという形で行われる。 -本作の大きな見所が「爆弾解体」。ニッパー、コード、ドライバーを使って、トラップの数多く仕掛けられた時限爆弾を無力化していくシーンが挿入される。 --無音で、カチカチと時計を刻む音とネジを回す音のみが響き、一つ手順を誤れば即爆発する恐怖の中での解体はなかなかに緊張感があり手に汗握る。一方、解体を行う人物は軽くジョークを飛ばしてくれるため、緊張一辺倒にならないほどよいバランスが保たれている。 **問題点 #region(ネタバレ注意) -取調べで先に進める正解の態度は一つ。間違えた態度を選んだことによるゲームオーバーになることが無いため、特に謎解きもなく、総当たりで先に進むことが出来る。 -完全に一本道であるが、緊張感を保つためかバッドエンディングが2種類ある。どちらも後味の悪い展開なので注意。 --さらに、PC版ではエンディングを迎えるとセーブデータがリセットされてしまう。短期間でのリプレイには向かない内容なので -操作キャラの口に出さない主観、内面を覗けるウィンドウがあるが、操作するのは主人公のカスケがほとんどであり、演出的にはあまり機能していない。 --ある1シーンで、作中最も謎めいた人物の意味深な言葉が見られる程度。ただし、口に出さない悪態は、言葉選びのセンスもあり見ていて痛快。 #endregion -メガCD版はキャラの台詞が声付きだが、その演技は結構お粗末。また、カスケの口調は明らかにルパン三世を模している。 --その煽りを受けてBGMは非常に音質が悪く、音も小さめ。その代わり、メガCD版はライナーノーツ付きのアレンジサウンドトラックが付属していた。 **総評 全体のボリュームも2~3時間で済むほどのもので、ゲームとして遊べる部分も少ない。しかし、一つの作品として見ると、シナリオ、グラフィック、デザイン、音楽、演出、どれをとっても極めて良質。「最高のAVG」と評する熱心なプレイヤーも僅かながら存在する。~ ゲームではなく映画を見るようにしてその独特の雰囲気に浸って楽しむ作品としてなら、そのクオリティは保障されるが、その割には少々値段が割高であるとも言える。
**ノスタルジア1907 【のすたるじあ ないんてぃーんぜろせぶん】 |ジャンル|アドベンチャー|~| |対応機種|PC-98、X68000、メガCD|~| |開発元|タケル(シュールド・ウェーブ)|~| |発売元|タケル|~| |発売日|【MCD】1991年12月14日|~| |定価|【MCD】7,200円|~| **あらすじ 1907年、北大西洋上を行く豪華客船「ノスタルジア」号において、爆弾によるハイジャックが発生。それと同時に犯人による「『ロシアの霧』を探しだせ」との声明文が発見される。~ 爆弾が日本製であった事から、容疑者とされた乗客唯一の日本人ヤマダカスケは、自らの無実を証明するため、犯人を、そして『ロシアの霧』を見つけるべく奔走する。 **特徴 -グラフィックは全編セピアの色調で統一されているのが特徴。 -シナリオは「探偵もの」だが、ストーリーの背景にはタイトルどおりの1907年、20世紀初期、日露戦争に日本が勝利した頃の当時の混迷した世界情勢を取り入れており、豪華客船という狭い場所で世界の覇権をめぐる権謀術数が繰り広げられていき、主人公カスケは一歩引いた視点からそれを解き明かしていく。 --登場人物は架空だが、音楽家のストラヴィンスキーや、ファッションデザイナーのココ・シャネル、心理学者のカール・グスタフ・ユングを模した人物が出てくる。このうちユングを模した「カール老」は、ストーリーの核心に関わる人物として登場する。 --また、テキストはシナリオライターの独特なセンスの塊。その感性に合った人にとっては名台詞の宝庫である。 -BGMは優しさと哀しさを併せ持ったまさに「ノスタルジア」の名に相応しい曲が揃っている。 -客船内のどこに行くかという選択肢はなく、ボタンを押すことで自動で物語が先に進んでいく。ACTION1~4の全4章構成。 -人物に取り調べを行う際には、言葉ではなく話すときの態度を、並んだ四角のうちから直感的に選んで進めていくという独特のシステム。ゲームが後半になるにつれ、取れる態度の数も増えていく。 --机を挟んで主人公と取調べ相手の二者が描かれたグラフィックが表示されるが、取った態度によってキャラの絵も変化する。またキャラが話している間はそのキャラのBGMが流れ、態度によって曲調も変化する。 --このシステムのチュートリアルがゲーム開始直後にインディアンポーカーという形で行われる。 -本作の大きな見所が「爆弾解体」。ニッパー、コード、ドライバーを使って、トラップの数多く仕掛けられた時限爆弾を無力化していくシーンが挿入される。 --無音で、カチカチと時計を刻む音とネジを回す音のみが響き、一つ手順を誤れば即爆発する恐怖の中での解体はなかなかに緊張感があり手に汗握る。一方、解体を行う人物は軽くジョークを飛ばしてくれるため、緊張一辺倒にならないほどよいバランスが保たれている。 **問題点 #region(ネタバレ注意) -取調べで先に進める正解の態度は一つ。間違えた態度を選んだことによるゲームオーバーになることが無いため、特に謎解きもなく、総当たりで先に進むことが出来る。 -完全に一本道であるが、緊張感を保つためかバッドエンディングが2種類ある。どちらも後味の悪い展開なので注意。 --さらに、PC版ではエンディングを迎えるとセーブデータがリセットされてしまう。短期間でのリプレイには向かない内容なのが痛い。 --メガCD版ではセーブ機能が無く、好きな場面からゲームをスタートさせることができる。 -操作キャラの口に出さない主観、内面を覗けるウィンドウがあるが、操作するのは主人公のカスケがほとんどであり、演出的にはあまり機能していない。 --ある1シーンで、作中最も謎めいた人物の意味深な言葉が見られる程度。ただし、口に出さない悪態は、言葉選びのセンスもあり見ていて痛快。 #endregion -メガCD版はキャラの台詞が声付きだが、その演技は結構お粗末。また、カスケの口調は明らかにルパン三世を模している。 --その煽りを受けてBGMは非常に音質が悪く、音も小さめ。その代わり、メガCD版はライナーノーツ付きのアレンジサウンドトラックが付属していた。 **総評 全体のボリュームも2~3時間で済むほどのもので、ゲームとして遊べる部分も少ない。しかし、一つの作品として見ると、シナリオ、グラフィック、デザイン、音楽、演出、どれをとっても極めて良質。「最高のAVG」と評する熱心なプレイヤーも僅かながら存在する。~ ゲームではなく映画を見るようにしてその独特の雰囲気に浸って楽しむ作品としてなら、そのクオリティは保障されるが、その割には少々値段が割高であるとも言える。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: